重病親族(日本人・永住者)を日本で助けたい。なぜ【告示外特定活動】でなく【告示外定住】なのか?
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※ 「告示外特定活動」と「告示外定住」の決定的な法的性質の違い
※ ここの理解が【告示外定住】には非常に重要となります。
入管法において、この2つの在留資格は似て非なるものです。
特定活動(活動要件型の在留資格)
性質
「特定の活動(=この場合は『母の看病』)を行うこと」のみを目的として許可される在留資格です。
制限
活動が終了した時点(=母が亡くなった、あるいは施設に入所して常時介護が不要になった時点)で、在留する根拠が消滅し、速やかに帰国しなければなりません。また、原則として就労は一切不可です。
定住者(身分・地位型の在留資格)
性質
「特別な理由(身分や境遇)を考慮して、日本への居住(定着)を認める」在留資格です。
制限
就労活動に制限はありません(単純労働も可)。また、仮に看病の対象である親族が亡くなったとしても、在留資格の期限までは適法に在留でき、その後の生活状況によっては更新も視野に入ります。
なぜ以下の具体例のケースで「告示外定住」を狙ったのか(3つの理由)
実務上、(かなり厳しいですが)審査が通りやすいのは「特定活動」です。しかし、申請者側がリスクを取ってでも、あるいは審査官が特例として【定住者】を付与したのには、以下の明確な理由(極限状況における必然性)があります。
理由1
疾病の「不可逆性」と「滞在の永続性」
もし患者の病気が「一時的な大怪我」や「治療可能な病気(がんの手術後の数ヶ月のケアなど)」であれば、目的が完了すれば帰国できるため「特定活動」が妥当です。 しかし、以下の具体例1のようなアルツハイマー型認知症(要介護5)は「不可逆的(完治が極めて難しい)」であり、かつ「母語回帰(外国人の方が、認知症などの病により幼少期に親しんだ母国語しか話せなくなる現象)によるパニック」を伴っています。
つまり、この介護活動は「母が寿命を迎えるその日まで、いつ終わりが来るのかがわからない」ことが確定しています。一時的な滞在ではなく、事実上の「日本での生活(定住)の開始」を意味しているため、実態に合わせて【定住者】を求めたのです。
理由2
「永住者の家族」としての地位と「家族結合の保護」
以下の具体例の患者(母)と、その夫(父)は、日本国から「永住者」の許可を得ており、日本に強固な生活基盤を持っています。 国際人権法および入管の裁量基準において、「家族はできる限り共に生活できるよう配慮する(家族結合の保護)」という理念があります。
①両親は高齢であり、生活基盤のある日本から母国へ帰国することは不可能。
②その方には申請人の介護が絶対に必要。
③日本には他に親族がいない。
この三条件が揃ったとき、娘を「単なる介護要員(特定活動)」として扱うのではなく、「永住者の家族として、日本で共に世帯を構成して生きていく者」としての地位(定住者)を認めるべきだ、という強い法的主張が可能になります。
理由3
不測の事態における「人道上の安全網」
「特定活動」で許可された場合、極端な話、入国して数ヶ月で母が急死してしまった場合、娘は悲しむ間もなく、ただちに在留資格を失い帰国準備に追われることになります。また、父も高齢であるため、母の死後に今度は父の介護が必要になる可能性も十分にあります。 「定住者」であれば、母の死後も日本に残り、父を支えたり、残務整理を行ったりするための法的な安定性が担保されます。申請者側としては、今後の家族全体の安定を考えた場合、不安定な「特定活動」ではなく、より強固な身分資格である「定住者」を申請するのが実務上のセオリーとなります。
入管当局の判断プロセス
申請側が【定住者】を求めたとしても、入管当局がそのまま許可するとは限りません。実務上は以下のような判断が下されます。
原則論の適用
入管はまず「ただの看病目的であれば『特定活動』で十分ではないか」と疑います。
生計のパラドックスの審査
【定住者】は就労制限がないため、「本当は日本で働きたい(出稼ぎ目的)から定住者を申請したのではないか?」という強い疑念を持たれます。
疑念の払拭
申請者は「親の資産のみで生活し、私は一切就労しない(=出稼ぎ目的ではない)」という確約書と強固な資産証明を提出しなければなりません。
最終裁量
具体例1では、審査官は「出稼ぎ目的ではなく真に介護目的であること」「滞在が長期(終末期まで)に及ぶこと」「永住者の家族結合であること」を総合的に評価し、『特定活動とするよりも、法務大臣の特例裁量として定住者(1年)を付与し、1年ごとに介護の実態を厳格に審査・更新していくのが妥当である』と判断したのです。
結論
「告示外特定活動」でも法的には間違いではありませんし、実務上はそちらで許可される(あるいは定住者で申請しても特定活動にて許可される)ケースも多々あります。
しかし、このケースにおいて「告示外定住」が申請・許可されたのは、対象となる疾病が不治の終末期医療に該当し、永住者である両親と娘という「家族の最終的な日本での寄り合い(定着)」という実態を帯びていたためです。単なる「作業(特定活動)」の枠を超え、日本社会に根を下ろさざるを得ない「身分(定住者)」としての保護が求められた結果であると言えます。
重病の親族(日本人・永住者)の看病 のための告示外定住
日本の入管法において、外国人の方が「日本にいる親族の看病・介護」を目的として在留するための正規の在留資格は存在しません。日本の医療や介護サービスを利用して生活するのは、原則として自国民または既に適法な在留資格を持つ者の権利であるという大前提があるからです。
しかし、現実には「この外国人が付きっきりで看病しなければ、日本にいる重病の親族(日本人や永住者)の命が危うい、あるいは人間としての尊厳ある生活が維持できない」という極限状況が発生することもあります。このような場合、法務大臣は人道上の見地から、特別に【定住者】としての在留(告示外定住)、あるいは退去強制手続中であれば「在留特別許可」を付与することがあることも事実です。
ただし、これは「病気の家族がいるから一緒にいたい」という家族愛だけで許可されるほど甘いものではありません。実務上、看病定住の審査は「全ての代替手段を検討した上で、なお申請者本人が日本で直接介護しなければならない絶対的かつ不可欠な理由の証明」という、極めてハードルの高い立証作業をしていく必要があります。
<具体例>
これらのケースは「日本の充実した公的介護・医療サービスを最大限に利用しても、なお埋められない致命的な空リスク)」を、客観的かつ論理的に証明できた事例となります。
具体例1
認知症による「母語回帰」とパニックを伴うケース
(尊厳の維持と、日本の介護サービスが機能不全に陥る事案)
【患者(親族)】 78歳・女性(ブラジル国籍・永住者)
30年前に来日し日本社会で長く働いてきたが、重度のアルツハイマー型認知症を発症。要介護5。
申請者(看病者)】 50歳・女性(ブラジル国籍)
患者の実娘であり、ブラジルに居住している。
【直面している命と尊厳の危機】
認知症の進行に伴い「母語回帰」が起こり、日本語を完全に忘れ、ポルトガル語しか理解できなくなった。同時に強い被害妄想とパニック症状が発現。日本の介護施設に入所したが、日本人スタッフの言葉が理解できない恐怖から暴れ、点滴や胃ろうのチューブを自分で引き抜いてしまう自傷行為を繰り返すようになった。身体拘束をしなければ命が危ないが、それでは「人間としての尊厳ある生活」が維持できない状態に陥った。
【不可代替性(なぜ娘でなければならないのか)】
「ポルトガル語で優しく語りかけ、安心させながら身体介助を行える存在」が医学的・精神的に不可欠であると主治医が診断。日本国内には他の親族がいない。日本の介護保険制度を利用しても、24時間ポルトガル語で対応できる専門スタッフを確保することは不可能である。
【生計維持要件】
患者の夫(同じく永住者・健在だが自身も高齢で身体介護は不可能)に十分な年金と蓄えがあり、ブラジルから娘を呼び寄せ、娘が日本で一切就労しなくとも同居して生活・介護に専念できる財政基盤を証明した。
【結果】
「短期滞在」で入国後、医療記録と詳細なケアプラン(日本のサービスでは対応不可であることの証明)を提出し、「定住者(1年)」への変更が特別に許可された。
具体例2
ALS(筋萎縮性側索硬化症)に伴う24時間医療的ケアのケース
(制度の空白時間による直接的な生命の危機を防ぐ事案)
【患者(親族)】 60歳・男性(ベトナム出身・日本国籍に帰化)
難病であるALSを発症し、全身の筋力が低下。気管切開を行い、人工呼吸器を装着。要介護5・重度障害者。
【申請者(看病者)】 55歳・男性(ベトナム国籍)。患者の実弟。
【直面している命の危機】
患者は自力で呼吸も寝返りもできず、数十分に一度の「痰の吸引」が24時間体制で不可欠。痰が詰まれば数分で窒息死に至る。妻は既に他界しており、日本に他の身寄りはいない。
【不可代替性(なぜ弟でなければならないのか)】
日本の「重度訪問介護」という公的サービスを限度額(月数百時間)まで利用し、ヘルパーを自宅に入れている。しかし、深刻な介護人材不足により、どうしても「深夜の午前2時〜午前6時の間」だけ、医療的ケア(痰の吸引)ができる資格を持ったヘルパーを確保できない曜日が存在した。この「週に数回の空白の4時間」を埋める者がいなければ、患者は自宅で確実な死を迎えることになる。
【生計維持要件】
患者自身に日本の障害基礎年金や過去の貯蓄、企業の保険金などが十分にある。弟は来日後、ヘルパーが不在となる夜間帯の吸引と見守りに専念し、日中(ヘルパーが滞在している時間帯)に自身の睡眠をとるという、矛盾のない24時間の「介護スケジュール表」を提出した。
【結果】
「日本の公的サービスを使い切ってもなお発生する、生命に直結する介護の空白」を客観的証拠(ケアマネージャーの陳述書等)で立証したことで、実弟に対して特例的に【定住者】の在留資格が許可された。
具体例3
身寄りがない末期がん患者の自宅看取り(ホスピス)のケース
(残されたわずかな時間の精神的支えと、人道的見地からの事案)
【患者(親族)】 72歳・男性(日本国籍)。末期の膵臓がん。積極的治療を終え、余命3〜6ヶ月の宣告を受けている。
【申請者(看病者)】 30歳・女性(中国国籍)。患者の亡き妻の連れ子(法的な養子縁組はしていないため「日本人の子」には該当しない。過去に日本で暮らした経験あり)。
【直面している命と尊厳の危機】
患者は激しい疼痛(がん性疼痛)を抱えながら、「最期は病院のベッドではなく、住み慣れた自宅で迎えたい」と強く希望している。しかし、痛みのコントロールのためのモルヒネ管理や、急変時の対応が必要であり、一人暮らしでの在宅看取りは物理的に不可能であった。
【不可代替性(なぜ義理の娘なのか)】
患者には血の繋がった日本の親族が一切いない。過去に数年間共に暮らし、父娘として強い精神的な絆を持つこの中国人女性(亡き妻の娘)が、この世で唯一の家族(キーパーソン)であった。医療同意のサインや、死の恐怖に怯える夜間の精神的な寄り添いは、派遣される医療従事者や見ず知らずのヘルパーでは絶対に代替できない。
【生計維持要件】
期間が数ヶ月に限定されていること、患者の遺産や預金で女性の滞在費・生活費が完全に賄えること(女性が生活保護に陥るリスクがないこと)を証明した。
【結果】
余命宣告の診断書とともに、時間的切迫性と極めて高度な人道性を主張。「短期滞在」から、特例的に期間を区切った「定住者(6ヶ月)」への変更が許可された。患者は無事に娘に看取られて自宅で息を引き取り、その後、女性は速やかに帰国した。
これらの具体例に共通しているのは、「日本の社会保障制度(医療・介護保険)を否定しているのではなく、それをフル活用することを前提とした上で、それでも埋まらない『最後の一手』として外国人の家族が必要である」というロジックを構築している点です。入管の審査において、この論理と証拠の提示が「告示外定住」を勝ち取るための絶対条件となります。
在留資格を変更してまでも介護しないといけない場合の告示外定住
本来は自分の在留資格の更新や変更が難しい状況でも、日本にいる日本人や永住者の家族が重病で、その外国人がつきっきりで介護・看病しなければ生きていけない、というような切迫した事情がある場合。人道的な観点から特例として認められることがあります。
これからの具体例はすべて、①疾病の重大性と常時介護の必要性、②他の代替手段がないこと(不可代替性)、③生活保護に頼らない生計維持能力、という3つの絶対条件をクリアしたケースです。
具体例1
【短期滞在からの変更】
海外在住の子供が、日本にいる永住者の親を介護するケース
本来「短期滞在(観光や親族訪問などの在留資格)」から他の在留資格への変更は原則として認められませんが、極めて特例的に【定住者】への変更が許可される典型例です。
患者(親族)の状況
日本で30年以上暮らす永住者の母親(75歳)。一人暮らし中に重度の脳梗塞で倒れ、重い後遺症(寝たきり・要介護5)と認知症を発症。
申請者(外国人)の状況
本国で暮らしていた一人娘(45歳)。急遽「短期滞在」で来日し、病院で付き添いをしている。
切迫した事情と許可の決め手
不可代替性の証明
日本国内に他の親族が一切いない。また、認知症により日本語を忘れ、母国語しか話せなくなったため、日本の介護施設のスタッフでは意思疎通ができずパニックを起こしてしまう。医師からも「実娘による母国語での24時間の精神的・身体的ケアが不可欠」との診断書が出された。
生計維持の証明
母親の日本の銀行口座に十分な預貯金と年金収入があり、娘は日本で就労しなくとも、母親の資産のみで母子共に生活保護に頼らず生活できることを証明した。
結果
日本の介護システムだけではカバーできない明確な理由が客観的証拠(医師の診断書やケアマネージャーの陳述書)で立証され、特例として「定住者」への変更が許可された。
具体例2
【就労資格からの変更】
就労系在留資格の外国人の方が、仕事を辞めて親(永住者)の24時間介護に専念するケース
日本の就労系在留資格(技術・人文知識・国際業務など)を持つ外国人の方が、看病のために退職せざるを得なくなった場合、本来の在留活動(労働)ができなくなるため在留資格の更新ができません。この場合の救済措置です。
患者(親族)の状況
日本で暮らす永住者の父親(65歳)。難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。病状が進行し、人工呼吸器を装着し、24時間体制での「痰の吸引」が不可欠となった。
申請者(外国人)の状況
日本のIT企業でエンジニアとして働いていた実の息子(30歳)。父親の介護のため、やむを得ず会社を退職した。
切迫した事情と許可の決め手
生命の直結と不可代替性
痰の吸引は数十分おきに行う必要があり、少しでも遅れれば窒息死に直結する。日本の重度訪問介護(公的ヘルパー)を最大限利用しても、深刻な人手不足により「深夜から早朝にかけての数時間」だけ、どうしても医療的ケアができるヘルパーを確保できなかった。この空白の時間を息子が担わなければ、父親は確実に命を落とす状況であった。
生計維持の矛盾の解消
息子が退職したため無職となるが、父親の障害年金とこれまでの息子の貯金によって生活が成り立つことを証明。「息子は一切就労せず、ヘルパーが不在となる夜間の介護に100%専念し、日中は睡眠をとる」という合理的な生活スケジュールを入管に提出した。
結果
就労要件を満たさなくなったものの、人命に関わる極めて高度な事情が認められ、就労系在留資格から【定住者】への変更が許可された。
具体例3
【在留特別許可】
不法滞在の外国人が、末期がんの日本人パートナーを自宅で看取るケース
退去強制(強制送還)の対象となる不法滞在者であっても、人道的な理由が法の厳格さを上回ると法務大臣が判断した場合に【在留特別許可】として定住が認められるケースです。
患者(親族)の状況
日本人男性(70歳)。末期のすい臓がんで余命3〜6ヶ月の宣告を受けている。積極的な治療を終え、「最期は自宅で迎えたい(在宅ホスピス)」と強く希望している。
申請者(外国人)の状況
オーバーステイ(不法滞在)状態のまま、10年以上にわたりこの日本人男性と内縁関係(事実婚)にあった外国人女性(55歳)。自ら入管に出頭し、事情を説明した。
切迫した事情と許可の決め手
時間的切迫性と人道的配慮
男性には身寄りがなく、事実上の妻であるこの女性が唯一のキーパーソン(家族)であった。痛みのコントロールや精神的な恐怖に寄り添う役割は、派遣される医療スタッフだけでは代替できない。今この女性を母国へ強制送還すれば、日本人のパートナーは孤独の中で死を迎えることになる。
関係性の真実性の証明
不法滞在期間中であっても、長年にわたり近隣住民とも良好な関係を築き、真面目に内縁生活を送っていた客観的証拠(町内会長の嘆願書、長年の写真、家計簿など)を提出し、偽装関係ではないことを完全に立証した。
結果
入管法違反(不法滞在)という重大なマイナス事由はあったが、日本人パートナーの命の終末期における「人間の尊厳の維持」という極めて人道的な事情が考慮され、例外中の例外として【定住者(または日本人の配偶者等)】の在留特別許可が恩恵的に付与された。
※ 重要な注意点
上記はあくまで「許可された具体例」ですが、実務においてこの「看病・介護」を理由とする申請は極めて審査が厳格であり、少しでも証拠に矛盾があったり、日本の公的サービスで代替可能だと判断されたりした場合は容赦なく不許可となります。
告示外定住:極限状況における申請手続と立証資料のすべて
告示外定住において、最も理解しておくべき大前提は「海外から直接『定住者』として呼び寄せる(在留資格認定証明書交付申請)ことは、実務上ほぼ不可能である」という点です。告示外の特別な事情は、定型的な書類審査では判断が難しいためです。
したがって、前述の具体例で挙げられた3つの具体例に共通する、現実的な手続ルートは以下の通りとなります。
(1)「短期滞在(親族訪問)」で緊急入国する
まずは看病のために90日間の短期滞在ビザで入国します(免除国であれば査証なし入国)。
(2)「在留資格変更許可申請」を行う
入国後、事態が長期化し、かつ日本の制度で代替できないことが判明した段階で、入管法第20条第3項に基づく「在留資格の変更」を管轄の出入国在留管理局へ申請します。
「やむを得ない特別の事情」の立証: 短期滞在からの変更は原則不可ですが、これまでに挙げた「生命の危機と不可代替性」を証明することで、この例外規定を突破します。
全ケース共通の「必須基礎書類」
いかなる切迫した事情であっても、行政手続である以上、基礎的な身分証明と申請様式は必須です。これらに不備があれば、事情を汲み取られる前に「不許可(または取下げ指導)」となります。
在留資格変更許可申請書(定住者用)
1通。写真(縦4cm×横3cm)を貼付。
パスポートおよび在留カード(短期滞在の場合は不要)
窓口で原本を提示。
身分関係を証明する公的資料(本国および日本のもの)
戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書など。外国語で記載された書類には、必ずすべての日本語訳を添付し、翻訳者の署名を記載します。
身元保証書
日本で生活基盤を持つ身元保証人(原則として看病される患者本人、またはその配偶者等)が署名した法務省指定の書式。
理由書
申請者(または行政書士や代理人)が作成する、本申請の「核心」となる書類。詳細な書き方は後述します。
【具体例別】
致命的な空白を埋める「特化型・立証資料」
入管審査官に「日本の公的サービスを使い切っても、なおこの外国人が必要である」と納得させるための、各ケースに特化した客観的証拠の揃え方です。
事例1
認知症による「母語回帰」とパニックを伴うケース
(ブラジル国籍の娘が、永住者の母を介護する事案)
このケースの立証の眼目は「医療的見地からの母国語ケアの必要性」と「生計の安定」です。
【1】主治医の「詳細な」診断書および意見書
単に「アルツハイマー型認知症・要介護5」という記載では足りません。
必須記載事項
「母語(ポルトガル語)への回帰が見られ、日本語でのコミュニケーションが不可能であること」「日本人スタッフに対する強い恐怖心から、胃ろうチューブの自己抜去等の自傷・パニック行為があること」「生命維持と尊厳の観点から、実娘による母国語での常時ケアが医学的に不可欠であること」。
【2】ケアマネージャー作成の「居宅サービス計画書(ケアプラン)」と上申書
日本の介護施設やサービスを利用した(あるいは検討した)が、ポルトガル語での24時間対応が可能な施設が存在しない、または施設側から「対応困難」として入所を断られた事実を示す記録(施設からの断り状や、ケアマネージャーによる「日本の制度では対応限界である」旨の上申書)。
【3】強固な生計立証資料(夫の資産証明)
患者の夫(永住者)の課税・納税証明書(過去1〜2年分)。
夫の年金受給額がわかる通知書。
夫名義の銀行預金残高証明書(十分な蓄えがあることの証明)。
確約書
娘本人が「日本で就労は一切行わず、父の資産の範囲内で生活し、母の介護に専念する」旨を誓約する文書。
事例2
ALSに伴う24時間医療的ケアのケース
(ベトナム国籍の弟が、日本国籍の兄の深夜ケアを行う事案)
このケースの立証の眼目は「制度の空白時間(深夜の吸引)の存在」と「24時間のスケジュール管理」です。
【1】重度訪問介護の利用実績と「空白」の証明
市区町村が発行した「障害福祉サービス受給者証」のコピー(限度額まで利用していることの証明)。
利用している訪問介護事業所との「契約書」および「実際の訪問シフト表」。
事業所からの意見書
「人材不足のため、どうしても深夜2時〜6時の医療的ケア(痰の吸引)対応スタッフが確保できず、家族の支援がなければ患者の生命に重大な危険が及ぶ」旨の客観的証拠。
【2】医療行為に関する同意書・指導記録
本来、痰の吸引は医療行為ですが、在宅医療では家族であれば可能です。弟が主治医や訪問看護師から、痰の吸引や人工呼吸器の管理について「適切な指導を受け、実施可能である」と認められた記録や証明書。(違法性の阻却)
【3】24時間の「生活・介護タイムスケジュール表」
円グラフやエクセル表を用い、「何時〜何時はヘルパーが担当(弟は睡眠・休憩)」「何時〜何時は弟が担当」という、弟が過労で倒れることなく、かつ就労しなくても生計が成り立つ矛盾のないスケジュール表。
【4】患者の資産証明
患者自身の障害年金受給証明書や、十分な預金残高証明書。
事例3
身寄りがない末期がん患者の在宅看取り(ホスピス)のケース
(中国国籍の連れ子が、日本人の継父を看取る事案)
このケースの立証の眼目は「余命の切迫性」「過去の強い精神的絆」そして「期間を限定した目的の明確さ」です。
【1】余命宣告を含む主治医の診断書
がんの進行度(ステージ4等)、「積極的治療の終了」「在宅緩和ケアへの移行」、および「余命(3〜6ヶ月等)」が明確に記載された診断書。
「急変時における家族の判断(医療同意)や、精神的苦痛を和らげるための家族の常時付き添いが必要」という所見。
【2】「唯一の家族」であることを示す身分関係・交流の証明
法的な養子縁組がなくても、過去に同居していたことを示す日本の「除票(過去の住民票)」や、母の死亡時の記録。
母の死後も、手紙やメール、送金、本国への訪問などで途切れることなく交流が続いていたことを示す記録(写真、通信記録など)。これにより「ただの知人」ではなく「事実上の娘」であることを立証します。
【3】期間限定の生計立証と帰国確約
患者の銀行預金残高証明書(数ヶ月の生活費と医療費を十分に賄える額)。
帰国誓約書
申請者(娘)が、「患者の看取りと死後の事務手続き(葬儀等)が終了した後は、速やかに中国へ帰国する」ことを誓う書面。期間が限定されているからこそ、入管も許可を出しやすくなります。
審査官の心を動かす「理由書」とは
上記の客観的証拠を線で繋ぎ、一つの「避けられないストーリー」として審査官に提示するのが「理由書」の役割です。いかに悲惨であっても感情論に終始せず、以下の4段論法で冷静かつ論理的に記載する必要があります。
導入と経緯
なぜ今、患者がこの極限状態にあるのか(病気の発覚から現在に至るまでの簡潔な医療ヒストリー)。
不可代替性の主張(制度の限界)
日本の医療・介護保険制度に感謝し、それを最大限活用しようと努力した(している)事実。その上で、「言葉の壁」「深夜の人材不足」「精神的な絆」という、日本のシステムではどうしても埋められない致命的な空白を説明する。
申請者の適格性と生計の安定
他の親族ではダメな理由(他国にいる、高齢である等)を排除し、「だから私(申請者)がやるしかない」と結論づける。さらに、日本国(生活保護等)に一切の経済的負担をかけない明確な根拠を示す。
結語
日本の法令を遵守し、患者の命と尊厳を守り抜く決意表明。
結語
的確な「事実の摘示」が命を繋ぐ
入管当局も、理由なく外国人を排除しようとしているわけではありません。しかし、彼らは「例外」を認めるための「強固な法的・客観的根拠(言い訳)」を必要としています。
この3つの具体例は、いずれも「日本の制度を最大限に活用した上で、なお残る命のリスク」を、医師や介護職という第三者の証明(客観的証拠)を用いて的確に摘示したからこそ、特別に在留が認められたものです。告示外定住の手続とは、単なる書類作成ではなく、「命を守るための厳密な立証活動」そのものなのです。
当事務所は、その良心に従い、誠意をもって、依頼者に寄り添って問題を解決させて頂くことをモットーとしております。そのため、お客様に帰責事由がない限り、不許可の場合には費用や報酬などの一切の料金をいただくことは予定していません。もちろん相談などは無料となっておりますので、何なりとおっしゃってくださいませ。
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〒793-0001 愛媛県西条市玉津144番地11
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