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山本行政書士事務所

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国際養子縁組の成立要件・通則法31条から親権・在留資格(ビザ)まで完全ガイド【2026年最新法令対応】

2 日前
読了時間: 31分

国際結婚や国籍の異なるパートナーとの生活において、外国籍の子供を養子に迎える「国際養子縁組」は、ご自身と子供の人生を根底から左右する極めて重大な法的手続きです。国境を越えた養子縁組には、子供の権利と福祉を最大限に保護するため、日本法だけでなく相手国の法律も複雑に絡み合う厳格なルールが適用されます。一つの判断の遅れや知識の不足、あるいは手続きの不備が、養子縁組の無効や、子供が日本で適法に生活するための在留資格(ビザ)の不許可といった深刻な事態に直結してしまう厳しい現実が存在します。


本記事では、2026年現在の最新法令である改正民法、出入国管理及び難民認定法、そして国際私法の基本となる「法の適用に関する通則法第31条」に基づき、養子縁組の成立要件から、実親との親族関係の終了、離縁のルールに至るまで、すべての法的要件を正確かつ網羅的に解説いたします。ご自身と大切な子供の未来を守り、安全で適法な家族関係を築くため、最後までお読みいただき、法的判断の道標としてご活用ください。


国際養子縁組と在留資格手続きをイメージした六法全書と地球儀
国際養子縁組と在留資格(ビザ)の手続きは、適用法や管轄省庁が異なるため、確実な法的知識と準備が求められます。

◆ 目次

 



✅ 【全体要約】国際養子縁組における最重要ポイント


  • 原則となる「養親の本国法」による実質的要件の適用

    国際養子縁組が成立するかどうか、養親となる者の年齢要件、配偶者の同意の有無、家庭裁判所の許可の要否といった実質的な成立要件は、原則として「養親となるべき者の本国法(国籍国の法律)」によって決定されます。養親が日本人であれば、日本の民法が定める普通養子縁組または特別養子縁組の厳格な要件を完全に満たす必要があります。


  • 子供を保護する「累積的適用」と二重の鍵(ダブルキー)構造

    養親側の法律の要件をクリアしても、それだけでは成立しません。国際養子縁組の核心として、「養子となるべき子供の本国法」が子供を保護するために定めている要件(子供自身の承諾、実親や後見人の完全な同意、母国政府や裁判所等の公的機関の許可)を必ず満たさなければならないという絶対ルールが存在します。


  • 親族関係の終了効果と離縁における準拠法の適用ルール

    養子縁組によって実の親との法的な血縁関係が完全に断ち切られるか(特別養子縁組のような強い効果の有無)や、将来的に養子関係を解消(離縁)する場合のルールについても、「養親の本国法」が適用されます。成立時だけでなく、その後の法的な効果や解消の手続きにおいても、養親の国籍国の法律が基準となることを正確に理解する必要があります。


⚠️ 【重要事項】2026年施行の改正民法による「共同親権」の導入と国際養子への影響


2026年4月に施行された改正民法により、日本において「離婚後の共同親権」が導入されました。これは実子だけでなく、養子縁組によって法的な親子関係を成立させた養子に対しても重大な影響を与えます。養父母が離婚する場合、養子の親権は原則として単独親権となりますが、養父母の協議によって「共同親権」を選択することが法的に完全に可能となりました。


共同親権を選択した場合、養子の進学先の決定、居所の指定、医療行為の同意に対する共同決定権が養父母双方に発生します。特に「養子の海外への渡航(移住および旅行)」や「パスポートの申請」には、原則として他方親の明確な同意書(自筆署名入りの書面)が必須となります。同意なく養子を海外へ連れ出した場合、実子誘拐として刑事罰の対象となる重大なリスクがあるため、離婚時の親権の選択と行使にはプロの法律家を交えた極めて慎重な判断が求められます。


⚠️ 【重要事項】外国籍の養子の在留資格(ビザ)取得と入管法の厳格な要件


日本人の養親が外国籍の子供を養子にした場合、自動的に日本国籍や在留資格が付与されるわけではありません。日本で生活するためには、出入国在留管理庁への在留資格認定証明書交付申請が必須です。特別養子縁組の場合は「日本人の配偶者等(日本人の特別養子)」、普通養子縁組(原則として6歳未満)の場合は「定住者」の在留資格への変更または取得許可申請を行うことが可能となります。


ただし、許可は自動ではなく厳格な審査があります。 申請には、養親の戸籍謄本(縁組の記載があるもの)、養子の出生証明書、母国政府が発行した養子縁組許可証明書、養親の住民票、直近1年分の住民税の課税証明書および納税証明書、養親の身元保証書、縁組に至った経緯を詳細に説明する申述書をすべて漏れなく提出し、生計の安定性と素行の善良性を立証しなければなりません。


⚠️【一部の読者向け重要事項】相手国が「ハーグ条約」締約国の場合の致命的リスク


国際養子縁組には、子供の売買を防ぐための「国際養子縁組に関するハーグ条約」が存在します。しかし、日本はこの条約を締結していません(2026年現在)。そのため、フィリピン等の一部締約国は「条約未締結国である日本の居住者」に対する自国児童の養子縁組手続きを事実上停止、または極めて厳格に制限しています。相手国の法律が求める「政府の許可」が、この条約を理由に絶対に下りないケースがあるため、手続きに入る前に相手国政府の日本に対する対応方針を必ず確認してください。


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1. 国際養子縁組は「法律上の親子になる手続き」


外国籍の子を家族に迎えたい。再婚相手の子と、法律上も親子になりたい。そのときに確認するのが、国際養子縁組のルールです。 養子縁組は、一緒に暮らす約束だけでなく、法律上の親子関係をつくる手続きです。国籍が異なる場合は、日本の条件だけを満たしても成立するとは限りません。


1-1. 養親・養子・本国法の意味と、一緒に暮らすことの違い


養子縁組で親になる人を「養親」、その子になる人を「養子」といいます。生みの親は「実親」です。 外国の幼い子を迎える場合だけでなく、外国籍の配偶者の連れ子や、成年の外国人を養子にする場合にも、通則法第31条が関係します。「本国法」は、基本的には国籍を持つ国の法律です。住んでいる国の法律とは限りません。


里親として子を育てても、それだけで法律上の親子にはなりません。再婚して配偶者の子と暮らし始めた場合も同じです。


⚠️ 手続きでの注意

現在の親子関係は、同居の期間ではなく、戸籍や外国の身分関係の証明書で確認しましょう。



2. 法の適用に関する通則法第31条(養子縁組)の条文と基本構造


養親と養子双方の法律を満たす必要があることを示す天秤の図
通則法第31条の規定に基づき、日本法だけでなく、子供を守るための相手国の法律要件も同時に満たさなければなりません。

国境を越えた養子縁組は、子供の保護という観点から非常に厳格なルールが適用されます。通則法第31条は、どの国の法律で条件を確認するかを定めています。


【条文】 (第1項) 養子縁組は、縁組の当時における養親となるべき者の本国法による。この場合において、養子となるべき者の本国法によればその者若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。
(第2項) 養子とその実方の血族との親族関係の終了及び離縁は、前項前段の規定により適用すべき法による。

まず養親の法律、次に養子を保護する条件を確認します。


  • 養子縁組が成立するための基本条件

    縁組時の養親の本国法(第1項前段)


  • 養子本人・第三者の承諾や同意、公的機関の許可・処分 

    養子の本国法が求めていれば、追加で満たす(第1項後段)


  • 実親側との法律上の親族関係が終了するか

    第1項前段で指定された法律(第2項)


  • 養子関係を解消できるか(離縁)

    第1項前段で指定された法律(第2項)


保護条件を重ねることを「累積的適用」といいます。養子側の法律をすべて重ねるのではなく、第1項後段にある承諾・同意・公的機関の許可・処分を確認する仕組みです。外国で申請する場合は、その国の申請資格と手続きも確認します。


第31条は、主に「どの法律で判断するか」を決めます。届出の方法、日本の裁判所が扱えるか、外国で成立した縁組の効力は、別の確認が必要です。また、第2項は縁組後の効果すべてを定めてはいません。親権を含む親子間の法律関係には、通則法第32条も関係します。以下の日本の制度の説明は、その問題に日本法が適用される場合のものです。


2-1. 重国籍の子や無国籍の子の法律はどうなるか(第38条)


日本国籍と外国国籍の両方を持つ子は、日本の通則法上、日本法を本国法とします。外国旅券を使っていることだけで判断しません。 日本国籍を含まない重国籍では、国籍を持つ国のうち、普段の生活の本拠である常居所がある国の法律を使います。


該当する国がなければ、本人と最も密接な関係がある国の法律です。無国籍の人は、原則として常居所地法を確認します。 米国・英国のように地域で法律が異なる場合は、その国の指定ルールに従い、なければ最も密接な関係がある地域の法律を確認します。米国人だから一律にカリフォルニア州法、とは決められません。



3. 養親が日本人、普通養子の成立条件(第1項前段)


日本の普通養子縁組では、実親との親子関係を残して、養親との法律上の親子関係をつくります。成年者も養子になれます。養子縁組が適法に成立するかどうか、そして養親の資格といった実質的な成立要件は、原則として「養親となるべき者の本国法(国籍国の法律)」によって決まります。


3-1. 年齢・意思・配偶者についての条件


日本法上の基本条件は、次のとおりです。


  • 養親の年齢

    20歳以上であること。


    ⚠️ 日本の成年年齢は18歳ですが、普通養子の養親になれるのは20歳からです。養親の年齢と、養子本人が承諾する年齢を混同しないでください。


  • 養子との年齢・続柄

    自分より年上の人や、自分の父母・祖父母に当たる尊属を養子にしないこと。


  • 当事者の意思

    法律上の親子になる意思があること。


  • 養子が15歳未満

    法定代理人が、本人に代わって承諾すること。


  • 養親または養子に配偶者がいる

    原則としてその配偶者の同意を得ること。夫婦がともに縁組する場合や、配偶者が意思を表示できない場合は例外。


  • 配偶者のいる人が未成年者を養子にする

    原則として夫婦共同で縁組すること。配偶者の嫡出子を養子にする場合や、配偶者が意思を表示できない場合は例外。


「嫡出子」は、法律上の婚姻関係に基づく子の身分を表す用語です。連れ子についてこの例外が使えるかは、出生・認知・婚姻の記録を基に確認します。


3-2. 家庭裁判所の許可が必要な場合


未成年者を養子にする場合は、原則として家庭裁判所の許可が必要です。 日本法には、自分または配偶者の直系卑属を養子にする場合の例外があります。「直系卑属」は、子、孫、ひ孫と、自分から下の世代に直線でつながる親族です。


ただし、養親または養子が外国人の場合は、この関係にあっても許可が必要になることがあります。国際養子縁組で「連れ子だから裁判所は不要」と決めつけてはいけません。 さらに、後見人が、後見を受けている本人を養子にする場合には、別に家庭裁判所の許可が必要です。この規定は、後見人の任務終了後も管理の計算が終わっていない間に適用されます。


⚠️ 手続きでの注意

未成年者について許可を受けても、それだけでは普通養子縁組は成立しません。日本の届出で成立させる場合は、その後の養子縁組届まで行います。また、「自分は日本人だから、日本の役所に養子縁組届を出せば終わる」と誤解して手続きを進め、後日、相手国の政府から「違法な連れ去りや人身売買」とみなされて国際問題に発展してしまう失敗例が実務上多発しています。日本の法律だけでなく、次に解説する相手国の法律の確認が絶対に不可欠です。



4. 子供を保護するための「累積的適用」と二重の鍵(第1項後段)


ここが国際養子縁組の核心です。養親側の法律で完全に条件を満たしていても、「養子となるべき子供の本国法(国籍国の法律)」が子供を守るために定めている以下の要件は、必ず満たさなければなりません。


  • 子供の承諾

    子供自身が縁組を望んでいるか、明確な意思表示や自筆の承諾書が必要か。


  • 第三者の承諾・同意

    実の親(実父母)や法的な後見人が明確に同意し、指定された形式の同意書に署名しているか。


  • 公的機関の許可・処分

    相手国の裁判所、政府機関、または中央当局の許可証や証明書が発行されているか。


これを「累積的適用」と呼び、養親の国と養子の国、双方の「子供を守るためのフィルター」を両方通らなければならないという、いわば二重の鍵(ダブルキー)の絶対的な構造になっています。


4-1. 子の承諾と実親の同意――2026年の共同親権にも注意


2026年施行の共同親権制度と同意書をイメージしたカレンダーと書類
2026年の共同親権導入により、未成年の養子縁組には原則として実父母双方の明確な同意が必要となります。

普通養子では、15歳以上なら養子本人、15歳未満なら法定代理人が承諾します。親権者・未成年後見人が本人に代わって承諾することを、代諾(だいだく)といいます。 法定代理人とは別に、協議や裁判で子の監護者と定められた父母、または親権停止中の父母がいる場合は、その人の同意も必要です。


■ 2026年4月以降は、次の2つの裁判手続きを区別する

2026年4月1日から、離婚後も父母双方を親権者にできます。すべての離婚が共同親権になるわけではなく、従来の単独親権も自動では変わりません。共同親権の代諾は原則として共同で行います。同居している親だけで決められるわけではありません。


  • 別に定められた監護者や、親権停止中の父母が同意しない

    法定代理人が、家庭裁判所に同意に代わる許可を求める。


  • 共同親権の父母が、15歳未満の子の代諾について対立する

    家庭裁判所に、その代諾について親権を行う人の指定を求める。 上の裁判手続きは、いずれも縁組が子の利益のため特に必要な場合の制度です。自分たちの判断で同意を省くことはできません。


4-2. 養子の本国法が求める同意も確認する


日本法では法定代理人が代諾する年齢でも、子の本国法が本人の同意も必要としているなら、その条件を追加して確認します。実親・後見人・公的機関についても、何歳から同意が必要か、誰が説明するか、どの書式で証明するか、同意を撤回できるかまで、適用される法律と手続きに沿って確かめます。


⚠️ 手続きでの注意

「母親の署名があれば十分」「父親と連絡が取れないので同意不要」と判断せず、現在の親権・監護の定めを先に確認しましょう。



5. 特別養子縁組は、子のために裁判所が成立させる制度


特別養子縁組は、原則として実親側との法律上の親族関係を終了させる制度です。 普通養子との大きな違いは、成年者は対象外で、家庭裁判所の審判により成立し、合意だけでは離縁できないことです。養親の希望だけではなく、子の利益のため特に必要であることが求められます。


5-1. 特別養子の成立に必要な条件


日本法を適用する場合は、次の条件を確認します。


  • 養親に配偶者がいること

    原則として夫婦が共同で養親になります。配偶者の嫡出子を特別養子にする場合には例外があります。ただし、配偶者が普通養子とした子は、この例外から除かれます。


  • 夫婦の年齢

    夫婦の一方が25歳以上、他方が20歳以上であること。


  • 子は申立て時に原則15歳未満であること

    成立までに18歳に達した場合は認められません。子が15歳以上の場合は、本人の同意があること。


  • 実父母の同意があること 

    意思を表示できない場合、虐待、悪意の遺棄、子の利益を著しく害するほかの事情がある場合には例外があります。


  • 子の利益のため特に必要であること

    実親による養育が著しく困難・不適当であること、または特別の事情があり、子の利益のため特に必要であること。


  • 試験養育期間

    養親が6か月以上養育した状況を、家庭裁判所が考慮すること。原則として申立てから数えますが、申立て前の養育状況が明らかな場合は、その期間も考慮されます。


  • 養子の本国法による保護要件も満たすこと

    外国籍の子については、日本法の条件だけで完了しません。


【15歳以上の子に関する例外】

15歳以上になってから申し立てる場合には、さらに、15歳になる前から引き続き養育しており、15歳までに申し立てなかったことにやむを得ない理由があることが必要です。単に「18歳未満なら申し立てられる」という制度ではありません。


⚠️ 手続きでの注意

「6か月一緒に暮らせば認められる」「実親が同意すれば特別養子になる」という理解は誤りです。家庭裁判所が条件と養育状況を確認します。


👉 子を家族に迎えたいと考え始めた段階で、児童相談所や、許可を受けた養子縁組あっせん機関に相談しましょう。国際的な手続きについては、対応できる機関かも確認すると、準備の順番を整理できます。



6. 【具体例】日本人夫婦がベトナムの子を迎えたい場合


日本人夫婦がベトナムの子供を養子に迎えるケースをイメージした両国国旗のイラスト
日本とベトナムのように、相手国がハーグ条約締約国か非締約国かによって、中央当局への手続き手順が大きく変わります。

日本に住む日本人夫婦が、海外(ベトナム)の孤児院にいるベトナム国籍の子供Dさんを養子に迎えようとしているケースの実務手続きを検証します。


最初に、夫婦と子が制度の対象になるかを確認する

施設にいることと、国際養子縁組の対象となることは別です。ベトナム養子法では、条約関係、親族関係、現地での生活状況による申請区分を設けています。日本は、ベトナムが加入する1993年の国際養子縁組に関するハーグ条約には未加入です。加盟国の申請者と同じ手続きを使えるとは限りません。


この事例では、利用できる申請区分、Dさんの対象資格、受付機関、提出書類が要確認です。日本法の年齢条件を満たしただけでは、成立すると結論づけられません。


日本法の条件に、子の保護条件を重ねる

申請できる場合は、養親側は日本法の年齢・婚姻・裁判所の手続き、養子側はベトナム法の同意・公的機関の決定を確認します。


  • 成立要件(養親側)

    日本の民法が定める養親の要件を満たす必要があります。夫婦がともに25歳以上であること(または一方が25歳以上で他方が20歳以上であること)などの条件を満たし、日本の家庭裁判所に申立てを行い、許可を得る必要があります。


  • 成立要件(養子側)

    ベトナム法(子の本国法)が定める「ベトナム政府機関(中央当局)による国際養子縁組の許可」や「実父母または施設長の明確な同意書」の取得といったベトナム法上の手続きもすべて完了させなければ、日本においても有効な養子縁組は成立しません。


    ベトナム養子法では、実父母の同意に加え、9歳以上の子の同意を求めています。実父母の一方が死亡・行方不明・行為能力喪失・不明の場合は他方、双方がその状態にある場合は後見人の同意という区分です。同意は自由な意思による必要があり、実父母の同意は出生後少なくとも15日を経過してからとされています。証明資料と同意の取得方法は、現行手続きに沿って確認します。


  • 効果

    この縁組によって実親との法的な関係が消滅するかどうかは、養親の本国法である日本法の規定(普通養子縁組を選択したか、実親との関係が終了する特別養子縁組を選択したか)によって判断されます。


⚠️ 手続きでの注意

日本法上の代諾だけで済ませず、子の国の保護条件を確認します。施設や知人の説明だけで、必要な同意・決定を省くことはできません。


👉 相手国の政府機関とのやり取りや、家庭裁判所での手続きには専門的な知識が不可欠です。確実な手続きをご希望の方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。



7. 必要書類は、どの手続きをするかで決まる


家庭裁判所や入管への提出用に整理された公的書類の束
普通養子、特別養子、在留資格申請など、進める手続きごとに必要な公的証明書や翻訳文は全く異なります。

必要書類は、国籍・年齢・居住地・縁組の種類・外国で成立済みかによって変わります。次の標準書類を基に、提出先で個別の一覧を確定してください。


7-1. 普通養子の許可を家庭裁判所に申し立てる場合


裁判所が案内する標準書類は、次のとおりです。


  • 養子縁組許可の申立書。


  • 養親になる人の戸籍謄本(全部事項証明書)。


  • 養子になる人の戸籍謄本(全部事項証明書)。外国人の場合は出生・国籍・婚姻・親子関係・代理権を証明する外国の公文書と日本語訳。


  • 養子が15歳未満の場合は、代諾者の戸籍謄本。


  • 別に監護者と定められた父母や親権停止中の父母がいる場合は、その人の同意書。同意に代わる許可を受けた場合は、審判書謄本と確定証明書。


同じ戸籍は重複して提出する必要はありません。申立先は原則として養子になる人の住所地の家庭裁判所、申立手数料は養子1人につき収入印紙800円で、別に連絡用の郵便料が必要です。海外居住者が関係する場合は、日本の裁判所で扱えるかも先に確認してください。


7-2. 特別養子を家庭裁判所に申し立てる場合


養親となる人が申し立てる場合は、原則として次の2つの申立てを同時に行います。


  • 特別養子適格の確認

    申立書、子の戸籍謄本、実父母の戸籍謄本


  • 特別養子縁組の成立

    申立書、養親になる人の戸籍謄本


「適格の確認」で子の事情を、「成立」でその養親との縁組を審査します。児童相談所長が適格の確認を申し立てる場合は、進め方が異なります。申立先は原則として養親になる人の住所地の家庭裁判所です。成立の申立ては子1人につき収入印紙800円、適格の確認には収入印紙は不要で、別に郵便料が必要です。 外国人の身分関係の証明、同意、養育状況については、裁判所が求める追加資料を提出します。


7-3. 市区町村への届出と外国書類の準備


日本の届出で普通養子縁組を成立させる場合は、養子縁組届、届出人の署名、成年の証人2人の署名が必要です。窓口に行く人の本人確認書類を用意し、該当する裁判所の審判書・同意書・外国の証明書を添えます。 外国語の書類には日本語訳と翻訳者の表示が必要です。


認証については、提出国・書類・提出先によって扱いが違うため、「すべてアポスティーユを付ければよい」とは限りません。 戸籍届出の際の日本の戸籍謄本は、情報連携により原則として添付不要となっています。ただし、裁判所への申立てや、外国当局に提出する証明まで不要になるわけではありません。


⚠️ 手続きでの注意

書類名だけでなく、原本・写しの別、発行日、翻訳、認証、必要部数を確認してから取り寄せると、再取得を減らせます。



8. 縁組が成立する日と、成立後の届出


8-1. 日本で成立させる場合


普通養子は、必要な条件を満たし、養子縁組届が受理されることで成立します。家庭裁判所の許可が必要な案件では、許可を得てから届出をします。 特別養子は、成立の審判が確定することで成立します。その後、戸籍法上、原則として確定の日から10日以内に届出をし、審判書謄本・確定証明書を用意します。


8-2. 外国で先に成立している場合


外国で成立した縁組を日本の戸籍に報告する場合と、日本の届出で新しく縁組する場合は、別の手続きです。 日本人が外国の方式で縁組を成立させた場合は、戸籍法第41条に基づく原則3か月以内の証書の提出が問題になります。


外国の縁組証明書・裁判書、日本語訳を準備し、日本の大使館・総領事館または本籍地の役所に確認します。 ただし、外国の裁判や行政上の決定が、日本でもどのような効力を持つかは別に審査されます。外国の証明書に「adoption」と書かれているだけで、日本の特別養子と同じ効果があるとは限りません。


⚠️ 手続きでの注意

すでに外国で成立している場合は、その事実と証明書を最初に示してください。成立日や手続きの重複を避けるために重要です。



9. 実親との関係と離縁――第31条第2項の意味


第31条第2項は、養子縁組の「法的な効果」と「解消(離縁)」について定めています。


9-1. 実親側との関係が終了するか


養子縁組によって、実の親との法的な血縁関係が完全に断ち切られるかどうかは、縁組時の養親の本国法として指定された法律で一律に判断します。 日本法による普通養子では、実親側との親族関係は残ります。特別養子では原則として終了しますが、配偶者の嫡出子を特別養子にする法律上の例外では、その配偶者とその血族との関係は残ります。 親族関係と親権は別です。普通養子で実親との関係が残っても、実親が親権者であり続けるとは限りません。


9-2. 養子関係を解消する「離縁」


離縁も、第31条第2項で指定された「養親の本国法」によって判断します。養親が後に帰化しても、単に離縁時の国籍の法律へ切り替える規定ではありません。また、縁組時の条文が永久に固定されるという意味でもありません。その国で法改正があれば、経過措置も確認します。


  • 普通養子の離縁

    日本法では、双方の合意による協議離縁や、裁判による離縁があります。裁判上の離縁事由は、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、縁組を続けがたい重大な事情です。裁判所が事情を考慮して請求を退けられる場合もあります。


  • 特別養子の離縁 

    合意だけで離縁できません。養親による虐待・悪意の遺棄・子の利益を著しく害する事情があり、実父母が適切に養育でき、子の利益のため特に必要な場合に、家庭裁判所が判断します。請求できるのは養子・実父母・検察官で、養親は含まれません。特別養子の離縁が成立すると、終了していた実親側との親族関係が、その日から回復します。


⚠️ 手続きでの注意

養親夫婦が離婚しても、子との養子関係まで自動で解消されるわけではありません。子の養育と親子関係を、夫婦の問題とは分けて確認します。



10. 縁組後に見落とせない、親権・渡航・在留資格


10-1. 再婚相手との縁組後は、親権者が変わることがある


日本法が適用される場合、共同親権の子が、父母の一方の再婚相手と養子縁組をすると、養親と、その配偶者である実親が共同親権者となり、もう一方の実親は親権者ではなくなります。 つまり、実父・実母・養親の3人が共同で親権を持つわけではありません。


普通養子の場合は、親権者でなくなった実親との法律上の親子関係自体は残ります。親権は子の利益のために行う権利と義務です。縁組後に、誰が学校・医療・居住地・財産に関する判断をするかを確認しておきましょう。


10-2. 海外旅行と海外移住では、確認が違う


日本法上、共同親権は原則として共同で行います。例外は、他方が親権を行えない場合、子の利益のため急迫の事情がある場合、監護・教育に関する日常の行為です。 短期の観光目的の海外旅行は、通常は日常の行為に当たります。


海外移住や長期留学は同じ扱いではなく、必要な共同の決定や裁判所の手続きを確認します。 旅券の申請、渡航先の同意書、子が暮らす国の監護権は別に確認します。日本で親権を持っていても、相手の同意なく海外から子を連れ出せるとは限りません。 子の連れ去りに関するハーグ条約は、養子縁組の条約とは別です。対象となる16歳未満の子の不法な連れ去り・留置には、返還手続きが問題になります。


10-3. 日本国籍・在留資格は自動ではない


日本で暮らすために必要な在留カードと航空券のイメージ
養子縁組が成立しても、出入国在留管理庁で定住者等の在留資格(ビザ)を取得しなければ、日本で暮らすことはできません。

外国人が日本人の養子になっても、それだけで日本国籍は取得しません。国籍取得は国籍法の別の手続きです。 日本で暮らすための在留資格も、縁組の成立とは分けて確認します。出入国在留管理庁へ以下の申請を行います。


  • 日本人の特別養子は、在留資格「日本人の配偶者等」の対象に含まれます。


  • 日本人に扶養されて生活する6歳未満の養子については、「定住者」の申請案内があります。


  • 成年者の普通養子について、養子になったことだけで「日本人の配偶者等」や「定住者」が与えられる制度ではありません。


在留資格は、年齢以外の要件も厳格に審査されます。6歳以上でも別の身分や活動に基づく資格が考えられます。


⚠️ 手続きでの注意

「縁組してから日本へ連れて行く方法を考える」のでは、生活開始の予定が立たないことがあります。渡航・在留の見通しも、縁組前から確認しましょう。 ✉️ 日本で暮らすための在留資格に不安がある方は、当事務所へご相談ください。養子縁組の成立や親権に争いがある場合は、国際家族法を扱う弁護士への相談が必要です。


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11. 事前準備と要件確認チェックリスト


相談や手続きを進行する前に、次の9項目をすべて確認しましょう。


■ 事前準備と要件確認チェックリスト


  1. 国籍

    養親・養子の国籍と、複数国籍・帰化の有無。


  2. 年齢

    現在の年齢と、手続き中に迎える誕生日。養親となる者の本国法(日本法等)が定める年齢要件や配偶者の同意要件を完全に満たしているか。


  3. 居住地

    現在暮らす国と、縁組後に暮らす国。


  4. 制度 

    普通養子と特別養子の違い。養子となる子供の国籍を特定し、その本国法が定める国際養子縁組の要件をすべて調査・把握しているか。


  5. 家族関係 

    婚姻・離婚・出生・認知・過去の縁組の記録。


  6. 代理権

    現在の親権者・監護者・後見人。将来の離婚リスクに備え、2026年施行の改正民法に基づく「共同親権」の選択ルールや海外渡航時の同意要件の影響を理解しているか。


  7. 同意と許可 

    本人・実親・配偶者・後見人の同意書(署名・公証人の認証付き)と、裁判所や政府機関等の公的機関が発行する許可証明書の要否。


  8. 養育

    本人の意向、住まい、学校、医療、養育費用。日本の家庭裁判所に対する「養子縁組許可申立て」の手続きの流れと必要書類を理解しているか。


  9. 出入国

    旅券・出国・査証・在留資格の取得のための立証資料(課税証明書、納税証明書等)が完全に揃っているか。


※複数国籍や、州ごとに法律が異なる国では、本国法の特定も必要です。日本と外国の国籍を持つ人について、第31条の本国法を定める際は日本法となります。夫婦の国籍が異なる場合も、一方の法律だけでよいとは判断しません。


手続き前に要件を整理するためのチェックリストに記入する様子
お手続きやご相談に入る前に、ご家族の状況や必要要件を整理することで、その後の流れがスムーズになります。

12. 行動と手順用ToDoリスト


実際の国際養子縁組・在留資格取得に向けた具体的な全手順です。次の9段階を基本に、担当機関と順序を漏れなく調整します。


■ 行動と手順用ToDoリスト


  1. 家族関係をまとめる

    国籍、年齢、住所、続柄、親権者を書きデッドラインを記録する。


  2. 日本の戸籍窓口に相談する

    新しい縁組か、外国で成立済みの縁組の報告かを伝える。


  3. 相手国の申請資格を確認する

    養子の本国法が求める要件に基づき、現地政府機関または中央当局に対して国際養子縁組の事前申請を行う等、利用できる制度と担当機関を特定する。


  4. 同意と裁判所の手続きを確定する

    共同親権、代諾、許可の要否を確認する。養子の実父母、後見人、または施設長から、現地法に基づく正式な同意書を取得し、公証人や現地日本大使館の認証を受ける。


  5. 提出先ごとの書類一覧を作る

    養親の戸籍謄本、住民票、直近1年分の住民税の課税証明書、納税証明書の原本を日本の役所で取得するなど、原本、部数、翻訳、認証、発行日の条件を記録する。


  6. 正式な手順で同意・許可を得る

    必要な人の関与を省かない。収集したすべての外国語文書に対し、翻訳者の署名と翻訳年月日を明記した正確な日本語翻訳文を作成する。


  7. 申立て・届出を行う

    日本の家庭裁判所に対し、養子縁組許可申立書および収集したすべての証拠書類(現地の許可書や同意書含む)を提出し、許可の審判を得る。家庭裁判所の許可審判書および確定証明書を持参し、日本の市区町村役場へ養子縁組届を提出する。


  8. 成立後の記録を整える

    養子縁組の記載が反映された最新の戸籍謄本を取得し、内容に一切の誤りがないか確認する。審判書、受理証明書、翻訳をまとめる。


  9. 生活開始の手続きを終える

    養子が適法に日本で生活するため、出入国在留管理庁へ「定住者」または「日本人の配偶者等」の在留資格変更・取得許可申請を速やかに行う。住民登録、医療保険、就学を確認する。


⚠️ 手続きでの注意

必要な外国の許可を後回しにしても、後から書類を足すだけで解決できるとは限りません。



13. 厳選FAQ(よくあるご質問)


Q1. 外国人を養子にする場合、日本の法律だけを確認すればよいですか?

日本人が養親になる場合は、日本法が基本です。しかしそれだけでなく、通則法第31条に基づき、養子の本国法が求める本人・第三者の同意や、公的機関の許可も必ず必要です(累積的適用)。外国で申請する場合は、その国の申請資格も確認します。国籍・年齢・居住地を伝え、両国の窓口で手続きを確かめましょう。


Q2. 普通養子と特別養子では、実の親との関係はどう違いますか?

日本法では、普通養子になっても実親との法的な親子関係・血縁関係は残ります。特別養子では、原則として実親側との親族関係が完全に終了します。ただし配偶者の子の特別養子縁組には、関係を残す法律上の例外があります。なお、親子関係が残ることと、実親が親権を持つことは別です。


Q3. 18歳になれば、外国籍の子の養親になれますか?

日本法による普通養子では、養親は「20歳以上」が必要です。成年年齢の18歳とは違います。特別養子では、夫婦の一方が25歳以上、他方が20歳以上であることが必要です。年齢以外の条件と、養子の本国法の保護要件も同時に確認します。


Q4. 共同親権の子を、再婚相手の養子にできますか?

可能な場合がありますが、必要な承諾を確認します。日本法では、15歳未満の子の代諾は、共同親権の父母が原則として共同で行います。対立する場合、子の利益のため特に必要なときに限り、裁判所が代諾する親を定められます。縁組後は養親とその配偶者である実親が共同親権者となり、他方の実親は親権者ではなくなります。


Q5. 家庭裁判所の許可が出たら、養子縁組は完了ですか?

日本の普通養子は、許可だけでは成立しません。必要な条件を満たし、その後の「養子縁組届」が市区町村役場で受理されることで成立します。特別養子は、成立の審判が確定し、その後に戸籍の届出をします。外国で成立済みの場合は、証明書を示して手続き(報告的届出)を確認してください。


Q6. 日本人の養子になれば、日本国籍や在留資格を取得できますか?

養子縁組だけで、日本国籍や在留資格は自動で与えられません。日本国籍取得には法務局での帰化等の手続きが必要です。在留資格については、日本人の特別養子は「日本人の配偶者等」の対象です。日本人に扶養される6歳未満の養子には「定住者」の申請案内がありますが、成年者の普通養子を含め、課税証明書等の提出と出入国在留管理庁の厳格な審査が必要です。


Q7. 養親夫婦が離婚したら、子との養子関係もなくなりますか?

日本法では、夫婦が離婚しても養子関係は自動では解消されません。普通養子の解消には、協議や裁判による離縁が必要です。特別養子は合意だけで離縁できず、法律で定めた虐待等の事由がある場合に家庭裁判所が判断します。国際養子縁組では、離縁に適用する法律も通則法第31条第2項により「養親の本国法」で確認します。



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本記事に記載された最新法令(2026年施行の改正民法・共同親権、出入国管理及び難民認定法等)の裏付けとなる、日本政府公式ウェブサイトのURLリストです。


法務省(民法、国籍法、法の適用に関する通則法、養子縁組管轄)

出入国在留管理庁(在留資格・ビザの手続管轄)

外務省(旅券申請、ハーグ条約等の手続管轄)  

厚生労働省(児童福祉、児童相談所、養子縁組あっせん等)

裁判所(家庭裁判所における審判・許可申立ての手続管轄)






 
 
 

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