特定技能1号の外国人材を適法かつ確実に雇用するための完全手引き(全19分野対応)【2026年最新版】

本記事では、2026年現在の最新法令に基づき、企業が「特定技能1号」の外国人材を適法かつ確実に雇用するための完全な手引きを解説いたします。 特定技能制度は、深刻な人手不足を解消するための強力な制度ですが、その手続きや要件は出入国在留管理庁によって極めて厳格に定められています。
対象となる全19分野の正確な業務範囲の把握、海外からの新規呼び寄せと国内在留者の採用ルートの明確な違いの理解、そして全企業に義務付けられた「分野別協議会」への事前加入ルールは見落とすことが許されません。 万が一、これらの要件を一つでも見落とすと、不法就労の助長や許可の不交付といった企業の根幹を揺るがす重大な法的リスクを直接的に招くことになります。
本記事を上から下まで順に読み進めていただくことで、外部サポート機関の正しい活用方法から、採用選考、雇用契約の締結、在留資格申請、就労開始に至るまでの全プロセスがスッと頭に入ると思って作成しました。 複雑な実務を迷いなく進めることができるよう体系的かつ具体的に構成しておりますので、企業の採用担当者様や経営者様は、ぜひ実務のバイブルとしてご活用してもらえると嬉しいです。
【目次】
✅ 【全体要約して重要な3つのポイント】
■ 全19分野の厳格な業務範囲の完全遵守
特定技能1号で就労できるのは法令で定められた19分野の特定の業務のみです。許可された業務以外の就労は不法就労となるため、関連業務への付随的従事を含め、法令で定められた範囲を完全に遵守することが必須であり、他分野の業務を兼務させることは絶対に認められません。
■ 採用ルート別手続きと外部機関の使い分け
海外からの呼び寄せは査証(ビザ)申請と入国時の生活基盤構築がゼロから必要であり手続きが複雑です。また、自社で支援体制の要件を満たせない場合は、必ず国から登録を受けた「登録支援機関」へ支援業務の全部を委託することが法令で義務付けられています。
■ 分野別協議会への事前加入の絶対的義務
旧制度からの重要な変更点として、現在は全19分野において「在留資格認定証明書交付申請」または「在留資格変更許可申請」を行う前に協議会(および必要な場合は登録法人)への加入を完了させることが絶対条件となっており、後からの加入は認められません。
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特定技能の手続きは極めて複雑で、一つのミスが不許可や行政指導に直結します。自社での手続きに少しでも不安や負担を感じる場合は、当事務所へお気軽にご相談ください。 ご相談内容は絶対に秘密を厳守いたしますので、どうぞご安心の上、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
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🏢 1. 特定技能1号の対象となる全19分野と就労可能な業務範囲の詳細

特定技能1号の制度を使って外国人を雇用できるのは、出入国在留管理庁の法令で定められた以下の19分野に厳格に限定されます。
✅ 【対象となる19分野と業務内容】
■ 介護分野
身体介護(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)に従事します。令和7年4月21日の基準告示改正により、新たに「訪問系サービス」への従事も適法として認められています。
■ ビルクリーニング分野
建築物内部の清掃に従事します。具体的には、オフィスビルや商業施設等において、場所、部位、建材、汚れ等の違いを考慮し、専用の資機材を用いた日常清掃や定期清掃を行う業務であり、単なるベッドメイキングのみの業務は該当しません。
■ リネンサプライ分野
リネンサプライの仕上げ作業(洗濯されたシーツ、タオル等のアイロン掛け、折りたたみ等)に従事します。
■ 工業製品製造業分野
機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理、紙器・段ボール箱製造、コンクリート製品製造、RPF製造、陶磁器製品製造、印刷・製本、紡織製品製造、縫製に従事します。
■ 建設分野
土木、建築、ライフライン・設備の3業務区分における作業(型枠施工、左官、コンクリート圧送、内装仕上げ等)に従事します。
■ 造船・舶用工業分野
舶用機械、舶用電気電子機器、造船の3業務区分(溶接、塗装、鉄工、機械加工等)に従事します。
■ 自動車整備分野
自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する基礎的な業務に従事します。
■ 航空分野
空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)、航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)に従事します。
■ 宿泊分野
宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に従事します。
■ 自動車運送業分野
トラック運転者、バス運転者、タクシー運転者の業務に従事します。
■ 鉄道分野
軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員(駅係員、車掌、運転士)に従事します。
■ 物流倉庫分野
物流センター等における仕分け、ピッキング等の作業に従事します。
■ 農業分野
耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)、畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)に従事します。
■ 漁業分野
漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)、養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)に従事します。
■ 飲食料品製造業分野
飲食料品製造業全般(酒類を除く飲食料品の製造・加工、安全衛生の確保)に従事します。
■ 外食業分野
外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)に従事します。
■ 林業分野
林業(育林、素材生産等)に従事します。
■ 木材産業分野
製材業、合板製造業等に係る木材の加工等に従事します。
■ 資源循環分野
廃棄物処分業(中間処理)における選別、破砕、焼却等の作業に従事します。
⚠️ 【就労開始後の仕事の範囲に関する厳格な注意点】
特定技能1号の外国人ができるのは、上記で許可された分野・業務区分に定められた業務のみです。全く関係ない別の分野の仕事をさせることは不法就労(資格外活動)となり明確な違法です。
ただし、その業務を行う日本人が通常行っている「関連業務」に付随的に従事させることは許容されています。例えば、農業分野で採用した外国人が農閑期の冬場に除雪作業や農具小屋の修繕を行うことや、宿泊分野の外国人がフロント業務だけでなくレストランの配膳業務を行うことなどがこれに該当します。
⚠️ 【現場のリアルな声】
「農業分野で採用した外国人に、人手が足りないからと食品加工の別工場のラインに入らせてしまい、不法就労助長罪に問われそうになった」というケースが実務で散見されます。法令で許可された業務範囲の逸脱は、一発で受入れ許可取消しに繋がる致命的なミスとなります。
🌍 2. 「海外からの呼び寄せ」と「日本にいる外国人の採用」の決定的な違い

採用の全体的な流れを見る前に、外国人が現在どこにいるかによって、手続きのハードルが根本的に異なります。最大の違いは「出入国(ビザ・査証)の手続きと、日本での生活基盤の立ち上げが伴うかどうか」です。
■ 海外から新しく呼び寄せる場合
外国人はまだ日本に滞在する権利(在留資格)を持っていません。そのため、企業が日本国内の入管で「在留資格認定証明書」を申請・取得し、それを海外の外国人に送り、外国人が現地の日本国大使館で「査証(ビザ)」を発給してもらい、飛行機に乗って新規に「入国」するという非常に時間と手間のかかるハードルがあります。
また、入国時の空港への出迎え(送迎)、新しく住む家の確保、住民登録、銀行口座の開設等、日本での生活基盤をゼロから構築するサポートが必須となります。
■ 日本にすでにいる場合(留学生や技能実習生等)
既に別の在留資格で日本に住んでいるため、新規の入国手続きや海外での査証(ビザ)の申請は一切不要です。日本の地方出入国在留管理局で現在の在留資格から特定技能へ変更する「在留資格変更許可申請」を行うだけで済みます。日本の生活にも慣れており、住居も既に確保しているケースが多く、入国時の空港への送迎も不要です。
⚠️ 【現場のリアルな声】
「海外から呼び寄せる場合、現地での健康診断書の準備や大使館でのビザ発給に想定以上の時間がかかり、予定していた入社日に全く間に合わなかった」という声が多数あります。海外採用は、想定外の遅延を見込み、最低でも半年以上の余裕を持ったスケジュール管理が必須です。
🤝 3. 企業が利用できる外部サポート機関の明確な違い

外国人を採用・支援する過程で、企業は外部の専門機関を利用することができますが、それぞれの法的な役割は全く異なります。
■ 民間の職業紹介事業者(人材紹介会社)
日本の「職業安定法」という法律に基づき、厚生労働大臣から許可を得て、企業(求人者)と外国人(求職者)をマッチング(紹介)させる会社のことです。採用活動(面接のセッティングや求人の紹介)をお手伝いするのが役割であり、入社後の生活支援を行う法的な権限はありません。
■ 登録支援機関
出入国在留管理庁長官から登録を受け、企業に代わって外国人の「生活サポート(1号特定技能外国人支援計画の実施)」を専門に行う機関です。職業紹介を行う権限はありません(職業紹介の許可を併せ持っている会社は除きます)。
⚠️ 【現場のリアルな声】
「人材紹介会社にお金を払えば入社後の生活支援まで全てお任せできると勘違いしており、入国後に誰も法定の支援を行わず、入管から改善命令を受けた」という失敗がよくあります。職業紹介と入社後の生活支援(登録支援機関)の法的な役割分担は、契約前に必ず明確にしておく必要があります。
🏛️ 4. 全企業に必須となる「分野別協議会」の全体像と加入時期
特定技能外国人を受け入れる上で、企業にとって「分野別協議会への加入」は絶対の義務です。
⚠️ ※【重要な法令改正】
過去の制度では「入国後4ヶ月以内に加入すればよい」というルールが存在しましたが、令和6年(2024年)6月15日の運用変更によりこの旧ルールは撤廃されました。現在は、全19分野において「在留資格認定証明書交付申請」または「在留資格変更許可申請」を行う前に協議会への加入を完了させ、構成員であることを証明する書類を提出することが必須となっています。
✅ 【協議会とは何か?】
各分野を所管する省庁(国土交通省、農林水産省、厚生労働省、経済産業省、環境省)が設置する公式な組織です。分野所管省庁、法務省、受入れ企業、業界団体で構成されます。
✅ 【協議会に加入する理由・活動内容】
特定技能制度の趣旨や優良事例の周知
受入れ企業や登録支援機関に対する、法令遵守の啓発
各地域の「人手不足の状況」や「就業構造の変化」の把握・分析
外国人が大都市圏ばかりに集中してしまうのを防ぐための対応策の検討・調整
円滑で適正な受入れのために必要な情報の共有
✅ 【特例:登録法人への加入が必要な2分野】
「建設分野」と「工業製品製造業分野」においては、協議会の設置に加えて、受入れ企業は分野所管省庁の登録を受けた「登録法人」に加入しなければならないという独自の厳しいルールが設けられています。
■ 建設分野
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)等への加入
■ 工業製品製造業分野
一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)への加入
⚠️ 【現場のリアルな声】
「協議会への事前加入義務を知らず、書類を揃えて入管へ申請に行ったところ、窓口で申請を突き返されてしまった」というトラブルが法改正後に急増しています。申請前の加入手続きは、各省庁での処理時間もかかるため、採用活動と同時並行で進めるべき最優先事項です。
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📋 5. 特定技能1号制度を使った雇用・就労までの完全な流れ

ここから、採用から就労開始までの具体的なステップを全ての要件とともに解説します。
✈️ パターンA
海外から来日する外国人を採用する流れ
【STEP 0:協議会(および登録法人)への事前加入】
企業は、採用活動と並行して、自社の該当する分野の「協議会」への加入手続きを行います。全19分野において、後述するSTEP 6の申請までに加入手続きと証明書の発行を完了させておく必要があります。
【STEP 1:外国人の要件確認(試験と資格)】
採用したい外国人が、以下の要件をクリアしていることを確認します。
■ 留学生等の場合
試験の免除は一切ありません。以下の両方の試験に必ず合格しなければなりません。
① 技能試験
「特別な育成や訓練を受けなくても、すぐに一定の業務を遂行できる即戦力レベル」を測る試験です。フィリピン、カンボジア、インドネシア、ネパール、モンゴル、ミャンマー、タイ、ベトナム、スリランカ、インド、ウズベキスタン、バングラデシュ、パキスタン、マレーシア、キルギス、タジキスタン等の海外各国および日本国内で随時実施されています。
② 日本語試験
「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度」を測る試験です。「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または「日本語能力試験(JLPT)のN4以上」のいずれかに合格する必要があります(自動車運送業分野のバス・タクシー運転手、鉄道分野の運輸係員は「N3以上」が必要。介護分野はさらに「介護日本語評価試験」の合格も必要です)。
■ 技能実習2号を良好に修了した人の場合
修了した技能実習と同じ分野で特定技能として働く場合には、技能試験と日本語試験の両方が免除されます。ただし、修了した技能実習と「全く違う分野」で特定技能として働く場合には、これから働きたい分野の技能試験のみ受験し合格する必要があります。
⚠️ ※法令上の厳格な例外
他分野の技能実習2号修了者が「介護分野」「自動車運送業分野(タクシー・バス)」「鉄道分野(運輸係員)」へ移行する場合に限り、日本語試験の免除は一切なく、各分野で指定された日本語試験の合格が必須となります。
【STEP 2:採用選考】
企業が直接、または民間の職業紹介事業者を通じて、外国人と面接等の選考を行い、採用を決定します。
【STEP 3:雇用契約の締結(適法な契約の全要件)】
企業と外国人の間で「特定技能雇用契約」を結びます。この契約は以下の要件をすべて満たしている必要があります。
■ 報酬(お給料)
同じ仕事をする日本人がいる場合、その日本人と同等額以上の給与を支払うこと。
■ 労働時間
企業で働く通常の労働者(フルタイムの日本人従業員)の所定労働時間と同等であること。
■ 差別的取扱いの禁止
外国人であることを理由に、給与額、教育訓練、社員寮や保養所の利用などの待遇で差別しないこと。
■ 一時帰国の保障
外国人が「母国に一時帰国したい」と希望した場合は、業務上やむを得ない事情がない限り、有給休暇を取得させること。
■ 帰国費用の負担
雇用契約終了後、外国人がお金がなくて帰国の飛行機代を払えない場合は、企業が代わりに負担し、帰国手配をすること。
■ 健康と生活の把握
定期的な健康診断を受けさせ、定期面談で生活状況を把握する措置をとること。
■ 支払い方法
給与は外国人の同意を得た上で銀行口座への振り込みで行うこと。
【STEP 4:1号特定技能外国人支援計画の作成】
企業は外国人が日本で安心して働き、生活できるようにサポートする計画書を作成します。
■ 自社で支援を実施できる企業の要件
過去2年間に中長期在留者の受け入れ・管理を適正に行った実績があること。または過去2年間に中長期在留者の生活相談業務の経験がある役職員がいること。さらに、外国人が十分に理解できる言語で支援できる体制があること。
■ 自社でできない場合
上記の要件を満たさない企業や、言語対応ができない企業は、自社で支援を行うことができません。その場合は、国に登録された「登録支援機関」に支援の「全て(全部)」を委託しなければなりません。
【STEP 5:事前ガイダンスと健康診断】
企業(または委託を受けた登録支援機関)が、入国前の外国人に対して「事前ガイダンス」を実施し、外国人に現地の病院で健康診断を受けてもらいます。
■ 事前ガイダンスの内容
雇用契約の内容、日本で行う仕事の内容、入国手続きの説明を行います。最も重要な点として、「悪質なブローカーに保証金を取られていないか」「途中で仕事を辞めたら違約金を払うという不当な契約を結ばされていないか(違法です)」を必ず確認し、支援にかかる費用を外国人に負担させないことを説明します。
■ 実施方法
対面、またはテレビ電話等で、外国人が十分に理解できる言語で、在留資格認定証明書交付申請前に約3時間程度かけて行います。
【STEP 6:在留資格認定証明書交付申請】
海外にいる外国人は自分で日本の入管に行けないため、「代理人」が地方出入国在留管理局の窓口に書類を提出するか、オンラインで申請します。
■ 代理人になれる者
受け入れ企業の職員、入管長官に届け出た弁護士や行政書士、または支援の全部委託を受けた登録支援機関の職員。
【STEP 7:在留資格認定証明書の交付】
入管の審査(企業が税金や社会保険料を滞納していないか、法令違反がないか、外国人の経歴に虚偽がないか等)を経て、問題がなければ企業宛てに「在留資格認定証明書」が交付されます。
【STEP 8:証明書の送付】
企業が、海外にいる外国人に「在留資格認定証明書」を国際郵便やメール等で送付します。
【STEP 9:査証(ビザ)の申請と発給】
■ 申請方法
外国人が、自国の日本国大使館や領事館(在外公館)に本人が赴いて申請します。持参するものは、企業から送られてきた「在留資格認定証明書」の原本(または写し)、パスポート、写真、ビザ申請書です。
■ 要件と発給
大使館で最終確認し、問題がなければパスポートに「査証(ビザ)」のシールが貼られて発給されます。
【STEP 10:入国と空港への出迎え(送迎)】
外国人が日本に入国します。この際、企業(または登録支援機関)は必ず空港まで出迎える送迎を行う必要があります。

■ なぜ出迎えが必要なのか
入国直後の外国人は日本の地理や交通機関に不慣れであり、迷子になったり、悪質な業者に騙されたりするトラブルを防ぐための義務的支援です。空港から事業所や住居まで確実に送り届けます。
【STEP 11:生活オリエンテーションの実施】
入国後、遅滞なく、企業(または登録支援機関)が外国人に「生活オリエンテーション」を実施します。
■ 何なのか・なぜするのか
外国人が日本の社会で孤立したり、知らずに法律違反を犯したり、近隣住民とトラブルになるのを防ぐための義務的な説明会です。
■ 具体的事項
金融機関・医療機関の利用方法、入管や市区町村への行政手続き、相談や苦情の連絡先、防災・防犯・緊急時の対応、法令違反を知ったときの対応方法と法的保護について、外国人が理解できる言語で少なくとも8時間以上かけて説明します。
【STEP 12:住民登録や銀行口座開設等への同行】
外国人が住居地の市区町村役場で住民登録を行い、給与振り込み用の銀行口座を開設します。
■ 誰がやるのか・なぜ同行するのか
役所や銀行の手続きは複雑な日本語が求められ、外国人1人では手続きを完了できない可能性が高いためです。自社の担当者または登録支援機関の職員が必ず必要に応じて同行し、書類作成の補助を行う義務的支援です。
【STEP 13:就労の開始】
全ての手続きと生活基盤の整備が完了した後、企業での就労を開始します。
✈️ パターンB
日本国内に在留している外国人(留学生や技能実習生等)を採用する流れ
【STEP 0:協議会(および登録法人)への事前加入】
パターンAの(0)と全く同じです。在留資格変更許可申請前に加入を完了させます。
【STEP 1:外国人の要件確認】
パターンAの(1)と全く同じです。留学生は技能試験と日本語試験の両方の合格が必須です。
【STEP 2:採用選考】
企業が直接、ハローワーク、または民間の職業紹介事業者を通じて、外国人と面接等の選考を行い、採用を決定します。
【STEP 3:雇用契約の締結】
パターンAの(3)と全く同じです。適法な契約を結びます。
⚠️ 【現場のリアルな声】
「家賃や光熱費の支払いを給与から天引きする際、事前の明確な合意や母国語での詳細な説明を行わず、後になって外国人から不満が出て労働基準監督署を巻き込むトラブルに発展した」という事例があります。給与天引きに関する母国語での十分な事前説明と書面での同意は絶対不可欠です。

【STEP 4:1号特定技能外国人支援計画の作成】
パターンAの(4)と全く同じです。自社で支援体制を満たせない場合は登録支援機関に全部委託します。
【STEP 5:事前ガイダンスと健康診断】
内容はパターンAの(5)と同様ですが、実施のタイミングは「在留資格変更許可申請を行う前」となります。
【STEP 6:在留資格変更許可申請】
海外からの呼び寄せとは異なり、外国人が既に日本にいるため、外国人本人が管轄の地方出入国在留管理局の窓口に出向いて「在留資格変更許可申請」を行います(事前に承認を受けた企業の職員や行政書士による代理申請も可能です)。
【STEP 7:在留資格の変更許可】
地方出入国在留管理局の審査を経て、在留資格の変更が許可され、新しい「在留カード」が交付されます。
【STEP 8:就労の開始】
企業での就労を開始します。国内での転職等の場合、すでに入国済みであり生活基盤もあるため、空港への送迎は不要です。また、住民登録等も済んでいる場合が多いですが、就職に伴って引っ越し等が発生する場合は、必要に応じて市役所等への同行支援を行います。
✅ 事前準備と要件確認チェックリスト
■ 従事させる業務が法令で定められた19分野の業務区分に完全に一致しているか。
■ 在留資格の申請を行う前に、該当する分野の協議会への加入手続きを完了しているか。
■ 建設分野または工業製品製造業分野に該当する場合、所定の登録法人への加入を完了しているか。
■ 採用予定の外国人が、該当分野の技能試験および指定された日本語試験の両方に合格しているか。
■ 技能実習2号から移行する外国人の場合、修了した分野と同一の分野であるか(異なる場合は技能試験の合格が必要)。
■ 外国人に支払う報酬額が、同じ業務に従事する日本人労働者と同等額以上で適正に設定されているか。
■ 外国人の所定労働時間が、企業で働くフルタイムの日本人従業員の所定労働時間と完全に同等であるか。
■ 自社で外国人支援を行うための要件(過去2年間の適正な受け入れ実績や母国語での支援体制)を満たしているか、または登録支援機関への委託契約を締結しているか。
■ 外国人やその家族が、悪質なブローカー等に保証金を徴収されたり、違約金の契約を結ばされたりしていないか。
■ 雇用契約終了後に外国人が帰国費用を負担できない場合、企業が代わりに負担して帰国手配を行う取り決めとなっているか。
📝 行動と手順用ToDoリスト
■ 採用活動と並行して、自社の該当する分野別協議会への事前加入手続きを実施する。
■ 建設分野または工業製品製造業分野の場合は、指定された登録法人への加入手続きを実施する。
■ 外国人が技能試験および日本語試験に合格していること、または技能実習2号を良好に修了していることを確認する。
■ 外国人と面接等の採用選考を行い、報酬や労働時間が日本人と同等である適法な特定技能雇用契約を締結する。
■ 外国人が日本で安心して生活できるよう1号特定技能外国人支援計画を作成し、自社対応が不可能な場合は登録支援機関へ全部委託する。
■ 在留資格申請前に、外国人に対して保証金徴収の有無等を確認する事前ガイダンスを対面またはテレビ電話で実施する。
■ 事前ガイダンスの実施と併せて、外国人に現地の病院で健康診断を受診させる。
■ 地方出入国在留管理局に対して、在留資格認定証明書交付申請(海外)または在留資格変更許可申請(国内)を行う。
■ 海外から外国人が入国する際、企業または登録支援機関の担当者が必ず空港まで出迎える送迎を実施する。
■ 外国人の入国後または変更許可後遅滞なく、少なくとも8時間以上の生活オリエンテーションを実施し、住民登録や銀行口座開設に同行する。
❓ 特定技能1号に関する厳選FAQ

Q1. 特定技能1号で雇用できる外国人の業務範囲を変更することは可能ですか。
A1. 許可された分野および業務区分に定められた業務以外に変更することは法令により厳格に禁止されています。全く関係のない別の分野の業務に従事させた場合は不法就労となり、企業の受入れ許可が取り消されます。必ず事前の許可範囲内で就労させる必要があります。
Q2. 海外から外国人を採用する場合、入国時の空港への出迎えは必ず必要ですか。
A2. 海外から新規に入国する外国人の場合、空港への出迎えは法定の義務的支援として必ず実施する必要があります。入国直後の外国人が迷子になったりトラブルに巻き込まれたりするのを防ぐため、企業または委託を受けた登録支援機関の担当者が空港から事業所や住居まで確実に送り届けます。
Q3. 留学生を特定技能1号として採用する場合、試験の免除はありますか。
A3. 留学生を採用する場合、試験の免除は一切ありません。従事する業務の「技能試験」および、国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上の「日本語試験」の両方に必ず合格している必要があります。
Q4. 企業が自社で外国人の生活支援を実施することは可能ですか。
A4. 過去2年間に中長期在留者の受け入れや管理を適正に行った実績があること、または生活相談業務の経験がある役職員がいること、かつ外国人が十分に理解できる言語で支援できる体制がある場合に限り、自社での支援実施が可能です。この要件を満たさない場合は登録支援機関への全部委託が必須となります。
Q5. 分野別協議会への加入手続きはどのタイミングで行う必要がありますか。
A5. 令和6年6月15日の運用変更により、全19分野において「在留資格認定証明書交付申請」または「在留資格変更許可申請」を行う前に協議会への加入を完了させることが絶対条件となりました。事後加入は認められないため、採用活動と並行して手続きを行う必要があります。
Q6. 外国人に支払う給与額はどのように決定すればよいですか。
A6. 特定技能外国人に支払う報酬額は、同じ業務に従事する日本人と同等額以上の給与を支払うことが法令で義務付けられています。外国人であることを理由に給与額を低く設定することは違法であり、経験年数などを考慮して正当に金額を決定する必要があります。
Q7. 登録支援機関は職業の紹介やあっせんを行うことができますか。
A7. 登録支援機関は出入国在留管理庁長官から登録を受け、企業に代わって外国人の生活サポートを行う専門機関であり、職業紹介を行う権限はありません。外国人の紹介やマッチングを行うには、職業安定法に基づく民間の職業紹介事業者としての許可を別途受けている必要があります。
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本記事の法的正確性および最新法令(2026年時点・令和6年6月15日改正含む)に関する裏付け調査に使用した、日本政府公式ウェブサイト(出入国在留管理庁)の実在URLは以下の通りです。
在留資格「特定技能」に関する基本情報・対象分野・要件(出入国在留管理庁トップ / 各種申請ページ)
特定技能制度に関するQ&A(付随的業務の範囲や手続きの詳細)
1号特定技能外国人支援・登録支援機関について(支援の全部委託や事前ガイダンス等の義務的支援要件)
特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針等(最新の制度運用・分野追加や育成就労等の閣議決定関連)



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