【2026年最新】②育成就労制度の受入れ要件とは?育成就労計画の認定30項目と実務手順を徹底解説(後編)
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令和6年(2024年)6月21日に公布された育成就労法(出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律)に基づき、令和9年(2027年)4月1日より「育成就労制度」が本格的に運用開始されます。本記事は、新制度の全貌を解説する完全ガイドの【後編】です。
企業が実際に外国人材を適法に受け入れるためにクリアすべき前提条件、外国人育成就労機構へ提出する「育成就労計画」の全30項目、コンプライアンス上の重要法令、そして明日から使える実務のチェックリストを網羅しました。一切の情報を省略することなく、どのような読者の方でも専門知識がスラスラと頭に入るよう最新法令(2026年現在)に適合させておりますので、実務の完全マニュアルとしてご活用ください。
【目次】
【本記事で押さえるべき3つの重要ポイント】
✅ 厳格な法的要件と労働環境の整備
受入れ企業は債務超過の禁止や社会保険の完備が求められ、100時間以上の日本語教育や帰国旅費は企業の全額負担が法的に義務付けられます。
✅ 育成就労計画の全30項目の完全網羅
外国人ごとに作成する計画書は、労働条件の平等性、必須業務の時間配分、適正な控除など、全30項目にわたる厳密な審査を通過する必要があります。
✅ コンプライアンス遵守と重大な罰則リスク
日本人従業員の非自発的離職(会社都合退職)や違約金契約の締結、行方不明者の発生は固く禁じられており、違反時は最長5年間の受入れ禁止という重大なペナルティが科されます。

育成就労制度を適用させるための実体的な法的要件
企業が育成就労制度を利用して外国人を受け入れるためには、育成就労計画書への記載を行う以前の段階として、以下の実体的な法的要件をすべて満たしている必要があります。
外国人本人に関する法的要件
外国人が日本で適法に就労するためには、出入国管理及び難民認定法(入管法)や民法に基づく厳格な基準をクリアしなければなりません。
✅ 年齢と健康状態
育成就労の開始日(雇用契約に基づく就労開始日)の時点で、民法上の成年年齢である「18歳以上」であることが必須です。かつ、結核を発病していないことのスクリーニングを含む、健康状態が良好であることが求められます。
✅ 善良な素行(犯罪歴の不存在)
日本国内だけでなく、母国や過去の滞在国においても、法令に違反して拘禁刑またはそれに相当する刑に処せられた犯罪歴がないことが絶対条件となります。
✅ 国籍要件の制限
日本国政府と二国間取決め(MOC)を作成している国の国籍であることが原則です。さらに、「退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域(イラン・イスラム共和国等)」の旅券を所持していないことが必要です。
✅ 過去の在留歴の制限
過去に「特定技能」の在留資格で日本に在留していた場合、「今回従事しようとする同一の業務区分ですでに就労経験がある場合」や「特定技能1号としてすでに通算5年間在留している場合」は、原則として育成就労の対象として認められません。
✅ 推薦または所属要件(監理型の場合)
送出国の公的機関(政府機関、地方政府機関等)からの推薦を受けていること、または、日本の受入企業と取引上密接な関係がある外国の公私の機関の事業所で1年以上継続して業務に従事している職員であることが求められます。
企業の事業基盤・設備・コンプライアンスに関する法的要件
受入れ企業には、安定した雇用を維持するための財務基盤と、労働関係法令の完全な遵守が強く求められます。
✅ 財産的基礎(債務超過の禁止)
育成就労を継続して行わせる体制として、直近の事業年度末において債務超過でないことが求められます。債務超過である場合は、中小企業診断士や公認会計士、税理士等の公的資格を持つ第三者(受入企業と顧問契約等がない中立な者)による詳細な改善評価書の提出と、債務超過解消の見通しが必須となります。
✅ 設備・機械の保有
育成就労外国人が技能を修得するために必要な機械、器具、その他の設備を事業所内に現実に備えている必要があります。
✅ 分野別協議会への加入義務
従事させる産業分野ごとに所管省庁が設置する「分野別協議会」へ加入していること(または分野所管省庁が告示で定める加入に代わる特例措置を講じていること)が義務付けられています。
✅ 労災保険等の加入義務
育成就労外国人を雇用する事業所において、労働者災害補償保険(労災保険)に係る保険関係の成立手続きを行っていること。労災保険の暫定任意適用事業の場合は、民間の労災保険に類する任意保険に加入していなければなりません。
✅ 健康・生活状況の把握措置
労働安全衛生法に基づく雇入れ時の健康診断や定期健康診断の実施に加え、緊急連絡網の整備や、定期的な面談を通じて日常生活で困ったことやトラブルに巻き込まれていないかを確認し、状況を把握する措置を講じる義務があります。
✅ 地方公共団体への協力義務
事業所の所在地や外国人の住居が属する地方公共団体から、共生社会実現のための施策に対する協力を要請された場合、要請に応じ必要な協力をする体制を持っていなければなりません。
✅ 労働・社会保険・租税の法令遵守
労働基準法等の労働関係法令の遵守のほか、国税(源泉所得税、復興特別所得税、法人税または申告所得税、消費税、地方消費税等)、地方税(法人住民税または個人住民税)、社会保険料(健康保険、厚生年金保険)、労働保険料(労災保険、雇用保険)のすべてにおいて滞納がないことが絶対条件です。
講習と日本語学習環境の提供に関する法的要件
外国人が日本に入国した後、および就労期間中に企業・監理支援機関が提供すべき学習環境に関する厳格な法的要件です。
入国後講習の厳格な実施(就労開始前)
雇用契約に基づく現場での就労を開始する前に、必ず「座学(見学を含む。オンライン同時双方向通信も可)」による入国後講習を実施しなければなりません。総時間数は1日最大8時間換算で計算されます。
講習時間数の要件 | 適用される対象者の条件 |
原則320時間以上 | 申請時点でA1相当の日本語試験の合格を証明できない場合 |
短縮条件① 220時間以上 | 申請時点でA1相当の日本語試験の合格を証明できる場合 |
短縮条件② 160時間以上または110時間以上 | 入国前6か月以内に海外で160時間以上または110時間以上の入国前講習を受けた場合 |
⚠️ 禁止事項と「座学」の明確な境界線
❌ 完全禁止
現場での実作業、疑似設備を使用した作業実践(介護人形を使った作業ロールプレイ、生産ラインを模した作業練習等)、業務上の避難訓練やヘルメット着脱等の身体を動かす作業実習はすべて不可です。
⭕️ 適法な講習
「生活スキルの体験(買い物や市役所手続きの動作練習)」、「会話のロールプレイ(職場の報・連・相の会話練習)」、「施設・機械操作の視覚的見学(VR利用可)」、「法定講習(特別教育等)の座学部分の組み込み」は適法な座学として認められます。
必須4科目の構成
■ 日本語
A1未合格者の場合、認定日本語教育機関の「就労のための課程」にて100時間以上を実施。(経過措置期間中は、登録日本語教員が1クラス20人以下で実施する講習も可)
■ 本邦での生活一般に関する知識
「育成就労外国人手帳」を教材として使用し、ゴミ出し・交通ルール・防災等を講義。※実際に役所へ行って手続きをした時間や健康診断を受診した時間は講習時間に算入不可。
■ 法的保護に必要な情報
外部専門家(自社・監理支援機関以外の弁護士・社労士・行政書士・自治体職員)が8時間以上講義。※通訳を介する場合は、通訳時間を考慮して実質的な講義時間が不足しないよう講義枠を拡張・調整すること。
■ 円滑な技能修得に資する知識
機械構造や安全衛生の座学、または現場の見学を実施。
■ 就労中の日本語学習環境の提供義務
3年間の育成就労終了時までに、最終目標である「本邦での生活および業務に必要な日本語能力(原則として日本語教育の参照枠のA2相当)」の試験に合格させるため、企業には以下の具体的な措置が義務付けられます。(すでに外国人がA2相当の日本語試験に合格している場合は、この提供義務は免除されます)
✅ 具体的な措置
文部科学大臣の認定を受けた「認定日本語教育機関」に置かれた「就労のための課程」において、A2相当を目標とする授業を100時間以上受講できる機会を与えなければなりません。この日本語講習を受講するために発生する講習費用等は、すべて企業(育成就労実施者)が負担しなければなりません。また、オンライン授業が必要な場合のインターネット環境の用意や、講習機関の選定・契約手続など、外国人が適切に受講できる環境を整備しなければなりません。
⚠️ 法令違反となるケース
この100時間以上の日本語講習は、必ずしも就労時間(労働時間)内に行う法的義務はありません。しかし、企業が「受講の機会を意図的に与えなかった場合」や、「費用を負担せず外国人に払わせた場合」、あるいは「講習の受講を妨害した場合」は、育成就労計画に基づく適正な就労を行わせていないとみなされ、育成就労計画の認定取消しの対象(法的なペナルティ)となります。単に業務だけをさせて「自分で試験を受けてきなさい」と放置する行為は法律違反となります。
現場のリアルな声(実務でのよくある注意点)
「新制度において、日本語教育にかかる『100時間以上の講習費用』は決して安価ではありません。これを外国人材に自己負担させたことが発覚した場合、直ちに認定取消しとなります。資金計画の段階で、この教育コストを企業の必要経費として組み込んでおくことが絶対条件となります。」
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受入人数枠の上限と転籍受入企業としての条件

受入企業の規模(常勤職員の数)に応じて、安全かつ適正に指導・育成できる人数枠の上限が定められています。
移行期における最重要ルール:「1号・2号技能実習生」の合算
新制度への移行期間中において最も注意しなければならないのが、既存の実習生のカウント方法です。
対象者の分類 | 具体的な該当者 | 人数枠への計算方法 |
合算対象となる者(枠内にカウント) | 新制度で受け入れる「育成就労外国人」、旧制度から引き続き雇用している「1号技能実習生」、旧制度から引き続き雇用している「2号技能実習生」 | 新しく受け入れる人数に、すでにいる1号・2号の人数をプラスして計算しなければなりません。 |
合算対象外となる者(枠外扱い) | 旧制度から引き続き雇用している「3号技能実習生」 | 3号は旧法の上限規制は受けますが、新制度の受入枠の計算にはカウントされません。 |
具体例で理解する人数枠の計算シミュレーション
【前提条件】A社(常勤職員数:30名)/ 法令に基づく「受入上限枠」:最大 6名
■ ケース①:1号・2号技能実習生がすでに4名在籍している場合
現在の合算対象者:1号(2名)+ 2号(2名)= 4名
計算:上限枠(6名)- 現在の合算対象者(4名)= 残り 2名
結論:A社が新しく受け入れられる「育成就労外国人」は最大 2名までとなります。
■ ケース②:2号技能実習生が3名、3号技能実習生が2名在籍している場合
現在の合算対象者:2号(3名)= 3名(※3号の2名は合算対象外)
計算:上限枠(6名)- 現在の合算対象者(3名)= 残り 3名
結論:A社は新しく「育成就労外国人」を最大 3名まで受け入れることができます。
人数枠のカウントから除外される「枠外」の例外パターン
■ 「やむを得ない事情」により転籍してきた外国人(前の受入企業の倒産や人権侵害等)
■ 育成就労の期間が延長された外国人(試験不合格等の救済措置による特例)
■ 人権保護の観点から特別の理由がある外国人(妊娠や出産等により育成就労を一時中断し、その後再開・復帰する外国人)
「本人意向の転籍」を受け入れる企業の条件
他社から本人の意向で転籍してくる外国人を受け入れる場合、以下のすべての要件を満たす必要があります。
✅ 認定時点で、現に受け入れている育成就労外国人が「転籍者等のみ」ではないこと。
✅ 本人意向転籍者の合計が、転籍後に在籍することとなる育成就労外国人全体の「3分の1以内」であること。
✅ 大都市圏(指定区域外)の企業が地方圏(指定区域内)から本人意向転籍者を受け入れる場合は、転籍後に在籍する育成就労外国人全体の「6分の1以内」であること。
✅ 優良な育成就労実施者であること。
✅ 転籍元となる育成就労実施者が受け入れに際して支出した初期費用の一部を補填することとしていること。
✅ マッチングにおいて、民間の職業紹介事業者等を利用していないこと。
不正行為の禁止と企業のリスク管理(絶対に遵守すべき重要法令)

育成就労制度では、外国人の人権を保護し労働市場の適正化を図るため、以下の行為が固く禁じられています。違反した場合は、育成就労計画の認定取消し(育成就労法第16条)や、最長5年間の受入れ禁止という重い罰則(第10条欠格事由)が科されます。
⚠️ 非自発的離職者の発生禁止(育成就労法施行規則第15条)
過去1年以内に、従事させる業務と同種の業務を行っていた労働者(既存の日本人従業員を含むフルタイム雇用)を、非自発的に離職(会社都合退職、人員整理、労働条件・就業環境の重大な問題による離職、正当な理由のない有期契約の更新拒絶等)させていないことが必須要件です。安価な外国人を雇うために既存従業員を解雇する行為は絶対に認められません。
⚠️ 帰国旅費・一時帰国旅費の企業負担義務
育成就労が終了し外国人が帰国を希望する場合、その帰国に要する渡航費用(航空券代等全額)は、単独型は実施者が、監理型は監理支援機関(実施者へ請求可)が全額負担しなければならず、本人に負担させることは法令違反となります。空港での見送りや手荷物検査場通過を見届ける等の措置義務もあります。特定分野における1年ごとの一時帰国旅費も同様です。
⚠️ 二国間取決め(MOC)による適正な送出機関の限定
監理型での受入れは、原則としてMOCに基づく送出国からの受入れに限定され、認定送出機関リストに載っている機関を利用しなければなりません(規則第20条)。悪質なブローカーの利用は厳禁です。
⚠️ 違約金契約や保証金徴収の禁止
育成就労に関連して、育成就労外国人本人やその親族等から保証金を徴収することや、育成就労に係る契約の不履行について違約金を定める契約(行方不明時の制裁金等)その他の不当に金銭等の移転を予定する契約をすることは、労働基準法第16条(賠償予定の禁止)等に基づき固く禁止されています。これは関係機関(企業、監理支援機関、送出機関等)の間における契約でも同様です。
⚠️ 行方不明者の発生禁止
過去1年以内に、受入企業または監理支援機関の責めに帰すべき事由(賃金不払いや就業環境の重大な問題等)により、育成就労外国人の行方不明者を発生させていないことが必須要件です。
⚠️ 利益供与や供応接待の授受・要求の禁止
受入企業や監理支援機関が、外国の送出機関や外国の準備機関から、社会通念上相当と認められる程度を超えて金銭、物品その他の財産上の利益の供与や供応接待を受けること、およびそれらを要求すること、または申込みを承諾することは固く禁止されています。
⚠️ 二重契約等の禁止
育成就労実施者または監理支援機関が、育成就労外国人との間で、育成就労計画と反する内容の取決め(時間外労働を最低賃金未満で支払う取決め等)をすることは禁止されています。
⚠️ 偽造・変造文書の行使等の禁止
過去5年以内に、育成就労計画の認定を不正に受ける目的や、出入国または労働に関する法令違反を隠蔽する目的などで、偽造または変造された文書・図画、虚偽の文書を行使したり提供したりした企業は認定されません。
⚠️ 日本語目標達成に必要な措置
A2相当目標達成に向け、認定日本語教育機関等の「就労のための課程」による講習を100時間以上受講できるよう、必要な措置(費用負担・環境整備)を講じる義務があります(規則第13条第2項第8号)。意図的に機会を与えない場合は認定取消しの対象となります。
育成就労計画の認定基準と全30項目の完全解説

育成就労実施者は、外国人ごとに「育成就労計画」を作成し、外国人育成就労機構から認定を受ける必要があります(育成就労法第8条)。認定基準は多岐にわたり、一つでも満たさない場合は認定されません。
育成就労計画とは?制度の根幹となる法的要件
✅ 育成就労産業分野であること
従事させる業務が「分野別運用方針」に規定された業務区分に属している必要があります。また、同一の作業の反復のみで修得できる技能(単純作業)は認められません。
✅ 期間の厳格設定
育成就労の期間は原則3年以内で設定しなければなりません。3年間を6か月以上下回る計画は、特定技能1号水準の技能を適正に育成できないと判断され、認定を受けられません(育成就労法第9条第1項第3号)。
✅ 1年目の中間評価(試験受験の絶対義務)
育成就労開始から1年以内に、技能試験(基礎級等)と日本語試験(JLPT N5等)を確実に受験させる法的義務があります(育成就労法第9条第1項第4号)。
⚠️ 受験費用の企業負担と労働時間の扱い
これらの中間評価および最終目標となる試験の受験手数料、および試験会場までの交通費は、企業または監理支援機関が全額負担しなければなりません。また、受験は法令に基づく義務であるため、受験に要する全ての時間は労働時間として扱い、給料を支払う必要があります。有給休暇の消化や欠勤扱いは労働基準法違反となります。
現場のリアルな声(実務でのよくある失敗例や注意点)
「『本人が試験に落ちたから』とそのまま放置していると、計画違反として認定取消しの対象となります。1年目の試験は、合否にかかわらず『指定された試験を受験させること自体』が企業の絶対的な義務です。
育成就労計画書に記載しなければならない全30項目
以下は、計画書に記載が法的に義務付けられている全30項目と、それが要件となっている理由の完全なリストです。審査を通過するためには、この全項目を不備なく作成しなければなりません。
育成就労計画書に記載しなければならない全30項目
以下は、計画書に記載が義務付けられている全30項目と、それが要件となっている理由の完全リストです。
申請者の氏名又は名称及び住所
【記載内容】
法人の場合は「商号」および「本店所在地」、個人事業主の場合は「氏名」および「住民票上の住所」。連名申請の場合は全法人分。
【要件となっている理由】
育成就労の実施主体であり、法的責任(労働関係法令遵守、報酬支払義務、人権保護義務)を負う事業主を完全に特定するため。
申請者の代表者の氏名
【記載内容】
法人を代表して雇用契約を締結する法的な権限を持つ代表者(代表取締役等)の氏名。
【要件となっている理由】
機関の意思決定権者を明確にし、育成就労計画の内容に対して法的な責任を負う最終責任者を特定するため。
役員の氏名、住所及び役職名
【記載内容】
業務を執行する社員、取締役、執行役、監査役、相談役、顧問、および法人に対し同等以上の支配力を有する者の全員の氏名・住所・役職名。
【要件となっている理由】
役員全員に対して「過去5年以内に禁錮以上の刑を受けていないか」「入管法や労基法違反による罰金刑を受けていないか」「外国人の人権を著しく侵害する行為を行っていないか」という欠格事由に該当しないかを厳格に身辺調査するため。
法人番号
【記載内容】
国税庁から指定されている13桁の法人番号。
【要件となっている理由】
国税(法人税、消費税等)および社会保険料を適切に納付しているか、行政のシステムを通じて滞納の有無を確認するため。
申請者の業種
【記載内容】
定款に記載されている事業内容のうち、今回外国人が従事する業務に直結する主たる業種。
【要件となっている理由】
本来の事業活動が従事させる業務内容と一致しており、継続的かつ安定的に事業を行っている実態があることを確認するため。
分野別協議会の名称又は加入に代わる措置
【記載内容】
分野別協議会への加入を示す名称、または分野所管省庁が定める特例措置の内容。
【要件となっている理由】
各産業分野における情報の周知、法令遵守の啓発、地域ごとの人手不足状況の把握と対応を関係者間で連携して行う体制に組み込むため。
育成就労実施者届出受理番号
【記載内容】過去に受入実績がある場合、機構から交付された届出受理番号。初受入れは記載不要。
【要件となっている理由】過去1年以内に「自社の責めに帰すべき事由による行方不明者」や「非自発的離職者」を発生させていないか照合するため。
育成就労を行わせる事業所の名称及び所在地
【記載内容】
実際に日々の労働を行い技能を修得する現場(工場、店舗、農場等)の名称と正確な住所。
【要件となっている理由】
就労が行われる場所を特定し、機構が実地検査に入るための所在地を確定させるとともに、技能修得に必要な機械・器具設備が備わっているかを確認するため。
育成就労責任者の氏名及び役職名
【記載内容】
過去3年以内に講習を修了した常勤の役職員で、指導員や生活相談員を監督できる立場にある者の氏名と役職名。
【要件となっている理由】
育成就労計画の作成、評価の管理、行政機関への報告・届出、帳簿作成、労働安全衛生の管理を統括管理する責任の所在を明確にするため。
育成就労指導員の氏名及び役職名
【記載内容】
常勤役職員であり、従事させる業務の技能について「5年以上の経験」を有し、過去3年以内に講習を修了した者の氏名と役職名。
【要件となっている理由】
現場で直接的かつ効果的に技能を指導・修得させるため、十分な実務経験を持つ者が直接指導する体制を担保するため。
生活相談員の氏名及び役職名
【記載内容】
常勤役職員であり、過去3年以内に講習を修了した者の氏名と役職名。
【要件となっている理由】
職場の人間関係の悩み対応、ゴミ出し・役所手続き・交通ルール・防災・水難や雪山等の事故防止・体調管理と早期受診の促進に関する助言を行い、事故やトラブルを未然に防ぐため。
監査を行う者の氏名(単独型育成就労の場合)
【記載内容】
単独型において、過去3年以内に講習を修了し、外国人を監督する立場にない中立な監査担当者の氏名。
【要件となっている理由】
外部の監理支援機関がない単独型において、法令違反がないかを3か月に1回以上実地確認し、面談して自ら監査する機能を担保するため。
監理支援機関の名称、住所及び代表者の氏名(監理型の場合)
【記載内容】
指導・監査を行う監理支援機関(商工会議所、協同組合等)の正式名称、住所、代表者氏名。
【要件となっている理由】
どの機関が企業を監理し、あっせんを行い、違約金契約や人権侵害がないかを確認する責任を負っているかを特定するため。
監理支援機関の許可番号
【記載内容】
監理支援機関が主務大臣から受けている許可証の許可番号。
【要件となっている理由】
国から適法に監理支援事業の許可を受けた機関であることを照合するため。
監理支援責任者の氏名、事業所の名称及び所在地
【記載内容】
監理支援機関の事業所ごとに配置が義務付けられている「監理支援責任者」の氏名、事業所名称、所在地。
【要件となっている理由】
監査の実施、入国後講習の管理、相談応需体制の整備を統括する責任者を特定し、中立的な事業運営を確保するため。
育成就労計画の作成指導担当者の氏名
【記載内容】
監理支援機関の中で、該当企業の計画作成について直接的な指導・助言を行った担当者の氏名。
【要件となっている理由】
計画書が一定の知識を有する役職員の指導の下で適正かつ実効性のある内容として作成されたことを証明するため。
取次送出機関の名称(利用する場合)
【記載内容】
求職の申込みを取り次ぐ外国の送出機関の名称。
【要件となっている理由】
MOC(二国間取決め)締結国の政府から認定された機関であることを確認し、不当な高額手数料徴収を防ぐため。
育成就労外国人の氏名
【記載内容】
対象となる外国人の氏名をパスポート通りのアルファベット表記で記載。
【要件となっている理由】計画は外国人「ごと」に作成・認定されるものであり、対象人物を法的に完全に特定するため。
育成就労外国人の国籍
【記載内容】
パスポートに基づく正確な国籍。
【要件となっている理由】
退去強制令書の円滑な執行に協力しない国(イラン等)の国籍ではないこと、およびMOC作成国からの受入れであることを確認するため。
育成就労外国人の生年月日及び性別
【記載内容】生年月日および性別。
【要件となっている理由】育成就労開始日の時点で「18歳以上」に達しているという絶対要件を満たしているかを確認するため。
育成就労の区分
【記載内容】
「単独型育成就労」または「監理型育成就労(通常/労働者派遣等)」の区分。
【要件となっている理由】
区分により監査主体、講習主体、手数料納付者などの適用法規則が異なるため、ルールを確定させるため。
従事させる業務の内容
【記載内容】
必須業務(全体時間の3分の1以上)および安全衛生業務(全体時間の10分の1以上)の具体的な内容と時間。
【要件となっている理由】
単なる作業の反復ではなく、計画的に特定技能1号水準の技能を修得させるため、明確な時間配分基準を遵守させるため。
業務において要する技能の名称
【記載内容】
分野別運用方針に規定されている業務区分(例:「飲食料品製造業」など)の名称。
【要件となっている理由】
対象業務が、就労を通じて技能を修得させることが相当であると国が定めた産業分野・業務区分に属しているか確認するため。
育成就労の目標(技能及び日本語能力)
【記載内容】
技能の目標(技能検定3級、育成就労評価試験専門級、特定技能1号評価試験等)および日本語の目標(A2相当/JLPT N4等)。
【要件となっている理由】
3年間で「特定技能1号水準」の人材を育成するという制度目的を果たすため、到達すべき絶対的な評価指標(最終目標)を設定するため。
育成就労の開始日及び終了日
【記載内容】
確定した年月日。
【要件となっている理由】
期間は原則「3年以内」であり、この期間内に開始から1年以内の「基礎級」「A1相当」試験(中間評価)を完了させるスケジュールを確定させるため。
転籍制限期間を1年と定める場合の旨
【記載内容】
制限期間が1年を超えて定められている分野において、企業が自主的に「1年」に短縮設定する場合にのみ記載。
【要件となっている理由】
1年を超えて設定した場合は企業に昇給等の「待遇向上」要件が課されるため、その義務の有無を確定させるため。
報酬の月額
【記載内容】
支払う基本給の月額を日本円で記載。
【要件となっている理由】
外国人であることを理由とした差別的取扱いを禁止し、「日本人と同等以上の報酬」が支払われることを担保するため。
労働時間、休日、休暇その他の労働条件
【記載内容】
所定労働時間、始業・終業時刻、休憩時間、休日、年次有給休暇の付与条件(一時帰国休暇含む)。
【要件となっている理由】
労働基準法を遵守した労働条件であること、および所定労働時間が日本人の通常の労働者と同等であることを確認するため。
宿泊施設の名称・所在地及び定期負担費用(家賃・食費等)
【記載内容】
居住施設の名称・所在地、給与から控除する食費・居住費(家賃・水光熱費)の具体的な内訳と金額。
【要件となっている理由】
適正な生活環境の確保と、「実費を超えて企業が不当に利益を得る金額設定をしていないか」を審査し、本人が合意しているか確認するため。
その他の待遇
【記載内容】
教育訓練、社員住宅、診療施設、保養所、体育館などの福利厚生施設の利用条件。
【要件となっている理由】
日本人従業員が利用できる施設について、外国人であることのみを理由として利用制限する不当な差別がないことを確認するため。
現場のリアルな声(実務でのよくある失敗例や注意点)
「『現場が忙しいから』という理由で、計画に定めた必須業務以外の雑務ばかりをさせてしまうケースが過去に見受けられました。新しい制度では、機構の実地検査で業務時間の割合が厳しくチェックされます。計画と異なる業務への従事は認定取消しの重大リスクとなるため、業務記録の正確な管理が必須です。」
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監理支援機関の役割と厳格な要件
旧制度の監理団体は、「監理支援機関」として新たに許可を受ける必要があります(育成就労法第23条)。
✅ 非営利法人と中立性の確保
原則として商工会議所や協同組合などの非営利法人に限られます。また、受入れ企業との間に密接な関係(顧問契約など)を持たない「外部監査人」を設置し、中立的な監査機能(3ヶ月に1回以上の実地監査)を担保することが義務付けられました。
✅ 充実した支援体制
育成就労外国人の人数に応じた常勤の役職員の配置(2人以上、かつ対象人数の一定割合以上)が必要です。
✅ 優良認定と指導責任
監理支援機関は、受入れ企業に対して育成就労計画の作成指導や労働関係法令遵守の確認を徹底する重大な責任を負います。
新制度に向けて今から進めるべき4つのステップと実務の整理
新制度のもとで新しく外国人の受け入れや育成を行いたい場合、企業は以下のステップで準備を進める必要があります。
■ ステップ1:現在の「監理団体」の方針を確認する
現在お付き合いのある組合(監理団体)が、新制度の「監理支援機関」としての許可を取得する予定があるか、至急確認してください。もし移行しない場合は、別の支援機関を探す必要があります。
■ ステップ2:【事前申請の準備】「育成就労計画」の作成と認定
事前申請の受付は制度開始に先行してスタートします。「制度スタートと同時に新しい外国人に来てもらいたい」と希望する場合は、事前申請を早めに行うことが必須となります。
■ ステップ3:社内の「育成・サポート体制」の構築
業務時間内外での日本語学習機会の提供、技能検定合格に向けた現場指導計画の策定、社内への「育成就労責任者」「育成就労指導員」「生活相談員」の適切な選任と講習受講を進めます。
■ ステップ4:新制度での受け入れ・就労のスタート
認定された計画に基づき、労働法令を遵守した計画的なスキルアップ指導を行い、3年間で特定技能1号レベルへと育成します。
企業の方が今行うべき実務の整理
✅ 今すでにいる実習生について
現在の在留期限に向けた「特定技能1号への移行手続き(協議会加入や行政書士・支援機関との調整)」を最優先でスケジュール通りに進める。
✅ 今後の新規受け入れについて
現在の組合が新制度に対応できるかを確認し、育成就労計画の事前申請に向けた社内準備を段階的に進める。
事前準備と要件確認チェックリスト

自社が新制度の要件をクリアできるか、以下のチェックリストで漏れなく確認してください。
✅ 産業分野・業務区分の確認
自社の業務が、分野別運用方針で定められた「育成就労産業分野」および「業務区分」に該当しているか?
✅ 労働関係法令の完全遵守
過去から現在に至るまで、労働基準法の遵守(未払い残業代がない等)は徹底されているか?
✅ 社会保険・労働保険の加入
社会保険の適切な加入と保険料の納付は完了しているか?
✅ 国税・地方税の滞納なし証明
法人税や消費税、地方税等の滞納がなく、全て証明書の提出が可能か?
✅ 非自発的離職者の発生なし
過去1年以内に、同種の業務を行う労働者を会社都合(解雇、雇い止め等)で離職させていないか?
✅ 行方不明者の発生なし
過去1年以内に、自社の責めに帰すべき事由による外国人の行方不明者を発生させていないか?
✅ 責任者と指導員の選任
事業所ごとに「育成就労責任者」「育成就労指導員(実務経験5年以上等)」「生活相談員」を選任し、必要な講習を受講させているか?
✅ 報酬と待遇の公平性
育成就労外国人に対し、日本人労働者と同等以上の給与規定を設け、不当な控除や差別的取扱いをしていないか?
✅ 不当な控除や違約金契約の排除
実費を超える家賃天引きや、保証金の徴収を行っていないか?
✅ 日本語講習機会の提供と費用負担
A2相当達成のため、認定日本語教育機関等による100時間以上の講習機会を提供し、費用負担する予算があるか?
行動と手順用ToDoリスト
実際に受入れを進めるための具体的な行動手順です。
■ STEP 1:監理支援機関の選定と契約締結
厳格な許可基準をクリアした信頼できる監理支援機関を探し、支援委託契約を締結する。
■ STEP 2:受入人数枠の正確なシミュレーション
既存の1号・2号技能実習生を合算した上で、新しく受け入れ可能な「受入上限人数枠」を把握する。
■ STEP 3:受入れ人材の要件定義と送出機関の選定
求める人材の要件を定義し、MOC(二国間取決め)に基づく政府認定の適正な送出機関を監理支援機関と共に選定する。
■ STEP 4:現地面接と雇用契約の母国語説明
現地面接(オンライン含む)を実施し、雇用契約の内容(給与控除等を含む)を母国語で詳細に直接説明し合意を得る。
■ STEP 5:育成就労計画(全30項目)の策定
監理支援機関の指導のもと、必須業務と安全衛生業務の時間配分等、詳細な「育成就労計画」を作成する。
■ STEP 6:認定日本語教育機関等との連携
オンライン等で対応可能な認定日本語教育機関を選定し、100時間以上の講習体制を構築する。
■ STEP 7:外国人育成就労機構への認定申請
受入れ開始予定日の4〜6ヶ月前までに、機構の地方事務所へ計画の認定申請と手数料(6,100円)の納付を行う。
■ STEP 8:在留資格認定証明書の交付申請
計画認定後、地方出入国在留管理局へ「育成就労」の在留資格認定証明書交付申請を行う。
■ STEP 9:入国後講習の座学実施と環境整備
外国人の入国後、業務開始前に、座学による規定時間(原則320時間等)の入国後講習(日本語、法的保護など)を実施し、居住環境を整える。
■ STEP 10:就労開始と機構への届出
講習修了後、雇用契約に基づく就労を開始し、遅滞なく機構へ「育成就労実施者届出」を提出する。
育成就労制度に関するよくあるご質問(FAQ)

Q. 技能実習制度で現在受け入れている外国人はどうなりますか?
A. 令和9年(2027年)4月1日の施行日時点で現に技能実習を行っている場合は、引き続き技能実習制度のルールの下で実習を継続することができます。また、要件を満たせば次の段階(2号など)へ移行することも可能ですが、技能実習から育成就労へ途中で切り替えることはできません。
Q. 育成就労の「転籍」は自由にいつでもできるのですか?
A. いつでも自由にできるわけではありません。分野ごとに定められた「転籍制限期間(1〜2年)」を同一企業で就労し、かつ基礎級の技能試験とA1相当の日本語試験に合格していることが条件です。また、転籍先企業にも人数の受け入れ枠などの厳格な要件があります。
Q. 日本語学習(100時間以上)の費用は企業が全額負担するのですか?
A. はい、育成就労実施者(企業)は、外国人がA2相当の日本語目標を達成できるよう、認定日本語教育機関等での100時間以上の講習を受講する「必要な措置」を講じる義務があり、これには講習費用の全額負担や学習環境の整備が含まれます。
Q. 「育成就労責任者」と「育成就労指導員」は兼任できますか?
A. はい、可能です。育成就労責任者としての要件(管理監督の立場にあること等)と、育成就労指導員としての要件(対象業務の経験が5年以上あること等)、それぞれの資格要件を満たし、必要な講習を受講していれば兼務して差し支えありません。
Q. 入国後講習は、現場での実地訓練(OJT)を兼ねることはできますか?
A. できません。入国後講習は必ず「座学(見学を含む)」で行う必要があり、生産ライン等で模擬的な作業の実践を行わせることは固く禁じられています。雇用契約に基づく業務の開始前に行う純粋な学習の期間となります。
Q. 帰国時の旅費は外国人に自己負担させてもよいですか?
A. 認められません。育成就労が終了して帰国する場合の航空券代等の渡航費用は、受入企業または監理支援機関が全額負担しなければならないと法令で定められており、本人への負担転嫁は違反となります。
Q. 人手不足のため日本人従業員を解雇して育成就労外国人を受け入れることは可能ですか?
A. 絶対に認められません。過去1年以内に同種の業務を行う労働者を「会社都合」等の非自発的理由で離職させていた場合、制度の利用要件を満たさず、育成就労計画の認定は受けられません。
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