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山本行政書士事務所

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『大切な想いを確実に届ける!2026年最新版 法務局「自筆証書遺言書保管制度」相続開始後の完全マニュアル』

  • 1 日前
  • 読了時間: 29分






大切なご家族が亡くなられた後、「もしかして法務局に遺言書を預けていたのではないか?」「遺言書がどこにあるのか分からず、相続手続きが進められない……」といった深いお悩みを抱えていませんか?


法務局の「自筆証書遺言書保管制度」は、遺言書を安全に預かるだけでなく、遺言者が亡くなった後(相続開始後)の残されたご家族へのサポートも極めて充実しています。本記事では、2026年(令和8年)の最新法令に基づき、相続人や関係者が行う「証明書の交付請求」や、法務局から自動で届く「画期的な2つの通知システム」について徹底解説します。


面倒な家庭裁判所での「検認」をスキップし、ご家族がトラブルなく公明正大に相続手続きを進めるためのノウハウを詰め込みました。大切な想いを確実につなぐための仕組みを、ぜひ最後までじっくりとお読みください!



自筆証書遺言書保管制度を利用して法務局で相続手続きを開始し、安心するご遺族のイメージ
法務局の自筆証書遺言書保管制度は、遺言を安全に預かるだけでなく、お亡くなりになった後(相続開始後)のご家族の手続き負担を大きく軽減するサポートが充実しています。


📑 目次








「自筆証書遺言書保管制度」相続開始後【記事の要約(3つの結論)】



「あるか・ないか」は誰でも確認可能!中身の確認は関係者のみ



法務局に遺言書が保管されているかどうかの「遺言書保管事実証明書」は誰でも請求できますが、中身を見られる「情報証明書」や「閲覧」は相続人や受遺者などの関係者のみに厳格に制限されています。プライバシーが完全に守られつつ、確実な存否の確認が可能です。



家庭裁判所の「検認」が不要!相続手続きが圧倒的にスムーズに



自宅保管の自筆証書遺言で必須となる、数ヶ月がかりの「家庭裁判所での検認手続き」が、法務局の保管制度を利用すれば一切不要になります。情報証明書を取得するだけで、すぐに預貯金の解約や不動産の名義変更(相続登記)へと進むことができます。



情報隠しを防ぐ!自動で届く「2つの画期的な通知システム」



死亡届を契機に最大3名に第一報が届く「指定者通知」と、誰か一人が遺言書を見た瞬間に全関係者へ一斉に届く「関係遺言書保管通知」が用意されています。これにより、遺言書の死蔵や、一部の相続人による情報の独占を完全に防ぎます。



【あなたは該当する?許可取得の10項目チェックリスト】



  1. ご家族が亡くなられた後、遺言書の有無を確認するため「遺言書保管事実証明書」の交付請求を検討していますか?



  2. 事実証明書を請求する際、証明されるのは「ご自身が関係する遺言書の有無のみ」であることを理解していますか?



  3. 遺言書の具体的な中身(情報証明書や閲覧)を請求できるのは、相続人や受遺者などの「関係者のみ」であることを知っていますか?



  4. 法務局の制度を利用した遺言書であれば、面倒な家庭裁判所での「検認手続きが完全不要」になることをご存知ですか?



  5. 相続人のうちの「誰か一人」が遺言書を閲覧等すると、他の全関係者に自動で「関係遺言書保管通知」が送られる仕組みを理解していますか?



  6. 遺言者が生前に、死亡時の第一報を受け取る「指定者通知」の対象として、あなたを(最大3名のうちの1人として)指定している可能性がありますか?



  7. 指定者通知は、市区町村役場に「死亡届」が提出された情報を法務局が取得した時点で、自動的に発送されることを知っていますか?



  8. 指定者通知の対象者は令和5年10月の改正により「誰でも(親しい友人や専門家などでも)指定可能」になったことをご存知ですか?



  9. 単なる知人として指定者通知を受け取った場合でも、法定相続人等でなければ遺言書の中身(閲覧等)は確認できないことを理解していますか?



  10. これら2つの通知制度によって、「一部の相続人による情報隠し・抜け駆け」が防げる公明正大な仕組みであることを把握していますか?



預けて終わりではない。想いを確実に「届ける」ために



ご自身の財産と、ご家族への大切な想いを託す「自筆証書遺言(自分で手書きする遺言書)」。かつては自宅の金庫や仏壇の引き出しなどで保管するしかなく、紛失や改ざん、あるいは「誰にも見つけてもらえない」という悲しいトラブルが存在することも事実です。


この問題を根本から解決するために創設されたのが、法務局という国の公的な機関が遺言書を厳重に預かる「自筆証書遺言書保管制度」です。


しかし、多くの方が決定的な誤解をされています。遺言書は、法務局に「預けて終わり」ではありません。 いくら法務局の厳重なセキュリティ下で安全に保管されていても、遺言者が亡くなられた後に残されたご家族が「遺言書が法務局にあること」に気づかなければ、その遺言書は永遠に日の目を見ることがないからです。


そこで本制度には、遺言書を確実に家族へ届けるための「通知制度」など、手厚いサポートの仕組みが用意されています。本書では、2026年(令和8年)現在の最新法令・実務運用に完全対応した形で、遺言者が亡くなった後(相続開始後)に、残された家族や関係者が行う手続きと、法務局の画期的な通知システムについて、具体例を交えながら誰にでもわかるように徹底解説します。



第1章:【相続開始後】残された家族の基本手続きと「2つの証明書」



※「指定した人への死亡後の通知(指定者通知)」を設定していないときの流れ。



遺言者が亡くなった後(相続開始後)、相続人(配偶者や子どもなど)、受遺者(遺言によって財産を譲り受ける人)、遺言執行者(遺言の内容を実現する責任者)などは、法務局に対して法的に定められた手続きを行う権利を持ちます。 ここではまず、遺言書の「存在確認」から「内容確認」へとスムーズに進むための「2つの証明書」について解説します。



1-1. まずは存在を確認する「遺言書保管事実証明書の交付請求」



「亡くなった家族(父)が、もしかしたら法務局に遺言書を預けていたかもしれない……」 そんな疑問を持った時に最初に使う手続きが、「遺言書保管事実証明書」の交付請求です。これによって、遺言書が法務局に保管されているかどうかの事実(イエスかノーか)を確実に確認することができます。



💡 【ポイント:請求は誰でもできるが、証明される内容には注意が必要】



2026年現在の法令(遺言書保管法)において、遺言者が亡くなった後であれば、この事実証明書の請求自体は「何人も(誰でも)」全国の法務局で行うことができます。


しかし、ここで証明されるのは「請求者自身が関係する(相続人や受遺者となっている)遺言書が保管されているか否か」に限られます。


つまり、関係のない第三者が「○○さんの遺言書はありますか?」と請求しても、「あなたに関係する遺言書はここにはありません。」と遺言書の有無、もちろん全容がバレることはなく、プライバシーは完全に守られます。まずはご家族が、遺言書の有無(存否)だけを安価かつ手軽に確認するための入り口となる手続きです。



1-2. 具体的な内容を確認する「遺言書情報証明書の交付請求 / 遺言書の閲覧」



事実証明書によって「自分に関係する遺言書が保管されている」ことが分かったら、次は具体的な中身を確認するステップに進みます。そのための手続きが「遺言書情報証明書の交付請求」や、法務局での「遺言書の原本・モニターでの閲覧」です。


これによって遺言のディテール(誰にどの財産を渡すか等)が明らかになり、具体的な預貯金の解約や不動産の名義変更(相続登記)などの相続手続きへと進むことができます。



⚠️ 【ポイント:請求できるのは関係者のみに厳格化】



💡 ステップ1:まずは「どこの法務局に予約するか」を決める



お亡くなりになった方が遺言書を預ける時は「管轄(指定された法務局)」がありましたが、残されたご家族(相続人等)が亡き後の手続きを行う場合、管轄の縛りは大きく緩和されます。



  • 事実証明書の交付請求・情報証明書の交付請求・モニター閲覧の場合



    「全国どこの法務局(遺言書保管所)」でも予約・手続きが可能です。ご自身の自宅や職場から一番近い、行きやすい法務局を選んで構いません。



  • ⚠️ 原本閲覧(生の紙の遺言書を見たい)の場合のみ



    遺言書が物理的に保管されている「最初に預けた法務局」に予約を取り、出向く必要があります。



💻 ステップ2:3つの予約方法から選ぶ(WEB予約が圧倒的に推奨!)



全国の法務局で誰でも請求できる遺言書保管事実証明書の交付請求手続き
 遺言書の有無を確かめる「遺言書保管事実証明書」は、全国どこの法務局でも請求可能です。プライバシーは厳格に守られ、ご自身が関係する遺言書の有無だけが通知されます。


法務局への予約方法は以下の3通り用意されていますが、実務上、24時間いつでも空き状況が確認でき、変更・キャンセルも容易な①のインターネット予約(法務局手続案内予約サービス)が最も確実でおすすめです。



  1. ① インターネット予約(WEB)★法務省推奨・一番確実


    専用サイト(法務局手続案内予約サービス)から24時間365日予約可能。



  2. ② 電話予約


    行きたい法務局の窓口へ直接電話(平日 9:00〜17:00)。※混雑で繋がりにくい場合があります。



  3. ③ 窓口での直接予約


    直接法務局に出向き、次回の予約を取る(平日 9:00〜17:00)。



📝 【具体例】インターネット予約の詳しい手順(スマホ・PC対応)



ここでは、相続実務で最も多いリアルなケースを想定し、WEB予約の手順を具体的にシミュレーションします。



【ケーススタディ:大阪府堺市にお住まいの長男(Aさん)の場合】
亡くなったお父様が遺言書を預けていたか調べるため、一番最寄りの「大阪法務局 堺支局」へ、「遺言書保管事実証明書の交付請求」の手続きに行きたい場合。


① 専用サイトへアクセスする





② 手続きのカテゴリを選択する



  • トップページから「手続一覧から探す」へ進み、カテゴリの中から「遺言書保管手続(自筆証書遺言書保管制度)」を選択します。



③ 具体的な手続き内容を選択する



  • 複数のメニューが表示されますので、Aさんの目的である「遺言書保管事実証明書の交付請求手続」を選択します。


    ※中身を知りたい場合は「情報証明書の交付」などを選びます。



④ 施設(法務局)を選択する



  • 全国の法務局一覧から、行きたい場所を選びます。 Aさんの場合は、都道府県で「大阪府」を選び、施設一覧から「大阪法務局 堺支局」を選択します。



⑤ 日時(カレンダー)を選択する



  • カレンダーが表示され、予約可能な枠には「〇」や「△」、満枠には「×」が表示されます。Aさんは、必要書類(亡き父の除籍謄本やご自身の住民票など)の収集が完了する見込みの「翌週の水曜日 10:00〜」の「〇」をクリックして選択します。



⑥ 氏名等の入力と予約の確定(利用者登録)



  • 画面の案内に従って、Aさん(窓口に行く人)の氏名、フリガナ、電話番号、メールアドレスを入力します。 内容を最終確認し、「予約を確定する」ボタンを押せば完了です。入力したメールアドレスに「予約完了メール(予約番号が記載されたもの)」が届けば、無事に予約完了となります。



⚠️ 実務上、絶対に押さえておくべき「3つの厳格な予約ルール」



ここで必ずご注意いただきたい「法務局特有の厳しいルール」をお伝えします。これを知らないと、せっかく予約しても当日門前払いになってしまう恐れがあります。



  1. 🗓️ 「30日先まで」しか予約できず、「当日の飛び込み」は不可



    本日から30日以内の日程から選ぶ必要があります。また「今日時間が空いたから今すぐ行きたい」という当日の予約はシステム上受け付けていません。午前中の枠は前営業日まで、午後の枠は前々営業日までに予約を完了させる必要があります。



  2. ⏰ 「10分以上の遅刻」は問答無用で自動キャンセル!



    法務局の予約システムは非常に厳密に管理されています。予約時間から10分以上遅れて窓口に到着した場合、電車の遅延などいかなる理由があっても予約は自動的にキャンセル扱いとなり、その日は手続きができません。当日は必ず15分前には到着するように心がけてください。



  3. 👤 手続きに行く「関係者本人」の名前で予約すること



    法務局へ出向く相続人等ご本人の名前で予約を取ってください。なお、証明書の交付請求は窓口に行く以外にも「郵送での請求」も法令上認められています。どうしても平日の日中に法務局へ行く時間が取れない場合は、必要書類を揃えて全国のいずれかの法務局へ郵送で請求するという手段があることも、実務上の大切なテクニックとして覚えておいてください。



残されたご家族にとって、見慣れない法律用語や役所の手続きは大変なご負担かと存じます。まずは焦らず、上記の「予約システム」から確実に日時を押さえ、一つひとつ順番に進めていただければ大丈夫です。



※法務局への予約・制度の詳細確認はこちら(法務省公式)





 遺言書の画像データが印刷された「遺言書情報証明書」と、それを用いて銀行窓口で預貯金の相続手続き(解約)や法務局での不動産登記をしている様子を示す図解または写真。
 交付された「遺言書情報証明書」は遺言書の原本と同等の法的な効力を持ち、そのまま法務局での名義変更や金融機関での払い戻し手続きに使用できます。


【※重要】 亡くなった後(相続開始後)の「証明書」は郵送可能!



遺言者がお亡くなりになった後、ご家族(相続人や受遺者など)が法務局に対して行う以下の手続きについては、わざわざ法務局の窓口へ行かなくても、郵送での請求および受け取りが法令で認められています。



  • 遺言書情報証明書の交付請求(郵送OK)



    遺言書の画像データが印刷され、法務局の公印が押された証明書です。これが実質的な遺言書原本の代わりとなり、銀行での預貯金の解約や、法務局での不動産の名義変更(相続登記)など、すべての相続手続きに使用できます。



  • 遺言書保管事実証明書の交付請求(郵送OK)



    「そもそも遺言書が預けられているか(イエスかノーか)」だけを確認するための証明書です。



【郵送で送付してもらう方法】



これらの証明書を郵送で受け取りたい場合は、法務局へ以下のものを同封して郵送します。



  1. 交付請求書(法務省HPからダウンロード可能)


  2. 必要な添付書類(亡くなった方の除籍謄本や、請求者の住民票など)


  3. 請求者の本人確認書類のコピー(運転免許証やマイナンバーカードなど。※「原本と相違ない」旨と氏名を記入)


  4. 手数料分の収入印紙(情報証明書は1通1,400円、事実証明書は1通800円)


  5. 返信用封筒(請求者の住所・氏名を記載し、必要な切手を貼り付けたもの)



これらを全国どこの法務局(遺言書保管所)へ郵送しても、手続き完了後に法務局から返信用封筒を使って証明書がご自宅に郵送されてきます。 遠方にお住まいの場合や、平日にお休みが取れない方にとって非常に便利な制度です。



【まとめ】



遺言書の原本が家に送られてくることはありませんが、亡くなられた後の相続手続きで必要となる「遺言書情報証明書」であれば、返信用封筒を同封することで法務局から郵送で送付してくれます。 窓口に行くお時間が取れない場合は、ぜひこの「郵送請求」をご活用ください。



1-3. 【最大のメリット】家庭裁判所の「検認」が不要に!



自宅で見つかった自筆証書遺言は、開封前に家庭裁判所で「検認」という手続きを経なければなりません。検認には、相続人全員の戸籍集めや裁判所での期日調整など、数ヶ月の期間と多大な労力がかかります。


しかし、この制度を利用して発行された「遺言書情報証明書」があれば、家庭裁判所での検認手続きは一切不要となります。残された家族の時間的・精神的負担を激減させる、本制度の最大のメリットの一つです。



自筆証書遺言書保管制度の利用により家庭裁判所の検認手続きが一切不要になる実務上のメリットを図解
従来は必須だった家庭裁判所での「検認手続き」が完全に免除されるため、相続発生後すぐに財産の承継手続きに直接着手できるのが実務上最大のメリットです。


1-4. 💡 非常に重要な実務の仕組み(自動的な通知システム)



ここで、制度に隠された極めて重要な仕組みをご紹介します。 相続人等のうちの「誰か一人」でも、上記の「遺言書情報証明書の交付請求」または「遺言書の閲覧」を行った時点で、法務局のシステムが作動します。


請求を行った本人以外の、「他のすべての関係する相続人等」に対して、法務局から「遺言書が保管されている旨の通知」が自動的に送られる仕組みになっているのです。


これにより、「一部の相続人(例えば長男)だけが遺言書の内容を隠れて把握し、他の兄弟はその存在すら知らない」といった不公平なトラブルを完全に防ぎ、関係者全員が同じスタートラインに立って、公明正大に相続手続きを進められるようになっています。



第2章:法務局が遺言書の存在を知らせてくれる!「2つの通知制度」の仕組み



「預けただけ」では終わりません。第1章で触れた通り、制度には残されたご家族を確実にサポートする機能が備わっています。 遺言書を確実に家族へ届けるための仕組みとして、大きく分けて「指定した人への死亡後の通知(指定者通知)」と「関係遺言書保管通知」の2種類があります。


どちらも法務局から送られるお知らせですが、実は「通知されるタイミング(きっかけ)」と「通知される対象者(誰に届くか)」に大きな違いがあります。それぞれの役割と具体的な違いについて、見ていきましょう。



2-1. 指定者通知(指定した人への死亡後の第一報)とは?



まずは、遺言書の存在が誰にも気づかれないままになる事態(死蔵)を防ぐための「第一報」としての役割を果たす「指定者通知」について解説します。



  • 通知されるタイミング(自動的)



    指定者通知は、「自動的」に送られるのが最大の特徴です。ご家族が役所に死亡届を提出すると、法務局(遺言書保管官)が、戸籍担当部局から「遺言者が死亡した」という事実に関する情報を取得します。


    その情報を取得した時点で、あらかじめ遺言者が「自筆証書遺言書保管制度の申請書」で指定しておいた方に対して、法務局から「あなたの関係する遺言書が保管されています」という事実をお知らせする通知が自動的に発送されます。


    ご家族が自ら法務局へ出向いて手続きをしなくても、行政間の連携によって第一報が届く画期的な仕組みです。



  • 通知される対象者(事前指定)



    この通知は、関係者全員に送られるわけではありません。遺言者が生前に申請書を通じて、「あらかじめ指定しておいた特定の人(最大3名まで)」にのみ送られます。



📝 【指定者通知を利用するための詳細なルール】



  • 通知対象者の指定について(対象範囲と人数の拡大)



    令和5年(2023年)10月2日の制度改正により、対象範囲や人数が大幅に拡大され、より利用しやすくなりました。



    • 人数の上限:最大3名まで指定することができます。



    • 指定できる人の範囲



      以前は「受遺者等」「遺言執行者等」「推定相続人」の中から1名に限られていましたが、現在はこの制限が撤廃され、親しい友人や専門家など、どなたでも指定することが可能です。



  • 利用するための仕組み(同意が必要)



    この通知を希望する場合、保管申請時に遺言者本人の「同意」が必要となります。具体的には、遺言書保管官が戸籍担当部局に対して遺言者の情報を提供し、遺言者が死亡した事実に関する情報を取得することに同意する(申請書のチェックボックスにレ点を入れる等)ことで、法務局が死亡の事実を把握し、指定された人に通知が送られるという流れになります。



  • 実務上の重要な注意点



    指定者通知を利用するにあたっては、以下の点にご注意ください。



    • 「閲覧等」ができない場合がある



      「受遺者等」「遺言執行者等」「推定相続人(相続人となるべき人)」以外の第三者(例えば、単なる知人など)を通知対象者に指定することは可能ですが、その通知を受けた本人は、遺言書の閲覧や、遺言書情報証明書の交付請求をすることはできません(※閲覧等の権利は関係者に限定されるためです)。



    • 変更が生じた場合の届出義務



      指定した通知対象者の氏名や住所などに引っ越し等で変更が生じた場合は、通知が宛先不明で届かなくなるおそれがあるため、必ず法務局へ「変更の届出」を行う必要があります。



    • 対象者の追加



      すでに通知対象者を1名指定している状態でも、後から「変更の届出」を行うことで、対象者を追加する(最大3名まで)ことができます。



【具体例:指定者通知の流れ】

遺言者である父が、法務局へ遺言書を預ける際、「長男」を指定者として申請(同意)していたとします。
数年後、父が亡くなり、役所に死亡届が提出されて戸籍担当部局から法務局へ死亡情報が共有されると、自動的に指定者である長男の自宅へ「遺言書が保管されていますよ」というお知らせ(指定者通知)が届きます。
これにより、「法務局に遺言書があることを誰も知らない」という事態を確実に防ぐことができます。


役所への死亡届提出を契機に法務局から自動的に発送される指定者通知のフローチャート
令和5年(2023年)10月の運用変更により、指定者通知の対象は「最大3名まで」「誰でも」指定可能となりました。行政間のシステム連携で確実にご家族へ第一報が届きます。


2-2. 関係遺言書保管通知(公平性を保つ仕組み)とは?



次に、一部の相続人が情報を独占するのを防ぎ、関係者全員の「公平性を保つ仕組み」としての役割を持つ「関係遺言書保管通知」について解説します。



  • 通知されるタイミング(誰かのアクションが契機)



    指定者通知が「自動的」であったのに対し、こちらは「誰かのアクション」がきっかけとなります。相続が開始された後、相続人や受遺者などのうちの「誰か一人」が、法務局で「遺言書の閲覧」や「遺言書情報証明書の交付」の請求を行った時点で、初めて通知されます。裏を返せば、誰も閲覧等のアクションを起こさなければ、この通知が送られることはありません。



  • 通知される対象者(すべての関係者)



    法務局で閲覧や証明書の交付請求を行った“本人以外”の、「他のすべての関係する相続人等(法定相続人、受遺者、遺言執行者など)」に対して広く一斉に送られます。



【具体例:関係遺言書保管通知の流れ】

先ほどの例で、法務局からの第一報(指定者通知)を受け取った「長男」が、法務局へ行き「遺言書の中身の閲覧」や「情報証明書の請求」を行ったとします。
すると、この長男の行動をきっかけとして、他の相続人である「次男」や「長女」、あるいは遺言書に財産を譲ると記載された「お世話になった甥(受遺者)」など、関係者全員に対して「法務局に遺言書が保管されています(長男さんが内容を確認しました)」という通知(関係遺言書保管通知)が一斉に発送されます。
これにより、「長男だけが遺言書の内容を知っていて、他の兄弟は何も知らない」という不公平な状況を未然に防ぐことができます。


一人の閲覧請求を契機に関係者全員へ一斉送付される関係遺言書保管通知の仕組み
相続人の一人が情報証明書を取得したり閲覧したりした時点で全関係者に通知されるため、一部の親族による遺言書の隠匿や情報の独占といったトラブルを公明正大に防ぎます。


第3章:実務家が教える「通知制度」を最大限に活かす実践アドバイス



3-1. 指定者通知には「誰を」指定すべきか?



最大3名まで指定できる指定者通知ですが、いざ申請書を前にすると「誰を書いておけば一番良いのだろう?」と迷う方も多いでしょう。実務上は、以下のような方を指定しておくとその後の手続きが最もスムーズに進みます。



  • ① 主な財産を受け取る予定の家族(配偶者や同居の子など)



    まずは最も身近で、お葬式やその後の手続きの中心となるご家族を指定しておくのが基本です。第一報が彼らに届くことで、すぐに預貯金の凍結解除などの初動に入ることができます。



  • ② 遺言執行者(弁護士や行政書士・司法書士などの専門家)



    もし遺言書の中で、手続きを代行する専門家を「遺言執行者」として指定している場合は、その専門家を通知対象者に入れておくことを強くお勧めします。専門家を指定しておくことで、死後すぐに専門家が第一報を受け取って動き出し、残された家族の精神的・肉体的な負担を劇的に減らすことができます。



3-2. 【まとめ】2つの通知が果たす役割の全体像



法務局の遺言書保管制度における2つの通知は、それぞれ全く異なる重要な役割を担っており、両者が機能することで遺言書の円滑な執行をサポートしています。



  • 指定者通知(第一報)



    あらかじめ指定した最大3名へ、戸籍情報をもとに「自動的」に通知。遺言書の「死蔵(気づかれないまま放置されること)」を鉄壁で防ぎます。



  • 関係遺言書保管通知(公平性を保つ仕組み)



    誰か一人が遺言書を見ようとした際に、他のすべての関係する相続人等へ自動通知。一部の人だけが情報を独占する「不公平(抜け駆け)」を防ぎ、関係者全員に遺言書の存在を知らせて公明正大な相続を実現します。



指定者通知の宛先として遺言執行者(行政書士などの法律専門家)を指定する実務上のメリット
指定者通知の宛先に「遺言執行者となる行政書士等の専門家」を含めておけば、相続発生後すぐに専門家が法務局からの通知を受け取って動き出すことができ、ご遺族の負担は最小限に抑えられます。


■ 証明書交付・相続手続のための必須タスク ToDoリスト



「相続開始後の必須タスク ToDoリスト」を作成しました。各ステップを確実に行うことで、手戻りを防ぎます。



ToDo 1:まずは「遺言書保管事実証明書」の交付請求を行い、遺言書の有無を確認する



指定した人への死亡後の通知(指定者通知)」を設定していないとき、亡くなったご家族が法務局に遺言書を預けていたかどうかが不明な場合は、まず全国の法務局(遺言書保管所)に対して「遺言書保管事実証明書」の交付請求を行ってください。


例えば、亡くなったお父様が遺言書を残したか分からない場合、この手続きを行うことで、ご自身が関係する遺言書が保管されているか(イエスかノーか)を確実に把握できます。この段階では、誰でも安価かつ手軽に請求できるため、相続手続きの最初の一歩として非常に重要です。



ToDo 2:遺言書が存在する場合は、速やかに「遺言書情報証明書」の交付を請求する



事実証明書によってご自身に関係する遺言書の存在が確認できたら、次は具体的な内容(誰にどの財産を分けるか等)を把握するために「遺言書情報証明書の交付請求」を行います。


この請求ができるのは、法律上、相続人や受遺者、遺言執行者などの「関係者のみ」に厳格に限定されています。この情報証明書を取得することで、不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の解約など、実際の相続手続きへとスムーズに移行することが可能になります。



ToDo 3:家庭裁判所での「検認手続き」をスキップし、直接相続手続きへ進む



通常、自宅の金庫などで見つかった自筆証書遺言は、開封前に家庭裁判所での「検認」という数ヶ月がかりの手続きが必須となります。しかし、法務局の保管制度を利用して発行された「遺言書情報証明書」を取得すれば、この面倒な検認手続きは一切不要(免除)となります。相続人全員の戸籍を集める手間や裁判所へ出向く精神的・時間的負担を激減させることができるため、実務上、このメリットを最大限に活かして速やかに手続きを進めてください。



ToDo 4:手続きのための「事前予約」をインターネット等で確実に行う



法務局での「証明書の交付請求」や「遺言書の閲覧」の手続きには、必ず事前予約が必要です。当日の飛び込みで窓口に行っても、手続きは受け付けてもらえません。法務省の「法務局手続案内予約サービス」を利用すれば、パソコンやスマートフォンから24時間いつでも予約が可能です。予約は30日先まで取ることができますので、ご自身のスケジュールと必要書類が揃うタイミングを見計らって、確実に予約枠を確保してください。



ToDo 5:手続き当日の「必須持ち物」を漏れなく準備する



予約当日は、ご本人であることを証明するための運転免許証やマイナンバーカードなどの「顔写真付き身分証明書(有効期限内のもの)」を必ず持参してください。また、戸籍謄本等の必要書類に加え、手続きにかかる手数料として規定額の「収入印紙」も現金とは別に事前購入して準備しておく必要があります。これらの持ち物に一つでも不備や忘れ物があると、予約していても手続きができず再予約となってしまうため、出発前の入念な最終チェックが必須です。



ToDo 6:自動で届く「指定者通知(第一報)」を見落とさないよう注意する



遺言者が生前、あなたを「指定者通知」の対象(最大3名まで)として指定していた場合、役所に死亡届が提出され法務局が死亡の事実を確認した時点で、自動的にあなた宛てに通知が郵送されてきます。例えば、あなたが長男で指定されていた場合、「お父様の遺言書が保管されています」という第一報が届きます。この通知を受け取った場合は、遺言書が存在する決定的な証拠となりますので、通知書を持参して速やかに法務局へ「情報証明書の交付」や「閲覧」の請求へと動き出してください。



ToDo 7:他の相続人の動きで届く「関係遺言書保管通知」に適切に対応する



あなたが自ら動かなくても、他の相続人(例えば次男)が法務局で「遺言書の閲覧」や「情報証明書の交付請求」を行った場合、システムが作動し、関係者全員に「関係遺言書保管通知」が一斉に発送されます。この通知が届いたということは、すでに誰かが遺言書の内容を確認したというサインです。「自分だけが知らなかった」という情報格差を防ぐための重要な通知ですので、届いた場合は速やかに他の相続人と連絡を取り合い、公明正大にその後の遺産分割や手続きを進めてください。



法務局への予約・制度の詳細確認はこちら(法務省公式)




相続開始後に行う自筆証書遺言書保管制度の証明書交付や事前予約などの必須手続きToDoリスト
相続開始後は法的に定められた手続きの順番が重要です。まずは事実証明書から情報証明書へとステップを踏み、法務局の「事前予約ルール」を遵守してスムーズに進行しましょう。


📌 【よくあるご質問】自筆証書遺言書保管制度(相続開始後)のQ&A



Q1: 亡くなった父が遺言書を法務局に預けていたか調べる方法はありますか?



A: はい、可能です。


全国の遺言書保管所(法務局)で「遺言書保管事実証明書の交付請求」を行うことで、遺言書が保管されているかどうか(イエスかノーか)を確実に確認できます。この手続きは誰でも請求可能であり、遺言書の有無を確認するための最初の入り口となります。



Q2: 全く関係のない第三者でも、他人の遺言書の有無を勝手に調べることはできてしまいますか?



A: いいえ、他人のプライバシーを丸裸にすることはできません。


「遺言書保管事実証明書」の請求自体は誰でもできますが、証明されるのは「請求者ご自身が関係する(相続人や受遺者となっている)遺言書が保管されているか否か」のみです。無関係な第三者が請求しても、その事実を知ることはできないよう厳格にプライバシーが守られています



Q3: 遺言書の中身(具体的な財産の分け方など)を確認するにはどうすればよいですか?



A: 遺言書の具体的な中身を確認するには、法務局で「遺言書情報証明書の交付請求」または「遺言書の閲覧(原本やモニター)」を行います。


ただし、この請求ができるのは、法律上、相続人や受遺者、遺言執行者などの「関係者のみ」に厳格に限定されています。第三者が勝手に中身を見ることは絶対にできません。



Q4: 法務局で保管されていた自筆証書遺言でも、家庭裁判所の「検認」は必要ですか?



A: いいえ、家庭裁判所での「検認手続き」は一切不要です。


自宅保管の自筆証書遺言と異なり、法務局の保管制度を利用して発行された「遺言書情報証明書」を取得すれば、そのまま不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の解約手続きに進むことができます。これにより、数ヶ月かかる期間と多大な労力を大幅にカットできます。



Q5: 「指定者通知」とはどのような制度ですか?誰にいつ届くのでしょうか?



A: 「指定者通知」とは、遺言者が亡くなった後、その遺言書の存在が誰にも気づかれない「死蔵」を防ぐための第一報です。


市区町村役場に死亡届が提出され、法務局が死亡の事実を確認した時点で、生前に遺言者本人が指定した方(最大3名)へ自動的にお知らせが発送されます。遺族が自ら法務局へ出向かなくても気づくことができる画期的な仕組みです。



Q6: 遺言者が指定者通知の対象として、友人や専門家(弁護士など)を指定することは可能ですか?



A: はい、可能です。


令和5年(2023年)10月の法改正・運用見直しにより、以前は相続人や受遺者等に限られていた制限が撤廃され、現在では「親しい友人」や「弁護士・行政書士などの専門家」を含め、どなたでも最大3名まで指定することが可能となりました。



Q7: 「関係遺言書保管通知」とは何ですか?どのようなタイミングで送られますか?



A: 「関係遺言書保管通知」とは、相続開始後、相続人等のうちの「誰か一人」が法務局で遺言書の閲覧や情報証明書の請求を行った時点で、他のすべての関係する相続人等へ一斉に発送される通知です。


これにより、「一部の相続人(例えば長男)だけが内容を把握し、他の兄弟に隠している」という情報独占を防ぎ、公平性を保つ役割を果たしています。



Q8: 法務局で証明書の交付請求や閲覧の手続きをする際、予約は必要ですか?



A: はい、事前予約が必須です。


当日の飛び込みで窓口に行っても対応してもらえません。パソコンやスマートフォンから「法務局手続案内予約サービス」を利用すれば、24時間いつでも30日先までの予約が可能です。予約時間に遅れると自動キャンセルになる厳格なシステムのため、時間には余裕を持って来庁してください。



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誰でも証明書は取れるのか?予約は何日先まで可能なのか?など、実務でよくご相談いただく制度の疑問点について、2026年最新の法令に基づいてQ&A形式で詳しく回答します。


おわりに:確実で円滑なバトンタッチのために



自筆証書遺言書保管制度は、「A4サイズの用紙を使う」「片面のみに使用する」「本文は必ず手書き(財産目録は条件付きでパソコン可)」「本人が直接法務局へ行く」といった、作成や持ち込みの段階で非常に厳格な決まり事がある制度です。


しかし、その少しの手間をかけるだけで、それ以上の圧倒的な安全(紛失・改ざんの完全防止、家庭裁判所の煩雑な検認手続きが不要になること、そして国による確実な家族への通知)を手に入れることができる、大変実用的な制度です。


「せっかく書いた遺言書を、確実に家族へ届けたい」そんな願いを叶えるために、制度の背景と、この2つの通知の仕組みを正しく理解しておきましょう。


「遺言書の正しい書き方」、そして今回解説した「生前・死後の全体的な手続きの流れ」をあらかじめ頭に入れておくことで、あなたの大切な財産と想いを、次の世代へと最も確実で円滑な形で引き継ぐことができるでしょう。本書が、皆様の安心ある未来への一助となれば幸いです。






当事務所は、その良心に従い、誠意をもって、依頼者に寄り添って問題を解決させて頂くことをモットーとしております。そのため、お客様に帰責事由がない限り、不許可の場合には成功報酬はいただかない(無料とする)方針をとっております(※翻訳代や現地弁護士との折衝実費等の初期費用・着手金のみ頂戴いたします)。



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