定住者告示第6号で海外の未成年で未婚の実子・連れ子を呼び寄せる要件と審査の壁
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海外に残してきた大切なお子様(実子や連れ子)を日本へ呼び寄せ、新しい家族の生活をスタートさせたい。そうお考えの親御様にとって、日本の入管法における呼び寄せ手続きは、決して簡単なものではありません。
日本に生活基盤を持つ外国籍の親が、母国の未成年の子供を呼び寄せるための専用ルートとして「定住者告示第6号」という制度が設けられています。
この制度は、家族が一緒に暮らすという人道的な権利(児童の最善の利益)を守るための重要なセーフティネットです。しかし同時に、過去に多発した「出稼ぎ目的の偽装呼び寄せ」を防ぐための、国家による「極めて厳格なフィルター(検問)」としての側面を持っています。
「18歳未満(未成年)」かつ「未婚」であることの絶対条件
親の「在留資格(日本人・永住者・定住者など)」による審査ルートの細分化
15歳〜17歳の子供に対する「就労目的ではないか」という入管からの猛烈な疑い
本記事では、この定住者告示第6号の複雑な法的要件から、各区分(イ・ロ・ハ・ニ)ごとの必要書類、そして「絶対に不許可を避けるための客観的立証の方法」までを、山本行政書士事務所が解説いたします。
「なぜこれほどまでに審査が厳しいのか?」という背景事情を知り、正しい手続きと確固たる立証を行うことが、許可への唯一の道です。お子様の将来を見据え、確実な呼び寄せを実現したい方は、ぜひ本記事を隅々までお読みいただき、申請に向けた完璧な準備にお役立てください。
【目次】
📌 記事の要約(3つの結論)

✅ 【結論1】「定住者告示第6号」の核心:人道的保護と3つの「絶対的な足切り条件」
定住者告示第6号は、日本に住む外国籍の親が母国の「未成年で未婚の実子」を呼び寄せるための人道的な制度です。
しかし、過去の出稼ぎ目的の偽装呼び寄せを防ぐため、国家の厳格なフィルターとして機能しています。
具体的には、①「未成年(18歳未満)」であること、②「未婚」であること、③親の「扶養を受けて生活する」こと、という3つの絶対条件が全類型に共通して課されており、これらを1つでも満たさなければ許可されることはありません。
✅ 【結論2】親の「在留資格(身分)」による審査ルートの細分化と「素行善良要件」の有無
この制度の最大の特徴は、日本にいる親の身分によって審査の厳しさが明確に分かれている点です。
日本人や永住者の子(イ・ニ)や一般定住者の子(ロ)には素行善良要件が免除されますが、日系3世等の子(ハ)には過去の治安問題の反省から「無犯罪証明書」の提出(素行善良要件)が絶対必須となります。
適切な条文を適用するため、複雑な「除く規定」による法的な交通整理が緻密に行われています。
✅ 【結論3】実務上の最大の壁:高年齢(15歳〜17歳)における「就労目的」の猛烈な疑い
法律上は18歳未満なら申請可能ですが、実務においては15歳〜17歳での呼び寄せは「真の目的は出稼ぎ労働ではないか」と入管から極めて厳しく審査されます。
許可を勝ち取るためには、親に十分な経済力があることの証明はもちろん、「日本でどの学校に進学させるのか」「学費はどうするのか」といった完璧な立証資料を自発的に提出し、「絶対に就労させず、教育を受けさせる」という確固たる証明を行うことが不可欠です。
定住者告示第6号:未成年で未婚の実子の呼び寄せ

💡 「強固な身分を持つ親の実子」
今回、取り上げる「定住者告示第6号」は、日本に生活基盤を持つ外国籍の親が、母国に残してきた「未成年で未婚の実子」を日本へ呼び寄せ、家族として共に暮らすための受け皿となる制度です。
入管法において、第6号が持つ役割は非常に重層的です。 まず、この制度の根底にあるのは「児童の最善の利益」と「家族結合の権利」という人道的な理念です。親の温かい保護(扶養)を必要とする未成年の子供を、国境という壁によって引き離し続けることは、国際的な人権基準に照らしても避けなければならないという考えが、この第6号の存在理由の第一にあります。
しかし同時に、第6号には国家としての「厳格なフィルター(検問)」としての側面も強く存在します。
かつて、未成年の「実子」という身分を悪用し、労働力(出稼ぎ)を目的とした若者を日本に呼び寄せる「偽装呼び寄せ」や、言葉の壁から学校に行かずに非行に走る少年少女が社会問題化した歴史がありました。
そのため、第6号ではすべての類型において共通して以下の3つの「絶対的な足切り条件」が課されています。
✅ 「未成年」であること
成人(18歳以上)であれば、もはや親の庇護は不要であり、自身の力(就労や留学)で入国すべきであるという線引き。
✅ 「未婚」であること
結婚して独立した家庭を持った者は、親の扶養を受ける単位から外れるという判断。
✅ 「扶養を受けて生活する」こと
出稼ぎ目的ではなく、あくまで親の経済力で学校に通い、健全に育つための入国であることを求める実態審査。
そして、第6号がさらに綿密なのは、呼び寄せる人(日本にいる本体者)である親の「在留資格(身分)」によって、審査のハードル(素行善良要件の有無)を明確に切り分けている点です。
日本人や永住者の子供(イ・ニ)には、強い身分性を尊重し、素行善良要件を免除。
一般の定住者の子供(ロ)にも、人道的見地から免除。
日系3世等の子供(ハ)には、過去の治安上の反省から厳格な「素行善良要件」を付与。
なぜこれほどまでに細分化されているのか。その背景にある「親の身分と子供の権利」の相関関係を、一つずつ丁寧に、そして正確に解き明かしていきます。
【イ】親が帰化者・永住者・特別永住者の場合

六 次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人、永住者の在留資格をもつて在留する者又は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
1. どのような制度か(対象者)
対象者
呼び寄せる人(日本にいる本体者)が「日本人」「永住者」「特別永住者」であり、その「生物学的な実子(未成年・未婚)」である場合に適用されます。
素行善良要件 適用なし。
無犯罪証明書の提出義務はありません。
2. なぜこのような制度があるのか(理由と原因)
日本人や永住者は、日本社会で最も安定した地位を持っています。彼らの直接の子供が、出生のタイミングや場所(海外出産など)によって、他の【配偶者等】の在留資格の要件から外れてしまった場合、この6号【イ】がセーフティネットとして機能します。
最も保護すべき対象であるため、子供の過去の素行に関わらず、親子が一緒に暮らす権利を優先させています。
3. 具体例:どのような人に適用されるか
該当例
中国籍の父が、日本へ帰化して「日本人」になった。帰化する前に中国で生まれた15歳の実子を呼び寄せたい。
理由
子の出生時に父は日本人ではなかったため、実子用の「日本人の配偶者等」の在留資格は取れません。しかし、現在は日本人である父の「未成年の実子」である事実は揺るがないため、この6号【イ】で救済されます。
⚠️ 柱書にある「除く規定」のすべて
条文の冒頭(柱書)にあるカッコ書き(「除く規定(除外規定)」)について解説します。
(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)
【除く規定に該当する(除外される)のは誰か、その理由と原因】
誰が除外されるか
告示第1号(難民等)、第3号(日系3世)、第4号(元日本人の孫である日系3世)、第8号(法務大臣が個別に指定した者(中国残留孤児等))に該当する未成年の子供。
除外される理由・原因(なぜか)
これは「法律の交通整理(二重適用の防止と優先順位)」が原因です。 例えば、日本人の実子であっても、その子供自身が「難民(1号)」に該当する場合、国は一般的な親族としての枠組みではなく、人道上の危機に基づく「難民」として最優先で保護すべきと考えます。
また、自身が「日系3世(3号・4号)」に該当する場合は、血統に基づく別の条文を使うべきです。 「他に優先して適用すべき専用の番号(ルール)を持っている人は、この6号の枠からは除外し、適切な番号へ案内する」という法的システムの構築が、この規定の真の理由です。
【除かれない人は誰か、その理由と原因】
誰が除かれないのか
難民や日系人といった、自分自身の特別なルーツや事情を全く持たない純粋な「外国人」の子供。
除かれない理由・原因
彼らには、他に頼るべき在留資格のルールが存在しません。「親が日本で強固な身分(日本人・永住者等)を持っている」という事実だけを唯一の頼り綱として日本へやってくる子供たちを救済し、家族として受け入れるために作られたのがこの第6号だからです。本条文のメインターゲットであるため、当然除外されません。
📌 要件のすべてと、該当する人・しない人
6号【イ】で日本に入国・定住するためには、以下の4つの絶対要件を「すべて」満たす必要があります。
要件①:「日本人、永住者、又は特別永住者」の実子(生物学的な子供)であること
なぜこの要件になるのか(理由)
日本の社会を構成する最も基盤となる身分を持つ者の「直接の血分け子(DNAが繋がった子供)」であるため、人道上、親元で暮らす権利を優先的に保護すべきだからです。
要件②:「未成年」であること
なぜこの要件になるのか(理由)
日本における「親の保護・監督」が法的に必要な年齢だからです。民法改正により、現在は「18歳未満」であることが絶対条件です。18歳以上の大人は、親に依存するのではなく、自分自身の力(就労系在留資格や在留資格【留学】など)で自立して滞在すべきである、というのが国家の基本方針です。
⚠️ 重要な注意点
ここでの「未成年」とは、日本の民法上の年齢基準ですが、判断されるタイミングは「在留資格認定証明書の申請時」ではなく、「日本入国時の年齢」である点に注意が必要です。
実子は未成年(18歳未満)であれば本号に該当するので、扶養を受けないことが何らかの客観的事実に基づき明らかである場合を除き、単に18歳に近いことを理由に在留資格認定証明書交付申請を不交付とすることはありません。
要件③:「未婚」であること
なぜこの要件になるのか(理由)
未成年であっても、結婚した時点で「親の戸籍(保護下)」から精神的・経済的に独立し、新たな自分の家庭を築いたとみなされるからです。
独立した家庭を持った者を「親の扶養を前提とする在留資格」で受け入れることは、法律の趣旨と矛盾します。
要件④:親の「扶養を受けて生活する」こと
なぜこの要件になるのか(理由)
この在留資格は「日本で働くための在留資格」ではなく、あくまで「親に養ってもらいながら健全に成長するための在留資格(人道的保護)」だからです。
そのため、親に十分な経済力があること、そして子供自身が労働目的ではないことが絶対条件となりま
【要件を満たす人(該当する人)(許可される人)の具体例と理由】
具体例
親が「子供が生まれた後」に日本人に帰化した場合
中国籍のAさんは、中国でBくん(実子)をもうけました。その後、Aさんは日本に渡り、日本国籍を取得(帰化)しました。今度、中国に残していた15歳のBくんを呼びたいと考えました。
該当する理由
Bくんは「日本人の実子」ですが、『日本人の配偶者等』の在留資格はとれません(出生時に親が日本人ではなかったため)。このように「出生のタイミング」で大原則の在留資格から外れてしまった子供を救済するために、この6号【イ】が適用されます。
【要件を満たさない人(適用外の人)(不許可になる人)と原因】
具体例
本国で高校を卒業し、18歳になっている実子のEくんの場合
適用されない原因
日本の成人年齢は18歳です。親が「まだ扶養が必要だ」と主張しても、法律上の「未成年」という客観要件を満たさないため、機械的に適用外(不許可)となります。
📄 手続きのすべてと、その理由
※参考リンク 申請手続きの基本情報や提出書類のひな形については、出入国在留管理庁の公式ページもあわせてご参照ください。
6号【イ】で子供を呼ぶためには、以下の手続きが必須です。
親子関係を証明する
母国の「出生証明書」や、親の「戸籍謄本」。
子供が親の実子であることを証明する「DNA鑑定書」(※書類に疑義がある場合など、強く求められることがあります)。
親の「課税証明書・納税証明書(収入証明)」および「在職証明書」。
なぜこのような手続きになるのか(原因と理由)
1と2は、配偶者の連れ子(別ルート)等ではなく、「間違いなく生物学的な実子であること」を公的に証明させるためです。
3は、「扶養を受けて生活する」という要件を満たすため、親に「子供に教育を受けさせ養っていけるだけの確固たる経済力」があることを証明しなければならないからです。
⚖️ 【最重要】6号【イ】における「素行善良要件」の真実
6号【イ】の条文には「素行善良要件」は存在しない
定住者告示第3号や第4号とは異なり、この第6号の柱書および【イ】には、「素行が善良であるもの」という文言は一切記載されていません。
なぜ条文に記載されていない(免除されている)のか?(理由と原因)
6号【イ】の呼び寄せる人(日本にいる本体者)は、「日本人」や「永住者」といった日本国において最も強固な身分を持つ人々です。
国家は、これらの人々の「実の子供(しかも未成年)」に対しては、過去の軽微な非行歴や「無犯罪証明書の提出」といった厳格な足切り(素行善良要件)を法律上強要することは、児童の保護や家族結合の理念から行き過ぎであると判断しています。
そのため、日系人ルートで課されるような明文の制限を意図的に外しているのです。
しかし、本当に「何をしていても良い」のか?
条文に書かれていないからといって、重犯罪者が入国できるわけではありません。
適用されない(不許可になる)原因
入管法第5条に基づく「上陸拒否事由(1年以上の懲役や薬物犯罪歴がある者)」に該当する場合は、大原則として日本への入国は拒否されます。
実務上の違い
「素行善良」と書かれていないことの最大の意味は、「母国の警察から『無犯罪証明書』を取得して提出する法的な絶対義務が免除されている」ということです。
厳格な潔白の証明までは求められない、という法的な位置づけの違いがここにあります。
🔥 実務上での最も大事な考え方(プロの視点)
最後に、条文には書かれていない実務上の「致命的なポイント」をお伝えします。
【実務の極意:年齢の壁と「扶養の実態(就労目的の疑い)」】
法律上は「18歳未満(17歳11ヶ月まで)」なら申請できます。しかし、実務上、「16歳や17歳での呼び寄せ申請は、極めて不許可になりやすい(入管から猛烈に疑われる)」という真実があります。
なぜ疑われるのか(原因)
審査官は、「なぜ子供が小さく手のかかる時期に放置し、労働力として使える年齢(16〜17歳)になった途端に呼び寄せるのか? 真の目的は『出稼ぎ労働(日本の工場等で働かせること)』ではないか?」と強く疑います。
適用されない(不許可になる)原因
入管に「出稼ぎ目的」と判断されれば、「親の扶養を受けて生活する」という要件④を満たさないとして不許可になります。
実務上の対策
そのため、16歳以上の子を呼ぶ場合、「日本でどの高校に通わせるのか(合格通知など)」「親が学費をどう払うのか」を完璧に証明し、「絶対に就労させない。親が扶養して教育を受けさせる」という確固たる立証を自発的に行わなければ、許可を得ることは極めて困難です。
定住者告示第6号【イ】。それは、法の網の目からこぼれ落ちてしまった子供たちを保護するためのセーフティネットであり、そこには「素行善良要件の免除」という国家の温かい配慮が存在します。しかし同時に、実務においては「就労目的ではないか」という極めて厳格な審査が待ち受けています。
【ロ】親が「日系人以外」の定住者の場合

💡 「一般定住者の実子を守る標準ルート」
この規定は、日本で真面目に暮らす定住者が、国境を越えて「愛する我が子」を呼び寄せるための極めて重要なセーフティネットです。
しかし、そこには国の「治安維持のための巧妙な振り分けシステム」が隠されています。その法的な構造と国の意図を解説していきます。
告示定住6号【ロ】の条文
条文は「柱書(大前提)」と「ロ(個別要件)」に分かれています。
六 次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
イ(中略)
ロ 一年以上の在留期間を指定されている「定住者」の在留資格をもつて在留する者(第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子
1. どのような制度か(対象者)
対象者
日系人以外の定住者(難民認定者や日本人と離婚後の定住者など)の「実子」。
素行善良要件 適用なし。
無犯罪証明書の提出義務はありません。
2. なぜこのような制度があるのか(理由と原因)
日本社会に1年以上定着している一般の定住者に対しても、家族(子供)と共に暮らす権利を保障するためです。カッコ書きで日系3世(3号・4号等)を除外しているのは、彼らを後述の厳格な「ハ」のルートへ強制誘導し、審査を厳格化するためです。
3. 具体例:どのような人に適用されるか
該当例
難民として認められた定住者(期間3年)が、母国に残した10歳の実子を呼びたい。
理由
親が日系人ではない安定した定住者であり、子供が未成年・未婚の実子であるため、この標準ルート【ロ】が適用されます。
📌 要件のすべてと、該当する人・しない人
6号【ロ】で日本に入国・定住するためには、以下の要件を満たす必要があります。
1. 呼び寄せる人(日本にいる本体者)日本にいる親の要件と理由
要件
「定住者」の在留資格を持っていること。
その在留期間が「1年以上」であること。
後述する「除く規定(日系人ルート等)」に該当しないこと。
なぜこのような要件になるのか(理由)
日本社会に定着し、1年以上という中長期にわたって安定した生活基盤を築いている外国人に対しては、人道上「未成年の我が子を手元で育て、共に生活する権利(家族の結合)」を保障すべきである、という国家の保護方針があるためです。期間が半年等の不安定な者には、子供を扶養する能力がないとみなされます。
2. 申請者(海外から呼ばれる子供)の要件と理由
要件
呼び寄せる人(日本にいる本体者)その親の「実子(生物学的な子供)」であること。
「未成年(18歳未満)」であること。
「未婚」であること。
親の「扶養を受けて生活する」こと。
なぜこのような要件になるのか(理由)
(6号イの際と同様ですが)この在留資格は労働目的ではなく、あくまで「親の庇護下で健全に成長するための保護のための在留資格」だからです。
すでに18歳以上の大人であったり、結婚して独立した家庭を持っていたりする場合は、もはや親の扶養を前提とするこの在留資格の趣旨に反するため、明確に要件として区切られています。
⚠️ 重要な注意点
ここでの「未成年」とは、日本の民法上の年齢基準ですが、判断されるタイミングは「在留資格認定証明書の申請時」ではなく、「日本入国時の年齢」である点に注意が必要です。
【要件を満たす人(該当する人)(許可される人)の具体例】
具体例
<日本人と離婚した後も日本に定着している、タイ国籍のAさん(母親)>
Aさんは日本人男性と結婚して日本に住んでいましたが、離婚しました。しかし日本で長く働き生活基盤があるため、在留資格を【定住者】(期間3年)に変更しました。
Aさんは、母国タイの親戚に預けていた自分の実子(12歳・未婚)を日本に呼び寄せ、一緒に暮らしたいと考えました。
該当する理由
Aさんは「日系人ルート以外の定住者(期間1年以上)」であり、子供は「未成年・未婚・実子」です。母子で共に暮らす人道的な権利が認められ、この6号【ロ】に完全に該当します。
【要件を満たさない人(適用外の人)(不許可になる人)と原因】
具体例
難民認定を受けた定住者Bさん(父親)の「妻の連れ子(血の繋がりなし)」
適用されない原因
条文に「実子」と厳格に規定されているためです。妻の連れ子(Bさんとの生物学的な血縁関係がない子)は、実子ではないため6号【ロ】には該当しません。
※このような「定住者の配偶者の連れ子」は、後続の「6号【ニ】」という別の専用条文で審査されることになります。
⚠️ カッコ書きの「除く規定」のすべて
ここが、6号【ロ】における最も重要な「振り分けシステム」です。条文の途中にあるカッコ書きについて解説します。
(第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者を除く。)
【除く規定に該当する(除外される)のは誰か、その理由と原因】
誰が除外されるか(親の属性)
第三号:日系3世の定住者
第四号:元日本人の孫である日系3世の定住者
前号ハ(=定住者告示第5号ハ):日系3世の配偶者である定住者
※これらいずれかの方法で在留資格【定住者】を得た者が除外されます
除く規定になっている理由・原因(なぜか)
国は、これら「日系人ルートの家族(日系3世やその配偶者)」の実子を日本に受け入れる際、必ず「素行善良要件(犯罪歴等の審査)」を課したいという強い治安上の意志を持っています。
もし彼らをこの6号【ロ】から除外していなければ、彼らは素行善良要件のないこのルートを使って子供を呼べてしまいます。
その抜け道を完全に塞ぎ、彼らをすぐ下の条文である「6号【ハ】(素行善良要件が明記された日系人専用ルート)」へ強制的に誘導(隔離)するために、ここで明確に「除く」と指定しているのです。
【除かれない人は誰か、その理由と原因】
除かれないのは誰か
難民認定を受けた定住者、日本人や永住者と死別・離婚した定住者など、「日系人ルート」以外のすべての定住者です。
なぜ除かれないのか(理由・原因)
国が「日系人コミュニティの治安問題」という過去の歴史的背景から厳格な審査を課しているのは、あくまで「日系人ルートの定住者とその家族」に対してのみです。
それ以外の、日本に定着している一般的な定住者の実子に対してまで、一律に特殊な制限を課す合理的な理由がないため、除外されずに標準ルートであるこの【ロ】を使用することが認められます。
📄 手続きのすべてと、その理由
※参考リンク 申請手続きの基本情報や提出書類のひな形については、出入国在留管理庁の公式ページもあわせてご参照ください。
6号【ロ】で実子を呼ぶためには、以下の手続きが必須です。
親子関係を客観的に証明する、母国の公的機関が発行した「出生証明書」。
親(呼び寄せる人(日本にいる本体者))の日本での「課税証明書・納税証明書(収入証明)」および「在職証明書」。
子供を日本でどう養育するのか(学校など)を記した理由書。
なぜこのような手続きになるのか(原因と理由)
入管は「自称・親子」を信用しません。そのため、「本当にDNAが繋がった実子であること」を母国の公文書で立証させます。
さらに、ビザの絶対要件である「親の扶養を受けて生活する」ことを証明するため、親に「子供を日本で学校に通わせ、健全に養っていけるだけの安定した経済力(納税の実績)」があることを、客観的な税務書類によって厳格に審査するためです。
⚖️ 【重要】6号【ロ】における「素行善良要件」の真実
6号【ロ】の条文には「素行善良要件」は存在しない
この「6号【ロ】」の条文にも、「素行が善良であるもの」という文言は一切記載されていません。※記載されているのは、前述の通り日系人ルートである「6号【ハ】」のみです。
なぜ条文に記載されていない(免除されている)のか?
日系人ルート以外の定住者(難民や日本人元配偶者など)の「未成年の子供」に対して、法律上、母国からの無犯罪証明書の提出といった高いハードル(足切り要件)を強要することは、人道的な家族結合の保護という観点から過剰な制限であると国が判断しているためです。
実務上での大事な考え方
条文に「素行善良要件」がないからといって、実務においてフリーパスで入国できるわけでは決してありません。ここに入管実務の厳しさ(真実)があります。
🔥 【実務の極意:年齢の壁と「就労目的」の猛烈な疑い】
法律上は「18歳未満」なら申請できますが、実務において「15歳〜17歳の子供の呼び寄せ申請は、極めて審査が厳しくなり、不許可のリスクが跳ね上がる」という絶対的な真実があります。
なぜ疑われるのか(不許可の原因)
入管の審査官は、「なぜこの子供が小さく手のかかる時期に母国に置いておき、高校生・労働力として使える年齢(16歳等)になった途端に日本へ呼ぶのか?」と疑います。
審査官の頭にあるのは、「『親の扶養を受ける(学校に行く)』というのは建前で、真の目的は『日本の工場やコンビニでアルバイトとして働かせる(出稼ぎ労働力にする)』ことではないのか?」という強い懸念です。
適用されない(不許可になる)原因
もし入管に「真の目的は就労(出稼ぎ)である」と判断されれば、条文の絶対要件である「親の扶養を受けて生活する」を満たしていないとみなされ、不許可になります。
実務上の対策(プロのノウハウ)
したがって実務では、15歳以上の子を呼ぶ場合、「日本でどの学校(高校や日本語学校)に編入するのか(合格通知や在学証明)」「親がその学費をどう支払うのか」を完璧な証拠として提出し、「絶対に働かせない。
親が全額扶養して教育を受けさせる」という確固たる立証を自発的に行わなければなりません。この「扶養の実態の証明」こそが、6号【ロ】において最も重要でシビアな実務上の考え方となります。
定住者告示第6号【ロ】。それは、日本で懸命に生きる定住者が、母国に残した子供と再び一緒に暮らすための希望の条文です。
しかしそこには、日系人ルートの子供を別枠(ハ)へと振り分ける「除く規定」の冷徹なシステムと、高年齢の子供に対する「出稼ぎ目的ではないか」という実務上の極めて厳しい監視の目が存在します。
【ハ】親が「日系人」の定住者の場合

💡 「日系2世、日系3世の子供に対する厳格ルート」
この規定は、日系2世、日系3世の家族が、自分たちの「子供」を日本に呼び寄せるための専用ルートです。
しかし、他の子供用ルート(イやロ)とは異なり、この規定には「素行が善良であるもの」という重く厳しい鎖が繋がれています。
なぜ子供に対してこれほどの厳格さが求められるのか。その法的な構造と国の意図を、解説いたします。
告示定住第6号【ハ】の条文
まずは、法務省告示第132号に基づく条文です。条文は「柱書(大前提)」と「ハ(個別要件)」に分かれています。
六 次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
イ、ロ(中略)
ハ 第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で、一年以上の在留期間を指定されている「定住者」の在留資格をもつて在留するものの扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子であつて素行が善良であるもの
1. どのような制度か(対象者)
対象者
日系3世(または日系3世の配偶者)である定住者の「実子(世代としては4世にあたる子)」。
素行善良要件 あり。 犯罪歴がないことの証明(無犯罪証明書の提出)が必須です。
2. なぜこのような制度があるのか(理由と原因)
1990年代以降、日系人コミュニティで若者による非行や犯罪が深刻な社会問題化した歴史があります。国は「日系3世の家族については、たとえ子供であっても入国前に厳格な素行審査(水際対策)を行う必要がある」と判断しました。
この「治安維持」の強い意志が、6号の中でこの「ハ」にだけ素行善良要件を設けた真の理由です。
3. 具体例:どのような人に適用されるか
該当例
ブラジル国籍の日系3世(定住者)が、ブラジルで育った17歳の息子を呼びたい。
理由
親が日系3世であるため、子供は必ずこの【ハ】のルートを通らねばならず、無犯罪証明書で潔白を証明しなければ入国は許可されません。
⚠️ 柱書にある「除く規定」のすべて
(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)
【除く規定に該当する(除外される)のは誰か、その理由と原因】
誰が除外されるか
申請する子供自身が、告示第1号(難民等)、第3号(日系3世)、第4号(元日本人の孫である日系3世)、第8号(法務大臣が個別に指定した者)のいずれかに該当する場合。
除外される理由・原因(なぜか)
法律の「二重適用の防止(優先順位の整理)」が原因です。例えば、日系3世の子供は、世代としては「日系4世」になりますが、もしその子供自身が何らかの事情で「日系3世(第3号)」の血統要件を満たす場合、その子は「親に扶養される子供(6号)」としてではなく、「自立した日系人(3号)」として優先して審査されるべきだからです。適切な専用ルートへ案内し、法律上の重複を避けるためのシステムです。
【除かれない人は誰か、その理由と原因】
誰が除かれないのか
自身が日系3世や難民といった「独立した特別なルーツ」を持たない、純粋な「日系人(3世など)の子供(世代としては4世にあたる子供)」です。
除かれない理由・原因
彼らは、親の保護と扶養を受けることだけを前提とした「子供としての定住者」の枠組みで保護すべき対象(本条文のメインターゲット)そのものであるため、当然除外されません。
📌 要件のすべてと、該当する人・しない人
6号【ハ】で日本に入国・定住するためには、以下の要件を満たす必要があります。
1. 呼び寄せる人(日本にいる親)の要件と理由
要件
告示第3号(日系3世)、第4号(元日本人の孫)、または第5号ハ(日系3世の配偶者)として定住者ビザを得た者であること。
その在留期間が「1年以上」であること。
なぜこのような要件になるのか(理由)
前回解説した「6号ロ」のルートから、日系3世の家族だけを意図的に排除し、この「6号ハ」という隔離された専用ルートに集めるためです。
日系人ルートの定住者が子供を呼ぶ場合は、必ず後述する「素行善良要件」の審査を受けさせるという、国の絶対的な防衛方針があるためです。
2. 申請者(海外から呼ばれる子供)の要件と理由
要件
呼び寄せる人(日本にいる親)の「実子(生物学的な子供)」であり、「未成年(18歳未満)」「未婚」であり、親の「扶養を受けて生活する」こと。
なぜこのような要件になるのか(理由)
労働目的の出稼ぎではなく、親の保護下で教育を受け、健全に成長させるための「保護ビザ」という大前提を維持するためです。
⚠️ 重要な注意点
ここでの「未成年」とは、日本の民法上の年齢基準ですが、判断されるタイミングは「在留資格認定証明書の申請時」ではなく、「日本入国時の年齢」である点に注意が必要です。
【要件を満たす人(該当する人)(許可される人)の具体例】
具体例
<ブラジル国籍の日系3世(父親)と、非日系の妻(5号ハ)の間に生まれた実子>
父親は【定住者】(第3号・期間3年)、母親は【定住者】(第5号ハ・期間3年)として日本で働いています。彼らが、ブラジルの祖父母に預けていた12歳の実子を日本に呼びたいと考えました。
該当する理由
呼び寄せる人である親が「3号または5号ハ」であり、期間も1年以上です。子供は未成年・未婚の実子であるため、この6号【ハ】に完全に該当します。
【要件を満たさない人(適用外の人)(不許可になる人)と原因】
具体例
日本人と離婚した定住者(母親)の「実子」
適用されない原因
母親が「日系3世等」ではないため、呼び寄せる人(日本にいる親)の要件を満たしません。この親子は、素行善良要件のない「6号【ロ】」のルートに適用すべき対象であり、この「ハ」のルートからは適用外(不適合)となります。
📄 手続きのすべてと、その理由
※参考リンク 申請手続きの基本情報や提出書類のひな形については、出入国在留管理庁の公式ページもあわせてご参照ください。
6号【ハ】で子供を呼ぶためには、以下の厳格な手続きが必須です。
親子関係を証明する母国の「出生証明書」。
親の「課税証明書・納税証明書(収入証明)」および「在職証明書」。
【絶対必須】
母国の公的機関(警察等)が発行する、子供の「犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)」。
※国ごとの刑事責任年齢に応じて、概ね14歳以上等から提出が求められます。
なぜこのような手続きになるのか(原因と理由)
他の子供用ルート(イやロ)とは異なり、この「ハ」には法律上「素行善良要件」が明記されているためです。
入管は自称を信用せず、国家機関が発行した公文書によって、その子供に非行歴や犯罪歴がないことを客観的に証明させる手続きが、治安維持のために不可欠となるからです。
⚖️ 【最重要】6号【ハ】の「素行善良要件」のすべて
ここが、6号のイやロとは決定的に異なる、この条文最大の壁です。条文の末尾にはっきりと「であつて素行が善良であるもの」と刻まれています。
なぜ未成年の子供に「素行善良要件」を課すのか?(理由と原因)
1990年代以降、労働力として来日した日系人家庭において、親が長時間労働で不在になりがちであったため、言葉の壁も相まって子供たちが学校からドロップアウトし、社会的に孤立しました。
その結果、一部の地域で日系人の若者による非行グループの結成や、窃盗、傷害などの少年犯罪が深刻な社会問題化しました。
国家は、「日本の治安と学校環境を守るため、日系3世の家族(5号ハ)だけでなく、その『子供(6号ハ)』についても、入国前の段階で徹底した非行歴・犯罪歴のスクリーニング(水際対策)を行わなければならない」と判断したのです。これが、この条文にだけ素行善良要件が突き刺さっている真の原因です。
【要件を満たす人(該当する人)(許可される人)】
具体例
<母国で真面目に中学校に通っている14歳の子供 >
ブラジルの警察から「無犯罪証明書」を取得・提出し、客観的に潔白が証明された場合、素行善良と認定され該当します。
【適用されない人(不許可・除外される人)の原因】
具体例
母国で喧嘩による傷害や、薬物等で「警察の補導歴や少年院送致」の記録がある17歳の子供
不許可の原因
親がどれほど「日本でやり直させたい」と訴えても、公的機関の記録に非行歴が残っていれば、「日本の社会秩序を乱すおそれがある(素行善良ではない)」と客観的に認定され、冷酷に不許可となります。
🔥 実務上での最も大事な考え方
最後に、この6号【ハ】の実務において、最も神経を尖らせる「致命的なポイント」をお伝えします。
【実務の極意:「年齢の壁」と「素行不良」のダブルパンチ】
6号【ハ】は、6号の中で最も不許可率が高い、極めて厳しいルートです。なぜなら、入管の審査官は、高年齢(15歳〜17歳)の子供に対して以下の「2つの強い疑い」を同時に向けるからです。
就労目的の疑い
(ロと同じく)「親の扶養を受けるというのは嘘で、本当は日本の工場等に出稼ぎに来るのではないか?」という疑い。
非行の隠蔽の疑い
「この年齢まで母国に置いておいたのは、母国の学校を退学になり、不良グループとつるんで手がつけられなくなったから、日本の親の元に逃がそうとしているのではないか?」という疑い。
不許可になる原因と実務上の対策
もし母国の学校の「成績証明書」や「在学証明書」が出せず、空白の期間(ブラブラしていた期間)がある場合、審査官は「素行不良である」と強く推定します。
したがって実務においては、無犯罪証明書の提出はもちろんのこと、「母国で現在まで無遅刻無欠席で学校に通っていた成績証明書」と、「日本で必ず進学させる高校の合格証や、親の完璧な資金計画」をセットで提出し、「就労目的でもなく、非行少年でもない」ことを、山のような証拠で完全武装して立証しなければ、決して許可は下りません。
定住者告示第6号【ハ】。それは、親と暮らす子供の権利を保障する一方で、過去の社会問題の反省から生み出された「日系人コミュニティの若者に対する、国家の厳格な治安維持システム」です。
「親の属性(日系人)」によって、子供に求められる法律上のハードル(素行善良要件の有無)がここまで明確に異なるという事実こそが、日本の入管法が緻密な政策と歴史の上に構築されていることの最大の証明です。
【ニ】親が日本人や永住者等と結婚している場合(連れ子定住)

💡 「連れ子定住という名のパズル」
この規定は、外国人が日本人等と国際結婚した際、母国に残してきた「前婚の子供(連れ子)」を日本に呼び寄せるための専用の受け皿です。
日本の入管法がどれほど綿密に「親の在留資格のステータス」を分類し、子供の救済ルートを構築しているか。その法的構造を解説いたします。
条文は「柱書(大前提)」と「ニ(個別要件)」に分かれています。
六 次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
(中略)イ、ロ、ハ ニ
日本人、永住者の在留資格をもつて在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている「定住者」の在留資格をもつて在留する者の配偶者で「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」の在留資格をもつて在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
🧩 なぜ「ニ」の条文が存在するのか?(法的なパズルの謎解き)
「親が【定住者】なら『6号ロ』で実子を呼べるはず。なぜわざわざ『ニ』の条文が必要なのか?」と。 ここに、入管法の極めて論理的で美しいパズルが存在します。
理由
例えば、フィリピン国籍の女性が日本人男性と結婚した場合、彼女の在留資格は「日本人の配偶者等」になります。
彼女は【定住者】の在留資格を持っているわけではありません。 もし彼女が、前夫との間にもうけた実子(連れ子)を呼ぼうとした時、これまでの条文を当てはめるとどうなるでしょうか?
6号イ(日本人の実子): 連れ子は日本人夫とDNAが繋がっていないために「適用外」。
6号ロ(定住者の実子): 母親は「定住者」ではなく「日本人の配偶者等」なので「適用外」。
このように、そのままでは「日本人や永住者と結婚した外国人の方の連れ子」が、日本の法律のどこにも引っかからず、日本に入国できなくなってしまう「法の空白(バグ)」が生じます。
このバグを修正し、「親の在留資格が『配偶者等』であっても、その連れ子を救済するための専用の受け皿」として特別に作られたのが、この「6号【ニ】」なのです。
1. どのような制度か(対象者)
対象者
いわゆる「連れ子」。日本人や永住者、特別永住者の人と再婚した外国人の方が、前婚でもうけた子供。
素行善良要件 適用なし。
2. なぜこのような制度があるのか(理由と原因)
例えばフィリピン人女性が日本人と再婚した場合、彼女の在留資格は「日本人の配偶者等」になります。しかし彼女の連れ子は「日本人の実子」ではありません。
そのままでは「親が定住者ではない」ため【ロ】も使えず、子供が呼べない空白期間が生じてしまいます。この再婚家庭の子供を救済するための専用ルートが【ニ】です。
3. 具体例:どのような人に適用されるか。
該当例
日本人と再婚した外国人の方が、母国の前夫との間の未成年で未婚の実子(14歳)を呼び寄せ、新しい日本の家庭に迎え入れたい。
理由
親が「日本人の配偶者等」であっても、その連れ子を「定住者」として受け入れる法的な裏付けがこの【ニ】によって提供されます
⚠️ ※ このような制度の目的上、18歳までに入国審査を完了し、入国することが必要となりますが、実務上は中学校卒業(目安として15歳)するぐらいなると入管に「なぜ、今なのか?」「これから日本に来てどうするのか?」を、非常に厳しく審査されるようになることに注意が必要です。
📌 要件のすべてと、該当する人・しない人
6号【ニ】で連れ子を日本に呼ぶためには、以下の要件を満たす必要があります。
1. 呼び寄せる人(実の親)の要件
要件
日本人、永住者、特別永住者、1年以上の在留期間を指定されている定住者、などと結婚している人であること。
その結婚に基づいて、「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格を持って日本に住んでいること。
なぜこの要件になるのか
前述の通り、「配偶者等」の在留資格で在留する者が自分の連れ子を呼ぶための専用ルートだからです。
⚠️ ※ この規定を適用させるには、【日本人の配偶者等】、【永住者の配偶者等】又は1年以上の在留期間が指定された【定住者】の配偶者の扶養を受ける未成年で未婚の子である必要があります。
⚠️ ※ 例えば日本人の方と(夫)、在留資格【技術・人文知識・国際業務】の妻(外国籍)が結婚し、その妻が結婚後も【技術・人文知識・国際業務】のままでいると、この規定を適用させて、本国にいる連れ子を呼ぶことはできません。この場合には、妻(外国籍)は【家族滞在】で本国にいる子を呼び寄せるか、【技術・人文知識・国際業務】から【日本人の配偶者等】へ在留資格を変更し、この規定を適用させて呼び寄せることになります。
2. 申請者(海外から呼ばれる連れ子)の要件
要件
呼び寄せる人の「実子(生物学的な子供)」であること。
「未成年(18歳未満)」であること。
「未婚」であること。
呼び寄せる人の「扶養を受けて生活する」こと。
なぜこの要件になるのか
この在留資格は出稼ぎ目的ではなく、「親の新たな家庭(継親との生活)に迎え入れられ、庇護下で健全に成長するための保護するための在留資格」だからです。すでに大人(18歳以上)であれば、新たな家庭での保護は不要とみなされます。
⚠️ 重要な注意点
ここでの「未成年」とは、日本の民法上の年齢基準ですが、判断されるタイミングは「在留資格認定証明書の申請時」ではなく、「日本入国時の年齢」である点に注意が必要です。
【要件を満たす人(該当する人)(許可される人)の具体例】
具体例
日本人男性と再婚したタイ国籍のAさん(母親)の連れ子 Cくん
Aさんは日本人男性Bさんと結婚し、「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に住んでいます。Aさんは、母国タイの前夫との間にCくん(14歳・未婚)をもうけており、現在タイの親戚に預けています。Aさんと日本人夫Bさんは、Cくんを日本に呼び寄せて新しい家族として一緒に暮らしたいと考えました。
該当する理由
母親が「日本人の配偶者」の在留資格を持っており、Cくんは未成年で未婚の実子であるため、この6号【ニ】の要件に完全に該当します。
【要件を満たさない人(適用外の人)(不許可になる人)と原因】
具体例
母国で高校を卒業して働いている18歳の連れ子
適用されない原因
日本の成人年齢は18歳です。親が「一緒に暮らしたい」と強く願っても、法律上の「未成年」という客観的要件を満たさないため、機械的に適用外(不許可)となります。
⚠️ 柱書にある「除く規定」のすべて
条文の冒頭(柱書)にあるカッコ書きの「除く規定(除外規定)」について解説します。
(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)
【除く規定に該当する(除外される)のは誰か、その理由と原因】
誰が除外されるか
申請する子供自身が、告示第1号(難民)、第3号(日系3世)、第4号(元日本人の孫)、第8号(法務大臣特別指定)のいずれかに該当する場合。
除外される理由・原因(なぜか)
これは「法律の優先順位の整理」です。例えば、連れ子自身が母国の迫害から逃れてきた「難民(1号)」である場合、国は一般的な親族の枠組みではなく、人道上の「難民」として最優先で別の専用ルートで保護すべきだからです。
【除かれない人は誰か、その理由と原因】
除かれないのは誰か
難民や日系人といった特別な事情を持たない、純粋な「外国人配偶者の連れ子」です。
なぜ除かれないのか
彼らはこの条文が救済しようと設定した「メインターゲット」そのものであるため、当然除外されず、このルートを使用できます。
⚖️ 【重要】6号【ニ】における「素行善良要件」の真実
ここも、非常に緻密な法律のバランスが取られている部分です。 6号【ニ】の条文には「素行善良要件」は存在しない 6号イやロと同様に、この「6号【ニ】」の条文にも、「素行が善良であるもの」という文言は一切記載されていません。
※6号の中で記載があるのは、日系人ルートである「6号【ハ】」のみです。
なぜ条文に記載されていない(免除されている)のか?(理由と原因)
日本で新たな家庭(日本人や永住者との婚姻生活)を築いている親が、未成年の我が子を呼び寄せて一つ屋根の下で育てることに対し、国は人道上の観点から「無犯罪証明書の提出」といった過剰な足切りハードル(素行善良要件)を強要すべきではないと判断しています。
そのため、意図的に条文から免除されています。ただし、上陸拒否事由に該当するような重犯罪歴がある場合は当然不許可となる可能性はあります。
📄 手続きのすべてと、その理由
※参考リンク 申請手続きの基本情報や提出書類のひな形については、出入国在留管理庁の公式ページもあわせてご参照ください。
6号【ニ】で連れ子を呼ぶためには、以下の手続きが必須です。
親子関係を証明する母国の「出生証明書」や離婚証明書(親権の証明)。
継親(日本人や永住者の夫/妻)の「戸籍謄本」と「世帯全員の住民票」。
親および継親の「課税証明書・納税証明書(収入証明)」および「在職証明書」。
【最重要】「呼び寄せの経緯・理由書」および継親の「身元保証書」。
なぜこのような手続きになるのか(原因と理由)
連れ子を呼ぶ際、最大の焦点は「実の親」だけでなく、「血の繋がっていない継親(日本人夫など)が、その子供を自分の家族として受け入れ、経済的にも精神的にも養育・扶養する確固たる意思があるか」です。
これを国に証明させるため、継親の戸籍や収入証明、そして身元保証書の提出が絶対に不可欠となるからです。
🔥 実務上での最も大事な考え方

最後に、この6号【ニ】(連れ子定住)の実務において、最も神経を尖らせる「3つの致命的なポイント」をお伝えします。
【実務の極意①:年齢の壁と「就労目的」の猛烈な疑い】
15歳〜17歳の連れ子を呼ぶ場合、審査は極めて過酷になります。
原因と対策
審査官は「真の目的は日本の工場で働かせる出稼ぎではないか?」と疑います。そのため実務では、「日本でどの高校・日本語学校に通わせるのか」の合格証や、継親が学費を全額負担する資金計画を完璧に提出し、「絶対に就労させず、学校で教育を受けさせる」と強く立証しなければなりません。
【実務の極意②:呼び寄せの「合理性」(なぜ今まで放置し、なぜ今呼ぶのか?)】
原因と対策
親が日本に来てから5年も10年も子供を母国に放置しておいて、突然「一緒に暮らしたい」と申請しても、入管は「なぜ急に? やはり就労目的ではないか?」と疑います。
そのため実務では、「母国で子供の面倒を見ていた祖母が高齢で倒れたため」「継親との新しい日本の生活が安定し、ようやく養育できる経済力が整ったため」など、「なぜ今、呼び寄せなければならないのか」という合理的な理由書を、証拠(祖母の診断書など)を添えて提出する必要があります。
【実務の極意③:継親(日本人配偶者等)の「真の同意」】
原因と対策
連れ子定住において、不許可になる原因で多いのが「継親の収入が低い」こと、あるいは「継親が本当は連れ子との同居を快く思っていないことが面接等(事情聴取または詳細な理由書の追加要求)でバレる」ことです。
実務においては、血の繋がらない継親に対し「連れ子を扶養することの重い責任」を理解させ、継親名義の十分な収入証明と、継親自身の言葉で綴られた熱意ある理由書を用意することが、許可を勝ち取るための最大の鍵となります。
📝 実務で絶対に外せない!未成年・実子の呼び寄せ必須タスクToDoリスト

① 年齢要件の確認と逆算スケジューリング(18歳の壁)
日本の民法上の成人年齢は18歳です。「未成年」の判断基準は「在留資格認定証明書の申請時」ではなく「日本入国時の年齢」となります。
例えば、現在17歳6ヶ月の子供を呼ぶ場合、審査期間(数ヶ月)を考慮すると入国時に18歳を超えてしまい不許可になるリスクがあります。
常に「入国時の年齢」から逆算し、1日でも早い申請準備を行うことが実務上の絶対条件です。
② 扶養能力(経済力)の客観的証明と収入基準のクリア
「扶養を受けて生活する」という要件を満たすため、親(日本にいる本体者)の課税証明書・納税証明書、在職証明書の取得が必須です。
具体的には、親の年収が著しく低い場合(例えば世帯年収が200万円未満など)、子供に十分な教育を受けさせる経済力がないとみなされ不許可になります。
不足する場合は、預貯金残高証明書や親族の援助等、追加の資金証明を完璧に揃える必要があります。
③ 就労目的を否定するための「就学・教育計画」の策定と立証
15歳〜17歳の子供を呼ぶ場合、入管は「日本の工場やコンビニで働かせる出稼ぎ目的」と強く疑います。
これを覆すため、実務では「日本で編入する高校や日本語学校の合格通知書・入学許可書」を事前に取得し、「学費の支払い計画書」と共に提出します。
「絶対に労働させず、親の全額負担で教育を受けさせる」という揺るぎない証拠を自発的に提出することが許可の鍵です。
④ 呼び寄せの「合理性」と「経緯」の証明(なぜ今まで放置し、今呼ぶのか)
親が日本に来てから長期間(5年や10年)子供を母国に放置していた場合、「なぜ急に今呼ぶのか?」が厳しく問われます。
例えば「母国で面倒を見ていた祖母が高齢で倒れ、介護診断書があるため」「日本の生活基盤が安定し、養育資金が貯まったため」など、客観的証拠(診断書や送金記録等)に基づいた「合理的で切実な理由書」を作成し、入管の疑念を払拭しなければなりません。
⑤ 日系人ルート(ハ)における「無犯罪証明書」と「成績証明書」の確実な取得
親が日系人の場合(6号ハ)、法律上「素行善良要件」が課されるため、母国の警察等公的機関が発行する子供の「犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)」が絶対必須です。
さらに、空白期間があると非行を疑われるため、「現在まで無遅刻無欠席で通っている母国の学校の成績証明書や在学証明書」をセットで提出し、「非行少年ではないこと」を完全武装して証明するタスクが不可欠です。
⑥ 連れ子定住(ニ)における継親の「真の同意」と「身元保証書」の確保
外国人親が日本人等と再婚した連れ子を呼ぶ場合、血の繋がらない継親(日本人夫など)の真の受け入れ意思が審査の焦点となります。
継親の戸籍謄本や収入証明に加え、継親自身の言葉で「連れ子を自分の家族として精神的・経済的に責任を持って養育する」と綴られた熱意ある「理由書」と、継親自らが署名した「身元保証書」を確実に用意することが最大の重要タスクとなります。
⑦ 本国での公的な身分関係証明書(出生証明書等)の収集と正確な翻訳
入管は自称の親子関係を一切信用しません。母国の公的機関が発行した「出生証明書」の原本取得が必須であり、場合によってはDNA鑑定書の提出も視野に入れます。
また、連れ子の場合は親権を証明する「離婚証明書」等も必要です。これら外国語の公文書はすべて、日付や名前に一文字の狂いもない正確な日本語翻訳文を添付して提出する緻密な作業が求められます。
❓ 定住者告示第6号(未成年の実子・連れ子の呼び寄せ)に関するよくある質問(FAQ)
Q1: 17歳の実子を母国から呼び寄せることは可能ですか?
A1:法律上は18歳未満であれば申請可能ですが、実務上は極めて過酷な審査となります。
入管は15歳〜17歳の呼び寄せについて「真の目的は日本で働かせる出稼ぎ労働ではないか」と強烈に疑います。
許可を得るためには、母国での成績証明書の提出や、日本で必ず高校等に進学させるための合格通知書、そして学費を全額払える親の確固たる経済力の証明など、「絶対に就労させず教育を受けさせる」という完璧な証拠の提出が不可欠です。
Q2: 「素行善良要件」が免除されているルート(イ・ロ・ニ)なら、犯罪歴があっても入国できますか?
A2: いいえ、フリーパスで入国できるわけではありません。
「素行善良要件がない」というのは、「母国の警察から無犯罪証明書を取得して提出する法的な絶対義務が免除されている」という意味にすぎません。
もし入管法第5条に規定される「上陸拒否事由(1年以上の懲役歴や薬物犯罪歴など)」に該当するような重犯罪の履歴が判明した場合は、大原則として日本への入国は拒否され、不許可となります。
Q3: 難民認定を受けた定住者ですが、妻の連れ子(私と血の繋がりがない子)を6号【ロ】で呼び寄せることはできますか?
A3:できません
6号【ロ】の条文には「実子」と厳格に規定されているため、生物学的な血縁関係がない妻の連れ子は対象外(適用外)となります。
連れ子を呼び寄せる場合は、「6号【ニ】(連れ子定住)」という別の専用条文の要件を満たす必要があります。この場合、親の在留資格ステータスや継親の真の同意が別途厳格に審査されます。
Q4: 申請の絶対要件である「未成年」かどうかは、いつの時点の年齢で計算されるのですか?
A4
ここが実務上最も注意すべき点ですが、「未成年(18歳未満)」であるかどうかの判断は「在留資格認定証明書の申請を窓口に提出した日」ではなく、「実際に日本に入国(上陸)する時の年齢」で判断されます。
審査には数ヶ月かかることが多く、申請時に17歳後半であっても、結果が出て日本に入国する際に18歳を超えてしまえば機械的に不許可または上陸拒否となりますので、早急な逆算スケジュールが必要です。
Q5: 連れ子定住(ニ)を申請する際、日本人である継親の収入が低い場合でも許可されますか?
A5: 許可される可能性は極めて低くなります
連れ子定住(ニ)における最大の焦点は、「血の繋がらない継親が、その子供を自らの家族として受け入れ、経済的・精神的に十分な扶養を行えるか」です。
継親の収入証明(課税証明書等)が低く、子供を養育する生活基盤がないとみなされれば、「扶養を受けて生活する」という絶対要件を満たさないため不許可になります。不足する場合は預金残高や他の資金証明で完璧に補う必要があります。
Q6: なぜ日系3世の子供(ハ)のルートだけ「無犯罪証明書」の提出が義務付けられているのですか?
A6: 過去の歴史的背景と治安維持が理由です。
1990年代以降、日系人家庭の若者たちが言葉の壁や親の長時間労働による不在からドロップアウトし、一部で非行や少年犯罪が深刻な社会問題化した歴史があります。
そのため国は、「日系人の家族については、未成年の子供であっても入国前に徹底した非行歴・犯罪歴の水際審査を行う」と判断し、このルート(ハ)にだけ「素行善良要件(無犯罪証明書の提出)」を明記しているのです。
Q7: 親が日本人に帰化する「前」に母国で生まれた子供は、どの在留資格で呼び寄せることになりますか?
A7: 定住者告示第6号【イ】で呼び寄せます。
子供の出生時に親が日本人ではなかったため、本来の『日本人の配偶者等(実子)』の在留資格は取得できません。しかし、現在は日本人である親の「未成年の実子」である事実は揺るがないため、このような出生のタイミングで法の枠から外れてしまった子供を救済するセーフティネットとして、この6号【イ】が適用されます。
当事務所は、その良心に従い、誠意をもって、依頼者に寄り添って問題を解決させて頂くことをモットーとしております。そのため、お客様に帰責事由がない限り、不許可の場合には成功報酬はいただかない(無料とする)方針をとっております(※翻訳代や現地弁護士との折衝実費等の初期費用・着手金のみ頂戴いたします)。もちろん相談などは無料となっておりますので、何なりとおっしゃってくださいませ。

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