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山本行政書士事務所

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暴力から逃れ、日本で自立するためにDVを理由とする告示外【定住者】への変更手続き。

  • 15 時間前
  • 読了時間: 9分

【人道的配慮・特別な保護のケース】



 DV(ドメスティック・バイオレンス)の被害者の保護



身分系在留資格である「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」を有する外国人が、日本人・永住者等である配偶者と離婚した場合、原則として在留資格の基礎を喪失し、次回の在留期間更新は不許可となり本国への帰国を余儀なくされる可能性があります。これを救済し、日本への継続在留を例外的に認めるのが「告示外定住(離婚定住)」という法務大臣の広範な裁量による枠組みです。


通常の離婚定住においては、「偽装結婚の排除」と「日本社会への定着性の確認」という観点から、「日本での正常な実態のある婚姻期間が概ね3年以上継続していたこと」が実務上の絶対的な目安として要求されます。


しかし、現実の人間社会においては、この「3年の壁」を画一的に適用することが極めて残酷な結果を招くケースが存在します。それが、日本人や永住者の配偶者からひどいDV(ドメスティック・バイオレンス)を受け、自らの命や心身の安全を守るための避難として「離婚を余儀なくされたケース」です。


このような人道的配慮・特別な保護を要する事案に対しては、婚姻期間が3年に満たない場合であっても、帰国すれば生活が困難になったり、保護が必要だったりする被害者の事情を最大限に考慮し、特別に【定住者】が許可される可能性があります。



DV被害者保護の制度趣旨



帰国による著しい不利益と保護の必要性



DV被害者の多くは、心身に深い傷(PTSD等)を負っています。さらに、本国の国情や宗教的・文化的な背景によっては、「離婚した女性」に対する偏見などが強く、帰国しても親族からの支援が得られず生活困窮に陥るケースが少なくありません。また、加害者が本国まで追いかけてくる危険性もあります。 「日本国内のシェルターや支援団体のサポートを受けながら、安全な環境で心身を回復し、自立していく必要がある」という人道的な観点が、法務大臣の広範な裁量権の行使(告示外定住の許可)を強く後押しします。



客観的立証の極意 〜入管の疑念をどう晴らすか



DV事案における最大のハードルは、「客観的な証拠による立証です。 入管の審査官は、単なる性格の不一致や、在留資格目当ての偽装結婚が早期に破綻しただけの事案を「夫のDVが原因だ」と虚偽申告しているのではないかという、極めて厳しい疑いの目を持ちます。口頭や申請理由書での一方的な主張だけでは絶対に許可されません。以下の公的・客観的な証拠を迅速に収集・提出することが必要となります。



1. 司法および医療機関が関与した客観的証拠



  • 裁判所の「保護命令」決定書


    加害者に対する接近禁止命令などが発令されている場合、DVの事実関係を日本の司法機関が認定したという最強の証拠となります。


  • 調停調書や判決謄本


    離婚調停や裁判において、離婚原因が「配偶者からの暴力(DVやモラハラ)」と認定されている公的記録。


  • 医師の診断書


    暴行による外傷の診断書だけでなく、精神的DV(モラハラ)によるうつ病や適応障害、PTSDの心療内科・精神科の診断書も極めて重要な証拠です。



2. 行政・民間支援団体が関与した客観的証拠



  • 配偶者暴力相談支援センター等の証明


    各都道府県に設置されている支援センターや、女性相談所などに駆け込み、相談・一時保護された公的な記録や「DV被害に関する証明書」。


  • 警察の相談記録


    警察署の生活安全課などにDVの相談をした際の受理番号や、出動記録。


  • 民間シェルターの保護証明書


    DV被害者を保護する民間団体(NPO等)が発行する入所証明書や支援状況報告書。



手続きの特質と、DV事案における「独立生計要件」



離婚定住の手続きは「告示外」であるため、在留資格認定証明書の交付申請はできず、原則として日本に在留している状態から「在留資格変更許可申請」を行います。ここで大きな壁となるのが、許可条件の一つである「日本で自立して生活する能力(独立生計要件=安定した収入の見込み)」です。


 DV被害者の多くは、着の身着のままで逃げ出し、DVシェルターなどに保護されている状態から在留資格の手続きを開始します。当然、その時点で「月収20万円の正社員」といった安定収入を公的な書類で証明することは不可能です。


この点について、入管実務は非常に配慮された運用を行っています。 DV被害事案においては、申請時点において生活保護等の公的扶助を受給していたり、民間支援団体の経済的援助に頼っていたりしても、直ちに「独立生計要件を満たさない」として不許可にされることはありません。 重要なのは、「現在の安全確保(保護)」と、「将来に向けた自立への道筋」です。


 後述する申請理由書において、「現在はDVの後遺症を癒すため公的機関の保護下にあるが、心身が回復し次第、就労支援プログラム等を活用して仕事に就き、日本社会で自立して生きていく強い意思と具体的な計画がある」ことを誠実に説明することで、独立生計要件は「将来に向かって満たし得るもの」として、特例的にクリアすることが可能となります。



提出書類のリスト



日本人の配偶者等から定住者(離婚定住)への変更において、客観的立証責任を果たすために以下の書類を正確に準備・提出する必要があります。DV事案においては、これらに加えて前述の「DVを証明する客観的証拠」を必ず添付します。



【申請人に関する書類】



  1. 離婚の記載のある元配偶者の戸籍謄本


    • ※調停・裁判離婚の途中で在留期限が切れる場合は、裁判所からの「事件係属証明書」を提出し、一時的な期間更新等で繋ぐ高度な対応が必要です。


  • 住民票(世帯全員記載のもの)


    • ※DV避難に伴い住民票を加害者の元から移せていない場合は、DV被害者を保護するための「住民基本台帳事務における支援措置(閲覧制限)」制度を利用した上で取得するか、事情を記した理由書を添付します。


  • 住民税の課税証明書(または非課税証明書)(最近3ヶ月以内・直近年度のもの)


  • 住民税の納税証明書(上記3で課税だった場合)


  • 職業を証明する書類


    • 会社員の場合:在職証明書


    • 自営業の場合:確定申告書の写し


    • 会社役員の場合:会社の登記簿謄本


    • ※現在無職でシェルター等にいる場合は、今後の就労意欲を示す書類や支援団体の意見書で代用・補強します。


  • 生活の安定性を証明する書類(預金残高証明書・不動産登記簿謄本等)


  • 申請理由書(※次章で詳述)


  • パスポート、及び在留カード


    • ※加害者に奪われて手元にない場合は、警察への遺失届出証明書等と理由書を提出し、再交付手続きを並行して行います。


  • 証明写真(縦4cm×横3cm、最近6カ月以内のもの、1枚)



【身元保証人に関する書類】



 ※申請人に十分な収入がなく、身元保証人が扶養・生活費を負担支援する場合等は以下も必要です。支援団体の代表者や、日本の知人がなるケースが多いです。


  1. 身元保証書


  2. 身分証明書のコピー


  3. 住民税の課税証明書、および納税証明書(最近3ヶ月以内・最新のもの)


  4. 職業を証明する書類(会社員は在職証明書、自営業は確定申告書の写し等)



「申請理由書」の作成に関しての注意点



DV事案における「申請理由書」は、単なる事情説明ではなく、事案の成否を分ける最重要書類です。以下の構成で、事実関係を時系列に沿って克明かつ論理的に記載し、入管の「偽装結婚ではないか」という疑念を完全に払拭します。


  • ①【出会いと正常な婚姻の開始】 最初は真実の愛情に基づく正常な結婚であり、実際に同居して夫婦生活を営んでいた事実(スナップ写真やメール履歴などを添えて)を記し、偽装結婚を明確に否定します。


  • ②【DVの発生とエスカレートの経緯】 いつ頃から、どのような暴力(身体的暴力、言葉の暴力、生活費を渡さない等の経済的DV、性的DVなど)が始まったのか。それが申請人の心身にどのような恐怖とダメージを与えたかを具体的に記述します。


  • ③【命を守るための避難と離婚の経緯】 生命の危機を感じ、いつ、どのように警察やシェルター等に避難したか。そして、加害者との離婚に向けた法的手続き(調停・裁判)の経緯を、客観的証拠とリンクさせながら説明します。


  • ④【帰国によって生じる著しい不利益(人道的保護の必要性)】 「なぜ母国に帰ることができないのか」。本国での生活基盤の喪失、離婚女性に対する社会的偏見、加害者が本国まで追跡してくる恐怖など、帰国すれば生活が困難になる事情を具体的に訴えます。


  • ⑤【日本社会での今後の自立計画と誓約】 最後に、日本の法律と社会ルールを厳格に遵守し、心身の回復後はどのような仕事に就き、日本社会に迷惑をかけることなく自立して生きていくかという、前向きで力強い決意と誓約を表明します。



DV被害による「告示外定住(離婚定住)」の申請は、単なる行政手続きではありません。恐怖と絶望の中にいる一人の人間の、日本における「安全な生存権」と「未来」を取り戻すための、極めて重い人権救済のプロセスです。



今、これを見られている方の中には想像を絶する恐怖や孤独の中で、ご自身の命と尊厳を守るために「逃げる」という勇気ある一歩を踏み出した方かもしれません。あるいは、今まさにその一歩を踏み出そうと迷っている方かもしれません。


「家を飛び出したら在留資格がなくなって、母国に強制送還されるのではないか?」

「加害者は『逃げたら在留資格を取り消す』と脅してくる」

「今はお金も仕事もないのに、日本に住み続けることなんてできるのだろうか?」


その不安は、計り知れないほど大きいことでしょう。


しかし、この記事でお伝えした通り、日本の法律と入管の制度は、理不尽な暴力から逃れようとするあなたを見捨てることはありません。「婚姻期間が3年未満」でも、「今現在、シェルターにいて無収入」であっても大丈夫です。「告示外定住」という制度は、まさにあなたのように傷ついた方が、もう一度安全な日本社会で自立し、歩き出すために用意された「命のセーフティネット」なのです。


大切なのは、あなた自身の命と心を守ることです。入管の手続きに必要な証拠集めや書類作成は、一人で抱え込む必要はありません。警察、各都道府県の配偶者暴力相談支援センター、民間シェルター、そして入管業務を専門とする弁護士や行政書士など、あなたを全力で守り、サポートする味方が日本には必ずいます。


まずは安全な場所で、傷ついた心と体をゆっくりと休めてください。


あなたには、暴力に怯えることのない世界で、あなたらしく、安心して笑って生きる権利があります。この記事が、あなたの新しい人生への扉を開くためのお守りとなることを、心から願っています。




当事務所は、その良心に従い、誠意をもって、依頼者に寄り添って問題を解決させて頂くことをモットーとしております。そのため、お客様に帰責事由がない限り、不許可の場合には費用や報酬などの一切の料金をいただくことは予定していません。もちろん相談などは無料となっておりますので、何なりとおっしゃってくださいませ。


お問い合わせ


山本行政書士事務所  山本克徳


〒793-0001 愛媛県西条市玉津144番地11

 

電話番号090-6287-4466

メールアドレス yamamoto.gshoshi21456@gmail.com


 
 
 

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