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山本行政書士事務所

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【2026年最新】①育成就労制度とは?技能実習制度からの移行プロセスと企業の受入れ要件を徹底解説(前編)

8月15日
読了時間: 33分
育成就労制度を通じて共に成長する日本人経営者と外国人人材
新制度は、企業と外国人人材が対等な立場で共に成長できる環境構築を目指しています。

令和6年(2024年)6月21日に公布された新たな法律に基づき、日本の外国人材受入れの枠組みは大きな転換期を迎え、令和9年(2027年)4月1日より「育成就労制度」が本格的に運用開始されます。本記事では、これまでの技能実習制度に代わる新たな制度の全貌について、「育成就労制度 運用要領」などの最新法令・ガイドラインを基に、専門家の視点から分かりやすく解説いたします。


企業の人事労務担当者の方や経営者の方が、法令を遵守しながら円滑に外国人材を受け入れ、企業と人材の双方が成長できる環境を構築するためのガイド【前編】として、実務の現場で直面する疑問や注意点を網羅した内容となっておりますので、ぜひご活用ください。



【目次】




本記事で押さえるべき3つの重要ポイント


育成就労制度の導入により、日本の外国人雇用ルールは根本から変わります。まずは、経営者の方、および人事労務担当者の方が絶対に押さえておくべき3つの視点を解説します。


✅ 技能実習制度から「育成就労制度」への発展的解消

これまでの技能実習制度は、開発途上国への「技能移転による国際貢献」を建前とした目的としていました。しかし、新制度ではこれが発展的に解消され、深刻な人手不足分野における「人材育成」と「人材確保」を真正面から目的とする育成就労制度が創設されました。これにより、3年間の就労を通じて「特定技能1号」水準の技能と日本語能力(原則としてA2相当以上、代表的な試験として「日本語能力試験(JLPT):N4」)を有する人材を育成する、よりキャリアアップが明確で実態に即した仕組みへと移行します。


✅ 厳格化された認定制と監理支援機関の役割

受入れ企業(育成就労実施者)は、外国人ごとに詳細な「育成就労計画」を作成し、外国人育成就労機構から厳格な認定を受ける必要があります。また、これまでの監理団体に代わり、要件が大幅に厳格化された「監理支援機関」が許可制で新設されました。監理支援機関には、外部監査人の設置や中立的な事業運営が法律(育成就労法)によって強く義務付けられており、企業と外国人の双方を適正に指導・監督する役割が求められます。


✅ 外国人の権利保護と「本人意向転籍」の解禁

新制度の最大の目玉とも言えるのが、育成就労外国人の人権保護強化です。一定の要件(転籍制限期間の経過、基礎級相当の技能試験及びA1相当の日本語試験の合格等)を満たせば、同一業務区分内での「本人の意向による転籍」が認められるようになりました。また、労働基準法や民法第90条(公序良俗)に反する違約金契約の禁止、優良な受入れ環境の整備、法令違反時の厳格な行政処分など、これまで以上にコンプライアンス遵守が極めて重要となります。



育成就労制度の基本理念と目的




育成就労制度は、「育成就労の適正な実施」と「育成就労外国人の保護」を図ることにより、育成就労産業分野における人材を育成し、同時に人材を確保することを目的としています(育成就労法第1条)。



技能実習制度との決定的な違い


これまでの技能実習法に基づく制度は「国際貢献」を目的としていましたが、新しい育成就労法では、「我が国の人手不足への対応と人材確保」が明確な目的として法的に位置付けられました。特定の産業分野(育成就労産業分野)において、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法令、そして出入国管理及び難民認定法(入管法)と相まって、適正な就労環境を担保することが基本理念として掲げられています(育成就労法第3条)。


これにより、外国人労働者は「安価な労働力」ではなく、将来の日本経済を支える「かけがえのない人材」として扱われることになります。

現場のリアルな声(実務でのよくある失敗例や注意点)
「これまでは『実習生』という意識が強く、労働者としての処遇管理が甘くなりがちな企業様もいらっしゃいました。しかし、育成就労制度では、日本人労働者と完全に同等の労働基準(労働時間、賃金、各種ハラスメント防止など)が厳格に求められます。法令違反は直ちに認定取消しに直結するため、経営層を含めた全社的な意識のアップデートが不可欠です。」

日本の労働関係法令と出入国管理法に基づく適正な就労環境のイメージ
育成就労制度では、日本人労働者と同等の労働関係法令の適用が厳格に求められます。

育成就労の形態と受入れの仕組み


育成就労には、大きく分けて「単独型育成就労」と「監理型育成就労」の2つの形態が存在します(育成就労法第2条)。自社の事業形態に合わせて適切な受入れ方式を選択することが求められます。


✅ 単独型育成就労

日本の公私機関(企業等)が、自社の外国にある事業所(支店、子会社、関連会社など)の常勤職員を受け入れて育成就労を行わせる形態です。外国の事業所で継続して1年以上業務に従事している常勤の職員であって、転勤や出向の形で受け入れることが法的な条件となります。


✅ 監理型育成就労

営利を目的としない法人(商工会議所、協同組合等)である「監理支援機関」の支援と監査を受けながら、受入れ企業(育成就労実施者)が外国人を受け入れる、最も一般的な形態です。この形態はさらに以下の3つに細分化されます。


■ 通常の監理型育成就労

監理支援機関が、外国の「取次送出機関」から求職の申込みを取り次ぎ、受入れ企業との雇用関係成立をあっせんします。


■ 密接な関係を有する機関からの受入れ

受入れ企業と国際的な取引(過去1年間に10億円以上等)や業務提携があり、密接な関係を有する外国機関の職員を受け入れる形態です。この場合、あっせんは行われず、監理のみが行われます。


■ 労働者派遣等による監理型育成就労

農業などの季節的要因がある分野(労働者派遣等育成就労産業分野)に限り、派遣元事業主が受入れ企業となり、複数の派遣先で業務に従事させることが特例として認められています。


受入れ形態の比較表


比較項目

単独型育成就労

監理型育成就労(通常)

監理型育成就労(労働者派遣等)

受入れ対象者

海外の自社支店・関連会社の常勤職員(1年以上勤務)

外国の取次送出機関等を介して応募した外国人

季節的業務が必要な分野(農業等)の外国人

監理支援機関の関与

なし(自社で監査体制を整備)

あり(あっせん・監査・指導)

あり(派遣元・派遣先への監査・指導)

入国後講習の実施主体

育成就労実施者(受入れ企業)

監理支援機関

監理支援機関

根拠法令等

育成就労法第2条第2号

育成就労法第2条第3号イ

育成就労法第2条第3号ロ


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現在雇用している技能実習生に関する経過措置の仕組み


制度が新しくなるにあたり、最も多いご質問が「今いる実習生はどうなるのか?」という点です。現行の技能実習生には経過措置(改正法附則)が適用されますが、在留期限や試験の合否を意識した正確な手続きが求められます。新制度が始まっても、現在すでに働いている技能実習生が突然強制帰国させられたり、身分が急に変えられたりすることはありません。


✅ 在留期限までそのまま継続可能

現在持っている「技能実習」の在留資格のまま、許可されている期限(満了日)までそのまま働き続けることが法律上保障されています。


✅ 実習2号修了後は「特定技能1号」へスムーズに移行可能

技能実習2号を「良好に修了」した後は、これまで通り試験免除で「特定技能1号」への切り替え手続きを行うことで、引き続き同じ職場で雇用を継続できます。技能実習から特定技能1号へ無試験で移行できるのは、「技能実習2号を良好に修了した者(または3号修了者)」のみであり、1年目の「技能実習1号」を満了しただけでは特定技能1号へは移行できません。


⚠️ 技能実習3号への移行についてのデッドライン

もし「現在の2号から、さらに3号(最長5年の枠)へ進ませたい」と考えている場合、「2027年4月1日の施行日時点で、すでに技能実習2号を1年以上行っていること」が絶対条件となります。この条件を満たさない場合は3号へは進めないため、2号終了後に「特定技能1号」へ早めに切り替えるなどの進路変更が必要になります。

技能実習2号を良好に修了できなかった場合の対応(試験免除されない時)


■ 【ケース1】技能実習2号を良好に修了できなかった「Aさん」の場合


(状況) 

Aさんは、日本で3年間の「技能実習2号」の期間を最後まで終えました。しかし、実習中の態度に問題があったり、必要な試験に合格できなかったりしたため、「良好に修了した」と認められませんでした。


(対応方法)

 Aさんは特定技能移行への試験を免除されません。特定技能1号になるためには、以下の2つの試験を自分で受験し、両方に合格しなければなりません。


✅ 受験すべき技能試験

「技能検定試験3級」または「特定技能1号評価試験」のいずれかを受験し、合格する。


✅ 受験すべき日本語試験

「日本語能力試験(JLPT)のN4」を受験し、合格する。


■ 【ケース2】技能実習3号を終了していない「Bさん」の場合


(状況)

 Bさんは、日本で3年間の「技能実習2号」を良好に修了しました。Bさんは、4年目と5年目の「技能実習3号」には進まず、ここで技能実習を終えます。


(対応方法)

 Bさんは、技能実習3号を修了していなくても、技能実習2号を「良好に修了」しているため、試験はすべて免除されます。無試験でそのまま特定技能1号へ切り替える手続きが可能です。


⚠️ 注意点

 もしBさんが技能実習2号を良好に修了していなかった場合、技能実習3号に進んでおらず、かつ技能実習2号も良好に修了していないため、上記の「Aさん」と完全に同じ対応になります。無試験にはならず、「技能検定試験3級」または「特定技能1号評価試験」のいずれかに合格し、かつ「日本語能力試験(JLPT)のN4」に合格しなければなりません。



技能実習生が試験を受験し、不合格になった場合の厳格な取り扱い


技能実習生であっても、「技能実習2号を良好に修了できなかった場合」や「これまでと全く関連性のない別の業務分野へ特定技能1号として移行する場合」は、試験免除の対象外となるため、自ら「特定技能1号評価試験」と「日本語能力試験(JLPT)のN4」の2つの試験を受験する必要があります。この場合において、試験に不合格となり、現在の技能実習の在留期限が到来してしまったときの取り扱いは以下の通りです。


✅ 育成就労制度に存在するような要件を満たすことによる「1年間の在留継続の特例」は、現行の技能実習生には適用されません。


✅ 現在の在留期限をもって、一度母国へ帰国しなければなりません。


✅ 在留期限までに合格できなかった場合、そのまま日本に滞在し続けて再受験のための学習をすることは出入国管理法上、認められません。


✅ 一度母国へ帰国した上で、母国で特定技能1号評価試験を受験するか、「短期滞在」の在留資格で再度日本に入国して特定技能1号評価試験を受験し、合格した後に改めて「特定技能1号」の在留資格を取得して新規入国する手続きを取る必要があります。


■ 【ケース3】技能実習1号(1年目)を終了しただけの「Cさん」の場合


(状況)

 Cさんは、日本に入国して1年目の「技能実習1号」を終了したばかりです。


(対応方法) 

技能実習1号を終了しただけの段階では、無試験で特定技能1号へ移行することはできません。Cさんには、以下の「選択肢1」と「選択肢2」の2つの方法のみがあります。


✅ 選択肢1:試験を受験して特定技能1号へ移行する

Cさんがすぐに特定技能1号になりたい場合は、上記のAさんと同じ試験を受けます。「技能検定試験3級」または「特定技能1号評価試験」のいずれかを受験して合格し、かつ「日本語能力試験(JLPT)のN4」を受験して合格することにより、特定技能1号を取得します。


✅ 選択肢2:技能実習2号へ進級し、2号を良好に修了してから無試験で移行する

Cさんが以下の「条件X」または「条件Y」のいずれかを満たしている場合、新しい法律が施行される令和9年4月1日より後であっても、特例としてそのまま「技能実習2号」に進級することができます。


■ 条件X

令和9年4月1日より前に日本に入国し、令和9年4月1日の時点で現に技能実習を行っていること。


■ 条件Y

令和9年4月1日より前に技能実習計画の認定の申請をしており、令和9年4月1日以後に技能実習生として日本に入国していること(ただし、この申請は令和9年4月1日から3か月以内に開始することを内容とする技能実習計画に限ります)。


この特例を利用して「技能実習1号」から「技能実習2号」へ進級するためには、技能実習1号の期間が終わる前に、以下のいずれかの試験を受験し、「学科試験」および「実技試験」の両方に合格しなければなりません。


■ 「技能検定の基礎級」の学科試験および実技試験


■ 「技能実習評価試験の初級」の学科試験および実技試験


上記の試験に合格して技能実習2号に進級した後、その技能実習2号を最後まで終えて「良好に修了」すれば、試験免除の資格を得ることができます。これにより、無試験で特定技能1号へ切り替える手続きが可能になります。


現場のリアルな声(実務でのよくある失敗例や注意点)
「技能実習生に対する経過措置は非常に複雑で、在留期限の管理を1日でも誤ると『不法滞在』となってしまうリスクがあります。特にケース3のように特例を用いて進級させる場合、試験の申し込み期限や合否発表のタイミングを逆算してスケジュールを組むことが人事担当者の重要なミッションとなります。」


二国間取決め(MOC)参加予定国とルールの全貌


日本と送出国政府との間で結ばれる二国間取決め(MOC)の署名
政府認定の適正な送出機関に限定することで、不当な手数料や失踪リスクを未然に防ぎます。

「育成就労制度」で海外の送出機関を利用して外国人の方を日本へ呼び寄せる場合(監理型)、どの国のどの業者でも自由に利用できるわけではありません。法律(施行規則第20条等)により「MOC(二国間取決め)を結んだ国の、政府認定の送出機関」を通すことが絶対条件として義務付けられています。


「二国間」とは、「日本政府」と「労働者を送り出す相手国の政府(送出国)」の2か国を指します。具体的な国名についてですが、現在日本は新しい「育成就労制度」への移行を進めている最中(2026年時点)であり、これまでの制度と新しい制度で状況が異なります。


✅ これまでの制度(技能実習制度)で取決めを結んでいた17か国

ベトナム、フィリピン、インドネシア、ミャンマー、カンボジア、タイ、ネパール、スリランカ、モンゴル、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、インド、ブータン、ラオス、東ティモール、フィジー


※ミャンマーについては、これまでの制度では非常に多くの人材が来日していましたが、国内情勢などの影響もあり、2026年8月現在、新制度の暫定リストにはまだ名前が挙がっていません。

※マレーシア、キルギス(特定技能のみ)


✅ 新しい制度(育成就労制度)で取決め(MOC)を結んでいる国

新しい制度では、悪質な業者を完全に排除するためゼロから協定を結び直しています。2026年8月現在で新しい取決めが作成済みなのは以下の3か国です。


■ ウズベキスタン

■ スリランカ

■ タイ


✅ 現在協議中で、暫定リストを提出済みの11か国

(現在交渉を進めており、今後新しいMOCが完了する見込みの国々です)

インドネシア、カンボジア、タジキスタン、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、東ティモール、ブータン、フィリピン、ベトナム、ラオス



この制度ルールの全貌と仕組み


ひとことで言えば「悪い仲介業者を完全に排除し、国のお墨付きを得たクリーンな窓口しか使わせないための鉄の掟」です。どのような仕組みになっているのか、4つのポイントで隅々まで解説します。


■ ① なぜルールが厳格化されたのか?(背景)

これまでの制度では、一部の「悪質なブローカー(海外の仲介業者)」が大きな問題になっていました。彼らは日本に行きたい若者に対し、「日本に行けば大金が稼げる」とそそのかして法外な手数料を取り、多額の借金(保証金)を背負わせて日本へ送り出していました。


借金を抱えた労働者は、日本の職場でトラブルがあったり、少しでも給料の良い違法な職場を見つけたりすると、借金返済のために本来の職場から「行方不明(失踪)」になってしまうケースが後を絶ちませんでした。この悲しい人権侵害を防ぐために、「ルールを守れない悪徳業者は最初から入れない」という強い目的でルールが作られました。


■ ② MOC(二国間取決め)とは何か?

MOC(Memorandum of Cooperationの略)とは、日本政府と送出国の政府との間で結ばれる「公式な約束事(協力覚書)」です。具体的には「相手国の政府が、自国の業者を厳しく審査・指導すること」や「不正をした業者の情報を両国で共有し、即座に排除すること」などが取り決められます。


■ ③ 送出機関をどうやって限定するのか?

「送出機関からの取次ぎを受ける監理型育成就労では限定される」という規定は、以下の厳しいフィルターを通すことを意味しています。


✅ フィルター1:約束を交わした国からしか受け入れない

原則として、上記で説明した「MOC(二国間取決め)」を日本と正式に結んだ国からしか労働者を迎え入れることはできません。


✅ フィルター2:相手国政府のお墨付き業者のみ

日本の受け入れ企業が、海外の業者を勝手に選ぶことはできません。相手国の政府が「ここは不当な手数料を取らないクリーンな業者だ」と審査し、認定した機関だけを利用できます。


✅ フィルター3:日本の公式リストの確認義務

認定された業者の名前は、日本の「外国人育成就労機構(旧:外国人技能実習機構)」のホームページにリストアップされます。企業は、必ずこのリストに載っている業者を使わなければならないと法律(規則第20条)で義務付けられています。


■ ④ このルールは「誰をどう守る」のか?

この厳格なルールによって、関係する全員が守られる仕組みになっています。


✅ 外国人労働者

悪質なブローカーに騙されたり借金を背負わされたりすることなく、安全・安心に日本で働くことができる。


✅ 日本の受け入れ企業

 借金苦による「労働者の突然の行方不明(失踪)」という大きなリスクが減り、安定して人材を育成できる。


✅ 日本社会全体

不法滞在や不法就労のリスクが減少し、より健全で安全な多文化共生社会が実現する。

つまりこの規定は、「日本と相手国が国レベルでしっかり連携し、公式に認定されたクリーンな窓口だけを通すことで、真面目に働く外国人と、真面目に受け入れる日本企業を守る」という、新しい制度の根幹を宣言しているものになります。


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育成就労制度における入国前から3年目修了までの完全プロセス


育成就労制度における入国前から特定技能1号へ移行するまでの3年間のステップ
3年間で「特定技能1号」水準の技能と日本語能力を計画的に育成するプロセスが義務付けられています。

外国人が日本に入国し、3年間の育成を経て「特定技能1号」へステップアップするまでの全プロセスと、企業が負うべき法的な義務の詳細を解説します。



1. 【入国前】母国での事前学習と採用選抜手続き


外国人は日本に入国する前に、母国で指定された施設・期間・カリキュラムに従い、日本語および職業技能の基礎を同時に学習し、要件を満たさなければ日本に入国できません。


✅ (1) 日本語の事前学習


■ 学習場所(施設)

日本国政府と二国間取決め「MOC」を締結している送出国政府が認定した「取次送出機関(認定送出機関)」、送出機関と提携している現地の「日本語学校」「職業訓練校」「公的教育機関」、送出機関直営の「日本語研修センター」、認定日本語学校の教室。


■ 学習期間

週5日・1日6時間から8時間のフルタイムで、3ヶ月間から6ヶ月間(合計150時間から300時間)の授業を受けます。


■ 学習内容

 ひらがな、カタカナ、日常生活や職場での基礎的な挨拶、単語、文法、日本語能力試験(JLPT)N5に合格するための語彙・文法・会話。日本の生活ルール(指定ゴミ袋を用いたゴミの分別方法、自転車の左側通行をはじめとする交通ルール)。職場での安全衛生に関する基本用語(「危険」「立ち入り禁止」の漢字の読み方)。


■ 日本に入国するための必須要件(以下のいずれかのルートを完全に満たすこと)


  • 【試験合格ルート】 

    「日本語能力試験(JLPT)のN5」「J.TESTのF級」「日本語NAT-TESTの5級」「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」のいずれかを受験し、合格証明書を取得する。


  • 【代替講習ルート】 

    上記試験に未合格の場合、送出機関や現地の公的教育機関において、過去6か月以内に合計110時間、150時間、あるいは160時間以上の座学による日本語講習プログラムを欠席なく受講し、すべてのカリキュラムを修了する。


✅ (2) 技能(仕事)の事前学習


■ 学習場所(施設)

母国の政府から認可を受けた「送出機関直営の技能訓練センター」、送出機関と提携する現地の「公立職業訓練学校」の実習棟。※海外の自社関連会社から直接受け入れる「単独型育成就労」の場合は、現地の事業所で1年以上継続して実務に従事していた職務経験自体が要件となります。


■ 学習期間

日本語の学習と並行して実施する、2ヶ月間(合計120時間)の技能集中実習プログラム。


■ 学習内容(具体的な分野別の作業内容)

 日本で従事する作業分野(製造業、農業、建設業)の基本的な道具の使い方、安全管理の基礎概念、作業用語を学びます。


  • 飲食料品製造業(惣菜製造作業)

    30秒以上の手洗い手順、アルコール消毒手順、ヘアーネットおよび作業着の正しい装着手順。調理用包丁の保持方法、食材の指定寸法切り(1cm角切り、千切り)、まな板と包丁の洗浄および消毒手順。デジタルはかりを用いたグラム単位での原材料の計量手順。


  • 建設業(型枠施工作業)

     保護帽(ヘルメット)および安全帯(フルハーネス)の装着および点検手順。インパクトドライバー、手ノコギリ、ハンマーの保持方法と木材の締結作業。スケール(コンベックス)を用いた寸法計測手順、型枠配置図面の読み方。


✅ (3) 採用選抜手続き・面接・雇用契約


■ 採用手続き

受入企業(日本の雇用主)の採用担当者および監理支援機関の職員が現地の訓練センターを訪れ、「実技選考試験(実際に包丁で食材を切る作業、工具で木材を組む作業のテスト)」および「対面面接」または「オンライン面接」を実施し、合格した者のみを採用内定者とし、雇用契約を締結します。


■ 母国語での説明義務

 受入企業または監理支援機関は、対面またはテレビ電話を利用し、外国人が十分に理解できる母国語で「業務内容」「賃金(手取り額や控除額の内訳)」「宿泊施設」「転籍制限期間」を直接説明し、本人の確実な合意を得る法的義務があります。


⚠️ 手数料の厳格な上限

 外国人が現地送出機関に支払う手数料は、「月給の2ヶ月分まで」と上限が厳格に定められています。



2. 【入国直後】就労開始前の「入国後講習」


日本に入国した外国人は、すぐに企業の現場で働くことはできません。企業への配属・実務(1年目)がスタートする前に、監理支援機関(組合)または受入企業が手配する施設(講習施設)において、必ず座学による「入国後講習」を完了させなければなりません。


✅ 講習時間と要件


■ 原則320時間以上を実施します。


■ 入国前に日本語試験(JLPT N5、J.TEST F級等)に合格している者は、220時間以上、または110時間以上に短縮されます。


■ 入国前に日本語試験に未合格であり、所定の入国前講習を修了している者は、1ヶ月間(160時間以上)の講習を受講します。


✅ 4つの必須講習内容


  1. 日本語(100時間以上)

  2. 日本での生活一般知識

  3. 法的保護に必要な情報(外部専門家による8時間以上の講義)

  4. 技能修得に資する基礎知識、職場安全衛生の座学


⚠️ 絶対禁止事項

 工場の生産ラインや現場で実際に機械を動かす「作業の実践」「作業の体験」は一切不可です。現場においては「見学のみ」が許可されます。

3. 【育成就労 1年目】現場配属・中間評価と転籍

入国後講習を終え、入国後2ヶ月目から12ヶ月目の間、雇用契約に基づき給与が発生する「育成就労」がスタートします。


✅ (1) 業務内容と時間の厳格ルール

外国人は「育成就労指導員」(対象業務で5年以上の経験を持つ常勤社員)の直接指導のもとで実務に従事します。


■ 必須業務(メイン作業)

業務時間全体の3分の1以上の時間を割り当てること。


■ 安全衛生業務

 業務時間全体の10分の1以上の時間を割り当てること。


⚠️ 単なる掃除や荷物運搬の雑務(周辺業務)のみに従事させることは法令違反となります。


✅ (2) 中間評価(絶対義務の試験)

育成就労開始から1年以内(入国後10ヶ月目から12ヶ月目の間)に、企業は外国人に以下の試験を必ず受験させなければなりません。


■ 技能試験

分野別運用方針に定められた「技能検定の基礎級(実技・学科)」、またはこれに相当する「育成就労評価試験の初級(実技・学科)」。


■ 日本語試験

「日本語能力試験(JLPT)N5」「J.TESTのF級」「日本語NAT-TESTの5級」のいずれか1つを受験。


■ 合格基準

 技能・日本語ともに、学科試験および実技試験のそれぞれで満点の60%以上の得点を獲得すること。


⚠️ 企業側の法的義務

受験手数料および試験会場までの交通費は、企業または監理支援機関が全額負担しなければなりません。また、受験に要する時間は労働時間として扱い給与を支払う義務があり、有給休暇の消化や欠勤扱いは不適法となります。


✅ (3) 本人意向による「転籍(転職)」の成立条件


以下の3つの条件をすべて満たした場合、外国人は本人の希望で別の企業へ同一業務区分内での「転籍」を行うことが許可されます。


  1. 1年目の技能試験(基礎級、初級評価試験)に合格する。


  2. 1年目の日本語試験(JLPT N5等)に合格する。


  3. 分野ごとに定められた「転籍制限期間(飲食料品製造業であれば1年、建設分野であれば2年)」を満了する。


    ※企業側が分野別運用方針で「2年」と定められている転籍制限期間を、自主的に「1年」と設定することも可能です。



4. 【育成就労 2年目】技能の習熟と日本語学習の環境整備


入国後13ヶ月目から24ヶ月目の期間です。


✅ 試験に関する要件

育成就労制度において、2年目に法律上義務付けられている必修の定例法的試験はありません。


✅ 業務内容

引き続き、認定された育成就労計画に基づき必須業務および安全衛生業務の実務に従事し、実務を通じて技能を修得させます。


✅ 日本語学習環境の提供義務(受入企業の義務)

最終目標である「A2相当の日本語試験」に合格できるよう、日本語能力試験(JLPT)N4に未合格の外国人に対し、受入企業は文部科学大臣の認定を受けた「認定日本語教育機関」における「就労のための課程」を100時間以上受講できる機会と環境を整備し、その講習費用を企業が全額負担する義務があります(すでに合格している場合は除く)。


✅ 1年目試験不合格者の再受検手続き

1年目の基礎級試験または日本語試験に不合格だった者は、2年目の前半(入国後18ヶ月目まで)に再受検を行い、合格を取得する必要があります。

※転籍制限期間が「2年」に設定されている分野での「本人意向転籍」が行われるのもこの時期です。



5. 【育成就労 3年目】最終評価と特定技能1号への移行絶対条件


入国後25ヶ月目から36ヶ月目の、特定技能1号へステップアップするための重要な時期です。


✅ 最終試験(入国後30ヶ月目から35ヶ月目の間に受審)

育成就労の期間(3年間)が終了するまでに、特定技能1号水準の能力を有していることを証明するため、以下の両方の試験に必ず合格しなければなりません。これが特定技能1号への移行の絶対条件です。各試験の規定に基づき、満点の60%(または指定の基準点)以上の得点を獲得する必要があります。企業は受験費用を全額負担し、受験時間を労働時間として扱います。


■ 技能試験(以下のいずれか1つを選択して合格すること)

・技能検定 3級(実技・学科)

・育成就労評価試験 専門級(実技・学科)

・特定技能1号評価試験(実技・学科)


■ 日本語試験(以下のいずれか1つを選択して合格すること)

・日本語能力試験(JLPT)N4

・J.TESTのE級

・日本語NAT-TESTの4級

・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)



6. 【3年目修了後】確定した4つの進路ルート


3年間の育成就労を修了した後の進路は、試験の合否や本人の希望により、以下の4つのルートに完全に分かれます。


✅ ルート1:特定技能1号への移行プロセス

3年目の技能試験および日本語試験の両方に見事合格した者が対象です。


■ 手続き手順

技能試験合格証書および日本語試験合格証書を取得し、受入企業と「特定技能雇用契約書」を締結します。地方出入国在留管理局へ「在留資格変更許可申請書(育成就労から特定技能1号への変更)」を提出し、審査完了後、無試験で在留資格「特定技能1号」の新しい在留カードが交付され、通算5年間の就労許可を得ます。


■ 将来の道

特定技能1号の5年間の期間中に「技能検定 2級」または「特定技能2号評価試験」に合格すれば、在留期間の更新上限がなくなり、配偶者および子の帯同が許可される「特定技能2号」へ移行できます。


✅ ルート2:再受検のための救済措置(最長1年間の在留継続特例)

3年目の技能試験または日本語試験のいずれか一方、あるいは双方に不合格となったが、本人が再受検および日本での就労継続を希望する場合が対象です。即座に帰国させられるわけではありません。


■ 手続き手順

受入企業および監理支援機関が、不合格通知書および再受検計画書を添えて地方出入国在留管理局へ「在留資格変更許可申請(特定活動:受検継続)」を提出します。在留資格「特定活動」への変更許可を受け、同一企業で働きながら最長1年間再受検の準備を実施します。


■ 人数枠の扱い 

この救済特例によって在留期間が延長された外国人の数は、受入企業が保持する「受入上限人数枠」の計算から除外され、枠外扱いとなります。企業の受入枠を圧迫することなく延長して雇用および指導を継続できます。1年以内に試験に合格した場合はルート1へ、合格できなかった場合はルート3へ進みます。


✅ ルート3:母国への完全帰国

3年間の育成就労を修了し特定技能への移行を行わずに自国へ戻ることを本人が希望した場合、またはルート2の救済措置期間(1年間)内の再受検に失敗した場合が対象です。


⚠️ 帰国費用の法的義務

 帰国に要する渡航費用(航空券代)は受入企業または監理支援機関が全額負担しなければならず、外国人に負担させることは法律で固く禁じられています。


■ 手続き手順

 受入企業との雇用契約解除手続きおよび退職手続きを完了させます。監理支援機関および受入企業が母国行きの片道航空券を手配し購入します。出国当日、日本の空港(成田国際空港、関西国際空港、羽田空港、中部国際空港)の出入国審査場にて出入国管理官に在留カードを提示します。出入国管理官により在留カードへ穴開け処理(失効処理)が行われ、帰国便へ搭乗して自国へ帰還します。


✅ ルート4:特定技能1号以外の在留資格への変更

帰国せず、かつ特定技能1号以外の道へ進む場合、法律上許可されている変更手続きは以下の3つの特定の在留資格に限られます。


■ 1. 高等教育機関への進学(在留資格「留学」への変更)


条件

日本語能力試験(JLPT)N2または日本語能力試験(JLPT)N1に合格し、日本の専門学校、短期大学、4年制大学の正規課程から合格通知書を取得すること。


手続き

入学許可書および学費支払能力を証明する預金残高証明書を添付し、地方出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請(留学)」を提出して許可を得ます。


■ 2. 技術職・総合職への変更(在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更)


条件

外国人本人が母国の大学(学士号取得)または日本の専門学校で機械工学や情報処理の専門分野を卒業しており、その学歴と直接関連する職種(CADオペレーター、通訳業務、翻訳業務、ITエンジニア)で日本企業と直接雇用契約を結ぶこと。


手続き

大学の卒業証明書、労働条件通知書、企業の決算書を添付し、地方出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請(技術・人文知識・国際業務)」を提出して許可を得ます。


■ 3. 日本人または永住者との婚姻(在留資格「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」への変更)


条件

日本国籍を有する人物、または日本の永住権を持つ人物と法的な婚姻関係を成立させること。


手続き

婚姻事実の記載がある戸籍謄本、婚姻届受理証明書、身元保証書を添付し、地方出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請」を提出して許可を得ます。



転籍ルールの導入と非自発的離職の厳格な制限


一定の要件を満たした外国人に認められる本人意向転籍の仕組み
同一業務区分内での転籍解禁は、新制度における人権保護の最重要テーマです。

転籍ルールを正しく理解し、定期面談等を通じて選ばれる職場づくりを進めることが定着率向上に繋がります。育成就労制度における最も大きな変更点の一つが、「本人意向による転籍」の解禁です。


✅ 本人意向転籍の条件と制約

育成就労外国人は、以下の要件を満たした場合、同一の業務区分内に限り、自らの意思で別の企業へ転籍することが可能となります。


■ 転籍制限期間の経過

分野別運用方針で定められた期間(1年〜2年)を同一企業で就労していること。


■ 技能・日本語要件

基礎級相当の技能検定およびA1相当以上の日本語試験に合格していること。


■ 転籍先企業の要件

転籍先の企業は「優良な育成就労実施者」であり、かつ、転籍者の受け入れ割合(全体人数の1/3以内等)の要件を満たしていること。また、転籍元企業が負担した初期費用の一部を補填すること。


⚠️ やむを得ない事情による転籍と行方不明防止

倒産やハラスメント、賃金不払いなど「やむを得ない事情」がある場合は、制限期間に関わらず転籍が認められます。


さらに、過去1年以内に「自社の責めに帰すべき事由(法令違反など)」による行方不明者を発生させた場合、または同種の業務を行う労働者を「非自発的理由(解雇や雇い止め等)」で離職させた場合は、新たな育成就労計画の認定は受けられません(取消し対象となります)。


現場のリアルな声(実務でのよくある失敗例や注意点)
「『転籍されると困る』というお声をよく聞きます。転籍を防ぐ最大の防御策は、適切な評価と待遇向上、そして丁寧なコミュニケーションです。日本語学習のサポートを手厚く行い、生活面での不安を取り除く(生活相談員による定期的な面談など)ことで、企業への定着率は劇的に高まります。」


制度移行に向けた事前準備と要件確認チェックリスト


新制度のルール変更に適応し、リスクなく外国人材を受け入れるためのチェック項目です。現段階で自社の体制が整っているかご確認ください。


✅ 自社の事業が、育成就労産業分野・業務区分に合致しているか確認したか?


✅ 労働基準法の遵守(未払い残業代がない等)、社会保険・労働保険の加入と保険料納付を完了しているか?


✅ 過去1年以内に、同種業務の労働者を会社都合(解雇、雇い止め、退職勧奨等)で離職させていないか?


✅ 直近の決算で債務超過となっていないか?(債務超過の場合は専門家による改善評価書があるか?)


✅ 事業所ごとに「育成就労責任者」「育成就労指導員(実務経験5年以上)」「生活相談員」を選任する目処があるか?


✅ 外国人労働者に対して、日本人従業員と同等以上の給与規定を整備しているか?


✅ 不当な家賃控除や、実費を超える天引きを行わないよう給与計算ルールを見直したか?


✅ 最終目標(A2相当)達成に向け、100時間以上の日本語講習機会を提供・費用負担する予算を確保しているか?


✅ 受験費用や帰国時の旅費など、企業が全額負担すべきコストを含めた資金計画を立てているか?


✅ 現在お付き合いのある監理団体が、新要件を満たした「監理支援機関」として許可を得る方針か確認したか?


育成就労制度の受入れ要件を確認する人事労務担当者のチェックリスト
厳格化された要件を漏れなく確認し、法令違反を防ぐための社内体制構築が急務です。

円滑な受入れのための行動と手順用ToDoリスト


実際に新制度に基づいて外国人材を受け入れるための、実務的な行動手順です。


■ STEP1:最新法令の社内周知

経営層および現場責任者に対し、育成就労法やコンプライアンス(転籍ルール、非自発的離職禁止等)の勉強会を実施する。


■ STEP2:監理支援機関との方針確認・選定

新制度の厳格な要件(外部監査人の設置等)をクリアできる信頼性の高い監理支援機関を選定し、支援委託に関する協議を行う。


■ STEP3:受入れ人数枠のシミュレーション

現在の技能実習生(1号・2号はカウント対象、3号は除外)の人数を把握し、新制度で新たに受け入れ可能な人数枠を算出する。


■ STEP4:担当者の選任と講習受講の予約

育成就労指導員などの法定担当者を社内で決定し、指定された講習の受講スケジュールを押さえる。


■ STEP5:募集要件の定義と送出機関の選定(MOC確認)

求める人材の要件を定義し、MOC(二国間取決め)に基づく政府認定の適正な送出機関を監理支援機関と共に選定する。


■ STEP6:採用面接と労働条件の母国語説明

現地面接(またはオンライン)を実施し、業務内容や賃金控除の内訳等を母国語で詳細に説明し、合意を得る。


■ STEP7:育成就労計画の作成準備

監理支援機関の指導のもと、3年間のスキルアップ計画(必須業務と安全衛生業務の時間配分等)を具体的に策定する。


■ STEP8:日本語教育機関との連携模索

A2相当合格に向けた100時間以上の講習を提供するため、オンライン対応可能な認定日本語教育機関等をリストアップする。


■ STEP9:外国人育成就労機構への認定申請手続

受入れ開始予定日の4〜6ヶ月前までに、機構へ計画の認定申請を行い、手数料の納付等の行政手続きを完了させる。


■ STEP10:受入れ環境(住居・生活インフラ)の最終点検

入国後の住居や生活必需品を手配し、違法な天引きとならないよう適正な契約手続きを完了させる。



育成就労制度に関するよくあるご質問(FAQ)


育成就労制度への移行について、経営者様や人事ご担当者様から多く寄せられるご質問にお答えします。


制度移行について現在の技能実習生はどうなりますか?

令和9年(2027年)4月1日の時点で現に技能実習を行っている場合は、引き続き技能実習制度のルールの下で在留期限まで実習を継続できます。要件を満たせば次の段階(2号等)への移行も可能ですが、途中で育成就労へ切り替えることはできません。


育成就労の「転籍」は外国人がいつでも自由にできるのですか?

いつでも自由にできるわけではありません。分野ごとに定められた「転籍制限期間(1〜2年)」を同一企業で就労し、かつ基礎級の技能試験とA1相当の日本語試験の両方に合格していることが絶対条件となります。


日本語学習(100時間以上)の費用は企業が負担するのですか?

はい。受入企業は、外国人がA2相当の日本語目標を達成できるよう、認定日本語教育機関等での100時間以上の講習を受講させる法的義務があり、受講費用や学習環境の整備にかかるコストは企業が全額負担しなければなりません。


「育成就労責任者」と「育成就労指導員」は1人の社員が兼任できますか?

はい、兼任可能です。育成就労責任者としての要件(管理監督の立場にあること等)と、指導員としての要件(対象業務の経験が5年以上あること等)の双方を満たし、必要な講習を受講していれば兼務して差し支えありません。


入国後講習は、現場での実地訓練(OJT)を兼ねることはできますか?

できません。入国後講習は必ず「座学(見学を含む)」で行う必要があり、現場の生産ライン等で模擬的な作業の実践を行わせることは固く禁じられています。


外国人が帰国する場合、帰国旅費は誰が負担するのですか?

帰国に要する渡航費用(航空券代)は、受入企業または監理支援機関が全額負担しなければなりません。外国人に負担させることや、違約金等と相殺することは法律で固く禁じられています。


育成就労外国人を採用するため、日本人従業員を解雇してもよいですか?

絶対に認められません。過去1年以内に同種の業務を行う労働者を「会社都合」等の非自発的理由で離職させた場合、育成就労計画の認定は受けられず、制度を利用することができません(非自発的離職者の発生禁止)。



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