【2026年最新版】特別代理人の選任とは?必要なケースや手続きの流れ・申立書の書き方まで完全解説
- 7月20日
- 読了時間: 21分
更新日:8月5日
ご家族がお亡くなりになり、悲しみの中で相続などの大切なお手続きを進める際、窓口で「未成年のお子様のために特別代理人を立ててください」とご案内を受け、戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。
特別代理人とは、ご家族の皆様の間で一時的に立場が異なってしまう状況において、立場の弱い方(お子様など)の権利を優しく、かつ確実に守るための法律上の大切な制度です。
本記事では、2026年現在の最新法令に基づき、どのような場合に特別代理人が必要になるのか、家庭裁判所での具体的なお手続きの流れ、申立書の書き方や必要書類の全容について、専門用語をわかりやすく解説いたします。ご家族の皆様が安心してお手続きを進められるよう、丁寧にお伝えしてまいります。

【目次】
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【特別代理人の選任の申立ての3つのポイント】
特別代理人の重要な役割
親権者などとお子様の間で「利益が相反する(一方が増えれば一方が減る関係になる)」際に、お子様の権利を保護するため、一時的に代わりにお手続きを行う方のことです。
申立先の厳格なルール
申立てを行う家庭裁判所は「亡くなった方(被相続人)」の住所地ではなく、必ず「未成年者(お子様)ご自身の住所地」を管轄する裁判所(例:愛媛県西条市在住なら松山家庭裁判所 西条支部)となります。
申立書と必要書類のポイント
申立書には候補者や選任理由を正確に記載し、法定相続分を満たした遺産分割協議書(案)や、発行から3ヶ月以内の戸籍謄本・財産資料を一括して準備・提出する必要があります。
1. 特別代理人?なぜ必要なのか(法的根拠と基本知識)
特別代理人とは、親権者や成年後見人などが、本来代理すべきご本人(未成年のお子様や成年被後見人)と「利益が相反する行為(一方の利益が他方の不利益になる行為)」を行う際に、ご本人に代わって一時的にそのお手続きを行う方のことです。
法律上(民法第818条など)、親は未成年のお子様の「法定代理人」として、預貯金の解約や不動産の名義変更といった財産管理の手続きを代行する権限を持っています。しかし、親とお子様の利益がぶつかってしまう場面においては、「親がご自身の利益を優先してしまい、お子様の権利が損なわれてしまうこと」を未然に防ぐための仕組みが必要となります。
そのため、民法第826条(未成年者の場合)および民法第860条(成年被後見人の場合)により、そうした特定の場面では親や後見人の代理権が制限され、代わりに中立な立場である「特別代理人」を家庭裁判所で選任することが厳格に定められています。これは決してお客様を疑うものではなく、お子様の未来の財産をお守りするための法律上の温かいセーフティネットです。
裁判所(最高裁判所)特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)
現場のリアルな声
「家族のためを思って、親である私が代表してすべて手続きしようとしたら、銀行や法務局の窓口でストップがかかってしまい驚きました。最初は戸惑いましたが、子どもの権利を守るための大切なルールだと知り、納得して手続きを進めることができました。」
2. 特別代理人が必要となる代表的ケースと具体例

特別代理人の選任が必要となる最も一般的な場面は、ご家族がお亡くなりになられた際の「遺産分割協議(遺産の分け方の話し合い)」です。どのような関係性において利益が相反するのか、代表的な3つのケースを詳しく解説いたします。
夫が亡くなり、妻と未成年の子どもが相続人になる場合
例えば、お父様がお亡くなりになり、お母様と未成年のお子様が遺産を分ける話し合い(遺産分割協議)を行うケースです。この協議において、お母様の取り分を増やせば、自動的にお子様の取り分が減るという関係性になります。これを法律上「利益が相反する関係」と呼びます。そのため、お母様はお子様の代理人になることができず、お子様のために特別代理人を立てて、その代理人と話し合いを行う必要がございます。
未成年の子どもが複数おり、親権者がそれぞれの代理人になる場合
親御様ご自身が相続人ではない場合(すでに相続放棄のお手続きを完了している、あるいは祖父母の遺産を孫が代襲相続する等)であっても、複数の未成年のお子様の代理人を、1人の親が兼任することはできません。
これは、「長男の取り分を増やせば、次男の取り分が減ってしまう」というようにお子様同士の間で利益が相反するためです(民法第826条2項)。この場合、お子様1人につき、それぞれ1人の特別代理人を別々に選任していただく必要があります。
成年後見人と被後見人が、共に同じ相続の当事者になる場合
高齢化に伴い増えているのがこちらのケースです。例えば、親が認知症などで成年被後見人(サポートを受ける方)となり、そのお子様が成年後見人(サポートをする方)を務めている状況で、別の親族(もう一方の親など)がお亡くなりになった場合です。
このケースでも、遺産分割において後見人自身と被後見人の間で利益が相反するため、ご本人のために特別代理人の選任が必要となります。
3. 【比較表】通常の手続きと特別代理人が必要な手続きの違い
ご自身の状況が「通常の手続き」で進められるのか、あるいは「特別代理人の選任」が必要になるのか、以下の表でわかりやすく整理いたしました。
比較項目 | 通常の手続き(利益相反なし) | 特別代理人が必要な手続き(利益相反あり) |
代理人として話し合いに参加する方 | 親権者 または 成年後見人 (未成年者は1人、その親権者は相続人でない等) | 家庭裁判所で選任された 特別代理人 |
代表的な具体例 | 祖父母の遺産を未成年の孫1人が代襲相続し、親は相続人ではない場合 | 父親の遺産を、母親と未成年の子どもが一緒に相続する場合 |
家庭裁判所での事前の手続き | 不要(親権者としてそのままお手続きが可能です) | 必要(事前の申立てと審判が必須となります) |
申立先の管轄裁判所 | なし | 未成年者(お子様)の住所地を管轄する家庭裁判所 |
遺産分割協議書への署名・実印の捺印 | 親権者がお子様に代わって署名・実印を捺印します | 選任された特別代理人が代わって署名・実印を捺印します |
4. 事前準備と要件確認チェックリスト(6項目)

家庭裁判所へのお手続きをスムーズに、かつやり直しなどのご負担なく進めるためには、事前の状況確認が非常に重要です。お手続きに入る前に、以下の6項目を満たしているかご確認をお願いいたします。
【1. 相続人の確定】未成年者や被後見人が含まれているかの確認
(法的根拠:民法第887条・第889条・第890条)
お亡くなりになった方の戸籍を出生から死亡まで遡り、法律上の相続人を確定します。相続人の中に未成年者や成年被後見人がいる場合、本制度による特別な保護手続きが必要となります。
【2. 利益相反の確認】親と子が同時に相続人になっていないかの確認
(法的根拠:民法第826条1項)
親(法定代理人)と未成年の子どもが共に相続人となる遺産分割は「利益相反行為」に該当します。この場合、親がお子様の代理をしてはならないと法律で厳格に定められています。
【3. 複数選任の確認】未成年の子どもが2人以上いる場合の確認
(法的根拠:民法第826条2項)
親が同一の親権に服する複数のお子様の代理人を兼ねることも利益相反となります。未成年のお子様が2人以上いる場合は、1人につき1名ずつ、別々の特別代理人候補者を手配するご準備が必要です。
【4. 分割内容の確認】お子様の「法定相続分」が確保されているかの確認
(法的根拠:民法第900条・家事事件手続法第39条)
家庭裁判所は「未成年者の利益保護」を最優先に審査を行います。そのため、作成予定の遺産分割協議書(案)は、民法で定められた「法定相続分(目安となる割合)」を下回らない内容であることが原則として求められます。
【5. 候補者の選定】利害関係のない適任者を選定しているかの確認
(法的根拠:民法第826条)
特別代理人に特別な資格制限はありませんが、今回の遺産分割において当事者(相続人)ではなく、かつお子様と利益が対立しない方(今回の相続人ではない祖父母、叔父・叔母など)や専門家を候補者としてお願いしておく必要があります。
【6. 管轄裁判所の確認】申立先が「未成年者の住所地」であるかの確認
(法的根拠:家事事件手続法第162条)
特別代理人の選任申立ては、亡くなった方(被相続人)の住所地ではなく、必ず「未成年者(お子様)ご自身の住所地」を管轄する家庭裁判所に行うことが規定されています。お間違いのないよう裁判所のホームページ等で管轄をご確認ください。
現場のリアルな声
「特別代理人の候補者を親族(お子様の祖父母や叔父様など)にお願いする場合、『後日、家庭裁判所から状況を確認する郵便物(照会書)が届くかもしれない』と事前にお伝えしておくと、驚かれずにその後のご対応が大変スムーズに進みます。」
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5. 家庭裁判所での申立て行動・手順ToDoリスト(7項目)

実際に特別代理人を選任し、法的効力のある遺産分割を完了させ、銀行や法務局での名義変更を終えるまでの具体的な手順です。
【Step 1】特別代理人候補者へのご依頼と内諾(家事事件手続法に基づく事前準備)
未成年者と利益が対立しない親族にお手続きの事情を丁寧に説明し、内諾を得ます。適任者がいらっしゃらない場合やご負担をかけたくない場合は、弁護士や司法書士等の専門家に依頼することも可能です。この段階で、候補者の方の「住民票」や「戸籍の附票」を手配していただきます。
【Step 2】遺産分割協議書(案)の作成(民法第907条に基づく協議の準備)
申立ての段階で、「このように遺産を分けます」という具体的な案を作成し、裁判所に提出する必要があります。お子様に不利にならないよう、法定相続分以上の財産をお子様が取得する内容で作成するのが基本となります。
【Step 3】必要公的書類の取得・収集(家事事件手続規則に基づく添付書類の用意)
ご家族の身分関係を証明するため、未成年者と親権者の戸籍謄本、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得します。あわせて、遺産の全容を証明する資料(不動産登記事項証明書、固定資産税評価証明書、預貯金通帳の写しや残高証明書等)を役所や金融機関で取得します。
【Step 4】申立書の作成と費用の準備(民事訴訟費用等に関する法律等に基づく納付)
家庭裁判所指定の「特別代理人選任申立書」に必要事項を記入します。申立費用として未成年者1人につき800円の収入印紙を購入し、管轄裁判所が指定する金額分(数百円から千円程度)の連絡用郵便切手を準備します。
裁判所(最高裁判所)特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)
【Step 5】家庭裁判所への提出(家事事件手続法第162条に基づく管轄への申立て)
すべての準備が整いましたら、未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所の窓口へ直接書類一式を提出するか、書留郵便等で郵送にて申立てを行います。
【Step 6】裁判所の審理・照会へのご対応(家事事件手続法に基づく事実の調査)
申立て後、家庭裁判所の審査が始まります。必要に応じて、裁判所から親権者や候補者宛てに「照会書(質問状)」が郵送されたり、面談が実施されたりする場合がございます。届いた場合は、期限内に速やかかつ正確にご回答ください。
【Step 7】審判確定と協議書の完成(民法第826条・第907条に基づく代理行為の実行)
審査に問題がなければ、約1か月から2ヶ月後に選任の「審判書謄本」が裁判所からご自宅に届きます。その後、選任された特別代理人が未成年者に代わって正式な遺産分割協議書へ署名し、特別代理人ご自身の実印で押印(および印鑑証明書の添付)を行うことで、法的に有効な遺産分割手続きが完了し、名義変更等へと進むことができます。
6. 【解説】申立書の具体的な記載事項と書き方の要点
裁判所(最高裁判所)特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)
家庭裁判所に提出する「特別代理人選任申立書」は、主に2面の書面から構成されています。記入漏れや誤りがあると、訂正のためのやり取りでお時間がかかってしまうため、以下のポイントを押さえて漏れなく正確に記載しましょう。
1面(基本情報欄)の記載事項
提出先裁判所・作成年月日
必ず「未成年者(お子様)の住所地」を管轄する家庭裁判所名(例:松山家庭裁判所 西条支部 宛て)と、書類を作成した日付を記載します。
収入印紙貼付欄
未成年者1人につき800円分の収入印紙を貼り付けます。貼った印紙には絶対に印鑑で消印・押印をしないでください。無効になってしまいます。
申立人の情報と連絡先
申立てを行う方(通常は親権者)の氏名・押印(認印で可)、住所、生年月日、職業、未成年者との関係(「父母」など)を記載します。また、平日の日中に裁判所から確実にお電話がつながる番号(携帯電話でも構いません)を必ず正確に記入してください。
未成年者(ご本人)の情報
お子様の本籍、住所(申立人と同居の場合は「同上」のチェックで可)、氏名、生年月日を記入します。学生の場合は通っている学校名(例:○○中学校)を「在校名」として記入します。
2面(申立ての理由・候補者欄)の記載事項
申立ての理由(該当番号の選択): 遺産分割が目的の場合は、「利益相反する者」の欄で「1. 親権者と未成年者との間で利益が相反する」等を選び、「利益相反行為の内容」の欄で「1 遺産を分割するため」に丸をつけます。
利益相反行為の具体的な内容
具体的な事情をカッコ内にわかりやすく記載します。記入例:『申立人の夫、未成年者の父である被相続人〇〇〇〇の遺産につき、遺産分割の協議をするため』と記載すれば問題ありません。
特別代理人候補者の情報
候補者の方の氏名、生年月日、職業、住所、電話番号に加え、「未成年者との関係(例:母方の祖父、父方の叔母など)」を詳しく記入します。
現場のリアルな声
「申立書の記入は難しそうに感じますが、裁判所のウェブサイトにある記入例を見ながら書けば、どなたでも作成可能です。もし書き間違えてしまった場合は、修正液は使わず、二重線を引いて訂正印を押すようにしてください。」
7. 必要書類と費用(目安)の一覧表

家庭裁判所での手続きには、様々な公的書類のご提出が求められます。ご取得いただいた書類は、原則として「発行から3ヶ月以内」のものをご準備いただく必要がございます。書類に不足があると手続きが長引く原因となりますので、以下の表で事前にしっかりとご確認をお願いいたします。
【表1】手続き費用と管轄一覧
項目 | 詳細な内容と注意点 |
申立先(管轄裁判所) | 未成年者(お子様)の住所地を管轄する家庭裁判所 (※亡くなった方(被相続人)の最後の住所地ではありませんのでご注意ください。例:愛媛県西条市にお住まいの場合は「松山家庭裁判所 西条支部」となります) |
申立ができる方 | 親権者、未成年後見人、利害関係人(他の相続人など) |
申立費用(収入印紙) | 未成年者1人につき 800円(申立書の所定欄に貼付します) |
連絡用郵便切手 | 数百円から千円程度 (※裁判所から書類を郵送するための費用です。管轄の裁判所によって予納する金額や切手の組み合わせが細かく異なります。事前に管轄の家庭裁判所へお電話等で必ずご確認ください) |
【表2】添付が必要な書類一覧
書類区分 | 具体的な必要書類 | 収集場所・備考 |
必ず必要な基本書類 | 特別代理人選任申立書 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書) 親権者の戸籍謄本(全部事項証明書) 特別代理人候補者の住民票 または 戸籍附票 | 申立書は裁判所窓口やウェブサイトから入手可能です。 戸籍類は本籍地の市区町村役場。 候補者の住民票等は、候補者のお住まいの役所でご手配いただきます。 |
遺産分割に関する資料 | 利益相反に関する資料 (遺産分割協議書の「案」など) 被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本(出生から死亡までの連続したもの) 相続財産に関する資料 (不動産登記事項証明書、預貯金通帳の写しや残高証明書、株式の残高証明など) | 協議書案はご自身または専門家が作成します。 被相続人の戸籍は本籍地の役場。 財産資料は法務局や各金融機関で発行してもらいます。 |
利害関係人からの申立て | 利害関係を証する資料(戸籍謄本など) | 関係する市区町村役場で取得します。 |
8. 手続きを進める上での大切な注意点(※重要事項)

家庭裁判所での手続きを進めるにあたり、後から「こんなはずではなかった」とならないよう、以下の重要な要件を必ずご確認ください。
特別代理人の権限は「特定の行為」に限られます
特別代理人は、申立時に指定した特定の行為(今回であれば提出した遺産分割協議書案に基づく分割手続き)が終われば、その任務は自動的に終了いたします。「代理人を立てることで、親御様の親権が失われてしまうのではないか」「その後の財産管理権もずっと奪われてしまうのではないか」とご不安に思われる方もいらっしゃいますが、そのようなことは一切ございませんのでご安心ください。あくまで「今回の遺産分割」という一つの行為に限られたサポート役です。
お子様の「法定相続分」の確保が原則となります
家庭裁判所は、選任の審判を行うにあたり「ご本人の利益がしっかりと守られているか」を非常に厳格に審査いたします。そのため、提出する遺産分割協議書の案は、原則として未成年者(または被後見人)の法定相続分(民法で定められた最低限の目安となる取り分)を下回らない内容である必要があります。
※【重要】提出する遺産分割協議書の案と別の内容で分割できる?
特別代理人の権限は「提出した案」にしか及ばない
家庭裁判所は、「この遺産分割協議書の案の内容であれば、未成年者の不利益にならない」と判断して初めて、特別代理人の選任を許可します。 つまり、選任された特別代理人は、「裁判所が許可した案の通りにハンコを押す権限」しか与えられません。 別の内容で契約を結ぶ法的な権限を持たないのです。
法務局の登記手続きや金融機関で必ずストップがかかる
遺産分割協議が終わった後、ご自宅の名義を変更するためには法務局で「相続登記」を行います。 このとき、家庭裁判所が発行した「審判書(選任の許可証のようなもの)」と「遺産分割協議書」を法務局に提出します。審判書には通常「別紙遺産分割協議書案のとおり分割協議をすること」と記載され、提出した案がくっついています。 法務局の担当者はこれを見比べるため、内容が1ミリでも違っていれば登記は却下されます。このことは金融機関なども同じことです。
特別代理人制度そのものが、「親が子どもの財産を(悪意がなくても)奪ってしまわないように保護する」ための国のルールですので、ここをすり抜けることはできない仕組みになっています。
現場のリアルな声
「お子様の将来の学費や日々の生活費に充てるため、管理しやすいように、とりあえずすべて母親名義でまとめておきたい」という親心は大変よくわかります。しかし、裁判所は『お子様の現在の法律上の権利』を最優先で確認いたします。
そのため、「すべて母親が相続する」といった内容の案を提出すると、お子様の法定相続分を確保する内容での見直し(お手続きの再考)を求められる場合が多くございます。もし、どうしてもお母様名義にまとめたい等の例外的な事情がある場合は、「代償分割(不動産はお母様がもらう代わりに、同等額の現金を子どもの口座に振り込む)」を活用したり、かなりハードルは高くなりますが、合理的な理由を裁判所にしっかり説明する上申書を添えるなどして認められるなど専門的な工夫が必要となります。
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<未成年者の関係する相続関連記事>
審判が降りた後は、実際に金融機関での預金解約や、法務局での相続登記を進めていくことになります。特に不動産や預貯金のお手続きについては、以下の詳しい解説記事もあわせてご参考になさってください。
9. よくあるご質問(FAQ)
読者の皆様からよくお寄せいただく疑問を厳選し、わかりやすくお答えいたします。
特別代理人の選任手続きには、どのくらいの期間がかかりますか?
家庭裁判所に申立てを行ってから選任の審判(裁判所の決定)が下りるまで、一般的に約1ヶ月から2ヶ月程度の期間を要します。書類の不足や裁判所からの確認事項(照会)があるとさらに日数がかかるため、銀行や不動産のお手続き期限から逆算し、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
特別代理人には、どのような方がなれますか?
特別な資格は必要ありません。今回の遺産分割において当事者とならず、お手続上で利益がぶつからない方(今回の相続人ではない祖父母、叔父・叔母など)を候補者とするのが一般的です。ご親族にお願いするのが難しい場合は、弁護士や司法書士などの専門家(法律のプロ)を候補者として指定することも可能です。
未成年の子どもが2人いる場合、特別代理人は1人でよいでしょうか?
いいえ、お子様1人につき1人の特別代理人が必要となります。未成年のお子様が2人いらっしゃる場合は、お子様同士でも利益が対立する関係になるため、それぞれ別々の方(合計2名)を特別代理人として立てていただく必要がございます。
遺産分割が終わった後も、特別代理人の権限は続きますか?
いいえ、続きません。特別代理人の権限は、家庭裁判所に申立てた「特定の行為(今回の遺産分割協議など)」のみに限定されています。そのため、目的としたお手続きが完了した時点で、特別代理人の任務は自動的に終了いたします。
特別代理人を立てずに遺産分割を行うとどうなりますか?
法律で定められたルール(民法第826条等)に違反することになるため、その遺産分割協議は法的に認められず(無権代理行為となります)、不動産の名義変更や銀行の解約手続きを行うことができません。後日、お手続きを最初からやり直し、正しい手順を踏み直す必要が生じてしまいます。
10. 専門家へのご相談で、安心・確実なお手続きを

特別代理人の選任は、大切なお子様の権利を守り、ご家族の財産を正しく引き継ぐための非常に重要なステップです。しかし、裁判所へ提出する書類の収集や、法定相続分を考慮した遺産分割案の調整など、慣れないお手続きに大きなご負担やご不安を感じられる方も少なくありません。
もし「うちの場合は具体的にどう進めればいいのだろう?」「書類の書き方がどうしても分からない」「平日は仕事で役所や裁判所に行く時間がない」など、少しでもお困りのことがございましたら、どうかお一人で悩まずに、専門家による無料相談をご活用ください。
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裁判所(最高裁判所)特別代理人選任(親権者とその子との利益相反の場合)
デジタル庁(e-Gov法令検索)民法(明治二十九年法律第八十九号)
デジタル庁(e-Gov法令検索)家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)



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