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山本行政書士事務所

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「特定活動ビザ(EPA看護・介護人材と医療滞在)」〜【2026年最新】絶対条件と実務の裏側を完全ガイド

  • 20 時間前
  • 読了時間: 24分



「EPAでの外国人スタッフ受入れ要件が複雑すぎて分からない…」「海外から家族を呼んで日本の高度医療を受けさせたいが、ビザの許可が下りるか不安だ…」この記事にたどり着いたあなたは、今まさにそんな深い悩みを抱えているのではないでしょうか。2026年現在、深刻な人手不足や医療のグローバル化を背景に、外国人材や外国人患者の来日は急増しています。しかし、入管の手続きは年々厳格化しており、わずかな解釈の違いや準備不足が「一発不許可」という最悪の事態を招きかねません。


本記事では、出入国管理及び難民認定法(入管法)における在留資格「特定活動」のうち、特に実務上のハードルが高い特定活動ビザ「EPA看護・介護人材の受入れ」と「医療滞在ビザ」について徹底解説します。専門用語をわかりやすく噛み砕き、審査官が見ている「リアルな裏側」や具体例を交えて解説しますので、この記事を読めば、許可取得に向けた明確なロードマップが必ず見えてくるはずです。ぜひ最後までお読みください。



【目次】





特定活動ビザ(EPA看護・介護人材と医療滞在)【記事の要約(3つの結論)】



EPA外国人スタッフ受入れや医療滞在ビザの申請要件に悩む担当者と外国人
入管法令の厳格化に伴い、専門知識のないビザ申請は大きなリスクを伴います。


【結論1】EPA受入れの絶対原則は「労働力確保」ではなく「国家間合意に基づく厳格な人材育成」であること



EPA(経済連携協定)に基づくインドネシア・フィリピン・ベトナムからの看護師・介護福祉士候補者の受入れは、決して安価な労働力の確保手段ではありません。入管の審査において最も重視されるのは、国家試験合格に向けた具体的な教育的配慮です。そのため、「日本の有資格者(看護師・介護福祉士)による絶対的な監督体制」が整っているか、適切な研修計画が立案されているかが厳しく問われます。書類のわずかな不備が不許可に直結するため、完全な準備が不可欠です。



【結論2】医療滞在ビザ(第25号・第26号)成功の鍵は「相当期間の入院」と「盤石な資金力」の客観的証明



日本の高度医療を目的とした医療滞在ビザでは、単なる健康診断や一時的な通院ではなく、「相当期間の入院」を伴う治療であることが大前提となります。そして実務上、最も高いハードルとなるのが資金証明です。日本の公的医療保険が使えないため、高額な自由診療費や滞在費を完全にカバーできるだけの絶対的な資金力(自国の預金残高や国際的な民間医療保険など)を、受入先病院の治療計画書(受入証明)とともに明確に証明しなければなりません。



【結論3】家族滞在や付添人など、サポート役の「実務上の要件」は極めて厳格に審査される



EPA人材が資格取得後に家族を呼ぶ場合(第18・19号等)、単なる身分関係だけでなく、「同居」の実態と「経済的な扶養」の能力、さらには税金や年金などの公的義務の履行状況がシビアに審査されます。また、医療滞在患者の付添人(第26号)についても、活動目的はあくまで日常生活の「世話(ボランティア)」に限定されており、日本国内での就労(アルバイト等)は一切禁止されています。これらのルールを少しでも逸脱すれば、キャリアや治療の継続が絶たれるリスクがあります。

【あなたは該当する?許可取得の10項目チェックリスト】



ビザ申請前に、以下の項目を必ずチェックしてください。(すべてに「はい」と答えられれば、許可の可能性が大きく高まります)



特定活動ビザ(EPA・医療滞在)許可取得に向けた10項目の実務チェックリスト
民法改正による成年年齢引き下げ(18歳)など、最新法令への適合も重要なチェックポイントです。


  • [ ] 1. 【EPA受入】研修先施設に日本の「看護師」または「介護福祉士」の有資格者が常勤し、直接監督できる体制が完全に整っているか?



  • [ ] 2. 【EPA受入】単なる労働力確保ではなく、国家試験合格に向けた具体的な教育・研修計画が策定され、書面化されているか?



  • [ ] 3. 【EPA家族帯同】申請者と同居し、かつ日本で家族を経済的に扶養する十分な収入・貯蓄が証明できるか?



  • [ ] 4. 【EPA家族帯同】住民税、国民健康保険、国民年金などの公的義務を過去を含めて滞納なく適正に履行しているか?



  • [ ] 5. 【医療滞在】単なる通院や検診目的ではなく、「相当期間の入院」を伴う医学的な治療計画となっているか?



  • [ ] 6. 【医療滞在】受入先の医療機関から、具体的なスケジュールが記された「治療予定表」や「入院予約証明書」を取得済みか?



  • [ ] 7. 【医療滞在】高額な自由診療費と滞在費の全額を賄える絶対的な資金力(残高証明書、国際医療保険等)を客観的な書類で証明できるか?



  • [ ] 8. 【医療滞在】滞在の目的は「当初申告した病気・ケガの治療」のみであり、別疾患の治療への目的外スライドを企図していないか?



  • [ ] 9. 【医療滞在/付添人】付添人はあくまで「世話」目的であり、日本滞在中に収入を伴う事業や報酬を受ける活動(就労)を一切行わないと誓約できるか?



  • [ ] 10. 【共通事項】提出書類全体を通して、日付の矛盾やわずかな記載漏れ・不備がないか、提出前に専門家のダブルチェックを受けているか?



🌟 はじめに



日本の急速な少子高齢化に伴い、医療・介護の現場における人材確保は国家的な喫緊の課題となっています。同時に、日本の高度な医療技術を求めて来日する外国人患者の数も年々増加しており、医療の国際化はかつてないスピードで進展しています。


こうした社会情勢を背景に、出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づく在留資格「特定活動」は、時代に即した極めて重要な役割を担っています。


本書は、その中でも特に実務上の重要性が高い「EPA(経済連携協定)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受入れ(告示第16号〜第24号、第27号〜第31号)」と、「医療滞在とその付添人(告示第25号・第26号)」に焦点を当てた専門的かつ実践的なガイドブックです。


法律の専門用語や複雑な要件を可能な限り平易な言葉で紐解き、2026年現在の最新法令や実務上の審査基準に基づいた「生きた知識」を解説します。医療・介護施設の採用担当者様、行政書士などの法務専門家、そして日本でのキャリアや治療を目指す外国人の方々をサポートするすべての方にとって、本書が確かな羅針盤となることを願っています。




「※特定活動ビザの最新の法令や入管の基本方針については、必ず【出入国在留管理庁公式ウェブサイト】の最新情報も併せてご確認ください。」



🏥 第1章 EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者の受入れ




日本の介護福祉士によるEPA外国人候補者への厳格かつ丁寧な業務監督と指導風景
EPAの趣旨は「人材育成」です。有資格者による直接監督体制が絶対条件となります。


本章では、日本が二国間の経済連携協定(EPA)に基づき受け入れている、インドネシア、フィリピン、ベトナムからの看護師および介護福祉士候補者に関する制度を解説します。



📌 第1節 EPA受入れ制度の全体像と「厳格な運用」の絶対原則



各国の詳細を見る前に、まずは制度全体に共通する最も重要な大前提を理解しておく必要があります。告示第16号から第31号に規定されるEPA枠での受入れは、単なる労働力の確保ではなく、「二国間の国家間合意(条約等)に基づく特例的な枠組み」です。


そのため、出入国在留管理庁の審査においては、一般的な就労ビザ以上に極めて厳格な運用がなされています。



  • 💡 書類の完全性の追求


    わずかな記載漏れや不備が、即座に不許可につながる可能性があります。



  • 💡 適切な研修計画の立案


    単なる労働力として扱うことは許されず、「国家試験に合格するための教育的配慮」が組み込まれた具体的な計画が必要です。



  • ⚠️ 有資格者による「絶対的な監督」


    安全性と教育的配慮の観点から、「日本の看護師の監督下」または「日本の介護福祉士の監督下」での業務であることが義務付けられており、この条件に対する一切の妥協は許されません。



「💡 【実務上の重要ポイント】 日本におけるEPA看護師・介護福祉士候補者の受入れ手続きは、政府指定の唯一の調整機関である【公益社団法人 国際厚生事業団(JICWELS)】が一元して統括しています。具体的な求人の申し込み、研修計画の策定ガイドライン、各種説明会の日程などの最新の必須情報は、必ずJICWELSの公式ウェブサイトをご確認ください。」


厚生労働省で『EPA 看護師 介護福祉士 受入れ』と検索して最新の政策方針をご確認ください」





出入国在留管理庁へ提出するEPA受入れに関する厳格な審査書類と研修計画書
わずな書類の不備や矛盾が、即座に「不許可」という最悪の結果を招きます。


第2節 インドネシアからの候補者受入れ(第16号〜第19号)



インドネシアは、日本がEPA制度で最初に受入れを開始した国です。



第16号:看護師候補者



日本とインドネシアとの協定に基づき通報された者が、日本の「看護師免許(保健師助産師看護師法第7条第3項)」を取得することを最大の目的とする活動です。



  • 具体的な活動内容


    指定された研修機関で必要な知識を習得する活動、または、指定された病院等との雇用契約に基づき、「研修」の一環として業務に従事する活動です。



  • 実務上のポイント


    必ず日本の有資格者である「看護師」の直接的な監督下で業務を行わなければならず、単独で医療行為を行うことは法律(保助看法)により固く禁じられています。



第17号:介護福祉士候補者



日本の「介護福祉士」国家資格の取得を目的とする活動です。



  • 要件


    日本の公私の機関(施設等)に受け入れられて知識を修得する活動、または指定された機関との雇用契約に基づき、指定施設内で日本の「介護福祉士」の監督下で研修として業務に従事します。



第18号・第19号:家族の同居(キャリア継続の支援)



厳しい国家試験を突破し、すでに日本の看護師免許や介護福祉士資格を取得して業務に従事しているインドネシア人スタッフの配偶者や子を対象とした在留資格です。



  • 要件と意義


    対象者と同居し、かつ扶養を受けることが条件です。資格取得という高いハードルを越えた優秀な人材が、家族と離れ離れになることなく、日本で長期的なキャリアを継続・形成できるようにするための重要な定住支援策となっています。



第3節 フィリピンからの候補者受入れ(第20号〜第24号)



フィリピンからの受入れも基本的な枠組みはインドネシアと同様ですが、介護福祉士候補者において「養成施設(学校)へ通学するルート」が明確に制度化されている点が大きな特徴です。



第20号:看護師候補者



フィリピンとの実施取極に基づき、看護師免許の取得を目指します。インドネシア同様、公私の機関での知識修得、または雇用契約に基づく研修(看護師の監督下での業務)が必須となります。



第21号:介護福祉士候補者(施設研修型)



実務経験を積みながら国家試験を目指す、従来型のルートです。指定された施設と雇用契約を結び、日本の介護福祉士の監督下で研修としての業務に従事します。



第22号:介護福祉士候補者(養成施設型)



【フィリピン固有の特徴】



文部科学大臣、厚生労働大臣、または都道府県知事が指定した「介護福祉士養成施設(専門学校や短期大学など)」において、必要な知識と技能を修得するためのルートです。働きながらではなく、まずは学生として専門教育に専念できる環境が整えられています。



第23号・第24号:家族の同居



フィリピン人の有資格者(看護師・介護福祉士として活躍する者)の扶養を受ける配偶者や子が対象です。要件はインドネシア(第18・19号)と同様です。



第4節 ベトナムからの候補者受入れ(第27号〜第31号)



ベトナムは、2012年の二国間書簡交換に基づき、EPA制度に後発で加わりました。基本的な立て付けはフィリピンと同様であり、「施設研修ルート」と「養成施設ルート」の双方が用意されています。



第27号:看護師候補者



ベトナム交換公文に基づき、看護師免許取得を目指します。公私の機関での知識修得、または雇用契約に基づく指定施設での研修(日本の看護師による監督下での業務)が条件です。



第28号・第29号:介護福祉士候補者



  • 第28号(施設研修型)


    公私の機関に受け入れられて知識を修得する活動、または雇用契約に基づき、日本の介護福祉士の監督下で研修業務を行う形態です。



  • 第29号(養成施設型)


    指定された介護福祉士養成施設(学校等)に入学し、資格取得に必要な知識と技能を専業で修得する活動です。



第30号・第31号:家族の同居



同様に、資格取得後のベトナム人スタッフの扶養を受ける配偶者や子が対象となります。



【参考】EPA3か国の受入れルート比較表


国名

看護師候補者

介護福祉士候補者(施設研修型)

介護福祉士候補者(養成施設型)

家族帯同(資格取得後)

インドネシア

第16号

第17号

(規定なし)

第18号・第19号

フィリピン

第20号

第21号

第22号

第23号・第24号

ベトナム

第27号

第28号

第29号

第30号・第31号



EPA看護師・介護福祉士受入れ国。インドネシア・フィリピン・ベトナムのイメージ画像
国ごとに「養成施設型」の有無など制度の立て付けが異なるため、正確なルート把握が不可欠です。

✈️ 第2章 人道的貢献と医療の国際化「医療滞在」(第25号・第26号)



日本の高度な先進医療や長期リハビリを目的とする外国人患者の医療滞在ビザ
人道目的であっても、入管の審査では「相当期間の入院」と客観的な治療計画が厳格に問われます。


本章では、EPAとは異なり、日本の高度な医療を必要とする外国人患者と、そのサポートを行う付添人のための「医療滞在」について解説します。


※第25号・第26号は、入管法告示の順番としてはフィリピンとベトナムの間に位置していますが、本書ではテーマの性質上、独立した章として詳解します。



🩺 第1節 医療滞在(第25号)の概要と要件



第25号:入院・医療を受ける活動



日本の病院や診療所に「相当期間」入院して、疾病や傷害の治療を受ける活動、およびその入院前後の継続的な治療活動を指します。



  • 要件とポイント


    単なる一時的な通院や、観光のついでに行う健康診断(人間ドックなど)は対象外です。「相当期間の入院」を伴うことが絶対的な前提となります。

    なお、美容整形などの自由診療であっても、医療機関が作成した治療計画書に基づき、医学的に入院が必要と認められれば対象となり得ます。



  • 「相当期間」の解釈


    実務上、「短期滞在」ビザ(最大90日)の範囲内では対応や完治が困難な、長期の治療、手術、リハビリテーションなどを想定しています。



  • 活動範囲の柔軟性(治療の連続性)


    入院している期間だけでなく、手術前の事前検査(入院前)や、退院後の経過観察・リハビリ(入院後)についても、「同じ疾病や傷害に関わるもの」であれば、一連の活動範囲として認められます。



【具体例による解説】



  • 事例A


    高度な外科手術と長期リハビリテーション


    母国では対応が困難な難病を抱える外国人が、日本の大学病院で心臓外科手術を受けるケース。


    手術前の1週間の外来検査」+「1か月の入院・手術」+「その後の3か月にわたる通院リハビリ」といったスケジュールは、すべて一つの連続した治療行為として第25号の対象として認められます。



  • 事例B:先進的ながん治療


    特定の医療機関に入院し、最先端の放射線治療や化学療法を受けるケース。


    1回あたりの入院が数日間と短期間であっても、治療計画上、それを複数回繰り返す必要があり、トータルの滞在が長期間に及ぶ場合は、その前後の通院期間も含めて包括的に「医療滞在」として指定されます。



🤝 第2節 医療滞在者の付添人(第26号)



患者が安心して異国での治療に専念できるよう、サポート役に対する在留資格も用意されています。



第26号:医療滞在者の付添人



第25号(患者本人)の在留資格を持っている人と共に日本に滞在し、その方の身の回りの世

話をすることを目的とする活動です。



  • 「日常生活上の世話」の範囲


    食事の準備、洗濯、日用品の買い出し、病院への送迎、入院手続きのサポート、医療スタッフとの通訳補助など、入院中から退院後の日本生活を支えるあらゆるサポートが含まれます。通常、患者の配偶者、親族、または信頼できる知人がこの役割を担います。



  • ⚠️ 【厳格な禁止事項】就労の絶対禁止


    付添人はあくまで「世話」を行うためのボランティア的な位置づけです。日本国内で収入を伴う事業を運営することや、報酬を受ける活動(アルバイト等)は一切禁止されています。「日本で働きながら、その給料を患者の治療費に充てる」といったことは法的に認められません。



📝 第3節 医療滞在ビザ申請における実務上の最重要ポイント



医療滞在ビザ(第25号・第26号)を円滑に取得・更新するためには、実務上、以下の3つのポイントを完璧にクリアする必要があります。



1. 医療機関の「受入証明」の重要性



「📌 医療滞在ビザの発給要件や、外国人患者受入医療機関(身元保証機関)の公式リストに関する最新情報は、【外務省:医療滞在ビザ】の公式ページにて確認することが、手続きを円滑に進めるための必須条件となります。」


公式電話番号03-5501-8000(代表)、03-5501-8431(ビザ・インフォメーションセンター)


告示には「入院し...医療を受ける」と明記されています。これを客観的に証明するためには、受入先の病院(2026年現在、外国人患者受入医療機関認証制度:JMIPなどの認証を受けている病院が望ましい)が作成した「治療予定表(治療計画書)」や「入院予約証明書」が不可欠です。



「いつからいつまで入院するのか」「どのような治療を行うのか」「通院期間はどの程度か」という正確で具体的なスケジュールが、審査における最大の鍵となります。



2. 厳格な「資金証明」(告示外の重要実務要件)



医療滞在においては、高額な医療費(日本の公的医療保険は適用されず、全額実費または民間保険利用となります)と、患者および付添人の長期滞在費を十分に賄えるだけの「絶対的な資金力」があることを証明しなければなりません。


富裕層向けの観光ビザ(告示第40号)のように「預貯金3,000万円以上」といった明確な基準額が法令に明記されているわけではありません。しかし、付添人(第26号)が日本で働くことができない以上、自国の銀行の残高証明書、国際的な民間医療保険の付保証明、自国政府からの資金援助証明などを提出し、経済的基盤が盤石であることを入管当局に納得させる必要があります。



3. 「医療滞在」の連続性と目的外滞在の禁止



第25号は、「入院の前後に継続して医療を受ける」という規定により、治療実態に即した非常に柔軟な運用が可能です。しかし、これはあくまで「当初の目的である同じ病気やケガの治療」に限られます。


「心臓の治療が終わったから、ついでに別の疾患の治療も受けて滞在を延長しよう」といった、当初の治療計画と無関係な別疾病へのスライド延長は、原則として認められず、帰国が促される点に十分留意してください。



EPA看護・介護人材と医療滞在のためのToDoリスト



特定活動ビザ取得に向けたEPA施設担当者および外国人患者が実行すべきToDoリスト
申請前の事前準備が明暗を分けます。リストに沿って不備のない体制を整えましょう。


1. 【EPA受入】日本の有資格者(看護師・介護福祉士)による常勤・直接監督体制の構築



EPA(経済連携協定)の候補者を受け入れる施設は、単なるシフト要員として扱うのではなく、必ず日本の「看護師」または「介護福祉士」の有資格者が直接監督できるシフト体制を構築してください。審査においては、監督者の常勤性や配置人数のバランスが厳格に見られます。この体制が名目上のものだと判断された場合、安全性と教育的配慮の欠如を理由に即座に不許可となりますので、事前に勤務表(シフト表)の見直しと整備を徹底してください。



2. 【EPA受入】国家試験合格を目的とした「具体的かつ書面化された教育・研修計画」の策定



EPAの趣旨は「国家間合意に基づく人材育成」です。そのため、受け入れ機関は、候補者が国家試験に合格するための具体的なロードマップ(学習時間枠の確保、日本語教育のサポート、模擬試験の実施など)を明記した研修計画書を作成しなければなりません。日々の業務と学習のバランスが法令基準を満たしているか、実務経験としてカウントされる業務内容になっているかなど、入管や厚生労働省のガイドラインに沿って綿密に策定・書面化を行ってください。



3. 【EPA家族帯同】資格取得後の家族呼び寄せに向けた「同居と扶養の客観的証明」の準備



厳しい国家試験を突破したEPAスタッフが家族(配偶者や子)を母国から呼ぶ(第18号等)場合、「同居すること」と「日本で経済的に扶養できること」の2点が絶対条件となります。2022年の成年年齢引き下げ(18歳)により、18歳以上の子を扶養家族として呼ぶハードルは上がっている点に留意してください。申請前に、十分な広さのある住居の賃貸借契約書の確保、および直近の課税証明書・納税証明書による「安定した継続的収入」の客観的証明を確実に準備してください。



4. 【EPA家族帯同】過去に遡った公的義務(税金・年金・健康保険)の完全履行の確認



家族の在留資格申請において近年最も審査が厳しいのが、申請人(呼ぶ側の外国人スタッフ)の公的義務の履行状況です。住民税、国民健康保険、国民年金(または厚生年金)について、現在だけでなく過去に遡って滞納や未納がないか、給与明細や年金記録で入念に確認してください。もし未納や納付遅れがある場合は、速やかに全額を納付し、その領収書を保管した上で、遅延した理由と今後の再発防止策をまとめた理由書を提出する準備が必要です。



5. 【医療滞在】受入先医療機関からの「治療予定表」および「入院予約証明書」の取得



医療滞在ビザ(第25号)は「相当期間の入院」が大前提です。まずは、外国人患者受入医療機関認証制度(JMIP)等の認証を受けた日本の医療機関と連携し、「いつからいつまで入院するのか」「通院・リハビリの期間はどの程度か」が詳細に記された治療予定表(治療計画書)を必ず発行してもらってください。この書類が入管当局に対する最大の「受入証明」となるため、単なる口約束やメールのやり取りではなく、病院印の押印された公式な証明書を入手することが手続きの第一歩となります。



6. 【医療滞在】公的保険適用外の全額実費を賄う「絶対的な資金力」の客観的証明



医療滞在では日本の公的医療保険(健保・国保)は適用されず、高額な自由診療となります。そのため、「医療費の全額」と「患者・付添人の長期滞在費」を確実に支払える能力の証明が必須です。自国の銀行が発行する十分な額の残高証明書、国際的な民間医療保険の付保証明書、または自国政府からの資金援助を証明する公文書などをご用意ください。審査官に「日本で生活困窮や医療費未払いになるリスクが一切ない」と確信させるレベルの盤石な資料が必要です。



7. 【医療滞在/付添人】付添人の「完全なる非就労」と「身の回りの世話」への専念の誓約



患者に同行する付添人(第26号)は、あくまで食事の準備、洗濯、病院への送迎、通訳補助などの「ボランティア的な世話」に活動が限定されています。日本国内でのアルバイトや事業運営など、報酬を得る活動は法律で固く禁止されています。申請においては、付添人自身が日本国内で一切の就労活動を行わない旨の誓約書を作成するとともに、付添人が働かなくても滞在中の生活費が完全に賄えることを、前述の資金証明とセットで論理的に説明できるようにしてください。



 【FAQ よくあるご質問】



特定活動ビザに関する入管業務の専門家(行政書士)へのよくあるご質問と回答
ネット上の古い情報や独自の解釈に頼らず、最新法令に基づく専門家の回答を参考にしてください。


📌 Q1. EPA枠で介護福祉士候補者を受け入れる場合、どのような監督体制が必要ですか?



A. EPA(経済連携協定)による受け入れでは、安全性と教育的配慮の観点から、必ず日本の有資格者である「介護福祉士」の直接的な監督下で業務を行う必要があります。


人手不足だからといって、シフトの都合で無資格者のパート職員に監督を任せたり、候補者単独で夜勤や身体介護を行わせることは一切認められません。この絶対条件に違反した場合、在留資格の取消しや今後の受け入れ停止といった致命的なペナルティに直結します。



📌 Q2. フィリピンからの介護福祉士候補者受け入れには、他国と異なる特別なルートがありますか?



A. はい、フィリピンおよびベトナムからの受け入れには、インドネシアと同様の「施設研修型」に加え、文部科学大臣や厚生労働大臣が指定した専門学校等に通う「養成施設型(第22号・第29号)」のルートが明記されています。


この制度により、候補者は最初から現場の労働力として組み込まれるのではなく、まずは学生として日本の介護福祉士の専門教育に専念し、着実に知識と技能を修得できる環境が保障されています。



📌 Q3. EPA看護師が国家試験に合格した後、母国から家族を呼ぶことは可能ですか?



A. 可能です。


厳しい国家試験を突破し、有資格者として業務に従事している優秀な人材には、定住支援策として配偶者や子を対象とした在留資格(第18号・19号など)の取得が認められます。ただし許可の絶対条件として、「日本で同居すること」および「十分な収入で経済的に扶養できること」が厳格に審査されます。別居状態や、収入に見合わない人数の家族を呼ぶことは認められません。



📌 Q4. 医療滞在ビザ(第25号)は、日本の高度な医療機器を使った健康診断(人間ドック)でも申請できますか?



A. いいえ、申請できません。


医療滞在ビザは、あくまで「相当期間の入院」を伴う医学的治療を大前提としています。単なる一時的な通院や、観光のついでに行う健康診断(人間ドック等)は対象外となります。そうした短期的な検診目的の場合は、医療機関の受入証明書を取得した上で、通常の「短期滞在(最大90日)」ビザの範囲内で対応することになります。



📌 Q5. 医療滞在ビザに必要な「資金証明」とは、具体的にいくら以上の預金が必要ですか?



A. 富裕層向け観光ビザ(第40号)のように「預貯金3,000万円以上」といった法令上の明確な基準額はありません。


しかし、日本の公的医療保険が一切使えないため、「受入先病院が提示する治療予定額の全額」+「患者および付添人の日本での全滞在費」を確実に賄えるだけの絶対的な資金力が必要です。自国の銀行の残高証明書、国際的な民間医療保険の付保証明、自国政府からの援助証明書などを客観的な証拠として提出し、入管当局を納得させる必要があります。



📌 Q6. 心臓外科手術で医療滞在ビザを取得し来日しました。滞在期間中に別の病気(眼科疾患など)の治療も受けることはできますか?



A. 原則として認められません。


第25号の規定する柔軟な活動範囲は、あくまで「同じ疾病や傷害(当初申告した病気やケガ)」の治療やリハビリに関するものに限られます。例えば、心臓の治療が無事に終わった後に「せっかく日本にいるのだから」と当初の治療計画とは全く無関係な別の疾患の治療へとスライドして滞在を延長することは、「目的外滞在」とみなされ帰国を促される可能性が高くなります。



📌 Q7. 医療滞在患者の付添人(第26号)は、空き時間を利用して日本でアルバイトをし、治療費の足しにすることは可能ですか?



A. 絶対に不可能です。


付添人(第26号)の在留資格は、患者の身の回りの「世話」を行うためのボランティア的な位置づけに厳格に限定されています。日本国内で収入を伴う事業を運営したり、アルバイト等で報酬を得たりする「就労活動」は入管法により一切禁止されています。少しでも働いたことが発覚した場合、不法就労として退去強制(強制送還)の対象となり、患者本人の治療継続すら危ぶまれる事態となります。



🎯 おわりに(まとめ)



本書で解説したように、EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者の受入れ(第16号〜第31号)は、単なる労働力不足の解消ではなく、国家間合意に基づく「人材育成と専門性の担保」を大前提としています。適切な監督体制と教育計画の立案が、受け入れ施設には強く求められます。


一方で、医療滞在(第25号・第26号)は、日本の高度医療を世界に提供する人道的・国際的貢献の要です。しかし、そこには綿密な治療計画と確固たる資金証明という、極めてシビアな実務上のハードルが存在します。


2026年現在、入管法令の運用はより緻密かつ厳格になっています。制度の背景にある「目的」を深く理解し、法令に則った正確な手続きを遂行することが、結果として日本社会、受入機関、そして外国人本人のすべての利益につながるのです。本書がその一助となれば幸いです。



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