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【2026年最新】国際離婚の準拠法とは?通則法第27条・国際裁判管轄・共同親権の影響を徹底解説

  • 2 日前
  • 読了時間: 25分
国際離婚における通則法第27条と準拠法の概要を説明する法律手続きのイメージ
国際離婚の手続きは「どこの国の法律を使うか」を決めることから始まります。


はじめに:国際離婚における「通則法第27条」の絶対的な役割と法的な全体像


国際結婚は、文化や価値観の異なるお二人が共に歩む素晴らしい人生の新たなスタートです。しかし、やむを得ない事情により離婚を決断した場合、「そもそも日本の家庭裁判所で離婚が認められるのか」「離婚に伴う財産分与や慰謝料はどこの国の法律を基準に計算するのか」といった非常に複雑な法的問題に直面します。日本人同士の離婚であれば日本法が適用される場面が多いですが、夫婦の国籍が異なる場合、夫婦が海外に住んでいる場合、複数の国と生活上のつながりがある場合は、「どこの国の法律を使って離婚を成立させるのか(準拠法)」を最初に確認しなければなりません。この国際離婚における準拠法を明確に定めているのが、「法の適用に関する通則法(以下、通則法)第27条」です。


本記事では、離婚そのものの準拠法を決める通則法第27条を中心に、不法行為の準拠法、人事訴訟法の国際裁判管轄、2026年施行の改正民法に基づく共同親権の導入、出入国在留管理庁への在留資格の変更手続きに至るまで、2026年現在の最新法令(出入国管理及び難民認定法、民法、人事訴訟法)に基づきすべての要件を特定して網羅的に解説いたします。



目次




💡 本記事の全体要約と重要事項


  • 法の適用に関する通則法第27条に基づく離婚の準拠法は、夫婦の共通本国法、共通常居所地法、密接関係地法の順で段階的に自動決定されます。夫婦の国籍が同一であればその国の法律を適用し、国籍が異なる場合は夫婦の生活の本拠である共通常居所地法を適用します。さらに共通常居所地もない場合は、過去の結婚生活の場所や資産を総合的に評価し、夫婦に最も密接な関係がある地の法律が適用されます。上位の条件を満たす場合は下位の条件を検討することは一切許されません。


  • 前述の三段階ルールにかかわらず、夫婦の一方が日本国内に客観的な生活の本拠(常居所)を有する日本人である場合には、特例として強制的に日本法が優先適用されます。ただし、日本法が適用されることと、日本の家庭裁判所に調停や裁判を申し立てる国際裁判管轄が認められるかは全く別の問題です。人事訴訟法の規定に基づき、相手方の住所が日本国内にあるか、原告の住所が日本にあり最後の共通の住所が日本にあったかという厳格な管轄要件を満たすかを真っ先に確認する必要があります。


  • 日本の法律上で協議離婚が成立した場合であっても、外国人配偶者の本国においてその離婚が自動的に承認および登録されるわけではありません。国によって身分関係の扱いが食い違う跛行婚を防ぐため、協議離婚届を提出する前に、相手国での裁判所手続きの要否、指定される公的書類、指定言語への翻訳要件、アポスティーユ、公印確認、領事認証の要件をすべて特定し、相手国での承認条件を満たしておく絶対的な義務があります。



📖 通則法第27条に基づく離婚の準拠法決定ルール(三段階ルール)


通則法第27条に基づく国際離婚の準拠法を決定する三段階ルールの図解
準拠法は通則法第27条により3つの段階を経て自動的に決定されます。

国際離婚において、不倫の慰謝料や財産分与、そもそも離婚が認められるかどうかを判断する基準となるのが第27条です。


【条文】 第二十五条の規定は、離婚について準用する。ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は、日本法による。

通則法第27条本文は、第25条(婚姻の効力)の規定を「離婚について準用する」と定めています。これにより、離婚を判断するための準拠法は、以下の1から3の順序(三段階ルール)で決定されます。上の条件を満たさない場合にのみ、下の条件へ移行します。


第一段階:共通本国法

夫婦の本国法が同一であるならば、その国の法律を適用します。


■ 【具体例】

アメリカ合衆国籍の夫と、同じくアメリカ合衆国籍の妻が、仕事の都合で日本に住んでいる場合。この夫婦が離婚する際には、まず共通の本国法であるアメリカ法を検討します。ただし、アメリカ合衆国のように州ごとに法律が異なる国では、「アメリカ法」と書くだけでは足りません。どの州法を適用するかは、通則法の地域法に関する規定と、関係する州との結び付きに基づいて個別に確認します。国籍が同じであることだけから、直ちに特定の州法が決まるわけではありません。


第二段階:共通常居所地法(きょうつうじょうきょしょちほう)

夫婦の本国法が同じではなくても、夫婦の常居所地法が同じであれば、その常居所地の法律を適用します。常居所とは、単なる旅行先や短期滞在先ではなく、生活の本拠をいいます。


■ 【具体例】

日本国籍の夫と、フランス共和国籍の妻が、夫婦としてイギリスで長年生活している場合。国籍は異なりますが、夫婦の共通の生活基盤(常居所)がイギリスにあるため、イギリスのどの地域の法を適用するかを検討します。イギリスにも、イングランド及びウェールズ、スコットランド、北アイルランドという法律が異なる地域があります。そのため、「イギリス法が適用される」とだけ結論を出すのではなく、夫婦の生活の本拠がどの地域にあったかまで特定します。


第三段階:密接関係地法

上記の第一段階(共通の本国法)も、第二段階(共通の常居所地法)もない場合は、夫婦に最も密接な関係がある地の法律を適用します。


■ 【具体例】

ドイツ連邦共和国籍の夫はドイツで働き、中華人民共和国籍の妻は中国で働いており、一度も同居したことがない別居状態の夫婦の場合。この場合、夫婦が過去に結婚生活を営んでいた国、資産が集中している国、子どもの生活拠点がある国、別居に至る前の生活の本拠という客観的な事情を総合的に評価し、最も関係の深い国の法律を検討します。この段階では一つの事情だけで結論が決まるとは限らず、夫婦の国籍、常居所、婚姻生活の場所、子どもの常居所、資産との関係、別居に至った経緯をすべて整理する必要があります。


⚠️ 【すべての読者の方にとっての重要事項】複数国籍・地域法・反致の確認

夫婦の一方が複数の国籍を持つ場合、一国内で地域ごとに法律が異なる国が関係する場合は、三段階ルールだけでは足りません。通則法には、複数国籍者の本国法と地域法についての規定があります。


また、通則法が指定した外国法が、日本法を適用すべきものとしている場合には、反致(はんち)の問題も確認します。外国法の内容が日本の公の秩序又は善良の風俗に反する場合には、通則法第42条により、その外国法を適用しないことがあります。


これらは一般の読者だけで判断することが難しいため、複数国籍、アメリカ合衆国・イギリス・カナダの地域法、宗教法、外国の離婚制度が関係する場合は、専門家へ確認することが重要です。



📖 重要特例:日本法を優先適用する「ただし書」


日本に常居所を有する日本人に日本法が優先適用される通則法第27条ただし書の特例
 日本に生活の基盤(常居所)がある日本人の場合、特例として日本法が優先適用されます。

通則法第27条における最大のポイントは、条文の後半にある「ただし書」です。


⚠️ 【重要ルール】夫婦の一方が、日本に常居所を有する日本人であるときは、前述の三段階ルールにかかわらず、離婚は日本法によります。


これは、日本に生活基盤がある日本人の離婚について、外国法だけによって離婚の可否が左右されることを避けるための保護規定です。ただし、ここで日本法が適用されることと、日本の裁判所で離婚訴訟ができること、相手国で離婚が承認されることは、全く別の問題です。


「常居所(じょうきょしょ)」の確認と厳格な判定基準

この保護規定を受けるためには、日本人が日本に「常居所」を有している必要があります。常居所とは、単なる数日間の観光旅行や一時的なホテル滞在ではなく、客観的に日本で生活しているといえる実態をいいます。


住民票の登録、日本での就労事実、アパート又は自宅の使用状況、家族との生活、滞在期間、在留資格、社会保険の状況は、生活の本拠を判断する材料になります。しかし、住民票の登録、日本での就労事実、アパートの賃貸借契約、健康保険の加入のいずれか一つだけで、直ちに常居所が認められるわけではありません。


【具体例の深掘り:日本に住む日本人と外国人の夫婦】

日本で暮らす日本人女性Aさんと、イタリア共和国籍の男性Bさんの夫婦が離婚を考えているとします。この二人は国籍が異なるため第一段階(共通本国法)はなく、日本で同居していれば第二段階(共通常居所地法)により日本法が適用される可能性があります。

さらに夫婦関係が悪化し、Aさんが日本で実際に生活の本拠を持つに至った場合は、第27条ただし書により、日本法が強制適用されます。仮に二人が長年イタリアで暮らしていたとしても、Aさんが日本に帰国し、日本で安定した生活を営む実態があるかを個別に確認します。住民票を戻したことや仕事を見つけたことだけを目的に、日本の常居所があるとすることはできません。帰国の目的、居住の継続性、仕事、家族との関係、住居、生活の実態を含めて、日本に生活の本拠があるかを厳格に判断します。


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📖 【実務上の重要事項1】「準拠法(使う法律)」と「国際裁判管轄(どこの裁判所で争うか)」の違い


通則法第27条は「どこの国の法律を使って離婚を判断するか(準拠法)」を決めるルールです。しかし、読者の方が実際に離婚手続きを進める際には、「そもそも日本の家庭裁判所に離婚の調停や裁判を申し立てられるか」という問題が立ちはだかります。これを「国際裁判管轄」と呼びます。この「国際裁判管轄」を一番最初に確認することが重要となります。


比較表:準拠法と国際裁判管轄の違い


人事訴訟法に基づく国際裁判管轄と通則法に基づく準拠法の違いを示す比較イメージ
日本の法律が適用されることと、日本の裁判所で争えるかどうかは全く別の問題です。

項目

決定する内容

適用される主な法律

確認する優先順位

国際裁判管轄

日本の裁判所で調停や訴訟を起こせるか

人事訴訟法第3条の2

第1順位(真っ先に確認)

準拠法

離婚や財産分与をどこの国の法律で判断するか

法の適用に関する通則法第27条

第2順位(管轄が認められた後)


人事訴訟法第3条の2に基づく日本の裁判所の管轄要件

離婚する夫婦の間の訴えについて、日本の裁判所に国際裁判管轄が認められる場合は以下のとおりです。


  1. 相手方(訴えられる側)の住所が日本国内にあるとき。住所がない場合又は住所が分からない場合には、居所が日本国内にあるとき。


  2. 夫婦の双方が日本国籍であるとき。


  3. 原告(訴える側)の住所が日本国内にあり、夫婦の最後の共通の住所が日本国内にあったとき。


  4. 原告の住所が日本国内にあり、相手方が行方不明であるとき。


  5. 原告の住所が日本国内にあり、相手方の住所がある国で同じ身分関係についてされた確定判決が、日本国内で効力を持たないとき。


  6. 原告の住所が日本国内にあり、日本の裁判所で審理及び裁判をすることが、当事者間の公平又は適正かつ迅速な審理のために必要となる特別の事情があると認められるとき。


相手方の行方不明又は特別の事情を根拠にする場合には、原告の住所が日本国内にあることも必須要件となります。


さらに、人事訴訟法第3条の5により、上記に当てはまる場合であっても、外国の裁判所で審理・裁判をすることができ、日本で審理することが当事者間の公平又は適正かつ迅速な審理を害する特別の事情があるときは、日本の裁判所が訴えを却下することがあります。


つまり、日本の裁判所に国際裁判管轄が認められるかを真っ先に確認した上で、裁判所が通則法第27条によって決まる準拠法を用いて離婚を判断します。この二つの問題は順番に確認する必要があります。



📖 【実務上の重要事項2】日本法が適用されても確認が必要な「協議離婚と跛行婚のリスク」


通則法第27条ただし書によって日本法が適用される場合、日本法上は、市区町村役場へ離婚届を提出して離婚を成立させることができる場面があります。日本の協議離婚では、離婚届に成年の証人2人の署名を得て、市区町村へ提出します。


⚠️ 【絶対的注意点】跛行婚(はこうこん)の重大なリスク

日本法上で協議離婚が成立することと、外国人配偶者の本国で同じ離婚が承認又は登録されることは同じではありません。相手国の法令によっては、裁判所の手続、裁判所外の和解、行政機関への登録、一定の証明書、翻訳、アポスティーユ又は領事認証を求めることがあります。


この場合、日本においては離婚が成立していても、相手国の国家記録では婚姻継続中として扱われる可能性があり、このように国によって身分関係の扱いが食い違う状態を、一般に「跛行婚(はこうこん)」と呼びます。


フランス共和国には、原則として裁判官を通さず、各配偶者の弁護士が作成した合意書を公証人に寄託する協議離婚の制度があります。イタリア共和国にも、要件に応じて、弁護士による支援付き交渉又は身分登録官の前での合意による離婚手続があります。フィリピン共和国についても、外国人配偶者とフィリピン国籍者の離婚について、外国で有効に得られた離婚の承認が問題になることがあります。


これらの制度があることと、日本の市区町村に提出した協議離婚届がその国で承認又は登録されることは別の問題です。相手国での承認は、婚姻の場所、国籍、離婚の方式、離婚時の住所、相手国の裁判所又は身分登録機関への申立ての有無、提出文書によって変わります。


🗣️ 【現場のリアルな声】

「日本で市役所に離婚届を出して無事に離婚できたと思っていましたが、元夫の母国では別の裁判所手続きが必須であり、相手国では婚姻状態が続く『跛行婚』になってしまいました。その数年後、再婚しようとした際に重婚扱いとなって手続きが完全にストップし、膨大な費用と時間がかかってしまいました。」


【跛行婚を避けるための実務上の確認手順】

跛行婚の可能性を小さくし、日本と相手国の双方で離婚の扱いを確認するためには、協議離婚届を提出する前に、必ず次のすべての事項を確認します。


  1. 相手国が、日本の協議離婚、調停、審判、訴訟上の和解又は判決を承認・登録する条件。


  2. 相手国で必要となる手続が、裁判所への申立て、身分登録機関への登録、在日大使館又は在日総領事館への届出のどれか。


  3. 相手国で必要となる書類が、戸籍謄本、離婚届受理証明書、離婚届記載事項証明書、調停調書、審判書、和解調書、判決書のどれか。


  4. 翻訳が必要な言語、翻訳者の資格、翻訳への認証の要否。


  5. アポスティーユ、公印確認、駐日外国公館の領事認証の要否。


  6. 相手国での届出又は申立ての期限、提出先、手数料。


  7. 相手国で再婚、相続、子どもの身分登録、在留資格、旅券の記載に必要となる追加手続。


夫婦間で離婚の合意がある場合でも、直ちに協議離婚届を提出する前に、相手国の在日大使館・在日総領事館、相手国の身分登録機関又は相手国の家族法に詳しい専門家へ確認することが重要です。日本の家庭裁判所の調停調書、審判書、和解調書又は判決書が、相手国で必要な文書となる場合はありますが、これらの文書に翻訳文を添付して相手国の大使館へ提出すれば、相手国でも離婚が完全に承認される、と一律に断定することはできません。承認の可否と手続は相手国の法令・運用によるためです。


日本と相手国で離婚の扱いが食い違う跛行婚(はこうこん)の重大なリスク
日本で離婚届を出しても、相手国では夫婦のままとなる「跛行婚」には絶対的な注意が必要です。

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📖 【実務上の重要事項3】不倫の慰謝料と財産分与の法的取扱いの違い


不倫の慰謝料や財産分与の判断基準となるのが第27条という点については、実務上、次のように厳格に切り分けて考えます。


財産分与の法的取扱い

夫婦が結婚生活の中で築いた財産を分ける「財産分与」は、離婚に直接付随する効果として、通則法第27条によって決定された離婚の準拠法に従って考える見解が一般的です。日本法が適用される場合には、日本の民法に基づく財産分与が問題になります。

ただし、財産分与には清算、扶養、慰謝料的な要素が含まれ得ます。また、そもそもある財産が夫婦の共有又は清算の対象であるか、婚前契約又は夫婦財産契約があるか、海外の不動産があるかという問題は、通則法第26条の夫婦財産制との区別が必要になることがあります。


日本法が離婚の準拠法になったからといって、全ての財産について日本民法だけで結論が決まるとは限りません。日本国内・国外の不動産、預貯金、有価証券、会社の持分、退職金、年金、相続で取得した財産、贈与で取得した財産、婚前契約、夫婦財産契約の有無をすべて整理し、対象財産ごとに個別に確認します。


不倫の慰謝料(不法行為に基づく損害賠償)の法的取扱い

不倫(不貞行為)に対する慰謝料請求は、離婚の効力とは別に、不法行為に基づく損害賠償として扱われることがあります。この場合、通則法第17条が定める不法行為の準拠法を確認します。


通則法第17条では、不法行為によって生ずる債権の成立及び効力は、原則として加害行為の結果が発生した地の法によります。その地における結果の発生が通常予見できない場合には、加害行為が行われた地の法によります。さらに、明らかにより密接な関係がある地がある場合は、通則法第20条の例外も検討します。


したがって、日本国内で不倫が行われ、夫婦関係への侵害という結果が日本で発生した場合に、日本法が適用される可能性があります。しかし、不倫が行われた地、夫婦が婚姻生活を営んだ地、損害が発生した地、当事者の生活の本拠、請求相手が配偶者か第三者かを具体的に確認する必要があります。


「日本国内で不倫があったから、当然に日本の民法が適用され、日本の相場と判例に基づく慰謝料請求が認められる」とは断定できません。海外で始まった不貞行為が日本でも継続した場合、婚姻生活の本拠が海外にあった場合、複数の国で結果が発生した場合は、準拠法の判断が難しくなります。


⚠️ 【追加の重要事項】離婚そのものによる慰謝料と、不貞行為による慰謝料の区別

離婚に伴う財産的給付の一部として請求する慰謝料と、配偶者又は第三者の不貞行為という個別の不法行為に対する慰謝料は、法的な性質が異なることがあります。請求の相手方、請求の根拠、国際裁判管轄、準拠法、証拠、時効の検討も変わり得ます。


離婚に伴う財産分与(通則法27条)と不法行為による慰謝料請求(通則法17条)の法的区別
財産分与と慰謝料(不法行為)では、適用される法律の根拠条文が異なります。

📖 【一部の読者の方にとっての重要事項】子どもがいる場合の法改正と手続き(2026年改正民法対応)


国際離婚では、子どもの親権・監護、養育費、親子交流、子どもの居住地、国外への移動を、離婚そのものとは別に確認する必要があります。子どもの国籍、常居所、居住地、国境を越えた移動の有無によっては、通則法の親子関係に関する規定、扶養義務の準拠法に関する法律、ハーグ条約又は相手国法が関係します。


⚠️ 【絶対的注意点】2026年4月施行「共同親権」と海外渡航リスク

2026年4月1日に施行された改正民法により、日本法が適用される離婚においては、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を選択することが可能となりました。父母は子どもの親権者(共同親権または単独親権)を定めるほか、子育ての分担、親子交流、養育費の分担について協議します。取決めでは、子どもの利益を最も優先して考慮します。


ここで最も注意すべきは、共同親権を選択した場合の海外渡航(帰国含む)です。子どもを連れて海外へ出国する場合、他方の親の明確な「同意」が厳格に求められます。同意なく無断で子どもを出国させた場合、ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)に基づく返還請求の対象となるばかりか、渡航先の法律によっては実子誘拐として重大な犯罪を構成するリスクがあります。子どもが既に海外にいる場合も含め、離婚届又は離婚の申立ての前に、親権の選択と海外渡航の同意に関する合意書を必ず作成してください。



📖 【追加の重要事項】在留資格が関係する場合の届出義務


「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「家族滞在」のうち、配偶者としての身分又は活動が在留資格の基礎となっている中長期在留者は、配偶者と離婚した日から14日以内に、出入国在留管理庁へ配偶者に関する届出をする必要があります。


この届出をしたことだけで、離婚後も同じ在留資格で日本に在留できることを意味するものではありません。就労に基づく在留資格への変更、定住者への変更、在留期間の更新、帰国の準備のいずれかの検討が必要になります。離婚の届出又は調停を進める段階で、在留資格の見通しも確実に確認します。


外国人配偶者との離婚後14日以内に出入国在留管理庁へ必要な配偶者に関する届出
離婚が成立した日から14日以内に、出入国在留管理庁への届出が法律で義務付けられています。

📋 ✅ 事前準備と要件確認チェックリスト


  1. 夫婦のそれぞれの国籍(複数国籍や二重国籍の有無)の確実な特定


  2. 夫婦の現在の常居所地(客観的な生活の本拠)がどの国にあるかの特定


  3. 日本に常居所を有する日本人として通則法第27条ただし書の特例が適用されるか否かの判断


  4. 相手方の住所や居所が日本国内にある事実をはじめとする、人事訴訟法に基づく日本の国際裁判管轄の要件確認


  5. 外国人配偶者の本国における裁判所への申立て、身分登録機関への登録、大使館・総領事館への届出要否の特定


  6. 日本国内外の不動産、預貯金、有価証券、会社の持分、退職金、年金、相続で取得した財産、贈与で取得した財産の網羅的な把握


  7. 不倫が存在する場合における、加害行為の結果が発生した地、当事者の生活の本拠に対する通則法第17条および第20条の要件確認


  8. 2026年施行の改正民法に基づく、子どもの親権(共同親権または単独親権)の選択、および海外渡航時の相手方の同意要否の確認


  9. 「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「家族滞在」に該当する中長期在留者としての届出義務の確認



🏃 ■ 行動と手順用ToDoリスト


  1. 通則法第27条および第25条の三段階ルール、またはただし書の特例に基づき、自身の離婚に適用される準拠法を特定する


  2. 離婚の調停や裁判を申し立てる前に、人事訴訟法第3条の2の規定に基づき、日本の家庭裁判所に国際裁判管轄が認められるか確認する


  3. 日本の市区町村役場へ協議離婚届を提出する前に、相手国の在日大使館や身分登録機関へ連絡し、跛行婚を防ぐための要件を問い合わせる


  4. 相手国での手続きに要求される戸籍謄本、離婚届受理証明書、離婚届記載事項証明書、調停調書、審判書、和解調書、判決書を取得する


  5. 取得した日本の公的書類に対し、相手国の要件に合わせて指定言語への翻訳、翻訳者の資格証明、アポスティーユ、公印確認、領事認証を手配する


  6. 日本法が適用される協議離婚の場合、2026年4月施行の改正民法に基づき、親権者(共同親権または単独親権)の指定、子育ての分担、親子交流、養育費の分担を取り決める


  7. 共同親権を選択し子どもを帯同して出国する場合は、事前に他方の親から渡航に関する明確な同意書を取得する


  8. 通則法第26条に基づき対象財産ごとに適用される準拠法を整理して財産分与の取り決めを行い、不法行為があった場合は通則法第17条に基づき慰謝料請求を実施する


  9. 離婚が成立した日から起算して14日以内に、出入国在留管理庁に対して配偶者に関する届出を提出する


  10. 離婚後も日本での生活を継続する場合、就労に基づく在留資格への変更、定住者への変更、在留期間の更新、帰国の準備の見通しを立てて手続きを実行する



❓ 国際結婚と国際離婚に関するよくあるご質問(FAQ)


夫婦の国籍が違う場合、どこの国の法律で離婚を判断しますか?

法の適用に関する通則法第27条の三段階ルールに従い、まずは夫婦の生活の本拠である常居所地が同じ国であれば、その国の法律(共通常居所地法)を適用します。それもない場合は、過去の結婚生活の場所、資産を総合的に評価し、夫婦に最も密接な関係がある地の法律(密接関係地法)を適用します。


日本人が日本に住んでいる場合、外国人の配偶者との離婚にはどの法律が適用されますか?

通則法第27条ただし書の特例ルールにより、夫婦の一方が日本に客観的な生活の本拠(常居所)を有する日本人であるときは、原則の三段階ルールにかかわらず強制的に日本法が優先適用されます。ただし、日本法が適用されることと、日本の裁判所が利用できるかは全く別の問題となります。


日本の家庭裁判所で離婚の裁判を起こすための条件は何ですか?

人事訴訟法の規定により、日本の裁判所に国際裁判管轄が認められる主な場合は厳格に定められています。具体的には、相手方の住所や居所が日本国内にあるとき、夫婦双方が日本国籍であるとき、または原告の住所が日本にあり夫婦の最後の共通の住所が日本にあったときに限定して認められます。


日本で協議離婚が成立すれば、海外でも自動的に離婚が認められますか?

日本の法律上で協議離婚が成立しても、相手国で自動的に承認されるわけではありません。相手国の法令によっては協議離婚の制度が存在せず、裁判所の手続きがなければ承認されないため、相手国の国家記録上は婚姻状態が続く「跛行婚(はこうこん)」となる重大なリスクが存在します。


外国人配偶者の本国で離婚を承認してもらうにはどのような書類が必要ですか?

相手国の法令により異なりますが、戸籍謄本、離婚届受理証明書、離婚届記載事項証明書、調停調書、審判書、和解調書、判決書のいずれかが必要です。さらに、その指定言語への翻訳文、アポスティーユ、公印確認、駐日外国公館の領事認証が必要となるため、事前の確実な要件確認が必須となります。


2026年の法改正後、国際離婚における子どもの親権はどうなりますか?

2026年4月施行の改正民法により、日本法が適用される離婚において離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の選択が可能となりました。共同親権を選択した場合、子どもを連れて海外へ渡航(帰国)する際には他方の親の明確な同意が厳格に求められ、無断での出国はハーグ条約違反や犯罪を構成するリスクがあります。


外国人配偶者と離婚した場合、現在の在留資格の手続きはどうなりますか?

「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「家族滞在」の配偶者としての身分が在留資格の基礎となっている場合、離婚日から14日以内に出入国在留管理庁へ届出をする法的な義務があります。引き続き日本に在留するためには、就労に基づく在留資格への変更、定住者への変更手続きを直ちに検討しなければなりません。



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ここまで非常に専門的で長い記事をお読みいただき、本当にありがとうございました。「法の適用に関する通則法」「国際裁判管轄」「2026年施行の共同親権」は非常に複雑であり、ご自身のケースにどの法律が当てはまるのか、お一人で判断するのは大変困難かと思います。当事務所(行政書士)では、国際化社会で頑張る皆様の「トラブルを未然に防ぐ予防法務」と「行政手続き」を全力でサポートしております。


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本記事の内容(2026年現在の最新法令、共同親権の導入、国際裁判管轄、出入国在留管理庁への手続きなど)を担保するため、以下の日本政府公式ウェブサイト等の情報を裏付けとして使用・確認しています。


  1. 出入国在留管理庁(法務省) - 配偶者に関する届出

    入管法第19条の16第3号に基づく、離婚後14日以内の届出義務について


  2. e-Gov法令検索 - 法の適用に関する通則法

    第17条(不法行為)、第25条(婚姻の効力)、第27条(離婚の準拠法)の確認


  3. e-Gov法令検索 - 人事訴訟法

    第3条の2(国際裁判管轄の要件)の確認


  4. e-Gov法令検索 - 民法(2024年成立・2026年4月1日施行改正対応)

    第819条(共同親権の導入と選択)の確認




 
 
 

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