民事信託⑥
- 克徳 山本
- 2025年9月12日
- 読了時間: 3分
「諸費用等の負担の定め」
信託財産を管理・運営していくためには必要な費用が発生します。その必要費用は信託財産の中から支払いしていくことになります。例えば、自宅不動産を信託財産として設定した場合、自宅不動産に関係する費用(修繕費用やリフォーム代、固定資産税等)の支払いや受託者が信託事務を処理するにあたり、自己に過失なく受けた損害の賠償などは信託事務の一部となりますので、受託者が信託財産に属する金銭の中から支出することとなります。この場合には、信託契約書にて、受益者に対して前払いを受ける額及びその算定根拠を通知することなく、受託者の裁量で支払いできる旨の定めをしておきます。一方で信託財産に属する金銭が信託費用に不足することもあり得ます。この場合には、受託者は、計算根拠を明らかにしたうえで、受益者に前払いを請求し、または事後に不足分を請求できるような定めをしておきます。信託契約には定めていない特別な支出が見込まる場合、受益者の同意を得た上でその費用を支出できるようにしておけば柔軟に対応できるます。受益者が高齢で判断能力の低下が心配されるような場合には、受益者につき、成年後見等が開始した場合の成年後見人等の報酬及び立替費用も信託財産から支出できるようにしておくと安心です。
「受益者、受益権の内容及び給付の定め」
前述のとおり、贈与税のかからない自益信託(委託者兼受益者)とする場合が多いと思われます。受託者は受益者に対して、信託財産により収益があればその収益から信託費用及び借入金の返済など差し引いた金員を限度として受益者の意見を聞き受託者が相当と認める額を手渡し、または受益者の銀行口座に振り込むことによって給付します。その他には信託不動産など信託財産が処分された場合などに備えて受益者がどのような給付を受けることができるのかを定めておきます。この受益権は原則として、第三者へ譲渡が自由に行うことができますが、譲渡には受託者への通知または受託者の承諾が必要となります。受託者以外の第三者に譲渡したことを主張するには確定日付のある証書による通知または承諾が必要です。一方で信託契約で譲渡が禁止されている場合や、受益権の性質上譲渡できないような場合はできません。譲渡をしてほしくない、したくない場合などは、「受益者及び受託者の合意がない限り、譲渡、質入、その他担保権設定等の処分すること及び分割することはできないものとする。」などの定めをしておくとトラブルを未然に防ぐことができます。
山本行政書士事務所
山本克徳
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