【2026年最新】①外国人採用マニュアル!ハローワークの手続き・面接ルールから労働条件の明示まで徹底解説
- 7月10日
- 読了時間: 15分
更新日:8月5日

外国人材の採用をご検討されている企業様にとって、ハローワークでの適切な求人の出し方や面接時のルール、採用後の手続きは、法令遵守の観点から非常に重要です。しかし、「何から始めればよいのか分からない」「手続きに不備がないか心配」とご不安を抱える採用担当者様は少なくありません。
本記事では、求人票の適法な記載方法から面接時の注意点、トラブルを防ぐための労働条件の明示方法まで、外国人採用をスムーズに進めるための重要ポイントを分かりやすく丁寧に解説いたします。
【目次】
外国人の方の採用の全体を3つに要約
国籍を限定した求人は法律で禁止されています。ハローワークで求人を出す際は、「特定の国籍」ではなく「業務に必要なスキルや語学力」を条件として設定し、PR欄を活用して外国人歓迎の意思を伝えることが適法かつ効果的な手法です。
面接時の「在留カード」提示要求は不適切な対応となります。採用決定前に提示を求めると不当な応募機会の剥奪に繋がるため、面接時は口頭や履歴書での確認にとどめ、実際の原本確認は採用内定後に行うのが法律に沿った正しい手順です。
労働条件は必ず本人が理解できる言語の「書面」で明示する必要があります。口頭のみでの条件提示は労働基準法違反となりますので、厚生労働省の「モデル労働条件通知書」等を活用し、母国語や平易な日本語で詳細な労働条件を交付することが義務付けられています。
第1章:ハローワークでの適切な求人票の出し方と適法なルール

ハローワーク窓口でのスムーズな相談方法
ハローワークを通じて外国人材を採用したい場合、まずは受付で「求人の申込み手続きをしたい」とお伝えください。もし、大学や専門学校を卒業予定の外国人留学生などをターゲットにしている場合は、「大卒等求人の申込みをしたい」とお伝えいただくと、窓口でのご案内がよりスムーズに進みます。
「国籍を限定した求人」は法律で禁止されています
求人票を作成する際、「外国人のみを採用したい」「特定の国籍の方は応募不可」といった国籍を条件とする求人を出すことはできません。
これは、職業安定法第3条および労働基準法第3条が定める「均等待遇」の理念に基づき、国籍による差別的扱いが固く禁じられているためです。求人を行う際は、国籍ではなく「業務を遂行するためにどのようなスキルや能力が必要か」を基準に条件を設定する必要があります。
外国人材を歓迎する効果的なアピール方法
実際の窓口担当者と求人票の内容を相談する際は、以下の2つのポイントをセットでお伝えいただくことで、適法かつ魅力的な求人票を作成することができます。
必要なスキルを具体的に言語化する
「海外の取引先との業務があるため、ビジネスレベルの〇〇語での会話が可能で、〇〇国の商習慣に理解がある人材が必要です」といった形で、業務上不可欠なスキルを明確に伝えます。
外国人歓迎の意思をPR欄に記載する
「そのため、外国人の方の採用も積極的に歓迎しています。外国人求職者の方が安心して応募できるよう、求人票のPR欄や特記事項にその旨を記載していただけませんか?」と相談します。
このように進めることで、法令を遵守しながらも、自社が外国人材を求めていることをしっかりと求職者へ届けることが可能になります。
現場のリアルな声:求人票作成時の落とし穴
「『日本語ネイティブの方』と求人票に記載しようとしたところ、ハローワークの担当者から『国籍等の限定に繋がるおそれがある』とアドバイスを受けました。代わりに『日本語能力試験N1相当の語学力』とスキルで表記することで、スムーズに受理され、優秀な外国人材からの応募に繋がりました。」
第2章:面接時の適正な対応と確認すべき法的要件

面接での「在留カード」提示要求は避けましょう
面接において、企業様が最も注意しなければならないのが「在留資格の確認方法」です。採用選考時(面接時)に、在留カードやパスポートといった書類の提示を求めることは適切な対応ではありません。
採用決定前に国籍や在留資格の詳細な証明を求めると、結果として無意識の差別的な選考に繋がり、求職者の応募機会を不当に奪ってしまうおそれがあるためです。公正な採用選考を行う観点から、面接時には「口頭での質問」や「履歴書での自己申告」による確認にとどめ、実際の在留カードの原本確認は「採用が内定・決定した後」に行うのが正しいプロセスとなります。
適正な対応と不適切な対応の比較表
採用活動における「適切な対応」と「避けるべき対応」を分かりやすくまとめました。方針に迷われた際にご活用ください。
確認項目 | 適切な対応(適法・推奨) | 避けるべき対応(不適切・NG) |
求人の条件設定 | 業務に必要な「語学力」や「専門知識」を条件とする | 「〇〇国籍の方」など国籍を限定する条件を記載する |
在留カードの確認 | 面接時は口頭で確認し、原本の提示は採用内定後に求める | 面接時に在留カードの現物やコピーの提出を要求する |
労働条件の伝え方 | モデル通知書を活用し、母国語等で**書面(または電子メール等)**で交付 | 面接時に口頭のみで給与や休日などの条件を伝える |
面接での質問内容 | 業務に必要なスキル、経験、日本語でのコミュニケーション能力を確認 | 妊娠・出産の予定など、業務に関係のないプライベートな質問 |
面接で具体的に確認・質問すべき重要ポイント
面接の場では、以下のポイントを中心に、対話を通じて丁寧に確認を進めていくことが大切です。
現在の「在留資格」と「在留期限」の口頭確認
就労を予定している業務内容が、応募者の持つ在留資格の範囲内で認められているか、また在留期限が十分に迫っていないかを口頭で確認します。もし現在の資格で働けない業務内容であれば、採用後に「在留資格の変更許可申請」が必要となるため、事前の把握が不可欠です。
業務に必要な専門スキルと実務経験
国籍ではなく「個人の能力」をベースに、自社が求めている専門知識や実務経験を備えているかを客観的に評価します。
日本語能力とコミュニケーションの円滑さ
実際の面接でのやり取りを通じて、社内のメンバーや取引先と円滑に業務を進められるだけの日本語能力があるかを確認します。
労働条件のすり合わせ(ミスマッチの防止)
外国人労働者にも、日本人と全く同じように労働関係法令が適用されます。給与、労働時間、休日などの条件面を分かりやすくお伝えし、お互いの認識にズレが生じないよう丁寧にすり合わせを行うことが、入社後の良好な関係構築に繋がります。
現場のリアルな声:面接時の確認不足によるやり直し
「面接の際に在留期限の確認を口頭で行うのを忘れてしまい、内定を出した後に期限が目前に迫っていることが発覚しました。急いで更新手続きをサポートすることになり、想定よりも入社日が大幅に遅れてしまった経験があります。面接時の口頭での基本情報の確認は非常に重要だと痛感しました。」
第3章:労働条件の明示義務と就業規則の多言語周知

労働条件の明示に関する絶対ルール(労働基準法第15条)
採用にあたり労働条件を提示する際、「口頭だけの説明」は労働基準法第15条(労働条件の明示)に抵触します。後々の「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにも、以下の重要項目を明らかにした書面を必ず交付しなければなりません。
従事すべき業務の内容
労働契約の期間(有期か無期か)
就業の場所
労働時間、休憩、休日、休暇に関する事項
賃金の決定、計算、支払いの方法および時期
退職に関する事項
交付の方法は、原則として「紙の書面を手渡しまたは郵送」となりますが、労働者本人が希望した場合には、電子メールやSNS等のメッセージ機能、FAXによる明示も適法に認められています。
外国人労働者への細やかな配慮(使用する言語)
労働条件を明示するにあたっては、厚生労働省の指針に基づき、外国人労働者本人がしっかりと内容を理解できるよう、母国語や平易な日本語(やさしい日本語)を使用して明示することが求められています。
一から外国語の書類を作成するのは企業様にとって大きな負担となりますが、厚生労働省のホームページでは「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」が無料で提供されています。英語、中国語、ベトナム語など全13か国語に対応したフォーマットが用意されておりますので、これらを活用することで適法かつ効率的に手続きを進めることができます。
就業規則と労働関係法令の適切な周知方法
細かい社内ルールを定めた「就業規則」について、そのすべてを労働条件通知書に書き写す必要はありません。通知書には基本的な事項を記載し、詳細は「就業規則第〇条による」と明記した上で、就業規則の該当部分をコピーして一緒にお渡しする方法が一般的です。
また、入社後においては労働基準法第106条(法令等の周知義務)により、労働者がいつでも容易に就業規則を確認できる状態にしておく義務があります。社内に日本語版の就業規則しかない場合は、行政が提供している「外国語版のモデル就業規則」や、多言語対応の労働法令パンフレットを職場に備え置き、外国人従業員が安心して働ける環境を整えることが推奨されます。
現場のリアルな声:労働条件の伝え方によるトラブル
「良かれと思って口頭で細かく残業代の計算方法を説明したのですが、後日『聞いていた内容と違う』と認識の齟齬が発生しました。それ以降は、必ず多言語対応のモデル労働条件通知書を使用し、書面を見せながら一緒に確認するようにしたところ、スムーズに納得いただけるようになりました。」
第4章:採用後の必須手続きと社内体制の構築
ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」
無事に外国人材の採用が決定し、いよいよ就労を開始するというタイミングで、事業主様には重要な手続きが待っています。それは、労働施策総合推進法第28条に基づく「外国人雇用状況の届出」です。
すべての事業主は、外国人労働者を新たに雇い入れた際、およびその労働者が離職した際の両方において、管轄のハローワークへ届出を行うことが法律で義務付けられています。この届出は、外国人の適正な雇用管理を国が把握するための重要な手続きとなります。
万が一、この届出を失念してしまったり、事実と異なる届出を行ったりした場合には、行政からの指導やペナルティの対象となる場合がありますので、期限内に確実な対応をお願いいたします。
現場のリアルな声:届出の失念によるヒヤリハット
「採用活動が無事に終わり安心しきってしまい、ハローワークへの『雇用状況の届出』をすっかり忘れていました。後日、行政からの通知で気づき慌てて対応しました。それからは、入社時の社内チェックリストに届出の手続きを組み込み、担当者間でダブルチェックする体制を整えています。」
スムーズな採用のためのチェックリスト&ToDoリスト

記事で解説した重要要件を確実に満たすため、適法かつスムーズな採用活動に向けたリストをご用意しました。自社の体制確認と、実際の作業手順の進行にお役立てください。
【事前準備と要件確認】チェックリスト
採用活動を始める前に、法令上のルールを正しく理解し、社内体制が整っているかを確認するためのリストです。
[ ] 職業安定法等の均等待遇に基づき、求人に「国籍を限定する条件」を記載してはならないことを理解している。
] 自社が求める人材像について、業務遂行に必要な語学力や専門スキルを明確に言語化できている。
[ ] 労働基準法第15条に基づき、労働条件は「書面または電子メール等」で明示する義務があることを把握している。
[ ] 労働条件の明示にあたり、モデル通知書等を活用し、母国語や平易な日本語を用いる準備ができている。
[ ] 面接時に、妊娠や出産など業務に無関係な事柄を質問することが法令違反にあたることを理解している。
[ ] 法律に違反する悪質な職業紹介事業者(違約金を徴収する業者など)を利用しないよう、見極める基準を持っている。
【行動と手順用】ToDoリスト
実際の採用活動から入社までのプロセスにおいて、事業主様が取るべき具体的な行動ステップです。
[ ] ハローワークの窓口にて、業務に必要なスキルと併せて「外国人歓迎」の意思を伝え、求人を申し込む。
[ ] 面接の場では、応募者の現在の在留資格や在留期限、スキルについて「口頭」で丁寧に確認する。
[ ] 面接時は在留カードの原本提示を求めず、公正な採用選考を実施する。
[ ] 採用・内定が確定した段階で、初めて本人の在留カード等の原本を提示させ、就労可能な資格か確実に確認する。
[ ] 本人が理解できる言語を用いて「労働条件通知書」を作成し、入社前に確実にお渡しする(または送信する)。
[ ] 就労開始のタイミングに合わせて、管轄のハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を期日内に行う。
よくあるご質問(FAQ)
読者の皆様から寄せられる、実務上特につまずきやすい疑問を厳選して解説いたします。
ハローワークで求人を出す際、特定の国籍を指定することはできますか?
特定の国籍を指定して求人を出すことは法律で禁止されています。職業安定法等における差別的取扱いの禁止に基づき、募集の際は「〇〇語でのビジネス会話が可能」といった業務遂行に必要なスキルを条件として明示してください。
面接の段階で、応募者の在留カードの提示を求めてもよいですか?
面接時に在留カードの提示を求めることは適切な対応ではありません。採用決定前に詳細な確認を行うと不当に応募機会を奪うおそれがあるため、面接時は口頭での確認にとどめ、実際のカード提示は採用内定後に行ってください。
労働条件を伝える際、口頭での説明だけでも問題ありませんか?
口頭のみでの説明は労働基準法違反となります。業務内容や賃金、労働時間などの重要な労働条件については、必ず内容を明らかにした書面(本人が希望する場合は電子メール等)を作成し、交付することが義務付けられています。
労働条件通知書は、必ず外国語に翻訳して渡す必要がありますか?
法律で完全な翻訳が義務付けられているわけではありませんが、母国語や平易な日本語を用いて本人が理解できるよう配慮することが強く求められています。厚生労働省が提供する多言語対応の「モデル労働条件通知書」のご活用が最も確実です。
外国人の採用が決まり働き始めた後、どのような手続きが必要ですか?
外国人を雇い入れた際(および離職した際)には、労働施策総合推進法に基づきハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を行うことが義務付けられています。手続きを怠るとペナルティの対象となる場合がありますので、確実な対応をお願いいたします。
【公的機関からの公式情報のご案内】
管轄機関 | 参照元テーマ(公式ページへのリンク) | 主な法的根拠・内容の要約 |
厚生労働省 | 労働条件の母国語明示、国籍による差別の禁止などの根拠 | |
厚生労働省 | 労働施策総合推進法第28条に基づく届出義務の根拠 | |
厚生労働省 | 労働基準法第15条対応、全13か国語のテンプレート提供の根拠 | |
出入国在留管理庁 | 事業主に対する在留カード等の確認義務および、採用選考における差別の防止・適切なタイミングでの確認に関する実務的根拠 |
山本行政書士事務所からのご案内

外国人材の採用は、企業様に新たな活力と多様性をもたらす大変素晴らしい取り組みです。しかしながら、その過程では複雑な法令の遵守や、在留資格に関わるデリケートな手続きが求められ、ご担当者様が抱えられるご負担やご不安は決して少なくないかと存じます。
私たち山本行政書士事務所は、入管業務や労働関係法令の専門家として、事業主様が安心して優秀な外国人材をお迎えできるよう、誠実かつ確実なサポートをご提供しております。ハローワークでの求人票作成のアドバイスから、適正な労働条件の明示、そして採用後の行政窓口への届出まで、貴社に寄り添いフルサポートさせていただきます。
お手続きの中で少しでも迷われることや、ご負担に感じられることがございましたら、どのような些細なことでもどうぞご遠慮なくご相談ください。貴社の採用活動がスムーズに、そして素晴らしいご縁に繋がるよう、プロフェッショナルとして真摯にお手伝いさせていただきます。まずは、現在のご状況をお気軽にお聞かせくださいませ。温かく丁寧にご案内させていただきます。
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