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書類の不備を「実態」で証明する。養子縁組不能な連れ子の救済【告示外定住】

  • 4 時間前
  • 読了時間: 19分

国際結婚の現場において、実務家が最も頭を悩ませ、かつ法務大臣の裁量権に深く切り込む必要があるのが、本国法の壁によって「法定の書類」を揃えられないケースです。


特にフィリピンやタイ、中南米諸国などにおいて、離婚制度が存在しなかったり、離婚後も共同親権の維持のために行方不明の親(例えば実父)の同意が得られず、法的な「単独親権」や「普通養子縁組」が成立しない連れ子(配偶者の子供)の呼び寄せは、形式審査である「在留資格認定証明書(いわゆる呼び寄せビザ・COE)」申請では原則として要件未充足とみなされ、不交付(不許可)となるリスクが極めて高いのが現実です。


【目次】










■ 第1章 なぜ「法定の書類」が揃えられないのか?(本国法の壁)



日本の法律の感覚では「離婚して母親が引き取ったのだから、母親の単独親権になるのが当然だろう」と考えがちですが、世界(特にカトリック圏や家族法が厳格な国)の常識は全く異なります。実務で頻出する国々の「残酷な法制度」の現実を見ていきます。



フィリピンの絶望的な壁(離婚制度の不在と厳格な出国規制)



ィリピンには、世界で唯一(バチカン市国を除き)「離婚制度」自体が存在しません。

婚姻外で生まれた子供(非嫡出子)は原則として母親の単独親権ですが、もし一度でも結婚して生まれた子供である場合、両親は永遠に「共同親権」を持ち続けます。


日本の夫がこの連れ子と「養子縁組」をしようとしたり、子供を日本へ呼び寄せるための出国許可(DSWD Clearance)を得ようとした場合、「元夫(実父)の署名入り同意書」が絶対条件として要求されます。


「10年前に蒸発して今はどこにいるか分からない」と訴えても、フィリピンの役所は「見つけてサインをもらってくるまで手続きは一切進めない」と門前払いします。


裁判で無効化の手続き(Annulment)等をするにも、数百万の費用と数年〜10年近い歳月がかかり、事実上「書類の取得は不可能」となります。



中南米諸国(ブラジル・ペルー等)の壁(共同親権の原則)



中南米諸国の多くは、離婚後も「共同親権」が維持されるのが原則です。母親が子供を連れて海外(日本)へ移住したり、日本の夫と養子縁組を行う場合、必ず「実父の同意」または「裁判所による実父の親権喪失の判決書」が必要になります。


実父が行方不明の場合、現地の家庭裁判所で「失踪宣告」や「親権剥奪」の裁判を起こさなければなりませんが、これらの国の司法制度は極めて手続きが遅く、書類(判決書)を手にするまでに子供が成人(18歳)を迎えてしまうという時間切れのリスクが常につきまといます。特に18歳の誕生日を迎えた瞬間に告示該当性を完全に失うため、この壁は絶対的です。



タイの壁(親権の所在の曖昧さ)



タイでは離婚は比較的容易ですが、離婚証明書等に「どちらが親権(監護権)を持つか」が明確に記載されていないケースが多々あります(Por Kor 14等の公証書類の不備)。


この場合、後から役所で単独親権の証明書を出してもらおうとしても、やはり「元夫を呼んできてください」と言われ、手続きが暗礁に乗り上げます。


このように、「行方不明の親」が存在する限り、現地の法律が子供を身動きとれない状態に縛り付け、日本側が求める「単独親権を証明する公的な書類」や「養子縁組の証明書」は物理的に発行されないのです。



■ 第2章 なぜ「COE申請(呼び寄せビザ)」ではダメなのか?



本国の法律で書類が出ないことは分かりました。では、なぜその事情を説明しても、COE申請(海外からの直接呼び寄せ)では出入国在留管理局(入管)は許可を出してくれないのでしょうか。


ここには、入管行政における「在留資格認定証明書」(COE)という手続きの法的性質と、審査構造の限界があります。



1.「在留資格認定証明書」(いわゆる呼び寄せビザ・COE)は「客観的な書面(ペーパー)」に依存する審査である



「在留資格認定証明書」(COE)交付申請の際、対象となる子供は「海外」にいます。日本の入管の審査官は、子供本人やその生活環境を直接見ることができません。したがって、審査は提出された「客観的な公的書類(紙)」に大きく依存します。


日本側がいくら理由書で「実父は行方不明で、私たちが実質的に育てています」と情に訴えても、それを裏付ける本国政府発行の「単独親権を証明する書類」や「養子縁組証明書」がなければ、審査官は「この親族には子供を日本に連れてきて適法に監護する権限があるとは認められない」と判断せざるを得ません。



「形式要件の充足」が絶対である



「在留資格認定証明書」(COE)申請は、上陸基準(定住者告示など)に「適合しているか否か」を機械的に判定する事前審査です。


「親権がない(証明できない)=扶養要件を満たさない」となれば、審査官の個人的な感情に関わらず、システム上「要件未充足(立証不足)」として不許可(不交付)処分を下すのがルールです。


「書類はないけど特別に認めてあげよう」という裁量は、通常、一人の審査官レベルでは行使できません。



「海外にいる状態」では人道的な裁量が働きにくい



入管法における「法務大臣の特例的な裁量(やむを得ない特別の事情)」は、主に「すでに日本国内にいる外国人」に対して発動されます。


「この人を今すぐ本国に強制送還すれば、命の危険がある、あるいは家族が完全に崩壊する」といった切迫した状況があるからです。


しかし「在留資格認定証明書」(COE)申請の場合、子供は「現在、本国で(祖父母などと)暮らしている」状態です。


「書類が揃わないなら、今まで通り本国で暮らしながら、時間をかけて裁判をする等して書類を揃えてから出直してください」と言われてしまい、人道的な特例を引っ張り出すための「切迫感」が入管に響かないのです。



■ 第3章 人道上の救済「短期滞在からの変更」と「真実の親子関係」の立証


だからこそ、人道上の救済を求めて「短期滞在からの変更」という道を選択します。

このような状況では、「在留資格認定証明書」(COE)交付申請という土俵で戦えば、書類の欠如を理由に極めて高い確率で不許可(敗北)となることを熟知しています。


だからこそ、入管の「書面審査の限界」を突破するために、対象者を一度【短期滞在】で日本に入国させ、「子供という最大の証拠を審査官の目の前に連れてくる」のです。



▽手続きの全体フロー図


【連れ子呼び寄せの裏ワザ的フロー】

[1. 海外] 本国法の壁で「呼び寄せビザ(COE)」の取得が絶望的に…
   ↓
[2. 入国] 【短期滞在(90日)ビザ】でまずは日本へ入国(純粋な親族訪問目的)
   ↓
[3. 滞在] 日本での生活を経て「事後的な事情変更(帰国させられない事情)」が発生
   ↓
[4. 申請] 出入国在留管理局(入管)へ【定住者】への「在留資格変更許可申請」を提出
   ↓
[5. 許可] 法務大臣の裁量により、日本での定住・監護が認められる!

日本国内に呼び寄せた後、「在留資格変更許可申請」という別の土俵に乗せることで、初めて「形式的な書類の有無」ではなく、「現に日本でこの子を愛し、育てているという圧倒的な実態」と「今この子を追い返せば人道上の問題が起きるという切迫感」をもって、法務大臣の特例的な裁量を引き出す(勝ち取る)ことができる可能性が大きくなるのです。



※要件未充足のため「短期滞在からの変更」。来日させ監護の実態を証明



日本の入管法における「定住者告示第6号(ロ・ハ・ニ等:連れ子)」の要件は、以下の3点です。


  • 定住者の配偶者の実子であること。


  • 未成年(18歳未満)かつ未婚であること。


  • 扶養を受けること(親権者による監護養育)。


「在留資格認定証明書」(COE)交付申請(海外からの呼び寄せ)の場合、入管は「公的な書類(判決書や戸籍)」のみによって親権や扶養関係を判断します。


「行方不明で判決が取れない」という事情は、形式審査の場では通りません。 したがって、ここでは「短期滞在」で入国させた後の「在留資格変更許可申請」という背水の陣を選択します。


ここでは、書類の有無よりも「現在、目の前で誰がこの子を育てているのか」という監護の実態が最優先して審査されるからです。



実務上の重要要件:立証すべき「真実の親子関係」



書類の不備をカバーするために、以下の3つの要素(柱①~柱③)を「省略なく、かつ多角的に」立証しなければなりません。



「監護の継続性」:昨日今日始まった縁ではないこと



日本の夫(継父)が、再婚当初から本国の子供に対して一貫して父親としての役割を果たしてきたことを証明します。


入国管理局の審査官を納得させるには、「愛しています」「育てています」という抽象的な言葉ではなく、「誰が見ても親として振る舞っているとしか思えない、数年単位の客観的証拠の山」を構築しなければなりません。


法定の親権や養子縁組という「書類」が存在しない以上、日本の夫(継父)が、再婚当初(あるいは交際期間中)から本国の子供に対して一貫して「事実上の父親」としての役割を果たしてきたことを、客観的な証拠で証明しなければなりません。


実務上、この証明は大きく「経済的監護(扶養の事実)」と「精神的監護(親としての交流と指導)」、そして「第三者の客観的証明」の3つの柱から構築します。



【柱①】経済的監護の立証:生計の依存を証明する



「扶養している」という事実を証明する最強の証拠は、継続的な送金記録です。単に「お金を送った」だけでなく、「父親として子供のために支出した」ことを明確にする必要があります。


  • 海外送金記録(過去数年分すべて):銀行、Western Union、SBIレミットなどの送金明細書。


  • 子供の生活・教育に関わる領収書:本国の学校の学費の領収書、病院の診断書と医療費の領収書など。


  • 【追加の強力な立証】日本の夫の税法上の扶養控除:日本の夫の年末調整や確定申告において、本国の連れ子を「国外居住親族」として既に扶養控除に入れている事実は、日本の公的機関(税務署)が扶養関係を認めている証左となり、非常に強力な武器となります。



※ 【実務上極めて重要な注意点(名義の罠)】



入管審査において最も痛恨のミスとなるのが、「送金者名義が『妻(子供の実母)』になっているケース」です。妻がパート代から送金している記録を出しても、「母親が自分の子に送金しているだけ」と見なされ、「日本の夫(継父)が扶養している」という証明にはなりません。


実務上の正解は、「日本の夫名義」から「本国の実際の監護者(祖父母等)」へ毎月定額を送金している記録を提出することです。


もし、諸事情で妻名義で送金していた場合は、夫の給与口座から妻の口座へ生活費が移動している通帳の履歴等を併せて提出し、「夫婦の共有財産(夫の稼ぎ)から子供を養っている」という資金の流れを完璧に証明する追加立証が不可欠となります。



【柱②】精神的監護の立証:親としての役割を証明する



お金だけを送る「単なるスポンサー」ではなく、日々子供の成長を見守り、悩みを聞き、時には叱る「父親」であることを証明します。


  • 通信アプリの通話・チャット履歴:過去数年分の中から、定期的にやり取りしている部分を抜粋してスクリーンショットを撮ります。


  • 渡航履歴と家族写真のアルバム:夫のパスポートのスタンプ(本国への渡航記録)と、その際に撮った写真。子供の誕生日、入学式、クリスマスなど、家族の節目を共に祝っている証拠。




【実務上極めて重要な立証の極意(内容の選定と翻訳)】



ャット履歴を提出する際、「元気?」「元気だよ」といった単なる挨拶の羅列では不十分です。ここでは、膨大な履歴の中から以下のような「監護性(親としての指導・教育)」が強く表れている会話を抽出し、完璧な日本語訳を添付します。


  • 子供が夫を「お父さん(Papa, Daddy等)」と呼んでいる会話。


  • 学校の成績や進路について相談に乗り、夫がアドバイスをしている会話。


  • 病気の時に心配して薬を飲むよう指示している会話。


  • 生活態度について夫が注意(小言)を言っている会話。



【柱③】第三者の客観的証明:周囲から「親子」と認識されていること



当事者(夫と子供)のやり取りだけでなく、第三者から見ても「この子には日本の父親がいる」と認識されていることが、立証の信用性を爆発的に高めます。


  • 本国の学校の成績表や教師からの手紙:日本の夫が、オンラインで本国の学校の三者面談に参加している事実や、成績表を日本の夫宛てで共有されている事実の証明。


  • 本国の親族・近隣住民からの宣誓供述書(Affidavit):現地の祖父母や町内会長などに、「〇年前から日本の〇〇氏が父親として生活費を負担し、毎日ビデオ通話をしてこの子を育てている」という内容の陳述書を書いてもらい、現地の公証役場等で公証した上で提出します。



「証拠のオーケストレーション」



法定の書類がないケースにおいて、入管は「疑いの目」をもって審査にあたります。「本当にこの人が育ててきたのか?」「ただ日本に呼びたいから都合の良い記録を作ったのではないか?」と。


送金記録やLINEの履歴の数年分の膨大な資料を時系列順に並べ替え、見やすいインデックスを付け、入管の審査官が「これだけ継続して愛情と資金を注ぎ込んできたのなら、法的な書類がなくとも、この日本人は間違いなくこの子の『父親』である」と結論付けざるを得ない「反論不可能な立証ストーリー」へと組み上げることです。


数年間にわたる経済的・精神的支えの継続。これを一文字の隙もなく証明し尽くすことこそが、「短期滞在からの告示外定住への変更」という最難関ルートを切り開く、最大の鍵となります。



■ 第4章 「帰還不能性」:本国に帰せば児童虐待・放置に繋がること



実務上、入国管理局は「日本の方が生活環境や教育水準が良いから」という理由では絶対に在留資格を認めません。法務大臣の特例的な裁量を引き出すには、「もしこの短期滞在の期限が切れて本国に帰されれば、この子は事実上の孤児となり、生存や健全な育成が著しく脅かされる」という、後戻りできない崖っぷちの状況(帰還不能性)を客観的証拠で突きつける必要があります。


現在、「短期滞在」で日本に呼び寄せているこの子を本国へ帰国させた場合、「誰がこの子の面倒を見るのか」。入管の審査官は必ずこの点を追及します。


ここでは、「本国にはこの子を適切に保護・監護できる大人が地球上に一人も存在しない」という【監護の空白】を、客観的な証拠をもって完全に証明しなければなりません。


立証のターゲットは、大きく分けて「①実父の不在」と「②これまで世話をしてきた親族(祖父母等)の限界」の2つです。



【ターゲット①】実父の完全なる不在・監護不能の立証



「法定の書類が出ない」原因となっている実父が、現在子供を育てられる状態にない(あるいは育てる意思が全くない)ことを証明します。


  • 警察の行方不明届の受理証明書:現地警察に失踪届が出されている場合の公的証明。


  • 現地親族や近隣住民の宣誓供述書(Affidavit):「実父は姿を消し、どこにいるか誰も知らない」という事実の公証書。


  • 実父が判明しているが監護不能な場合:刑務所への収監証明書、重度の疾患を示す医療記録、あるいは実父自身による公証入りの同意書(育児放棄の証明)。



【ターゲット②】代理監護者(祖父母など)の限界・保護の終了の立証



本国で母親(日本の妻)に代わって子供の世話をしていた祖父母や親戚が、「もはやこれ以上、この子を預かることは物理的に不可能である」という事実を証明します。


  • 死亡診断書(Death Certificate):祖父母がすでに他界している場合の強力な証拠。


  • 医師の診断書(Medical Certificate):自身の生活すらままならず、未成年の子供を監護養育する能力が失われていることを示す診断書。


  • 親族からの「引取拒絶」の宣誓供述書(Affidavit):本国に叔父や叔母がいる場合、彼らに「この子を引き取って育てる余裕は一切ない」と宣誓させます。



【実務上の極めて重要なタブーと落とし穴】



帰還不能性を主張する際、実務家とご家族が絶対に陥ってはならない「2つのタブー」が存在します。


【タブー①】「日本の教育を受けさせたい」という主張(教育移住の禁止)


「本国の治安が悪い」「日本の方が学校のレベルが高い」と理由書に書いてしまうと、入管はこれを「単なる自己都合」とみなし不許可にします。主張すべきは「ネグレクトの危機」です。


【タブー②】対象者の「年齢」による自立可能性の指摘


対象者が17歳〜18歳に近い場合、入管から「もうすぐ成人だから一人で生きていけるだろう」と反論されるリスクがあります。「日本の親からの送金に100%依存してきた完全な被扶養者であり、精神的にも未成熟である」と論理的に強調します。



「児童の権利に関する条約」を盾とする理由書の構築



<「理由書」記載内容の具体例>



「本国における保護者が完全に消滅した今、この子を本国へ強制的に帰還させることは、日本も批准する『児童の権利に関する条約』が保障する『児童の最善の利益』を国家自らが破壊する行為に他ならない。現在、日本で実質的な親として愛情と経済的支援を注ぎ続けている日本人継父の元で監護を継続させることこそが、唯一の人道的な解決策である。」



■ 第5章 「法的不能の証明」:努力しても書類が取れないこと



法務大臣の特例的な裁量を引き出すには、「日本の常識や努力ではどうにもならない、外国の法律という巨大な壁によって、書類の取得が客観的かつ物理的に不可能である」という事実を、入管がぐうの音も出ないレベルの証拠で立証するのです。



【第一証拠】現地弁護士による「法律意見書(Legal Opinion)」



「現地の法律では無理なのです」と素人がいくら熱弁しても、入管は信用しません。現地の法律の専門家(弁護士資格を持つ者)が作成した公式な意見書が必須です。「本国の法律第〇条によれば…実父は行方不明であり同意の取得は物理的に不可能である」と、具体的な法的適用と結論を明記させ、公証役場で認証を受けます。



【第二証拠】「捜索を尽くした」ことの客観的証明



「探したけれど見つからない」という言葉を客観的証拠で固めます。



  • 現地警察への行方不明届(Missing Person Report)


  • 現地新聞への「尋ね人」の公告(Newspaper Publication):現地の新聞広告欄に掲載した事実が極めて強力な証拠になります。


  • 現地自治体からの証明書:「居住実態も連絡先も一切不明である」という役場の証明。



【第三証拠】公的機関からの「不受理証明」や「却下決定書」



  • 裁判所からの却下通知:実際に養子縁組等の申し立てを行い、却下された決定書。


  • 現地児童福祉機関(フィリピンのDSWD等)からの拒絶レター


※【実務上の致命的なタブー:「時間とお金」を言い訳にすること】


「弁護士費用に100万円かかり、判決まで5年待たされるため現実的ではありません」と主張すると、入管は「お金と時間は個人的都合に過ぎない。5年かけて裁判を終わらせてから再度申請しなさい」と一刀両断します。


時間的制約を主張する場合は、「対象者は現在17歳であり、判決が出る頃にはすでに成人(18歳以上)に達し、法的手続き自体が無効となる」と、「年齢の壁」と直結させて構成します。



■ 第6章 実務上の絶対必要書類リストと完全手続きフロー



法定書類が存在しないという「形式的な絶望」を、圧倒的な「監護の事実」で覆す。これこそが、国際結婚家庭を救う実務家の真骨頂です。


ここでは、対象者を在留資格【短期滞在】で入国させ、日本国内で告示外【定住者】へと在留資格を変更するための【絶対必要書類リスト】と、失敗が許されない【手続きフロー】について見ていきます。



▽フェーズ①:短期滞在(査証)申請時の必要書類



大使館に対し、「純粋な親族訪問である」と納得してもらい、まずは日本への上陸を勝ち取ります。

書類名

目的・実務上の注意点

招へい理由書・滞在予定表

当初の目的が「定住」だと査証は発給されません。あくまで「純粋な親族訪問」とし、90日間を埋め尽くす合理的なスケジュール(文化体験、親族交流など)を構築します。

課税証明書・納税証明書

日本の夫の十分な年収を証明し、不法就労の懸念を払拭します。

預金残高証明書

90日間の滞在費証明。実務上は「150万〜200万円以上」の流動資産が推奨されます。

民間海外旅行保険の付保証明

90日間をカバーする保険。「日本政府に医療費等の負担をかけない」姿勢を示す非常に強力な疎明資料となります。



▽ フェーズ②:告示外定住(変更許可)申請時の「死の組」書類



無事に入国を果たした直後、今度は法務省(入管)を舞台に「書類の壁」を破壊します。

立証カテゴリー

書類名

具体例・実務の極意

【1】経済的扶養

海外送金記録(過去2〜3年分)

必ず「日本の夫名義」から本国の受取人へ継続送金した明細。妻名義の送金は扶養の証明になりません。

【1】経済的扶養

学費・医療費の領収書

備考欄に「Paid by 〇〇(日本の夫の名前)」と記載された請求書等。

【2】精神的交流

通信記録・ビデオ通話履歴

月1〜2回程度、親としての指導(小言や相談)が如実に表れている会話の抜粋と日本語訳。

【2】精神的交流

家族写真のアルバム

過去の渡航時やオンラインで誕生日を祝う様子など、成長を見守ってきた記録。

【3】現地法・人的環境

現地弁護士の意見書

「実父の同意がない限り、親権変更は法的に不可能」である旨の公証入り見解書。

【3】現地法・人的環境

本国親族の宣誓供述書

祖父母等から「私自身が高齢でこれ以上育てることは不可能である」という公証書。

【4】特別の事情

理由書(最大の法廷闘争)

事後的な事情変更(入国後に判明した帰国させられない事情)と、帰還不能性を訴える論陣。



【重要:現地出国の壁と「実母の同伴」の必須性】



ビザが取得できても、フィリピン等では未成年者が単独や祖父母と出国する場合、DSWDクリアランス(実父の同意)が求められ出国を止められるトラブルが多発しています。


この壁を合法的に突破するためには、「実母(日本の夫の妻)が現地へ一時帰国し、子供に同伴して日本へ出国する」というプロセスが実務上必須となります。



入国から変更申請までの「絶妙なタイミング」



無事に「90日」の短期滞在ビザを勝ち取り、子供が日本へ入国したとします。入管へ変更申請に向かうタイミングは、早すぎても遅すぎても「不許可」や「オーバーステイ(不法滞在)」のリスクがあります。


【実務の大正解】は、入国後「2〜4週間目(約1ヶ月前後)」です。しばらくは滞在予定表の通りに親族訪問を行わせ、日本社会の空気に慣れた絶妙なタイミングで、「日本で過ごす中で、今この子を帰国させることは児童福祉に著しく反すると決断した」という事後的な事情変更の理由書を完成させ、満を持して入管へ向かいます。



法律上のデッドライン:「特例期間」の罠と30日の壁



短期滞在の期間は必ず「90日」を取得しなければなりません。「15日」や「30日」で入国して変更申請を行うと、入管法上の「特例期間(審査中は適法に滞在できる救済ルール)」が適用されず、審査結果が出る前に在留期限が切れ、不法滞在者(オーバーステイ)となってしまうからです。



日本での住環境「受入基盤」の整備と教育委員会への根回し



入管の「数ヶ月で本国に帰るのではないか?」という疑念を払拭するため、個室の確保(勉強机やベッドを配置した写真の提出)や、市町村の教育委員会(学務課等)へ直接出向いて編入手続きや日本語サポートの事前協議を行います。教育委員会との「面談記録票」を理由書に添付し、「許可が出れば明日からでも学校に通える完璧な受け入れ体制」を証明します。



入管窓口での振る舞い:「原則不可」の壁をこじ開ける



短期滞在からの変更申請を出そうとすると、受付の職員はマニュアル通りに「一度帰国してCOEを取ってください」と難色を示します。


ここでは怯むことなく、「入管法第20条第3項に基づく『やむを得ない特別の事情』による特例的な変更申請です。本国法の壁によりCOEの手続きが不可能である証拠はすべて揃えています」と毅然と主張し、正式な受理番号を勝ち取ります。


審査期間中は、いつ家庭訪問があっても「真実の家族の姿」を見せられるよう、ご家族の生活をサポートし続けます。



当事務所は、その良心に従い、誠意をもって、依頼者に寄り添って問題を解決させて頂くことをモットーとしております。そのため、お客様に帰責事由がない限り、不許可の場合には成功報酬はいただかない(無料とする)方針をとっております(※翻訳代や現地弁護士との折衝実費等の初期費用・着手金のみ頂戴いたします)。もちろん相談などは無料となっておりますので、何なりとおっしゃってくださいませ。


■ お問い合わせ(無料相談)


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