【特定活動】という名の、あまりにも広く、そして深い海を渡るための「正確な地図」
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<日本での活動範囲>
法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動
<該当例>
外交官等の家事使用人、ワーキング・ホリデー、衛材連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等
<在留期間>
5年、3年、1年、6月、3月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)
日本の在留資格は、通常「教授」「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」といった具合に、活動内容がパッケージ化されています。しかし、国際情勢の変化や、外交上の要請、あるいは人道上の配慮などにより、既存のパッケージ(在留資格)には収まらないものの、日本への滞在を認めるべき活動が次々と生まれます。そこで、「あらかじめ法務大臣が告示で定めた活動(告示特定活動)」と「個別に判断する活動(告示外特定活動)」の二段構えで対応しています。その他にも、出入国管理及び難民認定法で直接規定されている「法定特定活動」というのも存在します。
【法定特定活動】
法務大臣が告示で指定する【告示特定活動】とは異なり、法律そのものによって認められた活動で、主として以下の3種類活動となります。
【特定研究活動】(研究者など)
日本の公私の機関との契約に基づいて行う、特定の専門分野における研究、指導、教育活動。
【特定情報処理活動】(IT技術者など)
日本の公私の機関との契約に基づいて行う、自然科学、人文科学分野の技術や知識を要する情報処理業務。
【家族滞在活動】(研究者やIT技術者の配偶者または子供)
上記の特定研究・情報処理活動を行う外国人の配偶者、または子として滞在する活動。
※就労に関して、原則として指定された機関での研究・情報処理業務に限定されます。
【告示特定活動】
第1号 外交官等の個人的使用人
【規定の内容】 別表第1に掲げる外国人(外交官、領事官、特権免除を受ける者など)に雇用される18歳以上の者が、その雇用主の家事に従事する活動です。
絶対的要件: 18歳以上の者で、雇用主が使用する言語により日常会話ができること。
具体例: 日本に駐在する駐日大使が、母国から信頼の厚いメイドを呼び寄せるケースです。
注意点: ここでは「報酬額」の明示的な規定が告示本文にはありませんが、外交特権に付随する活動として整理されています。ただし、奴隷的拘束を禁じる観点から、当然ながら適切な雇用契約が前提となります。
第2号 「高度専門職」・「経営者(管理者)」・「法律・会計業務」などの専門家等の個人的使用人
【規定の内容】 別表第2に掲げる外国人(高度専門職・経営・管理、法律・会計業務の在留資格を持つ事業所の長またはこれに準ずる地位にある者)に雇用される18歳以上の者が、月額20万円以上の報酬を受けて家事に従事する活動です。
絶対的要件
18歳以上であること。
月額20万円以上の報酬を支払うこと。
雇用主が使用する言語で日常会話ができること。
雇用主側に、13歳未満の子がいる、または病気等で家事ができない配偶者がいること。
他に家事使用人を雇用していないこと。
具体例: 外資系企業の日本支社長(「経営・管理」)が、共働きで10歳の子を育てるため、母国から乳母(うば)を呼び寄せるケース。
注意点: この「月額20万円」は非常に厳しいハードルです。日本人を雇う場合と同等以上の待遇を保証させ、安価な労働力としての利用を防ぐ狙いがあります。
第2号の2(帯同型) 高度専門職外国人の家事使用人
【規定の内容】 高度専門職の在留資格で在留する外国人に雇用される家事使用人です。これは、高度人材が日本に来る「ついでに」連れてくるパターンを想定しています。
絶対的要件
世帯年収が1,000万円以上であること。
他に家事使用人を雇用していないこと。
18歳以上、月額20万円以上の報酬。
継続雇用要件: 日本への転居前から継続して1年以上、その雇用主に雇用されていること。
※共に転居しない場合は、高度専門職外国人が転居するまで継続してい1年以上、その高度専門職外国人に個人的使用人として雇用され、かつ、その高度専門職外国人の転居後にあっても、その高度専門職外国人またはその者の同居の親族に個人的使用人として雇用されている者であって、本帰国する時はその高度専門職外国人の方の負担で一緒に本帰国することが予定されている者であること。
出国予定要件: 雇用主が日本を出国する際、共に日本を出国することが予定されていること。
具体例: シンガポールでバリバリ働いていた金融エリートが、日本に「高度専門職」として移住する際、長年家族同然に過ごしてきたフィリピン人のメイドを一緒に連れてくるケース。
第2号の3、第2号の4 高度専門職外国人の家事使用人(金融専門職・特別高度人材型)
【規定の内容】 第2号の3は金融関連(投資運用業等)に従事する高度人材、第2号の4はJ-SKIP等の特別高度人材による雇用です。
金融専門職型(2号の3)の特例
世帯年収1,000万〜3,000万円未満なら1人まで雇用可能。
世帯年収3,000万円以上なら、2人まで雇用可能(これが大きな特徴です)。
特別高度人材型(2号の4)の特例:
特別高度人材の基準(J-SKIPなど)に適合する者が対象。
これも世帯年収3,000万円以上であれば2人まで雇用が認められます。
注意点: 通常、家事使用人は「1家庭1人」が原則ですが、超高年収の金融エリートやトップクラスの研究者には、より手厚い家事サポートを認め、日本への誘致を促進しています。
第3号、第4号 台湾・パレスチナ関係事務所の職員と家族
【規定の内容】 台湾日本関係協会の事務所職員、または駐日パレスチナ総代表部の職員およびその家族としての活動です。
背景: 日本はこれらの国・地域を国家承認していないため、「外交」の在留資格を付与できません。しかし実質的な外交機能を有しているため、「特定活動」という枠組みで外交官と同等の活動を認めています。
第5号 ワーキング・ホリデー
【規定の内容】 日本と協定を結んでいる国の青少年が、休暇を過ごす目的で来日し、その滞在資金を補うために就労を行う活動です。
対象国: オーストラリア、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、イギリス、香港、ノルウェーなど、多数の国が含まれます。
活動の制限: あくまで目的は「休暇」です。そのため、風俗営業活動(キャバレー、ナイトクラブ、麻雀店、パチンコ店など)への従事は厳格に禁止されています。
手続き: 各国との「口上書」や「協定」または「協力覚書」に基づき、1年以内の滞在が認められるのが一般的です。
第5号の2 台湾ワーキング・ホリデー
【規定の内容】 台湾の居住者に対するワーキング・ホリデーです。基本的な枠組みは第5号と同じですが、要件が「別表第3」に詳細にまとめられています。
別表第3の主要要件
申請時に台湾の居住者であること。
年齢が18歳以上30歳以下であること。
1年を超えない期間、主として休暇を過ごす意図があること。
以前にワーキング・ホリデー査証の発給を2回以上受けていないこと(つまり、人生で2回までチャンスがあります)。
被扶養者を同伴しないこと。
帰国のための切符または購入資金(約20〜30万円程度が目安)を有すること。
滞在当初の生計維持資金を有すること。
健康であり、犯罪歴がないこと。
民間医療保険への加入。
注意点: 台湾とのワーキング・ホリデーは非常に人気が高く、枠も拡大されていますが、この「保険加入」や「資金証明」は審査で厳しくチェックされるポイントです。
「風俗営業」の絶対禁止
ワーキング・ホリデー(5号)などの項目で明記されていますが、特定活動で「就労」が認められる場合であっても、いわゆる「風俗営業」での勤務は、たとえ掃除や受付であっても一切認められません。これに違反すると、在留資格の取り消しや強制退去の対象となります。
第6号 アマチュアスポーツ選手
【規定の内容】 オリンピックや世界選手権に出場経験のあるようなトップレベルのアマチュア選手が、日本の実業団などに雇用され、スポーツ振興や水準の向上ために活動する場合です。
絶対的要件
月額25万円以上の報酬を受けること。
日本の公私の機関(企業やスポーツ団体)に雇用されること。
具体例: 社会人ラグビーやVリーグ(バレーボール)などで、海外の元代表選手を「社員」として雇用し、選手としてプレーしてもらうケースです。
「報酬」の定義と証明
特定活動の多くで「報酬を受ける」ことが要件となっています。これは、単なるお小遣いではなく、日本での生活を維持でき、かつ日本人の賃金水準を破壊しない程度(多くは日本人と同等以上)であることが求められます。第2号の「月額20万円以上」や第6号の「月額25万円以上」という具体的な数字は、その最低ラインを示すものです。
第7号 スポーツ選手の家族
【規定の内容】 第6号で在留する選手の扶養を受ける配偶者または子が行う日常的な活動です。
ポイント: 「家族滞在」ではなく「特定活動」として指定されます。これは本体の選手が「特定活動」だからです。
扶養家族の扱い
第7号(スポーツ選手の家族)や第14号(万博関係者の家族)のように、本体の活動に付随して認められる家族の活動は、あくまで「本体」が有効に在留していることが前提です。本体が帰国すれば、家族の「特定活動」もその根拠を失います。
第8号 国際仲裁・調停事件の代理
【規定の内容】 外国弁護士が、国際仲裁事件や国際調停事件の手続において、報酬を受けて代理業務に従事する活動です。
ポイント: 日本の機関との契約に基づくものは除かれます。あくまで「国際的な」紛争解決のために来日する専門家のための枠です。
第9号 大学インターンシップ
【規定の内容】 外国の大学生が、単位取得などの教育課程の一部として、日本の企業等と契約を結び、報酬を受けて業務に従事する活動です。
絶対的要件
学位を授与される教育課程(大学)に在籍していること(通信教育は不可)。
大学と日本の受入機関との間で契約があること。
報酬を受けること。
期間は1年を超えず、かつ大学の修業年限の2分の1を超えないこと。
具体例: ドイツの大学生が、大学のプログラムとして、日本の自動車メーカーで6か月間、給料をもらいながらエンジニア実習を受けるケース。
第10号 英国ボランティア
【規定の内容】 イギリス政府との取り決めに基づき、日本赤十字社や社会福祉法人などでボランティアを行う活動です。
対象機関: 国・地方公共団体、日赤、公益法人、社会福祉法人、NPO法人、独立行政法人など。
期間:1年以上
第11号 現在「削除」
第12号 サマージョブ
【規定の内容】 外国の大学生(学位を授与される教育課程(大学)に在籍していること(通信教育は不可)が、大学の夏休みなどの長期休暇期間(授業が行われない期間)を利用して、日本の企業等で報酬を受けて働く活動です。
第9号(インターン)との違い
インターンは「教育課程の一部(単位など)」ですが、サマージョブは「学業遂行や将来の就業に資するもの」であればOKです。
期間は3か月以内に限定されます。
大学の授業が行われない期間(夏休み等)でなければなりません。
具体例: アメリカの大学生が、夏休みの3か月間だけ、日本のホテルで接客のアルバイト(実習)をするケース。
契約書の重要性
特にインターンシップ(9号)やサマージョブ(12号)では、外国の大学と日本の受入企業との間の「契約書」が審査の柱となります。単に「来たいと言っているから受け入れる」という曖昧な関係では許可は出ません。教育課程との関連性や、責任の所在を明確にする必要があります。
第13号、第14号 大阪・関西万博関係者と家族
【規定の内容】 2025年に開催される大阪・関西万博の関係者(協会が認める者)およびその家族の活動です。
時限的な活動: 万博という国家プロジェクトを円滑に進めるための特別枠です。
第15号 国際文化交流(講義)活動
【規定の内容】 外国の大学生(学位を授与される教育課程(大学)に在籍していること(通信教育は不可)が、日本の地方公共団体が実施する事業に参加し、小・中・高校などで「国際文化交流」に関する講義を報酬を受けて行う活動です。
絶対的要件:
地方公共団体が実施する事業であること。
地方公共団体側に、住居の提供や十分な管理体制が整備されていること(別表第4)。
期間は大学の休暇期間中(授業が行われない期間)で、かつ3か月以内であること。
場所は、小学校(義務教育学校の前期課程を含む)、中学校(義務教育の学校の後期課程を含む)、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校、各種学校などに限られます。
具体例: 夏休みに海外の大学生を呼び、地元の小学校で「世界の文化」について英語で教えてもらう自治体の交流プログラムなど。
EPA(経済連携協定)による看護・介護の懸け橋(第16号〜第24号、第27号〜第31号)
日本はインドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国と経済連携協定(EPA)を締結し、看護師・介護福祉士候補者の受け入れを行っています。これらは単なる「労働力」ではなく、日本の国家試験合格を目指す「研修・習得」の側面が強い活動です。
インドネシアからの看護師・介護福祉士候補者(第16号〜第19号)
第16号 看護師候補者
インドネシアとの協定に基づき通報された者が、日本の看護師免許(保健師助産師看護師法第7条第3項)を取得することを目的とする活動です。
具体的な活動: 指定された研修機関での知識習得、または指定された病院等での雇用契約に基づく研修としての業務に従事する活動となります。重要なのは、必ず日本の「看護師」の監督下で業務に従事しなければならないという点です。
第17号 介護福祉士候補者
介護福祉士資格の取得を目的とする活動です。
要件: 本邦の公私の機関により受け入れられて行う知識の修得をする活動、または指定された本邦の公私の機関との間の雇用契約に基づき、指定された施設内で、日本の「介護福祉士」の監督下で研修として業務に従事します。
第18号・第19号 家族の同居
すでに看護師免許や介護福祉士資格を取得し、日本で業務に従事しているインドネシア人の方の配偶者や子が対象です。
要件: 同居し、かつ扶養を受けることが条件です。これにより、家族が離れ離れになることなく、日本でのキャリアを継続できる体制が整えられています。
フィリピンからの看護師・介護福祉士候補者(第20号〜第24号)
フィリピンについてもインドネシアと同様の枠組みですが、介護福祉士については「養成施設(学校)」に通うルートが明記されているのが特徴です。
第20号 看護師候補者
フィリピンとの実施取極に基づき、看護師免許の取得を目的とし、本邦の公私の機関により受け入れられて行う知識の修得をする活動、または指定された本邦の公私の機関との雇用契約により、指定された施設での研修としての業務に従事する活動となります。看護師の監督下での研修が必須となります。
第21号 介護福祉士候補者(施設研修型)
本邦の公私の機関により受け入れられて行う知識の修得をする活動、または 指定された施設での指定された公私の機関との雇用契約に基づき、研修としての業務に従事する活動となります。介護福祉士の監督下で研修としての業務を行う形態です。
第22号 介護福祉士候補者(養成施設型)
文部科学大臣・厚生労働大臣・都道府県知事が指定した「介護福祉士養成施設(専門学校等)」において、必要な知識と技能を修得する活動です。
第23号・第24号 家族の同居
フィリピン人の看護師・介護福祉士として活躍する者の扶養を受ける配偶者や子が対象です。
※第25号と第26号は第31号の後に記載してあります。
ベトナムからの看護師・介護福祉士候補者(第27号〜第31号)
ベトナムは2012年の書簡交換に基づき、後発で加わりました。基本的にはフィリピンと同様の2ルート(施設研修・養成施設)が用意されています。
第27号 看護師候補者
ベトナム交換公文に基づき、看護師免許取得を目指す活動です。本邦の公私の機関により受け入れられて行う知識の修得をする活動、または指定された本邦の公私の機関との間の雇用契約に基づき、指定された施設での看護師の下で、研修としての業務に従事する活動となります。
第28号・第29号 介護福祉士候補者
第28号は施設での研修(本邦の公私の機関により受け入れられて行う知識の修得をする活動、または 指定された施設での指定された公私の機関との雇用契約に基づき、研修としての業務に従事する活動となります。介護福祉士の監督下で研修としての業務を行う形態です。、
第29号は、介護福祉士資格の取得を目的とし、指定された養成施設(学校)での必要な知識及び技能を修得する活動となります。
第30号・第31号 家族の同居
同様に、資格取得後のベトナム人スタッフの家族が対象となります。
※EPA制度の厳格な運用(重要)
第16号から第31号のEPA枠は、二国間の国家間合意に基づいています。そのため、書類の不備はもちろん、「適切な監督者がいるか」「適切な研修計画があるか」が厳しくチェックされます。特に「看護師の監督下」「介護福祉士の監督下」という条件 は、安全性と教育的配慮から一切の妥協が許されません。
人道的貢献と医療の国際化「医療滞在」(第25号・第26号)
日本の高度な医療を求めて来日する外国人と、そのサポートを行う方のための項目です。
第25号 入院・医療を受ける活動(医療滞在)
【規定の内容】 日本の病院や診療所に「相当期間」入院して、疾病や傷害の治療を受ける活動、およびその入院前後の継続的な治療活動です。
要件とポイント: 単なる通院ではなく「相当期間の入院」を伴うことが前提です。美容整形などの自由診療であっても、医療機関が作成した治療計画に基づき、入院が必要と認められれば対象となり得ます。
「相当期間」とは、短期滞在(90日以内)では対応できないような、長期の治療やリハビリを想定しています。
入院している期間だけでなく、手術前の検査(入院前)や、退院後の経過観察・リハビリ(入院後)についても、同じ疾病や傷害に関わるものであれば活動範囲として認められます。
具体例
例A:高度な外科手術と長期リハビリ 海外では対応が困難な難病の治療のため、日本の大学病院で心臓外科手術を受けるケースです。手術前の一週間の検査、一か月の入院手術、その後の三か月にわたる通院リハビリを含め、一連の活動として認められます。
例B:先進的ながん治療 特定の医療機関に入院して放射線治療や化学療法を受ける場合です。一度の入院が短期間であっても、繰り返しの入院が必要な計画であれば、その前後の期間を含めて包括的に指定されます。
第26号 医療滞在者の付添人
【規定の内容】 第25号(患者本人)の在留資格を持っている人と共に滞在し、その方の世話をすることを目的としています。
「日常生活上の世話」の範囲 :食事の準備、洗濯、買い出し、病院への送迎、さらには通訳の補助など、入院生活や退院後の生活を支えるあらゆるサポートが含まれます。
厳格な禁止事項: 収入を伴う事業の運営や、報酬を受ける活動は一切禁止されています。
具体例: 入院患者の配偶者や親族、あるいは信頼できる知人が、身の回りの世話や通訳を兼ねて同行するケース。
注意点: あくまで「世話」が目的であり、ボランティアに近い位置づけです。日本で働いて治療費を稼ぐといったことは認められません。
1. 医療機関の「受入証明」の重要性
告示には「入院し...医療を受ける」とあります。これを証明するためには、受入先の病院が作成した「治療計画書」や「入院予約証明書」が不可欠です。いつからいつまで入院し、どのような治療を行うのか、その正確なスケジュールが審査の鍵となります。
2. 資金証明(告示外の重要要素)
告示第40号(富裕層観光)のように具体的な金額(3,000万円など)は明記されていませんが、第25号・第26号ともに日本で相当期間滞在し、かつ第26号の方は働くことができません。そのため、高額な医療費と日本での滞在費を十分に賄える資金力があることが、実務上は厳格に証明されなければなりません。
3. 「医療滞在」の連続性
第25号の規定にある「入院の前後に...継続して医療を受ける」という部分は、非常に柔軟な運用を可能にしています。しかし、これはあくまで「同じ病気やケガ」の治療に限られます。全く別の病気で滞在を延長することは、原則として想定されていません。
第32号 現在「削除」
高度専門職(HSP)外国人の活躍を支える家族支援(第33号〜第34号)
日本が世界中から優秀な人材を呼び込むための「高度専門職」制度。その利便性を高めるために、家族に対しても非常に柔軟な「特定活動」が用意されています。
第33号・第33号の2高度専門職外国人の配偶者の就労
通常、家族滞在の在留資格では資格外活動許可(週28時間以内)が必要ですが、高度専門職の配偶者には、より本格的な就労が認められています。
第33号(通常の高度専門職の配偶者)
要件: 高度専門職外国人と同居し、日本人と同等以上の報酬を受けること。
※ 報酬の「日本人と同等以上」
配偶者の就労(33号)などで求められる「日本人と同等以上の報酬」 は、単に最低賃金を超えていれば良いというものではありません。その企業の給与体系に基づき、同程度の経歴を持つ日本人が受け取る額と比較されます。
認められる活動(別表第5): 研究、教育(語学教育等)、技術・人文知識・国際業務、特定の芸能活動(宣伝、番組制作、撮影等)。
緩和のポイント: 本来の在留資格(例:技術・人文知識・国際業務)で求められる「学歴」や「職歴」の要件が免除されます。
第33号の2(特別高度人材:J-SKIP等の配偶者)
さらに活動の幅が広がり、別表第5の2に掲げる活動が可能です。
認められる活動の拡大(別表第5の2): 教授、芸術、宗教、報道、熟練した技能(料理人、建築、動物調教、パイロット等)など、多岐にわたる専門職が含まれます。
具体例: 超一流のITエンジニア(高度専門職)の配偶者が、自身のキャリアを活かして日本の企業でフルタイムの正社員(技術職)として働く、あるいはプロの料理人としてレストランで働くといったことが可能です。
第34号 高度専門職外国人の親の帯同
日本の入管法では、原則として「親」を呼ぶ在留資格はありません。しかし、高度専門職には特例があります。
絶対的要件:
世帯年収が800万円以上であること。
高度専門職本人または配偶者の7歳未満の子を養育する場合、または妊娠中の本人・配偶者の介助を行う場合。
高度専門職本人と同居すること。
※高度専門職の「同居」要件
第33号(配偶者)および第34号(親)において、「同居」は絶対条件です。単に扶養しているだけでは足りず、実態として同じ屋根の下で生活していることが求められます。これは、高度専門職本人の生活基盤を安定させるという制度趣旨に基づいています。
人数の制限: 高度専門職本人側か配偶者側か、いずれかの「父または母(一組)」に限られます。
具体例: 日本で働く高度専門職の夫婦に子供が生まれた際、母国から祖父母を呼び寄せ、仕事と育児を両立させるためのサポートを受けるケース。
第4章:審査実務の現場から〜省略厳禁の重要ポイント〜
法務省の職員として、これらの申請を審査する際に最も注視するポイントを解説します。
第35号 現在「削除」
高度な頭脳を呼び込む「特定研究・特定情報処理」(第36号〜第39号)
このグループは、日本のイノベーションを加速させるための「特区」に近い性質を持っています。
第36号 高度研究・教育活動
法務大臣が指定する日本の公私の機関(大学や研究所等)との契約に基づき、高度の専門的知識を必要とする特定の分野に関する研究、研究の指導もしくは教育(大学もしくはこれに準ずる機関、又は高等専門学校においてするものに限る)をする活動に従事し、またはその活動と併せてその特定の分野に関する研究、研究の指導もしくは教育と関連する事業を自ら経営する活動となります。
絶対的要件(別表第6)
特定研究目的: 特定の専門分野の研究であること。
体制の整備: 指定された機関(特定研究機関)が、研究に必要な施設・設備・体制を完備していること。
成果の利活用: その研究成果が、関連産業で現に利用されている、または利用される見込みが相当程度あること。
管理体制: 申請人の在留を適切に管理できる体制があること。
具体例: 海外の著名なバイオテクノロジー研究者が、日本の指定国立大学の研究所と契約し、最新の創薬研究と並行して、その知見を活かしたベンチャー企業を自ら経営するケース。
注意点: 「研究」だけでなく、その研究に関連する「事業の経営」を併せて行える点が、通常の「教授」や「研究」の在留資格にはない、特定活動36号ならではの強力なメリットです。
第37号 特定情報処理活動
情報処理(IT)に関する技術・知識を活かし、法務大臣が指定する機関の事業所(派遣先も含む)において業務に従事する活動です。
申請人の要件(別表第7)
学歴・職歴: 関連科目を専攻して大学卒業、または日本の専修学校の専門課程を修了していること、あるいは10年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程、または専修学校の専門課程において、その技術または知識に関連する科目を専攻した期間を含む)を有すること。※ただし、法務大臣が指定するIT試験に合格している場合は、これらの要件が免除される特例があります。
報酬: 日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること。
受入機関の要件(別表第8)
IT産業に属し、外国人の技術を活かすための設備や事業体制、管理体制を整えていること。
具体例: 卓越したプログラミング能力を持つインド人のエンジニアが、日本の大手IT企業(指定機関)と契約し、AI開発プロジェクトに従事しつつ、必要に応じて取引先企業へ派遣されて技術指導を行うケース。
第38号 36号 高度研究・教育活動・37号 特定情報処理活動の者の扶養を受ける配偶者・子。
第39号: 本人または配偶者の親(父母)。
要件: 外国で本人と同居・扶養されていた者で、本人と共に日本へ転居し、かつ本人と同居・扶養を受けることが条件です。
注意点: 親の帯同が認められるのは、高度な人材を日本に定着させるための大きなインセンティブです。
富裕層をターゲットにした「観光・保養ロングステイ」(第40号・第41号)
第40号 富裕層向け観光・保養活動
いわゆる「ロングステイ観光」です。1年を超えない期間で、観光や保養、その他これらに類似する活動を目的とした滞在を認めます。
絶対的要件:
国籍(別表第9): 査証免除国(米、英、独、仏、台湾、香港等)の国民であること。「短期滞在査証免除国」のうちの、別表第九に掲げる国籍の外国人の方。
年齢: 18歳以上。
資産証明: 申請時点の預貯金額が、日本円に換算して夫婦合算で3,000万円以上であること。
家族同伴時の資産: 配偶者も同じ40号で在留する場合、合計で6,000万円以上が必要です。
民間医療保険: 滞在中の死亡、負傷、疾病に備えた保険への加入が必須です。
具体例: 欧米の富裕層夫婦が、定年退職後に日本全国の温泉地を巡りながら、1年間かけてゆっくりと日本文化を堪能するケース。
ベテランの視点: この資格では就労は一切認められません。あくまで「日本で消費してもらう」ための資格です。
第41号 富裕層の同行配偶者
40号の者に同行する配偶者が対象です。資産要件は本体(40号)に含まれますが、保険への加入は配偶者単独でも必要です。
製造業のグローバル化と日系4世への配慮(第42号・第43号)
第42号 製造業外国従業員
日本の製造業者が海外に展開する際、現地の核となる人材を日本へ呼び、技術を伝承するための項目です。
要件: 経済産業大臣が認定した「製造特定活動計画」に基づき、海外事業所の職員が、日本の生産拠点で製造業務に従事し、技術を身に付ける活動です。
第43号 日系4世による就業・文化理解
日系4世の方が、日本文化への理解を深めるために滞在し、その資金を補うための就労を認める制度です。最長で通算5年まで認められます。
支援者の存在: 特別の個人または団体から、無償の支援(日常生活のサポート等)を受ける環境にあること(3年経過後は不要)。
就労の制限: あくまで日本文化理解の資金を補うための範囲内であること。
風俗営業の禁止: ワーキング・ホリデー等と同様に、風俗営業店での就労は一切認められません。
厳格な要件(別表第10)
1.血縁関係の定義(第一号)「実子の実子」とは誰か
まず、最も基本となる「日系四世であること」の証明です。告示別表第十の第一号では、以下の二つのルートが示されています。
(1)イのルート:日本人の実子の実子の実子
「日本人の子として出生した者の実子の実子(日本人の子として出生した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子の実子を除く。)」
具体的な解説: これは、明治・大正・昭和初期に海外へ渡った「一世(元日本人)」から見て、曾孫(ひまご)にあたる方を指します。
一世(日本人の子として出生) → 二世(実子) → 三世(実子の実子) → 四世(実子の実子の実子)
注意点: カッコ書きにある「かつて日本国民として……」の除外規定は、後述する「ロ」のルートとの切り分けを意味しています。
(2) ロのルート:より広範な血縁の定義
「日本人の子として出生した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子の実子の実子(イに該当する者を除くる。)」
注意点: この血縁関係の証明には、本国の出生証明書や婚姻証明書、そして一世の方の戸籍謄本(除籍謄本)が数珠つなぎで必要になります。この連鎖が途切れた瞬間、申請は受理されません。
日系四世の特定活動は、単なる定住ではなく「育成」と「交流」の側面が強いため、年齢や自立性に厳しい制限があります。
2. 年齢制限(第二号)
「申請時の年令が十八歳以上三十五歳以下であること。」
具体例: 36歳の誕生日の前日までに申請を行う必要があります。なぜこの年齢制限があるのか。それは、この制度が「日本文化の理解を目的とする活動」であり、若いうちに日本での経験を積んでほしいという国の意図があるからです。
3. 帰国手段の確保(第三号)
「帰国のための旅行切符又は当該切符を購入するための十分な資金を所持していること。」
注意点: 単に「持っています」と言うだけでは足りません。航空券のコピーか、それを購入するに足りる銀行残高証明書が必須です。
4.独立の生計(第四号)
「申請の時点において、本邦における滞在中、独立の生計を営むことができると見込まれること。」
ポイント: 告示43号本文では「支援を受ける環境」が求められますが、基本的には本人に働く意欲と能力があること、あるいは十分な貯蓄があることが求められます。
5. 健康(第五号)
「健康であること。」健康診断書も省略不可です。
6.素行善良要件(第六号)
具体例: 犯罪歴(交通違反の累積等も含む)がある場合、この「素行善良」の要件に抵触し、不許可となる可能性が極めて高いです。
7. 民間保険への加入(第七号)
「本邦における滞在中に死亡し、負傷し、又は疾病に罹患した場合における保険に加入していること。」
注意点: 日本の公的医療保険(健康保険)に入るから不要、とはなりません。来日当初や、不測の事態に備えた民間保険の加入証明が別途求められます。
最大の関門「日本語能力」の階段
別表第十の中で、最も注意が必要で、かつ複雑なのがこの第八号です。滞在期間や年齢に応じて、求められる日本語レベルが「動的に」変わります。
8. 日本語能力の具体的要件(第八号)
① 18歳から30歳以下の方が1年を超えて在留しようとする場合(イ)
要件: 「基本的な日本語を理解することができる能力」を、試験等で証明する必要があります。
具体例: 日本語能力試験(JLPT)のN4レベル程度が目安となります。
② 初回申請時(18歳以上30歳以下)の原則(ロ)
要件: 「基本的な日本語をある程度理解することができる能力」を試験で証明すること。
具体例: JLPTのN5レベル以上がスタートラインです。
③ 31歳から35歳の方が申請する場合(ハ)
要件: 「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる能力」を試験で証明すること。
解説: 30歳を超えてからの申請は、若年層よりも高いハードル(N4程度)が課されます。
④ 3年を超えて在留しようとする場合(ただし書)
要件: 「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる能力」を試験で証明し、かつ「日本文化等の理解が十分に深められていること」。
注意点: ここが「定住」への道か、帰国への道かの分水嶺です。3年経過後にはさらに高い日本語力(N3相当以上)と、日本社会への適応実態が厳しく問われます。
9. 受け入れ数の制限 (第九号)
「法第七条の二第一項の申請をした日が……法務大臣が……協議して相当と認める数を超えたと認められる日の翌日までであること。」
解説: 日系四世の受け入れには、年間での「枠」が設定されています。申請が集中し、その年の枠を超えてしまった場合、要件を満たしていても在留資格認定証明書が交付されない可能性があるという、非常にシビアな規定です。
起業と大学卒業生の就労支援(第44号〜第47号)
第44号 起業準備活動
1. 制度の法的根拠と経済産業省との連携
「経済産業大臣が認定した外国人起業活動管理支援計画……に基づき、起業準備活動計画……の確認を受けた者」
この一文が、この在留資格のすべてを象徴しています。特定活動四十四号は、法務省単独の判断ではなく、経済産業大臣が認定したプロジェクト(外国人起業活動促進事業)と密接に連動しています。具体的には、経済産業省が認めた地方自治体や民間組織(認定管理機関)が、その外国人の起業プランを「確認」し、サポートすることを前提としています。つまり、国と自治体が「この人の起業は応援する価値がある」とお墨付きを与えた人だけが、この資格を得られるのです。
2. 認められる活動内容:起業の「助走」から「離陸」まで
資料には、以下の活動が可能であると記されています。
事業所の確保: 起業に不可欠なオフィスや店舗を探し、契約する行為。
その他の準備行為: 法人登記の準備、事業計画の精査、提携先の確保、資金調達の交渉などが含まれます。
附随する報酬を受ける活動: 起業準備に直接関連し、その活動を支えるために必要な範囲であれば、報酬を得ることも認められています。
経営の継続: 起業が完了した後、引き続きその事業を経営する活動もカバーしています。
3. 在留期間の制限:最長「二年間」の猶予
「二年を超えない期間で、本邦において……」
ここが非常に重要なポイントです。この四十四号による滞在は、最長で2年間に限定されています。この2年間のうちに、本来の「経営・管理」への在留資格変更ができるレベルまで事業を軌道に乗せ、要件を整えることが求められています。
2.具体例で見る「特定活動四十四号」の活用シーン
実際にどのような方がこの資格を活用されているか、具体的なストーリーを交えて解説します。
具体例A:シリコンバレー帰りのITエンジニア
アメリカの大学を卒業し、最新のAI技術を持つ外国人が、日本でベンチャー企業を立ち上げようと決意しました。しかし、来日直後では日本の商習慣もわからず、すぐに500万円の出資やオフィス契約をするのはリスクが高い。 そこで、この四十四号を利用します。まず地方自治体の「起業準備活動計画」の確認を受けます。その後、日本に滞在しながら、地元のコワーキングスペースを拠点に市場調査を行い、日本の投資家から資金を募り、1年かけて法人を設立。準備が整った段階で「経営・管理」へ移行します。
具体例B:母国の食文化を広めたい料理研究家
母国の伝統料理を日本で紹介するレストランを開きたいが、物件選びにこだわりたい。この資格があれば、最長2年間じっくりと物件を探し、日本の仕入れ先を開拓し、保健所の許可を得るための厨房設計を詰めることができます。資料にある「準備行為」 を最大限に活かすことができます。
第45号 44号(起業準備活動)の者の扶養を受ける配偶者・子
起業という険しい道を歩む時、家族の支えは不可欠です。そこで用意されているのが第四十五号です。
1. 家族の帯同要件
前号に掲げる活動を指定されて在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動」
四十四号の在留資格を持つ起業家(本体)が、その配偶者や子供を日本に呼び寄せ、共に暮らすことが認められています。
活動範囲: 「日常的な活動」 とは、学校に通う、主婦・主夫として家庭を支える、趣味や学習を行うといった、一般的な生活全般を指します。
ポイント: 本体の四十四号が「最長2年」という時限的な資格であるため、家族の滞在もそれに連動します。本体が事業に失敗して帰国する場合、家族も同様に日本を離れることが予定されています。
絶対に破ってはならない「鉄の掟」 ― 風俗営業の禁止
「(風俗営業活動を除く。)」
これは、日本の出入国管理政策において極めて厳格に運用されているルールです。
禁止される「風俗営業活動」とは: 資料の別の箇所(第五号)にも定義がありますが、キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、さらにはパチンコ店、麻雀店、性風俗に関連する店舗などでの活動を指します。
具体例: 起業準備中の資金繰りが苦しいからといって、夜にナイトクラブでアルバイトをしたり、そのような店を経営したりすることは、たとえ「附随して報酬を受ける活動」であっても、一秒たりとも許されません。これに違反すると、在留資格の取り消しや、将来的に他の在留資格への変更が不可能になるなど、致命的な結果を招きます。
実務手続きのフローと正確な要件の整理
申請時に迷わないよう、資料に基づいた手続き。
1. 「計画の確認」がすべての始まり
まずは経済産業省が認定した各自治体等の窓口へ行き、あなたの「起業準備活動計画」が、その自治体の「管理支援計画」 に適合しているか審査を受けます。
2. 在留資格認定証明書(COE)の交付申請
自治体等から発行された「確認証明書」を手に、地方出入国在留管理局へ四十四号の申請を行います。ここで審査官は、あなたの計画に真実性があるか、資料にある通り「二年間」 で経営を開始できる見込みがあるかを精査します。
第46号 日本の大学卒業生による就労
日本の大学を卒業した留学生が、学んだ知識を活かしつつ、日本語を駆使した幅広い業務に従事するための項目です。今、最も注目されている【告示特定活動】の一つです。
別表第十一 第一号 (第46号の要件)
別表第十一の第一号では、申請人がどのような学歴を有していなければならないかが厳密に定義されています(本人要件)。以下のイからニのいずれかに該当する必要があります。
1. 「イ」:日本の大学卒業者
「本邦の大学(短期大学を除く。以下同じ。)を卒業して学位を授与されたこと。」
詳細解説: ここで言う「大学」とは、日本国内にある4年制の大学(医学部等の6年制を含む)を指します。重要なのは、海外の大学を卒業しただけではこの要件は満たさないという点です。あくまで「日本国内の大学」である必要があります。
具体例: 日本の国立大学や私立大学を卒業し、「学士」の学位を得た留学生がこれに当たります。
2. 「ロ」:日本の大学院修了者
「本邦の大学院の課程を修了して学位を授与されたこと。」
詳細解説: 修士課程、博士課程、専門職学位課程を含みます。大学と同様、日本国内の大学院であることが条件です。
3. 「ハ」:短期大学・高専+学位授与機構ルート
「本邦の短期大学……又は高等専門学校を卒業した者……で、……独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が行う審査に合格し、学士の学位を授与されたこと。」
注意点: 単に短大を卒業しただけでは、この「特定活動46号」の要件は満たしません。短大卒業後、学位授与機構の審査を経て「学士」の学位を取得している必要があります。ここが通常の「技術・人文知識・国際業務」の学歴要件と大きく異なる、非常にシビアなポイントです。
4. 「ニ」:認定プログラム修了の「高度専門士」
「本邦の専修学校の専門課程の学科(文部科学大臣の認定を受けたものに限る。)を修了し、……高度専門士と称することができること。」
注意点: 専修学校(専門学校)の卒業生の場合、以下の二つの条件が必須です。
文部科学大臣の認定を受けた**「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」**の学科であること。
「高度専門士」の称号を付与されていること(通常4年制の課程)。
現場の声: 2年制の専門学校卒業で得られる「専門士」では、この別表第十一の要件は満たせません。
第二号
外国人であることを理由とした低賃金労働を防止するための規定です。
「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。」
詳細解説: これは単に最低賃金を超えていれば良いという意味ではありません。その会社で同じ業務に従事する日本人社員(新卒であれば日本人の同期)と比較して、同等以上の給与設定でなければなりません。
具体例: 日本人新卒の基本給が22万円であるのに対し、外国人留学生に「研修期間だから」という理由で18万円しか支払わないような契約は、この要件に抵触し、不許可となります。
第三号
この在留資格の最大の特徴である「日本語能力」に関する規定です。
「日常的な場面で使われる日本語に加え、論理的にやや複雑な日本語を含む幅広い場面で使われる日本語を理解することができる能力を有していることを試験その他の方法により証明されていること。」
審査基準の深掘り: この「論理的にやや複雑な日本語」という文言は、実務上、以下のいずれかの証明を指します。
日本語能力試験(JLPT)の「N1」合格。
BJTビジネス日本語能力テストで「480点以上」取得。
ベテランのアドバイス: 告示46号は、日本語での円滑な意思疎通を要する業務に従事することが前提です。そのため、N2レベルでは足りず、最高峰のN1レベル、あるいはそれに準ずるビジネス日本語能力が「必須条件」として立ちはだかります。
第四号
業務内容と学歴の関連性を問う規定です。
「本邦の大学、大学院……において修得した学修の成果等を活用するものと認められること。」
具体例を交えた解説: ここが特定活動46号の「重要事項」です。従来の資格では「単純作業」とみなされた業務も、大学での学びを活かした日本語による高度なコミュニケーションが介在すれば認められる可能性があります。
良い例: 経済学部を卒業した留学生が、小売店の正社員として採用され、接客・販売(多言語対応や文化背景を考慮したサービス)を行いながら、売上管理や仕入れ交渉にも携わるケース。
悪い例: 業務の100%が、誰にでもできる清掃や流れ作業だけで、日本語での複雑なやり取りや大学での専門知識を一切必要としないケース。
※告示本文(第46号)と併せて理解すべき「絶対禁止事項」
別表第十一の要件をクリアしても、告示第46号本文にある以下の制限に抵触すれば許可は出ません。
常勤の職員であること: パートタイムや派遣契約ではなく、原則として直接雇用の正社員(常勤)である必要があります。
風俗営業の絶対禁止: キャバレー、ナイトクラブ、パチンコ店、麻雀店など、風俗営業法に規定される営業所での活動は、清掃や受付であっても一切認められません。
法的資格職の除外: 弁護士、医師、公認会計士など、法律上特定の資格がなければ行えない業務は含まれません(これらはそれぞれの専用の在留資格があります)。
申請手続きの進め方と必要書類
別表第十一を証明するために、入管への申請では以下の書類が重要になります。
学歴の証明: 卒業証書の写し、または卒業証明書。専門学校の場合は「高度専門士」の称号が記載された証明書。
日本語能力の証明: JLPT N1の合格証書、またはBJTの成績証明書。
報酬の証明: 雇用契約書や労働条件通知書(日本人と同等以上であることの明記)。
業務内容の証明: 雇用理由書。ここで、いかに「学修成果を活用し」「日本語での円滑な意思疎通が必要か」を、ベテラン審査官も納得する論理で説明する必要があります。
第47号 日本の大学卒業生による就労の配偶者又は子
「前号(第46号)に掲げる活動を指定されて在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動」
1. 「扶養を受ける者」であること
これが最大のポイントです。単に家族であるだけでは足りません。本体(第46号)の収入によって経済的に支えられている必要があります。
実務上の判断: 本体側の給与が、自分だけでなく家族を養うのに十分な額であるかが厳格に審査されます。
具体例: 夫が第46号で月収25万円を得ており、無収入の妻が来日する場合、この「扶養を受ける」という要件を明確に満たします。
2. 「配偶者」又は「子」であること
配偶者: 日本の法律上有効な婚姻関係にあることが必要です。事実婚(内縁関係)や同性婚(現時点の入管実務上の原則)は、この告示四十七号の対象外となるケースが多いです。
子: 実子だけでなく、養子も含まれます。ただし、年齢が重要です。通常、「家族滞在」に準じて、未成年かつ未婚の子、あるいは親の扶養下にあることが求められます。
3. 「日常的な活動」を行うこと
活動の範囲: 家事に従事する、教育機関(幼稚園、学校、大学など)に通う、趣味のサークルに参加するなど、一般的な日本での生活全般を指します。
制限事項: 本来、この資格自体に「就労」は含まれていません。
第47号と「就労」の関係 資格外活動許可の重要性
第46号(本体)は「常勤の職員」としてフルタイムで働くことが前提ですが、第47号は「日常的な活動」に限られています。
資格外活動許可の申請
47号の家族がアルバイトをしたい場合は、別途「資格外活動許可」を取得する必要があります。
原則: 週28時間以内であれば、単純作業を含むアルバイトが可能です。
絶対的禁止事項: 告示46号において「風俗営業活動」が厳格に禁止されているのと同様、その家族である47号も、資格外活動許可を得たとしても、「風俗営業活動(キャバレー、パチンコ、麻雀等)」に従事することは一切認められません。
具体的な事例
事例①:ホテルの正社員(46号)の夫と、その妻(47号)
日本の大学を卒業し、N1を持つAさんは、大手ホテルの正社員として採用されました(告示46号)。母国にいた妻を「特定活動47号」として呼び寄せました。
活動内容: 妻は昼間、日本語学校に通いながら(日常的な活動)、夕方は資格外活動許可を得て近所のスーパーでレジのアルバイト(週28時間以内)をしています。これは非常に健全な47号の活用例です。
事例②:IT企業で働く母(46号)と、その小学生の子供(47号)
Bさんは日本の大学院を修了し、IT企業のブリッジエンジニアとして46号を取得。母国から小学生の息子を呼び寄せました。
活動内容: 息子は日本の公立小学校に通っています(日常的な活動)。教育を受けることは「日常的な活動」に完全に含まれます。
申請手続きと必要書類の「完全チェックリスト」
第46号を申請(認定証明書交付申請、または変更申請)する際、我々審査官が厳格にチェックする書類は以下の通りです。
家族関係を証明する書類: 結婚証明書、出生証明書(原本および訳文)。「配偶者又は子」であることを証明する一丁目一番地です。
扶養能力を証明する書類: 本体(46号)の雇用契約書、給与明細、課税証明書等。「扶養を受ける」実態があるかを確認します。
本体の在留状況: 本体の46号が適正に働いているか。勤務先の会社案内や業務内容説明書も必要になる場合があります。
注意すべき「在留資格の喪失」リスク
特定活動47号は、あくまで「第46号の家族」という依存的な【告示特定活動】となります。以下の事態が発生すると、第46号の基盤が崩れます。
離婚した場合: 「配偶者」としての要件を失うため、第47号での在留はできなくなります。
本体が離職した場合: 本体が第46号の活動(常勤の職員としての業務)を辞め、別の仕事に就けない、あるいは帰国する場合、扶養を受けることができなくなるため、家族も日本を離れなければなりません。
子供が成人し独立した場合: 「扶養を受ける」という実態がなくなれば、第47号を維持することは難しくなります。
第48号及び第49号 現在「削除」
スキー指導、J-Find、デジタルノマド(第50号〜第54号)
第50号 スキーインストラクター
日本のスキー場等で、報酬を受けてスキーの指導を行う活動です。
要件(別表第12)
資格: SIA(日本プロスキー教師協会)が認定する資格(アルペンスキー・ステージI〜IV等)、またはそれと同等以上の外国資格を有すること。
報酬: 日本人と同等以上。
年齢: 18歳以上。
第51号 未来創造個人(J-Find)
世界中で「高度人材」の獲得競争が激化する中、日本が打ち出した戦略的な一手がこの【告示特定活動51号】です。従来の在留資格制度では、日本の大学を卒業した留学生や、既に日本企業の内定を得ている外国人は受け入れ可能でしたが、「これから日本で仕事を探したい」「日本で起業したい」という、ポテンシャルの高い海外のトップ層を柔軟に受け入れる枠組みが不足していました。この「51号」は、世界を牽引するトップ大学の卒業生に対し、最大2年間の滞在を認め、その期間中の就職活動や起業準備を幅広く支援する画期的な制度です。
1. 対象者と滞在期間
「十八歳以上の者が本邦において二年を超えない期間滞在して行う……」
年齢要件: 18歳以上であること。
期間: 最長2年間。これは、一般的な就職活動や起業準備には十分すぎるほどの猶予期間です。
2. 認められる四つの中心的活動
この資格では、以下の四つの活動が認められています:
就職活動: 日本企業への就職を目指す一切の活動。
起業準備活動: 日本で貿易その他の事業を経営するために必要な、事務所の確保やその他の準備行為。
活動資金を補うための就労: 上記の就職活動や起業準備を行うために必要な資金を補うための、必要な範囲内での報酬を受ける活動。
起業準備に附随する報酬活動: 起業に向けた動きの中で発生する、附随的な報酬活動。
3. 実務上のポイント:自由度の高さ
特筆すべきは「3」の項目です。従来の就職活動用の資格(特定活動9号など)とは異なり、生活費を補うためのアルバイト等についても、活動の主旨を損なわない範囲で幅広く認められています。
4. 絶対的禁止事項:風俗営業の除外
「(風俗営業活動を除く」)
キャバレー、パチンコ店、麻雀店、性風俗関連などでの活動は、たとえ清掃や受付であっても一秒たりとも認められません。これは日本の全「特定活動」に共通する厳格な鉄の掟です。
申請人が満たすべき「二大要件」
資料に記された「イ」および「ロ」の要件を、一文字の省略もなく解説します。これらは、世界のエリートであることの「証明」です。
5. 要件イ:世界トップ100大学の卒業証明
「別表第十三に掲げる指標……のうち二以上において上位百位までに掲げられている大学を卒業し、又はその大学院の課程を修了して学位……を授与された日から五年を経過していないこと。」
この要件には三つの要素が含まれています。
要素①:世界大学ランキングの壁 後述する「別表第十三」に掲げられた3つのランキングのうち、2つ以上で100位以内に入っている大学でなければなりません。
要素②:授与された学位 学士(Bachelor)、修士(Master)、博士(PhD)、または専門職学位(日本国外の相当するものを含む)を授与されている必要があります。
要素③:卒業後5年以内 。学位を授与された日から数えて、申請時点で5年以内である必要があります。 これは「未来創造個人」という名の通り、フレッシュな才能を求めているためです。
※「5年」のカウントダウン: 学位授与日から5年を一日でも過ぎると、この資格は得られません。早めの決断が必要です。
6. 要件ロ:経済的基盤の証明
「申請の時点において、申請人の預貯金の額が日本円に換算して二十万円以上であること。」
詳細解説: 日本での生活をスタートさせるための最低限の資金として、20万円以上の証明が必要です。 他の富裕層向け資格(40号)の3,000万円などと比較すれば極めて低いハードルですが、自立した活動を求めるための最低ラインです。
別表第十三が定める「世界の物差し」
大学の質を担保するための具体的な指標が明記されています。
QS・ワールド・ユニバーシティ・ランキングス(英国・クアクアレリ・シモンズ社)
THE・ワールド・ユニバーシティ・ランキングス(英国・タイムズ・ハイアー・エデュケーション誌)
アカデミック・ランキング・オブ・ワールド・ユニバーシティーズ(中国・上海ランキング・コンサルタンシー、通称:上海ランキング)
注意点:これらのランキングは毎年変動します。資料には「直近のものに限る」とありますので、申請時点での最新のリストを確認することが不可欠です。
具体的な事例
ケースA:米国名門大学を卒業したエンジニア
スタンフォード大学(別表第十三の複数ランキングで100位以内)を卒業して3年目のエンジニアが、日本のスタートアップシーンに興味を持ちました。51号を取得して来日し、コワーキングスペースを拠点に20社以上の企業と面談。その間、活動資金を補うために週に数回、英語の家庭教師(報酬を受ける活動)をしながら、最終的に理想的な企業の内定を獲得し、就労資格へ変更しました。
ケースB:英国大学院修了者の起業家候補
オックスフォード大学院を修了したばかりの若者が、日本で独自のAIサービスを展開したいと考えました。51号で入国し、「起業準備活動(事務所の確保等)」を開始。日本の自治体の起業支援を受けながら、半年かけて法人登記を完了。2年間の猶予があるため、焦らずに市場調査とプロトタイプ開発を行うことができました。
申請手続きの大まかな流れ
告示の要件(イ・ロ)を証明するために必要となるステップを整理します。
ランキングの確認: 自身の母校が別表第十三の条件(2つ以上で100位以内)を満たしているか、最新のリストで確認します。
学位証明書の準備: 卒業から5年以内であることを証明する学位記等の原本。
預貯金証明: 20万円以上の残高証明書(日本円換算)。
活動計画書の作成: 日本でどのような就職活動、あるいは起業準備を行うかという「51号」の活動主旨 に沿った計画を提出します。
申請: 在留資格認定証明書(COE)交付申請、または現在の資格(「短期滞在」等)からの変更申請。
第52号 第51号 未来創造個人(J-Find)の配偶者又は子
「前号(第51号)に掲げる活動を指定されて在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動」
「扶養を受ける」とは
第52号が適用されるためには、単に家族であるだけでは不十分です。本体である第51号の在留資格者によって「扶養を受けている」実態が必要となります。
注意点:ここで言う「扶養」とは、経済的に本体の収入や資産によって生活が支えられている状態を指します。後述しますが、本体となる第51号本人は活動資金を補うための就労が認められているため、その範囲内で家族を養えるか、あるいは十分な預貯金があるかが審査の焦点となります。
「日常的な活動」とは
第52号の活動内容は「日常的な活動」と定義されています。
含まれる活動:家事に従事する、教育機関(学校、幼稚園など)に通う、趣味や学習を行うといった、一般的な生活全般です。
含まれない活動:原則として「報酬を受ける就労活動」は含まれません。ただし、別途「資格外活動許可」を取得することで、週28時間以内のアルバイト等は可能になるのが一般的ですが、告示本体の定義としては「日常的活動」に限定されています。
具体的な対象者と実務上の定義
「配偶者又は子」
1. 配偶者(Spouse)
法律上の有効な婚姻関係にある者を指します。
注意点: 各国の法律に基づいた婚姻証明が必要です。事実婚などは、「配偶者」の定義には原則として含まれません。
2. 子(Child)
実子だけでなく、養子も含まれます。
注意点:一般的には「未成年かつ未婚の子」であり、親の扶養下にあることが想定されています。独立して生計を立てている子供は、この「扶養を受ける子」の定義から外れることになります。
絶対に遵守すべき「風俗営業の禁止」
第51号(本体)の活動範囲について「(風俗営業活動を除く。)」と明記されています。そして、その家族である第52号も、このルールから逃れることはできません。
禁止される活動の定義(第5号の引用)
「風俗営業活動」とは
風俗営業(キャバレー、ナイトクラブ等)
店舗型性風俗特殊営業
特定遊興飲食店営業
無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型、電話異性紹介営業など
これらの営業所において、清掃や受付といった直接的な接客以外の業務に従事することも、資料の定義上、厳格に禁止されています。
具体的な事例
どのように第52号が活用されるのか、具体例を見てみましょう。
事例A:米国名門大学を卒業したエンジニアと妻
本体(51号): スタンフォード大学を2年前に卒業したエンジニア。日本での起業を目指している。
家族(52号): その妻。
活動: 夫は日本で事務所を確保し、投資家と面談する「起業準備活動」を行います。妻は「日常的な活動」として、夫を支えながら日本語学校に通い、将来の日本生活に備えます。
事例B:英国トップ大学院修了者と子供
本体(51号): オックスフォード大学院を修了したばかりの若手研究者。日本企業への
就職を目指している。
家族(52号): 3歳の子供。
活動: 親が日本で就職活動を行う間、子供は「日常的な活動」として、日本の幼稚園に通い、異文化の中で成長します。
申請手続きの重要ポイント
第51号・第52号の規定に基づき、手続きにおいて絶対に外せない要素を整理します。
家族関係の証明: 本人の五十一号の活動を支える「配偶者又は子」であることを、本国の公的書類(結婚証明書、出生証明書等)で正確に証明すること。
扶養の実態証明: 本人が活動資金を補うための就労を行っている場合や、預貯金(20万円以上)がある場合、それによって家族を養えることを合理的に説明すること。
期間の連動: 五十二号の在留期間は、本体である五十一号の「二年を超えない期間」に連動します。
第53号 デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)
令和6年に導入された最新の項目です。ITを駆使して、海外の企業等とリモートで働きながら、日本で一定期間生活する活動です。
令和6年の制度導入以来、世界中のリモートワーカーから熱い視線を浴び、令和8年1月の最新改正を経てさらに注目を集めている「特定活動」告示(平成二法務省告示第百三十一号)の「第53号」、通称「デジタルノマド(Digital Nomad)」について解説いたします。この第53号は、日本の経済活性化と国際交流の促進を目的として、情報通信技術(ICT)を駆使して場所を選ばず働く層を呼び込むための戦略的な在留資格です。
特定活動第53号の法的定義と活動範囲
告示第53号の条文から、その活動の本質を読み解いていきましょう。この項目は、単なる「リモートワーク」を認めるものではなく、非常に緻密な定義がなされています。
1. 認められる活動の二つの柱
第53号で認められる活動は大きく分けて二つのパターンがあります。
パターンA:海外法人との雇用契約に基づく業務 。外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体との雇用契約に基づき、本邦において情報通信技術(ICT)を用いて、当該団体の外国にある事業所における業務に従事する活動です。
パターンB:海外の顧客に対する役務提供・物品販売。 外国にある者に対し、情報通信技術を用いて役務を有償で提供し、または物品等を販売等する活動です。
2. 「場所」と「手段」の限定
いずれのパターンにおいても、キーワードは「情報通信技術(ICT)を用いて」という点です。つまり、PCやインターネット、クラウドツール等を駆使して完結する業務であることが前提となります。また、物品販売等の場合、「本邦に入国しなければ提供又は販売等できないもの」は、この資格の対象外となります。あくまで「デジタル」で完結するノマドワークを想定しているのです。
申請人が満たすべき「四つの鉄壁要件」
デジタルノマドとしての滞在を許可されるためには、資料に掲げられたイからニまでの四つの厳格な要件をすべてクリアしなければなりません。
3. 要件イ:滞在期間の「六か月ルール」
「本邦に上陸する年の1月1日から12月31日までのいずれかの日において開始し、又は終了する12ヶ月の期間の全において、本邦での本号に規定する活動を指定されて滞在する期間が六か月を超えないこと。」
この要件は非常に複雑で、審査の現場でも最も誤解が多い部分です。
解説: 単純な「一年間で合計六か月」という計算ではありません。「開始日」または「終了日」が含まれる、どの連続した12か月の期間を切り取っても、日本での滞在が合計で6か月を超えてはいけないという「ローリング・ウィンドウ(回転窓)」方式の制限です。
具体例: 2026年4月に来日し、9月まで6か月滞在した場合、その前後12か月の期間をチェックされるため、短期間での再入国は非常に厳しく制限されることになります。
4. 要件ロ:国籍・地域と租税条約の条件
「我が国が租税条約……を締結している締約国……又は……相互主義による所得税等の非課税等に関する法律施行令……において指定する外国であり、かつ、短期滞在査証免除国のうち、別表第十四に掲げるもの」
この資格は、すべての国の国民に開かれているわけではありません。日本との二重課税を避ける法的基盤(租税条約等)があり、かつ信頼関係のある国々に限定されています。具体的な対象国は、資料の「別表第十四」に網羅されています。
5. 要件ハ:年収一千万円以上の高い壁
「申請の時点において、年収が千万円以上であること。」
この「一千万円」という数字は、デジタルノマドが日本で十分に自立した生活を送り、かつ日本の経済に貢献できる層であることを担保するための基準です。
注意点: 申請時点での収入証明(雇用契約書や所得証明書)が求められます。単なる一時的な収入ではなく、日本滞在期間中も継続して一千万円以上の収入があることが求められます。
6. 要件ニ:安心を担保する民間保険への加入
「本邦における滞在中に死亡し、負傷し、又は疾病に罹患した場合における保険に加入していること。」
デジタルノマドは日本の公的医療保険(健康保険)の対象外となることが想定されるため、自前で十分な補償内容を持つ民間保険(海外旅行保険等)に加入していることが絶対条件です。
別表第十四に掲げられる「選ばれし対象国リスト」
資料の「別表第十四」には、第53号の申請が可能な国・地域が明確にリストアップされています。これに該当しない場合は、どれほど高年収であっても53号は取得できません。
【別表第十四の対象国・地域一覧】
欧州: アイスランド共和国、アイルランド、イタリア共和国、エストニア共和国、オーストリア共和国、オランダ王国、ギリシャ共和国、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国)、クロアチア共和国、スイス連邦、スウェーデン王国、スペイン王国、スロバキア共和国、スロベニア共和国、セルビア共和国、チェコ共和国、デンマーク王国、ドイツ連邦共和国、ノルウェー王国、ハンガリー、フィンランド共和国、フランス共和国、ブルガリア共和国、ベルギー王国、ポーランド共和国、ポルトガル共和国、ラトビア共和国、リトアニア共和国、ルーマニア、ルクセンブルク大公国,
北中米: アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ合衆国,
南米: ウルグアイ東方共和国、チリ共和国、ブラジル連邦共和国、ペルー共和国,
アジア・オセアニア: アラブ首長国連邦、イスラエル国、インドネシア共和国、カタール国、シンガポール共和国、タイ王国、大韓民国、トルコ共和国、ニュージーランド、ブルネイ・ダルサラーム国、マレーシア、オーストラリア連邦、台湾、香港,
具体例で見る「特定活動53号」
具体例A:米国のIT大手企業に勤務するエンジニア
状況: 米国法人(別表第十四)と雇用契約を結び、年収1,500万円(要件ハ)を得ているソフトウェアエンジニア,。
活動: 日本に5か月間滞在し、京都や北海道を旅しながら、ICTを用いて米国の本社の業務に従事する(パターンA),。
結果: 保険に加入し、滞在が6か月を超えない計画であれば、特定活動五十三号の許可が可能です,。
具体例B:欧州のクライアントを持つフリーランス・ライター
状況: ドイツ国籍(別表第十四)のフリーランス。ドイツやイタリアの企業に対し、ICTを用いて有償で記事を執筆・提供している(パターンB),,。
状況: 過去1年の実績から年収1,200万円(要件ハ)を証明できる。
結果: 日本に半年未満滞在し、日本文化を堪能しながら執筆活動を続けることができます。
審査と手続き上の最重要チェックポイント
年収証明の厳格性: 申請時の「一千万円以上」の証明は、納税証明書や給与明細だけでなく、雇用契約書等で「日本滞在期間中もその収入が維持されること」を立証するのがポイントです。
保険内容の確認: 「疾病・負傷・死亡」をすべてカバーしていることが、資料の要件ニで明示されています。一部の補償が欠けている保険では、補正を求められるか不許可となります。
「6か月」の計算: 帰国の航空券の予約などで、滞在期間が180日(約6か月)以内であることを最初から明確に示すことが、スムーズな審査に繋がります,。
風俗営業の絶対禁止: 他の特定活動と同様、この資格で滞在中に風俗営業店等に関わることは厳禁です。
特定活動告示第53号は、日本が「デジタル時代の新しい働き方」を公式に受け入れた証です。①ICT(情報通信技術)を用いた海外業務、②6か月以内の滞在、③対象国籍、④年収1,000万円、⑤保険加入 という五つの柱を正確に理解し、省略のない準備を整えることが、日本での輝かしいノマド生活への唯一の道です。
第54号 デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)の配偶者又は子
「特定活動54号」は、デジタルノマド本人が日本で活動する際に、その配偶者や子供が共に滞在することを認めるための規定です。一見するとシンプルな条文ですが、その裏には「別表第十五」という広大な国籍要件や、前号(第53号)と密接に連動する保険要件など、実務上極めて重要なルールが張り巡らされています。
「別表第十五に掲げるもの……の国籍者等であって、前号ニに該当するもの……が、前号に掲げる活動を指定されて在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動」
と条文に記載があります。
※大きく求められるものとして以下の1~4があります。
対象国籍の限定: 「別表第十五」に掲げる国・地域の国民であること。
保険加入の義務: 「前号ニ」に掲げる保険要件を満たすこと。
扶養関係の存在: 第53号(本人)の「扶養を受ける配偶者又は子」であること。
活動内容の制限: 日本で行えるのは「日常的な活動」であること。
これらの要素が一つでも欠ければ、第54号の許可は下りません。
対象となる国・地域―「別表第十五」の全貌
第54号の適用を受けるためには、申請人が「別表第十五」に掲げられた国・地域の国籍者等である必要があります。
1. 対象国リストの精査(※抜粋)
別表第十五には、日本が信頼を置く多数の国々が並んでいます。
欧州: アイスランド、アイルランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(英国)、クロアチア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ルクセンブルク。
北中米: アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、ドミニカ共和国、パナマ、バハマ、バルバドス、ホンジュラス。
南米: アルゼンチン、ウルグアイ、スリナム、チリ、ブラジル、パラグアイ、ペルー。
アジア・オセアニア: アラブ首長国連邦、イスラエル、インドネシア、カタール、シンガポール、タイ、大韓民国、トルコ、ニュージーランド、ブルネイ、マレーシア、オーストラリア、台湾、香港、マカオ。
その他: 北マケドニア、キプロス、ギリシャ、サンマリノ、チュニジア、マルタ、モーリシャス、モナコ、モンテネグロ、リヒテンシュタイン、レソト。
2. 注意点:本人(第53号)の対象国(別表第十四)との違い
注意すべきは、本人の対象国(別表第十四)と家族の対象国(別表第十五)は、完全に一致しているわけではないという点です。資料を精査すると、別表第十五(家族用)の方が対象国が広く設定されています。これは、デジタルノマド本人の国籍要件は租税条約等に基づき厳格に定められていますが、その家族については、より柔軟に帯同を認めるという人道的な配慮が反映されているためです。
命を守る「民間医療保険」の要件
第五十四号の申請において、最も審査で厳しくチェックされるのが保険の要件です。
1.「前号ニ」が定める補償内容
「本邦における滞在中に死亡し、負傷し、又は疾病に罹患した場合における保険に加入していること。」
具体的な補償範囲:
死亡:遺体搬送費用等を含む死亡時の補償。
負傷:事故や怪我による治療費。
疾病:病気による治療費や入院費。
デジタルノマド(第53号)およびその家族(第54号)は、日本に住所を有しない前提の滞在(6ヶ月以内)であるため、原則として日本の公的医療保険(国民健康保険等)に加入することが想定されていません。そのため、日本滞在中に高額な医療費が発生した場合でも、自らの責任で対処できるよう、十分な補償内容を持つ民間医療保険への加入が義務付けられています。
対象となる「配偶者」と「子」の定義
1. 配偶者(Spouse)
法律上の有効な婚姻関係にある者を指します。
具体例: 日本または本国の法律に基づき、正式に結婚している夫または妻です。内縁関係や事実婚は、「配偶者」の定義には原則として含まれません。
2. 子(Child)
本体(本人)の扶養を受けている子供を指します。
具体例: 実子だけでなく、養子も含まれます。一般的には、親のサポートを必要とする未成年かつ未婚の子供が想定されています。
3.「扶養を受ける」実態
第54号の許可を得るためには、家族が本人の経済力に依存して生活している実態が必要です。本人が第53号の要件(年収一千万円以上)を満たしているからこそ、その家族も日本で安定して暮らせるという論理が審査の根幹にあります。
活動範囲「日常的な活動」の真実
第54号で認められるのは、あくまで「日常的な活動」です。
1. 認められること
家事、育児に従事する活動。
日本での観光、レジャー、文化体験。
教育機関(学校、幼稚園等)に通う活動(「留学」に該当しない範囲)。
2. 禁止されること(就労の壁)
この資格には「報酬を受ける活動」は含まれていません。
重要:デジタルノマド本人(第53号)は海外の仕事を行うことができますが、その家族(第54号)が日本国内の企業で働いたり、アルバイトをしたりすることは予定されていません。
風俗営業活動の禁止: 他の特定活動(5号や51号)と同様、風俗営業等に関わることは厳格に禁止されています。
具体的な事例
ケース1:アメリカ人ITエンジニア一家の夏休み
本人(53号): アメリカ国籍(別表第十四)。シリコンバレーの企業と契約し、年収1,500万円。5か月間、日本でリモートワークを行う。
家族(54号): その妻と10歳の娘。二人ともアメリカ国籍(別表第十五)。
準備: 家族全員で、疾病・負傷・死亡をカバーする高額な海外旅行保険に加入。
活動: 夫はワーケーションを楽しみながら仕事を継続。妻と娘は「日常的な活動」として、日本の文化を体験し、各地を観光。
ケース2:シンガポール人デザイナーとパートナー(法的に婚姻済み)
本人(53号): シンガポール国籍(別表第十四)。フリーランスとして海外顧客へデザインを提供。年収1,200万円。
家族(54号): 法的に結婚している配偶者。
手続き: 婚姻証明書を提出し、別表第十五のシンガポール国籍者として申請。保険加入を証明して許可。
申請手続きのチェックリスト
身分関係の証明(正確な要件)
結婚証明書(配偶者の場合)。
出生証明書(子供の場合)。
※いずれも、本体(五十三号本人)との関係を一字一句正確に立証するものです。
保険加入の証明(必須)
英文または日本文の保険証券。
死亡、負傷、疾病をカバーしていることが明記されていること。
国籍の証明
別表第十五に掲げられた国・地域が発行するパスポート。
扶養能力の証明
本体(五十三号本人)の年収一千万円以上の証明書類(雇用契約書、所得証明書等)。
期間の整合性
本体の滞在期間(六か月以内)と一致する旅程表や航空券の控え。
第55号 特定自動車運送業準備
日本の物流を支えるトラック、市民の足となるバスやタクシー。これら「自動車運送業分野」での外国人材の活躍が期待されています。しかし、この分野には大きな壁がありました。それは、日本の「運転免許(特に第二種免許)」の取得です。この壁を乗り越えるために創設されたのが、「告示特定活動第55号」です。
1. 活動の定義と目的
第55号は、「特定技能(第一号)」への変更を目的とした準備期間としての活動です。具体的には、自動車運送業分野に属する技能を要する業務に従事することを前提に、その活動を安定かつ円滑に行えるよう、職業生活・日常生活・社会生活上の支援を受ける環境の下で、以下の活動を行います,。
雇用契約:法務大臣が指定する日本の公私の機関と締結する「特定自動車運送業準備雇用契約」に基づきます。
活動内容:講習、指導(運輸規則に基づく指導監督や適性診断を含む)、技能に付随する業務への従事、および免許取得のための自動車教習所での教習です,。
2. 「助走」としての特定活動
この資格の最大の特徴は、働きながら「免許を取る」「日本の運送ルールを学ぶ」という、本来なら入国前に済ませておくべき高いハードルを、日本国内で給料をもらいながら(雇用契約に基づき)進められる点にあります。
申請人が満たすべき「十一の鉄壁要件」別表第十六
第55号の許可を得るためには、「別表第十六」に掲げられた十一の厳格な要件をすべてクリアしなければなりません。
1. 基本的属性と健康(第一号・第二号)
年齢:十八歳以上であること。
健康状態:良好であること。長時間の運転や荷役作業を伴うため、健康証明は不可欠です。
2. 技能と日本語の「証明済」要件(第三号・第四号)
ここは非常に重要です。準備期間とはいえ、「既に特定技能レベルの基礎があること」が求められます。
技能水: 自動車運送業分野の特定技能に必要な知識や経験を有することが、試験その他の評価方法により証明されていること。
日本語能力:本邦での生活および業務に必要な日本語能力を有することが、試験等により証明されていること,。
注意点:「これから日本語を勉強する人」ではなく、「特定技能の試験には受かっているが、日本の免許だけがまだない人」が対象となるイメージです。
3. 旅券と在留期間の累積(第五号・第六号)
有効な旅券:法務大臣が告示で定める外国政府等発行の有効な旅券を所持していること。
通算五年ルール:既に「特定技能1号」として在留したことがある場合、その期間が通算して五年に達していないこと,。
4. 人権保護と不正防止の徹底(第七号〜第十号)
保証金・違約金の禁止:本人や親族が、活動に関連して保証金を徴収されたり、金銭を管理されたりしていないこと。また、契約不履行に対する違約金契約など、不当な財産移転の予定がないこと。
「保証金の禁止」は特に厳格です。受入企業が良かれと思って「免許取得費用を肩代わりする代わりに、3年以内に辞めたら違約金を払え」といった契約を結ぶと、不当な財産移転の予定(違約金契約)とみなされ、不許可の決定的な要因となります。費用の負担関係は、第十号の「明細書の提示」を含め、極めて透明である必要があります。
費用の透明性:外国の機関に費用を支払っている場合、その額と内訳を十分に理解し合意していること,。
自国の手続遵守:母国において必要な出国手続等が定められている場合、それを経ていること。
定期負担費用の適正: 食費や居住費など、本人が定期的に負担する費用の内容を理解・合意しており、その額が実費相当額など適正であること。また、明細書が提示されること。
5. 直接雇用の原則(第十一号)
派遣の禁止:労働者派遣の対象としない内容の雇用契約であること。
注意点:運送業における安全管理の徹底と責任所在を明確にするため、派遣ではなく「直接雇用」のみが認められています。
取得を目指す「日本の翼」―別表第十七の免許一覧
第55号で滞在中に、自動車教習所等で取得を目指す免許は、「別表第十七」に限定されています。
取得対象となる免許
大型自動車免許
中型自動車免許
準中型自動車免許
普通自動車免許
第二種免許(大型、中型、普通)
重要:タクシーやバスを運転して報酬を得るためには「第二種免許」が不可欠です。この特定活動第55号は、外国人による二種免許取得という非常に高いハードルを支援するための制度でもあります。
活動内容の具体例「準備期間」に何をするのか
1. 自動車教習所での「教習」
最も中心となる活動です。日本の交通ルールを学び、実技教習を経て、別表第十七に掲げる免許の取得を目指します。
2. 運送ルールと安全の「講習・指導」
単なる運転技術だけではありません。
指導監督: 旅客自動車運送事業運輸規則等に基づく、プロドライバーとしての専門的な指導。
特別な指導・適性診断: 適性診断の結果に基づき、自身の運転の癖や弱点を把握する訓練です,。
3. 「付随業務」への従事
免許が取れるまでの間、全く働けないわけではありません。
具体例: トラックの洗車、車内清掃、荷物の積み込み・荷卸し(荷役作業)、車両の点検補助など、運送業務に付随する業務であれば、雇用契約に基づき従事することができます。
特定技能への変更に向けた手続きフロー
第55号から「特定技能【第一号】」へ至るまでの流れを整理します。
特定技能試験の合格: まずは自動車運送業分野の特定技能評価試験と日本語試験に合格します(別表第16三、四)。
特定自動車運送業準備雇用契約の締結: 法務大臣の基準に適合する受入企業と契約を結びます。
特定活動55号の申請: 在留資格認定証明書交付申請(または変更申請)を行います。
日本での活動開始: 支援を受けながら(別表第16)、教習所に通い(別表第17)、付随業務に従事します-。
免許取得: 日本の運転免許(特に二種免許など)を取得します。
特定技能1号への変更: 免許取得後、速やかに「特定技能(第一号)」への在留資格変更許可申請を行い、晴れてプロドライバーとしての本格的な就労を開始します。
「特定自動車運送業準備」(告示第55号)から「特定技能1号(自動車運送業分野)」へ円滑に移行
単に日本に滞在するだけでなく、法務省告示が定める厳格な要件をすべて満たし、免許取得や訓練を完了させることが条件となります。
1. 技能および日本語能力の証明
まず、大前提として、この準備活動を行う段階で「特定技能1号」の評価基準に達していることが求められます。
技能水準: 自動車運送業分野の業務に従事するために必要な、相当程度の知識または経験を要する技能を有していることが、試験その他の評価方法により証明されていることが必要です。
日本語能力: 本邦での生活および業務に支障がないレベルの日本語能力を有していることが、同様に試験等で証明されていることが条件です。
2. 必要な自動車運転免許の取得
「特定技能」として実際に公道を運転して業務を行うためには、日本の道路交通法に基づく適切な免許を所持していなければなりません。この準備期間(特定活動55号)中に、以下のいずれかの免許を自動車教習所等での教習を経て取得することが移行への実質的な条件となります。
対象免許: 大型自動車免許、中型自動車免許、準中型自動車免許、普通自動車免許(それぞれ第一種・第二種を含む)。
3. 指定された講習および指導の修了
単に運転技術を習得するだけでなく、運送・旅客業としての専門的な教育を受ける必要があります。
指導・監督の受講: 旅客自動車運送事業運輸規則等に基づき、特別な指導や適性診断を受けることが含まれます。
付随業務への従事: 技能を要する業務に付随する業務(点検や清掃、荷役作業など)に従事し、実務への適応準備を整えることも活動内容に含まれています。
4. 雇用契約と支援体制の維持
特定技能へ移行する際には、受入機関(会社)との間で適切な体制が維持されている必要があります。
特定自動車運送業準備雇用契約: 法務大臣が定める基準に適合する雇用契約に基づき活動していること。
支援計画の実施: 職業生活、日常生活、または社会生活上の支援を安定的に受けられる環境(支援計画)が整備されていることが必須です。
不当な契約の禁止: 保証金の徴収や、契約不履行に対する違約金の設定など、不当に金銭等の移転を予定する契約が締結されていないことが厳格にチェックされます。
5. 在留期間の制限
過去に「特定技能1号」として在留したことがある場合、その通算期間が5年に達していないことが条件となります。この準備期間を経て特定技能に移行した後も、通算5年の枠内で活動することになります。
まとめ
「特定自動車運送業準備」は、いわば「特定技能としての本格稼働に向けた最終トレーニング期間」です。この期間中に、①技能・日本語試験の合格を維持・証明し、②日本の運転免許を取得し、③必要な法定講習をすべて終えることが、特定技能への在留資格変更許可を受けるための決定的な条件となります。
第56号・第57号 2027年 横浜国際園芸博覧会
2027年に開催される横浜国際園芸博覧会の関係者およびその家族のための枠組みです。大阪万博と同様の、国家プロジェクト支援のための時限的措置です。
免責事項: 本解説は、提供された資料(平成2年法務省告示第131号)に基づき、一般的な解釈を示すものです。個別の申請にあたっては、必ず最新の法令を確認し、出入国在留管理庁の窓口や専門の弁護士・行政書士にご相談ください。
お問い合わせ
山本行政書士事務所 山本克徳
〒793-0001 愛媛県西条市玉津144番地11
電話番号090-6287-4466
メールアドレス yamamoto.gshoshi21456@gmail.com
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