【2026年最新版】外国人労働者の方の退職・帰国手続きマニュアル:住民税の精算とカード返納ルールのすべて
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外国人労働者が日本での就労を終えて帰国する際、年金手続きと並んで忘れがちなのが「住民税の精算」と「物理カード類の返納」です。とくに住民税は前年所得に対する「後払い」の性質を持つため、手続きが漏れると将来の再来日時に影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、2026年現在の最新法令(地方税法や健康保険法など)に基づき、人事労務担当者と外国人労働者の双方が安心できる確実な実務手順を分かりやすく解説いたします。円滑な帰国をサポートするための完全マニュアルとしてご活用ください。
【目次】
【 外国人労働者の方の退職・帰国手続き(3つの要点)】
住民税の一括徴収ルール
地方税法に基づき、帰国月が1月〜5月の場合は最後の給与からの一括徴収が義務であり、6月〜12月の場合も本人の同意による一括徴収または納税管理人の選任が必要です。
健康保険証と在留カードの返却
退職日に無効となる健康保険証は会社経由で年金事務所等へ、在留カードは帰国時の空港で入国審査官へ直接返納することが健康保険法および入管法で定められています。
マイナンバーカードの国外転出処理
市区町村で海外転出届を提出する際、マイナンバーカードを持参して「国外転出による返納」処理を受けることで、将来再来日した際の手続きが円滑になります。
1. 住民税(市県民税)精算の基本ルール

年金や所得税の手続きと並んで、帰国時の実務で重要になるのが「住民税」の適正な精算です。所得税が「その年の収入」に対して毎月給与から天引き(源泉徴収)されるのに対し、住民税は地方税法の規定により、「前年1月〜12月の収入に基づいて計算され、翌年の6月から1年間かけて支払う後払いシステム」となっています。
そのため、日本を離れて母国へ帰国する場合であっても、すでに確定している住民税の支払い義務が免除・消滅することはありません。将来の円滑な再入国のためにも、確実に精算を終えてから帰国するサポートが不可欠です。
💡 現場のリアルな声(実務での留意点)
「退職するスタッフに『最後の給料から残りの住民税を引くね』と伝えた際、事前の説明が不足しており誤解を招いたことがありました。入社時のオリエンテーションの段階から『日本の住民税は後払いである』と伝えておくことが、円満な退職手続きの鍵となります。」
2. 退職月別の住民税一括徴収ルール

未納を防ぐため、企業は残りの住民税を最後の給与等から「一括徴収(全額を天引きして代わりに市区町村へ納めること)」を行います。この法的な取り扱いは、退職(帰国)する時期によって以下のように異なります。
退職・帰国する時期 | 一括徴収の法的ルール(地方税法) | 企業・本人がとるべき実務対応 |
1月1日〜5月31日 | 義務(原則必須) | 最後に支払う給与から、5月分までの残りの住民税を必ず一括徴収することが法律で義務付けられています。 |
6月1日〜12月31日 | 任意の申し出(推奨) | 法的義務ではありませんが、本人が海外から納付することは困難なため、本人の同意を得て一括徴収するのが実務上の基本です。 |
すべては住民税の「6月スタート〜翌年5月終わり」というサイクルが理由
日本の住民税は、「前年1月〜12月の所得」に対して課税され、その税金を「翌年の6月から、翌々年の5月までの12回(12か月)に分けて給与から天引き(特別徴収)する」というルールになっています。
この「6月〜翌年5月」というサイクルを基準にすると、退職月によるルールの違いの理由がはっきりと見えてきます。
1. なぜ「1月1日〜5月31日」の退職は【一括徴収が義務】なのか?
この時期は、現在の支払いサイクル(前年6月〜当年5月)の「終盤」にあたります。
残りの支払い月数が少ないため
例えば3月に退職する場合、残りの住民税は「3月・4月・5月」の3か月分だけです。
給与から安全に引ききれるため
残額が少ないため、最後の給与や退職金から全額を天引きしても、従業員の手取りがマイナスになる(生活が困窮する)リスクが低くなります。
行政側の未納防止(地方税法第321条の5)
サイクルが終了する目前で退職されると、少額の未納が大量に発生する恐れがあるため、法律で「事業主が最後の給与から強制的に一括徴収して納めること」を義務付けています。
会社の責任
もし会社がこの一括徴収の手続きを怠り、本人に全額給与を渡して帰国させてしまった場合、会社は「特別徴収義務者としての義務を怠った」とみなされます。市区町村から「なぜ法律通りに一括徴収しなかったのか」と指導を受けたり、実務上の不手際を厳しく追及されたりする責任が生じます。
2. なぜ「6月1日〜12月31日」の退職は【本人の任意(推奨)】なのか?
この時期は、新しい支払いサイクル(当年6月〜翌年5月)が「スタートしたばかり」のタイミングです。
残りの支払い月数が多すぎるため
例えば7月に退職する場合、残りの住民税は「8月から翌年5月まで」の10か月分にも及びます。
従業員の生活(手取り)を守るため
10か月分もの住民税を最後の給与から強制的に天引きしてしまうと、「最後の給料がゼロになる」「むしろ会社に現金で不足分を払わなければならない」という事態が発生し、退職者の生活が成り立たなくなる恐れがあります。
法律上の配慮
そのため法律では強制(義務)とはせず、「本人が希望すれば一括徴収してもよい(基本は、後日自宅に届く納付書を使ってコンビニ等で自分で払う『普通徴収』への切り替え)」というルールにしています。
会社の責任
法律上は一括徴収が義務ではないため、会社が本人に説明した上で「本人が一括徴収を希望しなかった(拒否した)」のであれば、会社に一括徴収漏れの責任はありません。会社は「本人が普通徴収(自分で納付)を希望したため、一括徴収はしていません」という内容で異動届出書を市区町村に提出すれば、会社としての法的な義務はすべて完了します。その後の未納分の徴収は、市区町村と本人との間の問題になります。
【外国人労働者の帰国時】における実務上の大きな壁
上記は「日本人に向けた一般的な法律の建前」ですが、「日本を離れて帰国する外国人労働者」の場合は、事情が大きく異なります。
「自分でコンビニで払う(普通徴収)」が物理的に不可能
6月〜12月に退職した場合、法律上は「残りは自分で払う」ことが許されています。しかし、帰国してしまうと日本の自宅ポストに納付書は届かず、日本のコンビニで払うこともできません。
だからこそ「任意の申し出(同意)による一括徴収」が【基本】になる
払えないまま帰国すると「税金未納」となり、将来の再来日(ビザ申請)に深刻な悪影響を及ぼします。そのため、企業の人事労務担当者は、「法律上は任意だけれど、帰国するなら最後の給与から一括徴収させてほしい」と本人に丁寧に説明し、同意を得て一括で精算してあげる(または納税管理人を立てる)のが、労働者を守るための実務上の基本となっているのです。
※【重要補足:給与から引ききれない場合の対応】
帰国直前の給与よりも住民税の残額の方が高く、一括徴収で引ききれない場合は以下のいずれかの対応が必要です。
現金での徴収
不足分をご本人から直接現金で預かり、会社が代わりに納付する。
納税管理人の選任
日本国内に住む同僚や知人、会社の人事・労務担当者などを「納税管理人(代わりに税金の手続きを行う代理人)」として、出国前に管轄の市区町村へ届け出る。

【納税管理人】は「誰が」なるのが一番良いか?
法律上の条件は「日本国内に住所があること(連絡が取れ、代わりに手続きができること)」だけです。日本人でも、日本に住み続ける外国人スタッフでも構いません。しかし、実務上は以下の理由から【会社の人事・労務担当者】が最も適任です。
「日本に残る同郷の友人」を納税管理人に指名して帰国した結果、その友人が帰国してしまったり、お金を使い込んでしまったりするトラブルが発生する可能性があります。会社が管理することで、ご本人も安心できます。
【納税管理人】の必要な「届出」とは?(2つの役所へ提出します)
納税管理人の届出は、実は「住民税用(市役所)」と「所得税用(税務署)」の2箇所で行う必要があります。(※年金の脱退一時金の税金還付も行う場合は、必ず両方必要です)。
どちらも、必ず「ご本人が日本を出国する前」に提出してください。
① 住民税のための届出(市区町村役場へ)
目的
帰国後に確定する住民税の納付書を、納税管理人の自宅(または会社)へ送ってもらい、代わりに納付するため。
提出する書類
「納税管理人申告書」(※市区町村によって名称が少し異なります。各市役所のHPからダウンロードできます)。
提出先
ご本人がその年の1月1日時点で住んでいた(住民票があった)市区町村の税務課。
② 所得税のための届出(税務署へ)
目的
後日、脱退一時金から天引きされた「20.42%の所得税」を、納税管理人が代わりに税務署で還付申告(取り戻す手続き)をするため。
提出する書類
「所得税・消費税の納税管理人の届出書」(国税庁のHPからダウンロードできます)。
提出先
ご本人が出国する直前に住んでいた住所を管轄する税務署。
3. 【納税管理人の届出】実務をスムーズに進めるためのアドバイス
会社のご担当者様が納税管理人を引き受ける場合、以下の流れで進めるとスムーズです。
退職面談のときに書類を作る
ご本人が帰国する前の退職面談の際に、上記の申告書・届出書を印刷しておき、「本人の自筆サイン」をもらいます。(納税管理人となるご担当者様のサインも必要です)。
出国前に提出する
サインが済んだ書類を、ご担当者様が市役所と税務署へ郵送(または持参)して提出します。
お金のやり取りの約束をする
「住民税の不足分は、後で還付される所得税(年金の20%)から相殺して、残ったお金をあなたの海外口座に振り込むね」と約束しておくと、ご本人が帰国前に現金を用意する負担を減らすことができます。
手続き自体は、書類に名前と住所を書いてハンコ(またはサイン)をして出すだけですので、決して難しいものではありません。ご本人に代わって、会社として最後までサポートしてあげてください。
【外国人労働者が未納のまま帰国】してしまった場合の対処
企業が今すぐとるべき実務対応
もし、すでに住民税を支払わずに辞めてしまった外国人の方がいる場合は、会社として以下のToDoをすぐに実行してください。
☑ 「給与所得者異動届出書」を市区町村へ一刻も早く提出する(本人が退職したこと、未納分を本人宛ての「普通徴収」に切り替えることを行政に通知するため)。
☑ 本人と連絡が取れる場合、未納のリスクを伝える(「このままでは将来日本に来られなくなる」と伝え、日本国内の知人を納税管理人に指定して残額を支払うよう促す)。
会社が身代わりで税金を支払う必要はありませんが、行政への届出(異動届出書)だけは会社の義務ですので、出し忘れがないか過去の書類を至急ご確認ください。
3. 帰国直前に必須となる物理カードの返納ルール

税金の精算に加えて、日本で付与された公的な物理カード類も、各法令に基づき適切な返納処理を行う必要があります。
健康保険証の回収(健康保険法に基づく)
ルール
健康保険証は退職日の翌日をもって無効となります。事業主は速やかに年金事務所または健康保険組合へ返却する義務があります。
※健康保険法における「速やかに」とは、具体的な日数で「資格喪失日(退職日の翌日)から5日以内」と明確に定められています。(健康保険法施行規則第29条等に基づく)
実務上の注意点:もし5日以内に保険証を回収できなかったら?
外国人労働者が帰国する際、「保険証を返し忘れて飛行機に乗ってしまった」「紛失してしまった」というトラブルが発生する可能性があります。
ここで人事担当者様が絶対にやってはいけないのが、「保険証が戻ってくるまで、資格喪失届の提出を保留にして待つこと」です。提出が遅れると、すでに退職しているにもかかわらず、会社に社会保険料の請求が来続けてしまいます。
【正しい対処法】
もし5日以内に健康保険証が手元になくても、期限通り(5日以内)に「資格喪失届」だけを提出してください。 その際、保険証の現物を添付できない理由として、「健康保険被保険者証回収不能届(または滅失届)」という書類を1枚作成して一緒に提出すれば、会社としての法的な義務は適正に完了します。
実務のコツ
「帰国日の直前まで病院に行くかもしれない」という要望に備え、あらかじめ「空港から会社へ郵送するための専用封筒(切手貼付済)」を渡しておくことで、回収漏れを効果的に防げます。
マイナンバーカードの返納手続(番号利用法に基づく)
ルール
市区町村の役所で「海外転出届(住民票の除票)」を行う際、本人がカードを持参し、表面に「国外転出により返納」のスタンプを押印してもらいます。
メリット
カード自体は将来の証明用として持ち帰ることができます。これにより、再来日した際に同じマイナンバーがスムーズに引き継がれ、各種行政手続きが大幅に簡略化されます。
【重要】帰国時の総仕上げ「海外転出届」の提出について
市区町村の役所で「日本の住民票を抜く」ための手続きです。翌年以降の住民税や国民年金などの請求を止め、マイナンバーカードの返納処理をするための極めて重要な作業となります。
いつ行く?: 帰国の1〜2週間前(遅くとも出国当日まで)
どこへ?: 現在住んでいる市区町村の役場窓口
持ち物は?: 「在留カード」「マイナンバーカード」「パスポート」
何を書く?: 窓口の用紙に、出国日と「転出先の国名(ベトナムなど)」を記入するだけです。
💡 人事担当者の方の「同行」を強く推奨します!
外国人ご本人が一人で役場に行くと、「マイナンバーカードの返納処理」を忘れて帰ってきてしまうケースがあります。また、同行すれば窓口で「住民税の未納額」を直接確認できるため、帰国前の税金トラブルを未然に防ぐことができます。
在留カードの返納(出入国管理及び難民認定法に基づく)
ルール
日本での活動を終えて完全帰国する場合、出国する空港等の入国審査官に対して、本人が直接「在留カード」を返納することが法令で定められています。会社で回収・破棄してはいけません。
4. 【要注意】ハローワークへの離職の届出(罰則あり)
税金やカードの手続きに加えて、外国人が退職・帰国した際は、日本人と同じ雇用保険の喪失手続きに加えて、「外国人雇用状況の届出」をハローワークへ提出することが労働施策総合推進法で義務付けられています。この届出を怠ると、事業主に30万円以下の罰金が科される可能性があるため確実に実施してください。
雇用保険に加入していた場合
退職の翌日から10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出します。この際、必ず備考欄等に「在留カード番号」などを記載する必要があります。
雇用保険に加入していなかった場合
退職した翌月の末日までに「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」を提出します。
※「2つの資格喪失届」の決定的な違い
ハローワークへ提出するのは「雇用保険(失業保険)」をやめるための届出であり、年金事務所へ提出するのは「社会保険(健康保険と厚生年金)」をやめるための届出です。
比較項目 | ① ハローワークへ提出する届出 | ② 年金事務所へ提出する届出 |
正式名称 | 雇用保険被保険者資格喪失届 | 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届 |
目的 | 雇用保険の脱退 + 外国人雇用状況の報告 | 健康保険(医療)と厚生年金からの脱退 |
提出先 | 管轄のハローワーク(公共職業安定所) | 管轄の年金事務所(または健康保険組合) |
提出期限 | 退職した翌日から10日以内 | 退職日の翌日(資格喪失日)から5日以内 |
添付するもの | 離職証明書(※本人が希望する場合等) | 回収した「健康保険証」 |
外国人労働者における「ハローワーク」への届出の特別ルール
日本人従業員が退職する際もこれら2つの届出はセットで行いますが、外国人労働者が退職する場合は、ハローワークへ提出する「雇用保険被保険者資格喪失届」に特別な意味(絶対義務)が付加されます。
備考欄が「外国人雇用状況の届出」を兼ねている
労働施策総合推進法により、外国人が退職した際は国へ報告する義務があります。雇用保険に加入していた外国人の場合、ハローワークへ提出する「雇用保険被保険者資格喪失届」の備考欄に以下の情報を記入することで、この報告義務を果たしたことになります。
在留資格(ビザの種類)
在留期間(ビザの期限)
国籍・地域
在留カード番号(※2020年3月から記載が必須化されています)
実務上の注意点
年金事務所へ出す書類(健康保険の喪失届)には、このような在留カード番号を書く欄はありません。ハローワークへ出す書類の備考欄を書き忘れると、「外国人雇用状況の届出」をしていないとみなされ、30万円以下の罰金の対象になる恐れがあるため、作成時は必ず在留カードのコピーと照らし合わせて記入してください。
まとめますと、退職時には「年金事務所へ5日以内(保険証を返す)」と「ハローワークへ10日以内(在留カード番号を書いて出す)」という、2つの全く別の届出を並行して行う必要があるとご認識ください。
5. 【事前準備】要件確認チェックリスト

手続きの漏れを防ぐため、退職合意後、速やかに以下の7項目を確認してください。
☑ 帰国予定日および、最後の給与支給日を明確に確定させる
☑ 市区町村からの「特別徴収税額通知書」を確認し、未納分の住民税残額を計算する
☑ 退職月が「1月〜5月」か「6月〜12月」かを把握し、法的要件を確認する
☑ 最後の給与額で住民税の残額が全額引ききれるかをシミュレーションする
☑ 給与で引ききれない場合、「納税管理人」を引き受ける担当者を社内で決定する
☑ 本人が所持している物理カード(健康保険証、マイナンバーカード、在留カード)の有無を確認する
☑ 帰国前に市区町村役場へ行く日(海外転出届の提出日)を本人とスケジュール調整する
☑ 退職者が雇用保険に加入していたか(ハローワークの提出期限が10日以内か、翌月末か)を確認する
6. 【行動手順】実務対応ToDoリスト
事前準備が整ったら、以下の7ステップに沿って本人と協力しながら確実に行動を起こしましょう。
☑ 住民税の一括徴収額を本人に丁寧に説明し、最後の給与明細へ正確に記載する
☑ 最後の給与から住民税を天引きし、翌月10日までに各市区町村へ納入する
☑ 本人が市区町村役場へ行き「海外転出届」を提出するよう案内・同行する
☑ 役場の窓口で、マイナンバーカードに「国外転出による返納」の手続きを行う
☑ 退職日当日(または専用の返送封筒にて)、本人から健康保険証を確実に回収する
☑ 回収した健康保険証を添付し、速やかに年金事務所等へ「資格喪失届」を提出する
☑ 帰国日当日、空港の出国審査窓口で「在留カード」を返納するよう最終確認の連絡を入れる
☑ 期限内にハローワークへ「資格喪失届」または「外国人雇用状況届出書」を必ず提出する
7. 手続きを怠った場合の将来への影響について
住民税の精算を忘れたまま帰国してしまうと、後日、市区町村からご本人宛て(または会社宛て)に督促状が届きます。これを放置すると「税金未納」として行政に記録が残ります。
出入国管理及び難民認定法(入管法)の運用において、公的義務の履行状況(税金の納付等)は厳格に審査される傾向にあります。将来、本人が日本に再入国し、新たな就労ビザ(在留資格)を申請しようとした際、過去の税金未納を理由にビザの許可がスムーズに下りない事態を招く可能性があります。
外国人労働者の方の未来ある可能性を守るためにも、企業側が先回りして適正な精算をサポートすることが求められます。
よくあるご質問(FAQ)
住民税を給与から全額引ききれない場合はどうすればよいですか?
不足分はご本人から直接現金でお預かりするか、日本国内に住む方を「納税管理人(代わりに税金の手続きをする代理人)」として市区町村へ届け出ることで適法に対応できます。
帰国後もマイナンバーカードを母国へ持ち帰ることはできますか?
はい、お持ち帰りいただくことが可能です。帰国前に市区町村で転出手続きを行い、カードに「国外転出により返納」の処理を受けることで、将来再来日した際の証明書として役立ちます。
在留カード(ビザの身分証)は帰国時にどこへ返却するのですか?
日本での活動を終えて帰国する場合、空港の出国窓口にいる入国審査官に対して、ご本人が直接手渡しで返納することが出入国管理及び難民認定法で定められています。
6月から12月に退職する場合、住民税の一括徴収はしなくてもよいですか?
法律上の絶対的な義務ではありませんが、帰国後に海外から日本の市区町村へ直接納税することは困難なため、ご本人の同意を得た上で給与から一括徴収する方が確実で安心です。
帰国日の直前まで日本の健康保険証を使いたい場合は可能ですか?
健康保険証は退職日の翌日から無効となります。退職日と帰国日が同日の場合、会社から切手付きの返送用封筒をお渡しし、出国直前に空港のポストからご郵送いただく方法が便利です。
結び
外国人労働者の社会保険・税金の手続きは、入社時の「社会保障協定の確認」と「海外扶養家族のルールの徹底」に始まり、退職時の「脱退一時金か期間通算かの選択」「住民税の精算」、そして「物理カードの返納」に至るまで、極めて多岐にわたります。
法令に沿った適正な手続きを行うことはもちろんですが、最も重要なのは、複雑な日本の制度を労働者本人が理解し、納得して働けるよう、企業側が先回りして情報提供とサポートを行うことです。本ガイドを、社内の実務フロー構築や外国人スタッフへの案内にぜひご活用ください。
【外国人雇用や労務管理でお悩みの皆様へ】無料相談のご案内
外国人スタッフの退職や帰国に伴う手続きは、地方税法、入管法、各種社会保険のルールが複雑に絡み合い、人事ご担当者様にとって大きな負担となることが少なくありません。「自社のケースで手続きに漏れがないか不安」「従業員が安心できるような分かりやすい案内手順を知りたい」とお悩みの際は、どうぞご無理をなさらず、お気軽にご相談ください。
最新の法令に精通した専門家が、貴社の状況にしっかりと寄り添い、労使双方が笑顔で円満に手続きを終えられるよう温かくサポートいたします。小さな疑問や確認だけでも大歓迎ですので、いつでも安心してご連絡をお待ちしております。

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帰国時の税務・公的手続き:公式法的根拠・参照元一覧
記事作成にあたり、2026年現在の最新法令の適合性を厳格に検証し、法的根拠とした日本政府公式の一次情報リンク一覧です。
管轄機関 | 参照元テーマ(公式ページへのリンク) | 入力記事のどの内容に対応するか / 最新の法的根拠・法改正の要約 |
総務省 | 記事第1章・第2章の「住民税の後払いシステム」および「退職月による一括徴収ルール」に対応。地方税法第321条の5に基づく、1月〜5月退職時の特別徴収(一括徴収)の法的義務の根拠となります。 | |
出入国在留管理庁 | 記事第3章の「在留カードの返納」に対応。出入国管理及び難民認定法第19条の15に基づき、中長期在留者が日本での活動を終えて出国(完全帰国)する際、出国港にて入国審査官へ直接返納する法的要件の根拠です。 | |
デジタル庁 | 記事第3章の「マイナンバーカードの国外転出処理」に対応。番号利用法に基づき、外国籍者が国外転出する際、市区町村窓口で「国外転出により返納」の処理を受け、再来日時の証明として持ち帰る運用の根拠です。 | |
日本年金機構 | 記事第3章の「健康保険証の確実な回収」に対応。健康保険法第51条等に基づき、退職日の翌日に被保険者資格を喪失し、事業主が健康保険証を回収して5日以内に資格喪失届を提出する義務の根拠です。 | |
国税庁 | 記事第2章・FAQの「納税管理人の選任」に対応。国税通則法および地方税法において、非居住者(帰国者)が日本国内の税務処理(住民税等の納付)を処理させるため、出国前または退職時に市区町村へ申告する運用の根拠です。 |



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