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審査官公認の愛?【日本人の配偶者等】を取得するまでのすべて。

  • 5 日前
  • 読了時間: 26分

<日本において有する身分又は地位>


日本人の配偶者もしくは特別養子又は日本人の子として出生した者


入管法別表別表第二の上欄の在留資格(居住資格)


<該当例>


日本人の配偶者・子・特別養子


<在留期間>5年、3年、1年又は6月



国際結婚と「配偶者や子のための在留資格」のリアル



外国人が日本で生活していくためには、「在留資格」が不可欠です。中でも、日本人と国際結婚をした外国人の方や、日本人の子どもとして生まれた外国人の方に与えられる在留資格「日本人の配偶者等」は、日本における生活の基盤となる非常に重要な資格です。


これは、実際の入管審査の実例に基づき、在留資格「日本人の配偶者等」の基本概念から、申請手続きに必要な書類、審査において入国管理局(入管)がチェックするポイント、さらには不許可となってしまう生々しい事例までを徹底的に解説します。国際結婚を控えている方、現在【日本人の配偶者等】などの更新や変更を考えている方にとって、絶対に失敗しないための羅針盤となる内容です。


1.身分系在留資格「日本人の配偶者等」の圧倒的なメリット



1-1. 「何をするか」ではなく「どのような身分か」



日本の在留資格は、大きく「活動系」と「身分系」に分かれます。「活動系」の在留資格は、「勉強をするため【留学】」「通訳の仕事をするため【技術・人文知識・国際業務】」「会社経営をするため【経営・管理】」など、「日本で何をするために滞在するのか」という活動内容に着目して付与されます。


これに対し、【日本人の配偶者等】をはじめとする「身分系」の在留資格(他に【永住者】・【永住者の配偶者等】・【定住者】があります)は、「日本人の配偶者という身分で滞在する」というように、「どのような身分で日本にいるのか」という観点で付与されるのが最大の特徴です。



1.2 なぜ「日本人の配偶者等」はメリットの多い在留資格と呼ばれるのか?



身分系在留資格、特に【日本人の配偶者等】は、外国人にとって計り知れないメリットがあり、その理由は主に以下の3点に集約されます。



① 就労制限が一切ない(法律で認められているどんな仕事でもだいたいできる)



「活動系」の在留資格の場合、従事できる業務内容は厳しく限定されています。また、【家族滞在】や【留学】の外国人が「資格外活動許可」を取得してアルバイトをする場合でも、「週に28時間以内(留学の場合、長期休暇中は1日8時間以内)」という厳しい時間制限が設けられています。さらに、風俗営業等の店舗(ホストクラブ、キャバクラ、パチンコ店など)での就労は固く禁じられています。


しかし、「日本人の配偶者等」にはこれらの制限が一切ありません。法律が認めるならどんな仕事でも、何時間でも働くことが可能であり、まさに「稼ぎ放題」の状態となります。



② 最強の在留資格【永住者】へのハードルが劇的に低い



将来的に日本にずっと住み続けたいと願う外国人にとって、最終目標となるのが【永住者】の在留資格です。一般の就労系在留資格(【技術・人文知識・国際業務】など)から永住許可を得るには、原則として「10年以上」の在留が必要となります。


ところが、「日本人の配偶者等」を取得していれば、この要件が大幅に緩和され、「原則3年以上」の在留で永住申請への道が開かれます。(※高度専門職1号の場合は原則3年または1年以上、定住者の場合は原則5年以上となります)。



③ 法的保護が強く、日本に残りやすい



【日本人の配偶者等】は、他の身分系在留資格【定住者】や【永住者の配偶者等】と比較しても、法的に強力に保護されやすいという特徴があります。 仮に外国人が何らかの犯罪を犯してしまった場合でも、配偶者である「日本人」の生活や権利を保護するという観点から、特別に日本への在留が認められる(強制送還を免れる)ケースすら存在します。この保護の強さは、日本人の配偶者等 > 永住者の配偶者等 > 定住者 > 活動系資格 の順となっています。



1.3 実務家が直面する「偽装結婚」の闇と防衛策



このようにメリットの多い在留資格であるため、裏を返せば、「金銭を払うなどして不正に婚姻を成立させ、在留資格【日本人の配偶者等】を騙し取ろうとする者」が存在することも事実です。いわゆる偽装結婚の事案です。


行政書士などの実務家は、明らかに偽装結婚だと疑われるあやしい案件については、依頼を断る勇気を持つことが求められます。しかし現実には、偽装であることを「確信」できても、決定的な証拠をもって「確認」することは困難です。そのため、真正面から「偽装婚なのでお受けできません」とは言いにくい場面も多々あります。 そのような場合は、実務家としてのプライドを捨て、「私の力では許可が取れません」と伝えて依頼を断るのが、身を守るための実践的なテクニックとなります。 また、万が一受任してしまった後であっても、入管からの許可を得やすくする目的で、顧客に虚偽の記載をするよう勧める(教唆する)ような言動は絶対に避けなければなりません。



2.【日本人の配偶者等】の該当要件(誰が取得できるのか?)



【日本人の配偶者等】の対象となる人物の厳密な定義について、審査要領によれば、この在留資格は「日本人の配偶者」「日本人の特別養子」「日本人の子として出生した者(実子)」を受け入れるために設けられています。



2.1 「日本人の配偶者」の厳密な定義



「日本人の配偶者」に該当するためには、高いハードルが存在します。


法的に有効な婚姻関係が継続していること


審査要領では、「現に婚姻関係中の者をいい、相手方の配偶者が死亡した者又は離婚した者は含まれない。また、婚姻は法的に有効な婚姻であることを要し、内縁の配偶者は含まれない」と明確に規定されています。


つまり、以下のようなケースはすべて「日本人の配偶者等」の対象外となります。


  • 内縁関係


    どんなに長期間一緒に暮らし、周囲から夫婦として認められ、二人の間に子どもがいたとしても、法的な婚姻届を出していない「内縁関係(事実婚)」のままでは資格は付与されません。


  • 離婚・死別


    過去にどれだけ長く法的に有効な婚姻関係にあったとしても、離婚したり、日本人配偶者と死別してしまった時点で、「日本人の配偶者等」の資格を更新することはできなくなります。(※この場合は一般的に「定住者」への変更を模索することになります)。


  • 日本法で認められない婚姻


    外国の法律で合法的に婚姻が成立していたとしても、日本の法律に照らし合わせて有効と認められない婚姻(例えば、同性婚など)の場合は、在留資格は付与されません。



1. 婚姻関係の実体(実質的要件)



いわゆる「偽装結婚」を防ぐため、出入国在留管理庁は法律上の結婚だけでなく、夫婦としての「実体」が伴っているかを非常に厳しく審査します。


  • 同居の義務


    夫婦は原則として、同じ住所で共に生活している必要があります。住民票上の住所が同じであるだけでなく、実際にそこで一緒に寝起きしている事実が求められます。


  • 協力と扶助の義務


    夫婦が精神的・経済的に助け合って生活していることが必要です。


  • 別居に関する例外


    単身赴任(仕事の都合)、親族の介護、夫婦関係の修復に向けた一時的な冷却期間、配偶者からのDV(ドメスティック・バイオレンス)からの避難など、合理的な理由がある場合は、別居していても実体が認められることがあります。ただし、別居の正当な理由を証明する詳細な説明書類が求められます。



2. 日本での生活基盤(生計要件)



日本で安定して生活を継続できるだけの経済的基盤があるかどうかも、許可を左右する重要な要件です。


  • 世帯としての収入や資産


    外国人本人が無職であっても、日本人の配偶者に十分な収入があれば問題ありません。逆に、日本人配偶者が専業主婦(主夫)等であっても、外国人本人の就労収入や十分な預貯金があれば要件を満たします。要するに「世帯全体」として、生活保護などに頼らず自立した生活ができるかが審査されます。


  • 税金や年金の支払い(素行要件)


    生活基盤と関連して、世帯として住民税などの税金、国民健康保険料、国民年金などを適正に支払っていることが強く求められます。未納がある場合は、更新や変更の際に大きなマイナス評価となります。



4. その他、実務上で特に注意すべきポイント



審査において、婚姻の真実性を疑われやすい(より慎重に審査される)ケースがあり、これらに該当する場合は通常よりも詳細な証拠資料(交際経緯の説明書、SNSのやり取り、写真など)の提出が必要です。


  • 年齢差が大きい場合


  • 交際期間が極端に短い場合


  • 結婚紹介所などを通じて知り合った場合


  • 過去に外国人配偶者との離婚歴がある場合(日本人側・外国人側問わず)


「日本人の配偶者」の要件は、「日本の法律上正式に結婚しており(形式)、夫婦として同居・協力して生活する実体があり(実質)、日本で世帯として安定して暮らしていける経済的基盤があること(生計)」のすべてを満たしている状態を指します。どれか一つでも欠けていると、在留資格の取得や更新は極めて困難になります。



2.2 「日本人の実子」と「特別養子」の定義



配偶者以外にも、「等」の部分に含まれる対象者がいます。



1. 「日本人の実子」法律上の定義と基本的な要件



該当するためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。


  • 出生時に親が日本人であったこと


    本人が「出生した時点」で、父親または母親のいずれか一方が日本国籍を有していたことが必要です。


  • 出生前に父親が死亡している場合の例外


    本人が出生する前に父親が死亡している場合、その父親が「死亡した時点」で日本国籍を有していたのであれば、要件を満たします。



2. 「実子」の範囲について



ここでいう「子」は、生物学的な血縁関係がある「実子」に限られます。


  • 該当する子(実子)


    • 嫡出子(婚姻関係にある男女の間に生まれた子)


    • 認知された非嫡出子(婚姻関係にない男女の間に生まれ、日本人である父から認知された子、または日本人である母から生まれた子)


  • 該当しない子(養子など)


    • 普通養子は、この「日本人の実子」には含まれません(別の在留資格である「定住者」等に該当する可能性があります)。


    • 特別養子は、血縁関係はなくても「日本人の配偶者等」の対象となりますが、「日本人の子として出生した者」としてではなく、「日本人の特別養子」という別の枠組みで該当することになります。



3. 具体的な注意点とよくある誤解



「出生した時点の親の国籍」が基準となるため、以下のようなケースでも要件を満たします(または満たしません)。


  • 親の現在の国籍について


    本人の出生後に、親(父または母)が外国籍を取得するなどして日本国籍を離脱した場合でも、「出生した時点」で日本人であれば要件を満たします。 逆に、本人が出生した後に、外国人の親が帰化して日本国籍を取得した場合は、「出生した時点で日本人」ではないため、この要件を満たしません。


  • 親の生死について


    申請時において、日本人である親が既に死亡している場合でも要件を満たします。


  • 出生地について


    本人が日本国内で生まれたか、日本国外(外国)で生まれたかは問いません。


  • 本人の年齢・未婚/既婚について


    本人の年齢に制限はありません。成人している場合や、すでに結婚している場合であっても、「日本人の子として出生した者」としての身分そのものは失われないため、在留資格の該当性があります。



4. 審査における実務上のポイント(在留特別許可・認定等の際)



「日本人の実子である」という身分(在留資格該当性)を満たしていても、実際にビザが許可される(上陸許可基準適合性や相当性の審査)ためには、以下の点も考慮されます。


  • 日本での生活基盤(生計要件)


    日本で生活していくにあたり、公衆の負担にならず(生活保護等に頼らず)、自己または配偶者、あるいはその他の親族の資産や技能によって安定した生活が見込めるかが審査されます。成人している場合は本人自身の就労能力や資産、未成年の場合は扶養者の収入などが重要視されます。


  • 素行の善良性


    過去の犯罪歴や入管法違反(オーバーステイなど)がないかどうかも、許可の重要な判断材料となります。


「日本人の実子」として「日本人の配偶者等」の在留資格を得るための最も重要な基準は、「本人が生まれた瞬間に、父または母が日本人であったこと(血縁関係があること)」という一点に集約されます。出生後の親の国籍変更や、本人の年齢、出生場所は身分上の該当性には影響しません。


  • 〇 対象となる


    出生の時点で父か母が日本国籍であれば、出生後に親が他国の国籍を取得(日本国籍を離脱)した場合でも対象に含まれます。また、出生時点で日本国籍の父がすでに死亡していた場合も対象となります。


  • × 対象とならない


    出生の時点では父母ともに外国籍であり、出生した「後」に親が日本へ帰化して日本国籍を取得した場合は、「日本人の子として出生した者」には該当しません(※この場合は「定住者」に該当する可能性があります)。



日本人の特別養子



日本の法律に基づく「特別養子縁組」(原則として15歳未満の児童を対象とし、実親との親族関係を終了させる縁組)による養子のみが対象となります。「普通養子縁組」は対象外です。


※「特別養子縁組」とは


「特別養子縁組」ための厳格な要件


実の親子と変わらない関係を築くため、特別養子縁組の成立には家庭裁判所による以下の厳格な要件が定められています。


  1. 養親(育ての親)の要件


    原則として、配偶者のいる「夫婦共同」で縁組をする必要があります。年齢については、夫婦の一方が25歳以上であり、もう一方が20歳以上でなければなりません。


  2. 養子(子ども)の年齢要件


     原則として「15歳未満」の子どもが対象となりますが、後述する法改正による例外があります。


  3. 実親の同意


    原則として、実の父母の同意が必要です。ただし例外として、実親が意思表示できない場合や、虐待・悪意の遺棄があるなど、子どもの利益を著しく害する事由がある場合は、同意は不要となります。


  4. 試験養育期間(監護期間)


     縁組を成立させる前に、養親候補者が子どもを「6か月以上」同居して養育する監護期間(試験養育期間)が必須とされています。家庭裁判所はこの期間の状況を考慮して縁組を判断します。


令和2年(2020年)法改正のポイントとメリット


以前は要件が厳しすぎたため、制度が利用できなかったり、養親の負担が大きかったりするという課題がありました。そこで令和2年4月1日に法改正が施行され、以下の点が大きく緩和・合理化されました。


  • 養子の上限年齢の大幅な引き上げ


    法改正前は原則「6歳未満」でしたが、改正により原則「15歳未満」へと引き上げられました。さらに、15歳到達前から養親候補者が引き続き養育していた場合や、やむを得ない事由があった場合には、例外として18歳に達するまで申し立てが可能となりました。これに伴い、15歳に達している養子については本人の同意が必須とされ、15歳未満でも子どもの意思が十分に考慮されるよう変更されています。


  • 縁組手続きの合理化(養親の負担軽減)


     かつては養親候補者が、実親と対立するリスクを抱えながら実親の養育困難を裁判所に主張・立証しなければなりませんでした。また、審判確定まで実親がいつでも同意を撤回できたため、養親候補者は常に不安を抱きながら試験養育を行っていました。 改正後は、児童相談所長が審判の申立人や参加人として主張・立証できるようになりました。また、実親の同意撤回についても、第1段階の審判期日で行った同意は「2週間経過後は撤回できなくなる」というルールが設けられ、養親が安心して試験養育に臨める環境が整いました。


手続きの具体的な流れ(児童相談所〜家庭裁判所)


特別養子縁組を結ぶには、児童相談所を経由し、養親となる夫婦の住所地を管轄する家庭裁判所で手続きを行います。


  1. 児童相談所での手続き(養子縁組里親への登録と委託)


     まず最寄りの児童相談所に相談し、研修・調査を経て「養子縁組里親」に登録されます。その後、児童相談所からの紹介で子どもと3〜4か月程度の交流期間を経て、委託の可否が決定されます。


  2. 家庭裁判所への申し立て


     児童相談所長または養親候補者が家庭裁判所に申し立てを行います。改正により、以下の2つの審判(第1段階と第2段階)を同時に申し立てることも可能となり、手続きの迅速化が図られています。家庭裁判所の調査官による聴き取りや家庭訪問などの調査も行われます。


  3. 第1段階


    特別養子適格の確認の審判 実親による養育状況や、実親の同意の有無などが判断されます。実親が関与するのはこの第1段階の審判までとなります。


  4. 第2段階


    特別養子縁組の成立の審判 第1段階で適格と判断された後、約6か月の試験養育期間を考慮して、養親と子どものマッチングが判断されます。試験養育がスムーズに進めば、無事に特別養子縁組の審判が確定します。



2-3審査の絶対条件:「戸籍謄本」と「婚姻の実態」



「日本人の配偶者」として申請する場合の最低条件は、日本人配偶者の戸籍謄本(申請時の必須書類)に、外国人と婚姻した事実が記載されていることです。


実務上のポイントとして、入管のWEBサイトには「両国の結婚証明書」が必要と記載されていることがありますが、外国人がすでに日本に在留しており「在留資格変更」を行う場合などは、日本の戸籍謄本のみの提出で審査され、許可されるケースも少なくありません。なぜなら戸籍謄本には「【婚姻日】令和〇年〇月〇日」「【配偶者の国籍】タイ国」「【配偶者の氏名】〇〇〇」といった情報が明記されるためです。 


ただし、日本の戸籍謄本のみで申請が受理された場合であっても、審査の過程で入管から「相手国(本国)の結婚証明書」を追加資料として提出するよう求められるリスクは常に存在します。実際に、「本国側の婚姻証明書(日本語訳を添付)*発行から6か月以内の原本または認証を受けたもの」といった追加提出通知書が送られてくるケースがあります。



法的婚姻は単なるスタートライン



戸籍謄本に名前が載り、法的に有効な婚姻が成立していることは、あくまで「最低条件」に過ぎません。 入国管理局の審査要領では、在留資格に該当するためには「互いに協力し、扶助しあって社会通念上の夫婦の共同生活を営むという婚姻の実態を伴うこと」が強く求められています。


具体的には、合理的な理由がない限り「夫婦が同居していること」が基本中の基本となります(更新や変更申請時)。もちろん、入管の職員がすべての申請者の住居を日々見回りに来るわけではありませんが、稀に抜き打ちの家庭訪問が行われることもあります。 入管が夫婦の「同居の実態」に疑いの目を向けるのは、以下のようなきっかけです。


  • 外国人が在留カードを紛失した場所が、申告している住所地から遠く離れた場所だった場合。


  • 警察による別の事件でのガサ入れ(家宅捜索)や、近隣からの通報などにより、別居が発覚した場合。



3.【日本人の配偶者等】の申請に必要な書類と作成の極意



【日本人の配偶者等】の申請には、申請のパターン(更新・変更・新規呼び寄せ)や、結婚の経歴(初婚か再婚か)によって用意すべき書類が異なります。ここでは、実際の行政書士事務所が使用している書類リストに基づき、パターン別の必要書類を詳細に解説します。



3.1 「在留期間更新(単純・初婚)」の場合の必要書類



すでにある在留資格【日本人の配偶者等】の期限を延長する、比較的シンプルな申請です。


【申請人(外国人)・配偶者(日本人)共通】


  • 住民票(世帯全員記載のもの)※3か月以内に発行


【申請人(外国人)が用意するもの】


  1. パスポートのコピー


  2. 在留カードのコピー(※審査終了時に新しいカードと引き換えに原本を預けます)


  3. 住民税の課税証明書(または非課税証明書)※3か月以内発行


  4. 住民税の納税証明書(課税されている場合)※3か月以内発行


  5. 顔写真(縦4cm×横3cm)1枚 ※最近6か月以内に撮影したもの


【配偶者(日本人)が用意するもの】


  1. 戸籍謄本(外国人配偶者との婚姻の記載があるもの)※3か月以内発行


  2. 住民税の課税証明書(または非課税証明書)※3か月以内発行


  3. 住民税の納税証明書(課税されている場合)※3か月以内発行


  4. 身元保証書 ※入管指定の書式を使用し、日本人が自筆で署名したもの



3.2 「在留期間更新(再婚)」の場合の必要書類



外国人の方が日本滞在中に離婚し、別の日本人と再婚して【日本人の配偶者等】を更新する場合は、審査のハードルが上がり、提出書類も大幅に増えます。


【申請人・配偶者共通】


  • 住民票(世帯全員記載のもの)※3か月以内発行


【申請人(外国人)が用意するもの】


  1. 本国の婚姻証明書(ある場合)


  2. 住民税の課税証明書(または非課税証明書)※3か月以内発行


  3. 住民税の納税証明書(課税されている場合)※3か月以内発行


  4. パスポートのコピー


  5. 在留カードのコピー


  6. 顔写真(縦4cm×横3cm)1枚 ※最近6か月以内


  7. その他、前婚の離婚経緯等を説明する書類(※なぜ前の日本人と離婚し、今回の再婚に至ったのかを合理的に説明する文書が必須となります)


【配偶者(日本人)が用意するもの】


  1. 戸籍謄本(婚姻の記載があるもの)※3か月以内発行


  2. 住民税の課税証明書(または非課税証明書)※3か月以内発行


  3. 住民税の納税証明書(課税されている場合)※3か月以内発行


  4. 身元保証書 ※入管指定書式、署名必須


  5. 質問書 ※入管指定書式、署名必須。出会いから結婚までの経緯を詳細に記入します。


  6. 交際・婚姻生活を立証する書類(夫婦で撮ったスナップ写真、LINEなどのSNSのメッセージ履歴、同居が客観的に確認できる資料など)


  7. 職業を証明するもの


    • 会社員の場合:勤務先が発行する「在職証明書」


    • 自営業の場合:税務署の受付印がある「確定申告書の写し」


    • 会社役員の場合:「会社の登記簿謄本」



3.3 「在留資格認定証明書交付申請(海外からの新規呼び寄せ)」の必要書類



外国にいる配偶者の方を日本に呼び寄せる場合の手続きです。


【申請人(外国人)が用意するもの】


  1. 本国の婚姻証明書 ※必ず日本語の翻訳文を添付する必要があります。


  2. パスポートのコピー(すでに取得している場合)


  3. 顔写真(縦4cm×横3cm)1枚 ※最近6か月以内


【配偶者(日本人)が日本国内で用意するもの】


  1. 戸籍謄本(婚姻の記載があるもの)※3か月以内発行


  2. 住民票(世帯全員記載のもの)※3か月以内発行


  3. 住民税の課税証明書(または非課税証明書)※3か月以内発行


  4. 住民税の納税証明書(課税されている場合)※3か月以内発行


  5. 身元保証書 ※指定書式。配偶者の署名・捺印のあるもの


  6. 質問書 ※指定書式。署名必須


  7. 交際・婚姻生活を立証する書類(スナップ写真、国際電話の通話記録、SNS等での交流記録、渡航歴を証明するためのパスポートの出入国スタンプページのコピーなど)


  8. 職業を証明するもの(在職証明書、確定申告書写し、登記簿謄本など)


  9. その他、生活の安定性を証明する書類等(預金残高証明書など)



3.4 審査を左右する「質問書」と「申述書」の書き方



新規呼び寄せや再婚の際に提出する「質問書」と、不足している状況を補足説明するための「申述書」は、審査官の心証を大きく左右します。


出会いの経緯は具体的に書く


質問書の「結婚に至る経緯」は非常に重要です。例えば、以下のような具体性が求められます。


「妻とは、2011年10月頃、JR千葉駅近くの居酒屋で出会いました。私は時々、家族と居酒屋などで食事をするのですが、この時も、娘・〇〇と娘の内縁の夫・〇〇と居酒屋を訪れていました。案内された席は大きなテーブルで相席だったのですが、斜め向かいに座っていたのが妻と日本に住む妻の友人でした。交わされている言葉から日本人ではないことはすぐに分かりました。私はもともと見知らぬ人に声をかけて世間話をするのが好きな性格で、言葉が通じるか気にせず、容姿に惹かれた好奇心もあり話しかけました。日本に住む妻の友人はもちろん、妻も日本語が上手でした…(後略)」


このように、「いつ」「どこで」「誰といるときに」「どのようなきっかけで」会話が始まり、交際に発展したのかを、審査官が情景を思い浮かべられるレベルで詳細に記述することが、偽装結婚を疑われないための鉄則です。


収入が不安定な場合の「申述書」による補強


日本人配偶者が無職であったり、収入が極端に少ない場合、入管は「日本で夫婦が安定して生活していけないのではないか」と疑い、不許可の理由とします。このような場合は、親族からの経済的支援などを証明する「申述書」を別途作成し、審査官を説得する必要があります。


「申請人の夫・〇〇です。私は現在無職であり、就職活動をしている段階です。そのため生活は息子や娘の内縁の夫たちに支えられているような状況です。今回の結婚も、子供たちの賛同を得られたことから、妻を迎えても生活をしていける目途がつきました。ただ、銀行送金等ではなく、現金での受け渡しをしておりますので、記録として提示できる資料がございません。そこで、各々に文書に申述してもらっております。以下に、支援金の内訳(子:月10万円、子の内縁の夫:月5万円、子の内縁の夫の弟:月5万円、友人:月5万円)を明示いたします。何卒ご配慮賜りますようお願いいたします。」


このように、たとえ客観的な書類(銀行の送金記録など)がなくても、誰から月にいくらの支援を受けて生活が成り立つのかを真摯に説明し、支援者本人からの申述書も添えることで、審査の突破口を開くことがでる可能性があります。



4.審査の裏側 ~不許可のリスクとなるポイント~



入国管理局の審査は年々厳格化しており、少しでも疑わしい点があれば徹底的に追及されます。この章では、変更・更新・認定申請において、審査官が特に注意を払い、マイナス評価(不許可のリスク)となるポイントを解説します。



4.1 婚姻の実態と信憑性に関するマイナス評価



  • 別居状態が続いている


    配偶者ビザの基本である「同居」がなされていない場合、更新申請において極めて厳しい審査を受けます。単身赴任などの合理的な理由と証明が必要です。


  • 言語力不足で会話が成立しない


    夫婦間で意思疎通を図るための共通言語(日本語、母国語、英語など)の能力が著しく不足していると、「どうやって夫婦生活を送っているのか」と偽装結婚が疑われます(変更・認定時)。


  • 出会いや婚姻の経緯が不自然


    出会い系サイトでの出会いや、交際期間が極端に短いなど、経緯に不自然さがある場合は詳細な説明が求められます(変更・認定時)。


  • 結婚と離婚を繰り返している


    過去に何度も日本人との結婚・離婚を繰り返して在留資格を維持している外国人は、ビザ目的の結婚を疑われます(変更・認定時)。


  • 夫婦間の年齢差が極端に大きい


    例えば20歳以上の年齢差がある場合などは、典型的な偽装結婚のパターンとして警戒されます(変更・認定時)。 SNS等でも、歳の差婚に対して「年齢若い奥さんと結婚して毒殺される可能性も覚悟しないといけない」「相手は貴方の財産を狙い、定住者資格か永住者か帰化する為です」といった辛辣な偏見や書き込みがされることがありますが、入管の審査官もこれに近い警戒心を持って厳格に審査を行う傾向があります。



4.2 生活の安定性と義務の履行に関するマイナス評価



  • 婚姻生活の継続・安定が期待できない


    夫婦ともに無職であったり、世帯収入がゼロ(または極端に低い)場合、日本での生活保護受給のリスクなどを考慮され、許可が下りにくくなります(変更・認定時)。


  • 税金等、公的義務の不履行


    住民税や国民健康保険料などの未納・滞納がある場合、日本国への義務を果たしていないとして厳しく評価されます(変更・認定時)。


  • 在留状況が不良


    過去の在留資格(留学や就労など)において、資格外活動違反(アルバイトのオーバーワーク)や素行不良があった場合、変更申請時に大きなマイナスとなります。



4.3 最も恐ろしい「過去の申請歴との齟齬(そご)」



入国管理局のデータベースには、外国人が過去に日本に入国・申請した際のすべての記録が保存されています。今回の配偶者ビザ申請の内容が、過去の申請内容と食い違っている(齟齬がある)場合、虚偽申告が疑われ、一発で不許可となる危険性があります。


実際に、入管から以下のような厳しい指摘のメールが届くことがあります。

「ご夫婦の初見について、今回は『2015年〇月〇日』、変更申請の時は『2020年〇月〇日』と異なっています。初めて会ってからの様子についても、異なる説明がされています。説明内容に相違があるのはなぜですか。審査資料としてオンラインシステム上に添付するか、郵送で提出してください。」


このように、出会いの時期や経緯について、過去(例えば留学ビザから就労ビザへの変更時など)に入管に申告した内容と、今回の配偶者ビザで提出した質問書の記載内容に矛盾がある場合、審査官は見逃しません。正確な記憶に基づき、一貫性のある申告を行うことが絶対条件です。


5.入管からの恐るべき「追加資料要求」と「不許可」の現実



提出した書類だけでは婚姻の真実性や生活の安定性が証明しきれないと審査官が判断した場合、「資料提出通知書」という形で追加の証拠提出が求められます。また、疑念が晴れなければ容赦なく不許可(不交付)の処分が下されます。



5.1 執拗で微に入り細を穿(うが)つ「追加資料」の要求



追加資料の要求は、時にプライバシーの核心に迫るほど詳細で念入りな厳しいものになります。入管が何を重視して審査しているかを読み解く手がかりでもあります。


【夫婦の実態を疑われている場合の追加要求例】


  • 初見のタイレストランの店名と所在地を教えて下さい。


  • 今まで夫と妻が出掛けた場所を、日付と共に時系列で書いて下さい。


  • 初見から交際、結婚から現在に至るまでの夫婦間のメッセージの記録(メールや電話やSNS等)を印刷して提出して下さい。


  • スナップ写真の裏側に日付と場所を書いて提出して下さい。


写真やSNSの履歴は、偽装結婚を見破るための強力なツールとして要求されます。これらの記録を普段から残していないと、いざという時に証明できず窮地に陥ります。


【経済状況を疑われている場合の追加要求例】


  • 夫の令和7年度の課税証明書と令和6年度の納税証明書を提出して下さい。


【別居など、特別な事情がある場合の追加要求例】


  • 配偶者との交流状況を記した資料(前回申請からの変化点、施設入居の状況、面会の有無、今後の予定等)


夫婦のどちらかが介護施設に入居している等の理由で別居している場合でも、関係性が継続している証拠(面会記録や今後の同居予定)の提出が厳しく求められます。


※これらの追加資料について、「提出できないものがあれば、その理由を書面にて提出」することが求められますが、「理由書で代用できる書類でない場合、提出がないことをもって不許可となる可能性」があるという恐ろしい文言が添えられています。



5.2 絶望の「不許可(不交付)」通達と聴取記録



入管の厳しい審査をクリアできず、海外からの呼び寄せ(認定証明書)が「不交付」となった事例の、実際の入管での不交付理由聴取の記録をご紹介します。審査官がいかに過去の記録を洗い出し、冷徹に判断を下すかがわかります。


【事例:海外の妻を呼び寄せる申請が不交付となったケース】


不交付理由1


日本へ来る目的が、夫婦で暮らすこととは認められない


審査官「前回の在留状況において、帰国までの数年間、長期に亘り夫婦別居を続けていましたね。しかも、その理由は『自ら働いて本国に送金すること』でした。今回申請にあたり、また同じ目的(出稼ぎ目的)で日本に来ようとしているとの疑念が消えません。理由は、夫が一度も本国の妻に会いに行っていないからです。妻が90日の短期ビザで日本に来て、その時撮影したという写真が提出されていますが、ほぼ同じ時期のものしかなく、この90日の間に、本当に夫婦が一緒にいたのかどうか疑問があります。また、電話の通話記録の提出を受けましたが、通話時間も短く、頻度も少なすぎます」


不交付理由2


収入申告の義務不履行


審査官「妻が前回日本に在留していたとき、2013年6月から稼働(仕事)していたと主張していますが、役所の記録では2013年の収入はゼロとなっています。税金に関する申告という義務を履行しておらず、これについて何の説明もありません」


不交付理由3


過去の違反行為


審査官「妻は前回在留時に『住所の虚偽申告による在留資格取得(更新許可)』という罪を犯しています。この違反に対する重要性を真摯に受け止めてもらいたい」


不許可からのリカバリーは「長期戦」


このような厳しい不交付理由を突きつけられた場合、失われた入管からの信頼を回復するためには、「地道な夫婦交流を継続し、その証拠(通話記録、送金記録、夫の現地への渡航履歴など)を積み上げるしかありません」。 面接での審査官の反応からは、「再申請をして許可の可能性があるのは、少なくとも半年から(数年単位)」という長期戦の覚悟が必要になることが示唆されています。

在留資格【日本人の配偶者等】は、就労制限がなく永住への道も近いメリットの多い在留資格である一方、偽装結婚や不正取得を防ぐために入国管理局の審査は非常に厳格です。 申請を成功させる鍵は、「法的に有効な結婚手続き」を済ませることはもちろん、「同居し、助け合って生活しているという夫婦の実態」客観的な証拠を用いて証明すること、そして過去の入管への申告内容と一切の矛盾(齟齬)なく、正確に事実を説明することに尽きます。本記事の内容を熟読し、万全の準備で申請に臨んでください。



当事務所は、その良心に従い、誠意をもって、依頼者に寄り添って問題を解決させて頂くことをモットーとしております。そのため、お客様に帰責事由がない限り、不許可の場合には費用や報酬などの一切の料金をいただくことは予定していません。もちろん相談などは無料となっておりますので、何なりとおっしゃってくださいませ。


お問い合わせ


山本行政書士事務所  山本克徳


〒793-0001 愛媛県西条市玉津144番地11

 

電話番号090-6287-4466

メールアドレス yamamoto.gshoshi21456@gmail.com

 
 
 

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