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山本行政書士事務所

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【2026年最新】海外別居時の生活費はどうなる?国際結婚の婚姻費用・管轄・準拠法を徹底解説

  • 2 日前
  • 読了時間: 21分
国際結婚の生活費・婚姻費用請求と法律ルールの解説
国際結婚の生活費トラブルは、「どこの国の裁判所が使えるか」が最初の関門となります。

国際結婚は、文化や価値観の異なるお二人が共に歩む素晴らしい人生の新たなスタートです。しかし、やむを得ない事情により別居状態となり、毎月の生活費(婚姻費用)の支払いが滞ってしまった場合、法的な解決を図るためのハードルは極めて高くなります。国籍が異なるご夫婦であり、さらに夫婦がそれぞれ別の国に居住している状況においては、「そもそもどこの国の裁判所に訴えを起こせばよいのか」「どこの国の法律の基準で金額を計算するのか」という非常に高度な法務上の疑問に直面します。この問題を解決するため、2026年現在の日本法令には、経済的に困窮しやすい請求者を保護するための厳格な「特別法」と「国際裁判管轄」の規定が用意されています。本記事では、日本国内に住む方はもちろん、海外に居住しながら法的な救済を求める方に向けて解説いたします。



【目次】



■ 本記事の全体要約と重要事項


  • 「扶養義務の準拠法に関する法律」の絶対的優先適用

    生活費の請求に関しては、一般的な国際私法(通則法第25条)ではなく、請求する側が現実に住んでいる国の法律を最優先とする特別法が直接適用されます。


  • 日本の家庭裁判所を利用するための財産要件

    夫婦双方が海外に居住している場合、日本国内に夫単独名義または夫婦共有名義の不動産、あるいは十分な残高のある預貯金が存在することが、日本の裁判所を利用する絶対条件となります。


  • 判決の実効性を確保するための裁判地選択

    日本の裁判所が利用できない場合や、現金の回収(強制執行)を確実に行いたい場合は、支払う側(夫)の給与口座や財産が存在する国の裁判所を利用することが最大の法的手順となります。



⚖️ 適用法令が変わる「特別法の存在」と生活費の請求に関する例外規定


生活費請求に優先適用される扶養義務の準拠法に関する法律
生活費の請求においては、原則的なルールではなく「特別法」が優先して適用されます。

国際結婚の夫婦関係に関するルールを決める際、通常は「法の適用に関する通則法第25条(婚姻の効力)」に従って法律が選ばれます。しかし、日々の「生活費の請求」に関しては、同条の第3段階である「密接関係地法」を探す必要は一切発生いたしません。

なぜなら、日本の法律には、生活費の請求(扶養義務)に関してのみ直接適用される「扶養義務の準拠法に関する法律」という強力な特別法が存在するからです。法律の世界では「特別法は一般法に優先する」という絶対的な原則があります。したがって、生活費の請求については、通則法第25条のルールは完全に排除され、この特別法に定められた基準が適用されます。


🗣️ 【現場のリアルな声(実務でのよくある失敗例と注意点)】
⚠️ 「夫がアメリカ人で私が日本人です。結婚後、夫が一人でシンガポールへ赴任し、私が現在一人で日本に居住しています。生活費の支払いが滞った際、共通の居住地がないため、どこの国の法律を根拠に生活費を請求すべきか(密接関係地法はどこか)で争点を見誤り、大きな法廷闘争になって膨大な弁護士費用と時間がかかってしまいました。」


⚖️ 「扶養義務の準拠法に関する法律」に基づく厳格な2つの関門


生活費を請求する場合の適用法律は、「扶養義務の準拠法に関する法律第2条第1項」によって、極めて明確に規定されています。


【条文:扶養義務の準拠法に関する法律 第2条第1項】 扶養義務は、扶養権利者の常居所地法による。


この法律における「扶養権利者」とは、「生活費を請求する側の人(ほとんどが妻)」を指します。国際的な生活費の請求において法的な解決を図るためには、必ず以下の「2つの関門」を順番にクリアしなければなりません。



⚖️ 【第1の関門】日本の家庭裁判所を利用できるか(国際裁判管轄の確認)


まずは、どこの国の裁判所に救済を求めることができるかを決めます。今回は日本人女性が「日本の家庭裁判所」に求めることを希望していると仮定します。そもそも日本の裁判所で裁判を起こす権利(管轄権)があるかを確認しなければ、次のステップには進めません。


妻(あなた)の現在の状況

家事事件手続法に基づく厳格な利用条件

裁判所の判断(日本の裁判所を使えるか)

妻が日本に住んでいる

妻の住民票や生活拠点が日本にあれば、夫の財産の有無に関わらず、裁判を起こす権利が認められます。

✅ 裁判可能です。


(夫の日本国内の財産がゼロでも利用できます)

夫婦双方が完全に海外に住んでいる

日本に住所がない場合、支払う側(夫)名義の「不動産」または「預貯金」が日本国内に存在することが絶対条件となります。

✅ 条件付きで裁判可能です。


(以下の重要例外に該当しない場合のみ)


⚠️ 【最重要事項】日本の裁判所が利用できない例外ケース(財産価値の壁)

双方が海外在住で「夫の財産が日本にある」と主張しても、家事事件手続法の規定により、以下の財産は「財産の価額が著しく低い」とみなされ、日本の裁判所を利用することは法的に不可能です。


  • 残高が数千円から数万円程度の、ほとんど使われていない銀行口座。


  • 買い手がつかず、資産価値が極めて低い極小の山林や原野。


  • 住宅ローンの残債が物件価格を大幅に上回っており、実質的な価値(担保価値)がない不動産。


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日本の家庭裁判所を利用するための財産要件と国際裁判管轄
双方が海外在住の場合、日本国内に夫の「価値ある財産」が存在することが裁判を起こす絶対条件です。

⚖️ 【第2の関門】生活費の金額を決める法律はどれか(3段階の準拠法決定ルール)


第1の関門をクリアし、日本の裁判所で手続きができることが確定した後、「どこの国の法律の計算基準を使って生活費の金額を決めるか」を以下の順番で厳格に決定します。


法律の適用手順

扶養義務の準拠法に関する法律(第2条)のルール

具体例と法的な移行条件

ステップ1(第1順位)

お金を請求する人(妻)が現在住んでいる国(常居所地)の法律を最優先で適用する。

妻が日本に住んでいれば「日本の民法」が適用され決着します。妻が海外に住んでいれば、その住んでいる国の法律が適用されます。

ステップ2(第2順位)

ステップ1の法律を適用した結果、生活費の請求が法的に一切認められない場合のみ、夫婦共通の国籍の法律を適用する。

妻が住む国の独自の宗教法により、「妻が無断で別居した場合、生活費をもらう権利が完全に消滅する」と規定されている極限のケースにおいて適用されます。

ステップ3(第3順位)

ステップ1およびステップ2の双方でも解決しない場合、最終手段として日本の法律(法廷地法)を強制的に適用する。

ステップ1で権利が否定され、かつ夫婦の国籍が違う(妻は日本、夫はアメリカ)ためステップ2も使えない場合にのみ発動し、日本の民法で妻を救済します。



⚖️ 「生活費を請求する側の人(扶養権利者)」が手厚く保護される2つの理由


なぜ、夫の住んでいる場所の法律ではなく、お金を請求する妻が住んでいる国の法律が最優先で選ばれるのでしょうか。法律がこのような構造になっていることには明確な理由が存在します。


理由1:生活の実態(物価や社会制度)への完全な適合

生活費(婚姻費用)とは、「その人が今住んでいる場所で、明日を生きるための費用」を指します。日本の東京に住んでいる人と、東南アジアの都市に住んでいる人と、アメリカのニューヨークに住んでいる人とでは、毎月必要となる家賃、食費、公的医療保険の医療費の金額が全く異なります。そのため、「お金を請求する人が現実に生活している場所の法律と経済基準」を用いて金額を計算することが、最も生活の実態に即した唯一の合理的な方法であると法律上判断されているためです。


理由2:経済的弱者(扶養権利者)の絶対的保護

国際結婚で生活費の支払いが滞った場合、多くの場合、お金を請求する側は経済的に困窮している「弱者」の立場にあります。もし、夫が住んでいる国の法律を適用してしまうと、妻は日本の裁判所で「夫の国の法律に基づく生活費の計算方法」を正確に証明しなければなりません。これには膨大な翻訳費用や外国法の調査費用が発生し、事実上、生活費の請求を諦めざるを得なくなります。これを防ぐため、弱者である請求者自身が住んでいる国の法律を適用させることで、自国の裁判所で容易に保護を受けられるようにするという、国際的な法理(1973年ハーグ国際私法会議で採択された条約の理念)が日本の国内法に完全に反映されています。



⚖️ 適用プロセスの完全シミュレーションと具体例


これまでのルールを、実際の事例に当てはめて解説いたします。


📝 事例A:日本に住む妻が、シンガポールに住むアメリカ人夫を訴える場合


  • 第1の関門

    妻が日本に住んでいるため、夫の日本の財産がゼロであっても日本の家庭裁判所が完全に利用可能となります。


  • 第2の関門

    妻が日本に住んでいるため、ステップ1(第1順位)のルールにより即座に「日本の民法」が適用されます。


  • 結論

    ステップ2やステップ3の例外ルールを考える必要は一切なく、日本の法律と日本の婚姻費用算定表を用いて確実に生活費を請求できます。


📝 事例B:外国に住む日本人妻が、現地人夫を訴える場合(日本に夫の財産あり)


  • 第1の関門:

    夫婦双方が海外在住ですが、夫名義の「価値あるマンション」が東京都にあるため、それを根拠に日本の裁判所が利用可能となります。


  • 第2の関門

    妻が住む外国の法律(ステップ1)では、宗教上の理由で別居中の生活費の請求が一切認められません。また、夫婦の国籍が違うためステップ2の共通国籍の法律も使えません。結果、最終手段としてステップ3が発動し、「日本の民法」が適用されます。


  • 結論

    外国の過酷な法律を回避し、日本の法律で算出された生活費を獲得できます。万が一支払いがなければ、東京都にある夫のマンションを強制的に差し押さえることが可能です。



⚖️ トルコ在住の妻がシンガポール在住の夫に生活費を請求する法的構造


居住地と国籍がすべて異なる事案では、管轄と準拠法の判断が法務実務上も最高難度となります。
居住地と国籍がすべて異なる事案では、管轄と準拠法の判断が法務実務上も最高難度となります。

さらに法務実務においても最高難度に位置する、4つの異なる国が関与する事案(「妻の国

籍:日本」「夫の国籍:アメリカ」「妻の居住地:トルコ」「夫の居住地:シンガポール」)について、適用ルールを検証します。



⚖️ 【第1の手順】日本の裁判所に駆け込むための「財産所在地管轄」の確認


生活費の請求(婚姻費用分担請求)を行うためには、まず「どこの国の裁判所に訴えを起こすか」を決めなければなりません。日本の「家事事件手続法第3条の10第1項」の規定によれば、日本の家庭裁判所が事件を取り扱うための大原則は「妻または夫のどちらか一方が日本国内に住所を有していること」です。現在の状況は、双方が日本に住所を有していないため、原則として日本の家庭裁判所はこの事件を取り扱う権限(管轄権)を一切持ちません。

しかし、双方が海外に居住していても日本の裁判所に駆け込むことができる「唯一の例外規定」が存在します。


【法的根拠:家事事件手続法 第3条の10 第1項 第2号(財産の存在)】

扶養義務者(支払う側である夫)であつて申立人でないものの財産(担保の目的としてのみ存するものを除く。)が日本国内にあるとき。ただし、その財産の価額が著しく低いときは、この限りでない。


妻が日本の家庭裁判所に調停を申し立てるためには、夫名義の以下の財産が日本国内に存在することを客観的な証拠(不動産の登記簿謄本や金融機関の口座情報)で証明する必要があります。


✅ 日本国内に所有する不動産

夫単独名義、あるいは夫婦共有名義の土地および建物(マンションや一戸建て)。


✅ 日本国内の金融機関の預貯金

日本のメガバンクや地方銀行にある夫名義の口座で、将来の生活費の支払い原資として十分と認められる数十万円以上の預貯金残高。


【この手順における最終結論】

夫の財産が日本にある場合は、日本の家庭裁判所に申し立てを行います。夫の財産が日本に一切ない場合は、日本の裁判所は利用できません。この場合、夫の居住地であるシンガポールの裁判所、または妻の居住地であるトルコの裁判所のいずれかに訴えを起こす必要があります。


🗣️ 【現場のリアルな声(財産調査を怠ったことによる失敗例)】
⚠️ 「夫も私も海外在住で、夫が生活費を払わなくなりました。日本の弁護士に依頼して日本の裁判所に調停を申し立てましたが、夫名義の日本の銀行口座には残高が数千円しかなく、『財産の価額が著しく低い』と判断されて管轄権が完全に否定され、裁判が打ち切りとなってしまいました。」


⚖️ 【第2の手順】生活費の金額を決める法律(準拠法)の特定プロセス


夫の財産が日本に存在し、無事に日本の家庭裁判所で調停ができることになったと仮定します。ここで「扶養義務の準拠法に関する法律第2条」の厳格なルールが適用されます。


【第1順位:妻の現在の居住地である「トルコの法律」の適用】

生活費を請求する法律の大原則は「扶養権利者(お金をもらう側)の常居所地法」です。妻は現在トルコに居住し、トルコで日々の食費や家賃を支払って生活しています。したがって、日本の裁判所であっても、まずは第一候補として「トルコの民法(家族法)」を適用し、トルコの法律の基準で生活費を計算します。妻が日本人であっても、日本に住んでいない以上、日本の法律が第一候補になることは絶対にありません。


⚠️ 【読者の重要事項】第2順位は不適用となり、第3順位(日本法)へ移行する条件

もし、トルコの法律を調査した結果、トルコ民法において「正当な理由のない別居の場合、妻の生活費請求権は完全に消滅する」といった規定が存在し、妻が法的に一円も生活費をもらえないという絶望的な結果になった場合のみ、次の救済手順へ移行します。


  • 第2順位の確認(共通本国法の適用)

    妻は日本国籍、夫はアメリカ国籍です。夫婦の国籍が全く異なるため、共通の国籍の法律は存在しません。したがって、第2順位は完全に不適用となります。


  • 第3順位の強制発動(日本法の適用)

    トルコの法律で生活費が一切もらえず、かつ共通の国籍もないため、最終的なセーフティネットとして「日本の民法(第760条)」が強制的に適用されます。


【この手順における最終結論】

日本の裁判所に駆け込めた場合、原則としてトルコの法律に基づいて夫から生活費を受け取ります。もしトルコの法律で生活費の請求が完全に禁止されている場合に限り、日本の法律(日本の婚姻費用算定表)に基づいて適正な生活費を受け取ることができます。



⚖️ 日本の裁判所が使えない場合(日本に財産がない場合)の法的手順


万が一、夫名義の財産が日本国内に一切存在しない場合、日本の家庭裁判所は管轄権を持たないため利用できません。この場合の行動手順は以下の通りとなります。


シンガポールの裁判所への申し立て(夫の居住地)

国際的な裁判ルールの世界共通の原則は「訴えられる側(夫)の居住地の裁判所に訴えを起こす」というものです。このルールは、「被告住所地管轄の原則」と呼ばれる世界共通の絶対的な法理です。夫はシンガポールに居住しているため、妻はシンガポールの裁判所に生活費の請求を申し立てる権利を確実に有します。この場合、シンガポールの弁護士を雇い、現地の法律または国際私法に基づいた裁判手続きを進行させます。


妻の居住地(トルコ)で裁判を起こすための調査義務

妻が現在住んでいるトルコで裁判を起こすためには、トルコの国内法(国際私法に関する法令)において「生活費を請求する妻がトルコ国内にいれば、トルコの裁判所を利用できる」という明確な規定が存在することが絶対条件となります。この規定の有無は、妻ご自身がトルコの弁護士に依頼して調査しなければなりません。


⚠️ 【すべての読者にとっての最重要事項】判決の実効性(回収能力)という最大のリスク


外国の裁判所での勝訴判決と生活費の強制執行による回収
勝訴の紙切れではなく「現金の確実な回収」を見据えた裁判地の選択が最も重要です。

仮にトルコの裁判所で勝訴し、生活費を支払う命令が出たとしても、夫の財産(給与口座や不動産)がトルコ国内に一切存在しなければ、生活費を強制的に回収(差し押さえ)することは不可能です。裁判の究極の目的は、勝訴の紙切れをもらうことではなく「現金を回収すること」です。


通常、人が住んでいる場所(夫が住んでいるシンガポール)には、その人の給与を受け取る銀行口座や、生活のための財産が確実に存在します。夫の財産があるシンガポールの裁判所で判決をもらえば、そのまま直ちにシンガポール国内の財産を強制執行(差し押さえ)し、生活費を確実に回収することができます。最終的にお金を回収するためには、財産が存在するシンガポールの裁判所を利用することが、最も確実な法的解決策となります。


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✅ 【事前準備と要件確認】国際結婚の生活費トラブル解決チェックリスト


  1. 妻の住民票や生活拠点が日本国内に存在しているかの確認


  2. 夫婦双方が海外在住の場合、支払う側(夫)名義の日本国内の不動産が存在しているかの確認


  3. 夫婦双方が海外在住の場合、支払う側(夫)名義の日本国内の金融機関の預貯金が存在しているかの確認


  4. 日本国内の預貯金残高が数千円から数万円程度の著しく低い価額に該当しないかの確認


  5. 日本国内の不動産が、住宅ローンの残債が物件価格を大幅に上回っている状態(オーバーローン)ではないかの確認


  6. お金を請求する人(妻)が現在住んでいる国(常居所地)の特定


  7. 妻が現在住んでいる国の法律において、妻の生活費請求権が完全に消滅する規定が存在するかの確認


  8. 夫婦の国籍が同一であるか、あるいは異なる国籍であるかの確認


  9. 夫が現在居住している国(例:シンガポール)に、夫の給与を受け取る銀行口座や生活のための財産が存在するかの確認



■ 【行動と手順】確実な生活費回収のためのToDoリスト


  1. まずは「どこの国の裁判所に救済を求めることができるか」を決定する


  2. 日本の裁判所を利用するため、妻自身の日本国内の住所を証明する書類(住民票など)を取得する


  3. 夫婦双方が海外在住の場合、日本国内にある夫単独名義または夫婦共有名義の不動産の登記簿謄本を取得する


  4. 日本の裁判所に管轄権を認めてもらうため、十分な残高のある日本の銀行の夫名義の口座情報を客観的な証拠として証明する


  5. 裁判手続きが開始された後、第一順位として妻が現在住んでいる国の法律を適用し、生活費の計算を行う


  6. 妻が現在住んでいる国の法律で生活費の請求が一切認められない場合、第二順位として夫婦共通の国籍の法律の適用の有無を確認する


  7. 夫婦の国籍が異なるため共通の国籍の法律が使えない場合、最終手段の第三順位として日本の民法(第760条)の規定を強制的に適用する


  8. 日本の裁判所が利用できない場合、夫が居住している国(シンガポール)の弁護士を雇い、現地の裁判手続きを進行させる


  9. 妻が居住している国(トルコ)で裁判を起こす場合、トルコの弁護士に依頼してトルコ国内法での管轄権の有無を調査する


  10. 勝訴の判決を得るだけでなく、夫の給与口座や財産が存在する国の裁判所を利用し、確実な強制執行(差し押さえ)を実施する



⚖️ 国際結婚と生活費の請求に関するよくあるご質問


日本の法律には生活費の請求に関してどのような原則がありますか。

「法の適用に関する通則法第25条」ではなく、生活費の請求にのみ適用される「扶養義務の準拠法に関する法律」という強力な特別法が存在し、こちらが一般法に優先して直接適用されます。


双方が海外に住んでいる場合、日本の裁判所を利用するための絶対条件は何ですか。

日本の家事事件手続法の規定により、支払う側(夫)名義の不動産または預貯金が日本国内に存在することが絶対条件となります。


夫の日本の銀行口座に数千円の残高がある場合、日本の裁判所を利用できますか。

利用できません。残高が数千円から数万円程度の銀行口座は「財産の価額が著しく低い」とみなされ、日本の裁判所を利用する例外ケースには該当しないという明確な規定があります。


住宅ローンの残債が物件価格を上回る日本の不動産を根拠に裁判を起こせますか。

裁判を起こすことはできません。実質的な価値(担保価値)がない状態の不動産は「財産の価額が著しく低い」とみなされ、日本の裁判所を利用することは不可能です。


生活費の金額を決める法律の第一順位はどこの国の法律ですか。

「扶養義務の準拠法に関する法律第2条第1項」に基づき、生活費を請求する側(扶養権利者)が現在住んでいる国(常居所地)の法律が最優先で適用されます。


妻が海外に住んでおり、現地の法律で生活費請求が一切認められない場合どうなりますか。

夫婦共通の国籍があればその法律を適用します。夫婦の国籍が違うためそれも使えない場合は、最終手段として日本の法律(法廷地法である日本の民法第760条)が強制的に適用されます。


日本の裁判所が使えない場合、どこの国の裁判所に訴えを起こすのが確実ですか。

訴えられる側(夫)の居住地の裁判所に訴えを起こすのが確実です。夫が住んでいる国には給与口座などの財産が存在するため、勝訴後に強制執行で生活費を確実に回収できるからです。



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【公的機関のホームページの提示】


  1. 扶養義務の準拠法に関する法律 e-Gov 法令検索


  2. 法の適用に関する通則法(第25条:婚姻の効力、特別法との関係) e-Gov 法令検索


  3. 家事事件手続法(第3条の10:扶養に関する事件の国際裁判管轄・財産所在地管轄) e-Gov 法令検索


  4. 人事訴訟事件及び家事事件の国際裁判管轄法制について(管轄の例外規定の解説) 法務省公式ページ

 
 
 

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