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山本行政書士事務所

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【国際相続の基本】通則法第36条とは?準拠法の決まり方から法務局・銀行の手続きと全必要書類まで徹底解説!

23 時間前
読了時間: 16分

国際化が進む現代において、外国籍の方が日本で亡くなられた場合や、日本国籍の方が海外に多額の財産を残して亡くなられた場合の「国際相続」は、私たちの身近に起こり得る極めて重大な法的課題です。


いざ国際相続が発生した際、「具体的にどこの国の法律が適用され、どのような書類を揃えなければならないのか」という原則と実務手順を正しく理解していなければ、遺産分割の手続きが完全に停止し、残されたご家族の人生を根底から左右する深刻なトラブルに発展する危険性があります。


日本の「法の適用に関する通則法」では、このような複雑な国際的な相続関係を規律し、法的な混乱を防ぐための絶対的なルールを定めています。


本記事では、国際相続の基礎となる「通則法第36条(相続)」の規定内容から、実際の法務局や金融機関で求められるすべての法的手続きと全必要書類に至るまで、最新の法令に基づき解説いたします。上から下まで順にお読みいただくことで、国際相続の全体像と取るべき行動が確実にご理解いただけます。


国際相続と通則法を象徴する地球儀と法律書のイメージ
国際相続の準拠法は「法の適用に関する通則法」によって決定されます。

◆ 目次








✅ 【全体要約】本記事の重要な3つのポイント


■ 【1. 国際相続の準拠法は「被相続人の本国法」に絶対決定される】

国際的な相続において、どの国の法律を適用して手続きを進めるかという問題に対し、日本の通則法第36条は「被相続人(亡くなられた方)の国籍がある国の法律(本国法)」を適用することを厳格に定めています。財産が置かれている場所や、残された相続人の国籍には一切左右されず、この本国法のみが絶対的な基準としてすべての相続手続きに適用されます。


■ 【2. 日本は財産の種類や所在地を問わない「相続統一主義」を採用】

日本が採用する「相続統一主義」の原則により、対象となる遺産が不動産(土地、建物)であっても動産(預金、現金、宝石、有価証券)であっても、国内外のどこにあるかを問わず、すべての財産に対して一括して被相続人の本国法が適用されます。適用される法律が複数に分かれることによる法的な矛盾や手続きの大混乱を完全に排除する仕組みです。


■ 【3. 手続きには本国の「身分関係公文書」と「日本語翻訳文」が必須】

日本の法律(民法)が適用されないため、日本の戸籍謄本だけで相続人を証明することはできません。遺産を分割するためには、亡くなられた方の本国政府が発行する公的な死亡証明書や出生証明書、本国に戸籍制度がない場合は領事館が認証した宣誓供述書、およびすべての外国語公文書に対する署名入りの日本語翻訳文を完全に揃える必要があります。


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📜 通則法第36条(相続)の基本概要と法的性質


相続とは、亡くなられた個人の財産関係および一切の権利義務を包括的に承継させる極めて重要な法制度です。国によって相続に関するルールや考え方は大きく異なりますが、日本の「法の適用に関する通則法(通則法)」においては、国際相続の基本原則として「相続統一主義」という明確な立場をとっています。


【日本の通則法における条文規定】


第三十六条 相続は、被相続人の本国法による。

この条文が意味することは、日本において国際相続の手続きを行う場合、日本の裁判所、法務局、金融機関においては、被相続人(亡くなられた方)が亡くなった時点で有していた国籍の国の法律(本国法)を絶対的な基準として相続を規律するということです。


⚠️ 現場のリアルな声


「日本に長年住んでいたから日本の法律で相続できると思い込み、日本のルールで遺産分割協議書を作成したものの、法務局や銀行の窓口で本国法の適用が必須であると指摘され、すべての書類作成と親族間の協議が最初からやり直しになるケースが実務上、存在していることも事実です。



⚖️ 第36条が規定する「相続統一主義」の仕組みと対象範囲


不動産と動産を一括して扱う相続統一主義の概念図
 日本は財産の種類に関わらず、被相続人の本国法を一律に適用する「相続統一主義」を採用しています。

通則法第36条は、相続に関して発生するすべての法律関係について、一律に「被相続人の本国法」を適用すると定めています。この包括的な適用ルールのことを「相続統一主義」と呼びます。


✅ 本国法が一律に適用される具体的な法律関係の全範囲


相続統一主義の下では、以下のすべての項目について、日本の法律ではなく被相続人の本国法が厳格に適用されます。


  • 法定相続人の範囲の確定(誰が正当な法定相続人となるのか)


  • 法定相続分の決定(各相続人が受け取る遺産の割合はどうなるのか)


  • 寄与分の算定(被相続人の財産の維持や増加に特別の貢献をした者の取り分はあるか)


  • 遺留分の保障割合(一定の法定相続人に最低限保障されている遺産の取得割合はあるか)


  • 相続の承認および放棄(相続財産を引き継ぐか、あるいは拒否するかの手続きとその期限)


✅ 「相続統一主義」における財産の取り扱い


遺産の種類が不動産(土地、建物)であっても、動産(預金、現金、宝石、有価証券)であっても、財産の種類や現在の所在場所に関わらず、亡くなられた方の国籍がある国の法律を一括して適用する考え方です。日本は法的な混乱や複雑化を避けるために、この統一的な主義を明確に採用しています。


⚠️ 【注意】諸外国が採用する「相続分割主義」との決定的な違い


これに対し、アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリアの国々(英米法系の国家)は、財産の種類によって適用する法律をバラバラにする「相続分割主義」をとっています。日本とは全く異なる仕組みであるため、これらの国籍が関わる場合は強い注意が必要です。


採用している主義

対象となる財産

適用される法律の絶対基準

該当する主な国家

相続統一主義

すべての不動産および動産

被相続人(亡くなられた方)の本国法

日本、韓国、ドイツ、フランス

相続分割主義

不動産(土地、建物)

その不動産が存在する場所の法律(所在地法)

アメリカ、イギリス、オーストラリア

相続分割主義

動産(預金、現金、有価証券)

亡くなられた方の最後の住所地の法律(住所地法)

アメリカ、イギリス、オーストラリア


👉 あなたのご家族のケースで適用される本国法のルール(誰が相続人になり、割合はどうなるか)が分からず強いご不安を感じていませんか?判断や書類の準備を誤るとトラブルに発展する可能性があります。まずは専門家へ確実な状況確認をご依頼することをお勧めいたします。



アメリカやイギリスが採用する相続分割主義のイメージ
 米英などが採用する「相続分割主義」では、財産の種類によって適用される法律が異なります。

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💡 【具体例】日本に居住するフランス国籍の方が亡くなられたケース


法律の規定をより明確にイメージしていただくために、通則法第36条が適用される具体的な事例を解説いたします。


✅ 【事例の前提条件】


  • 被相続人:フランス国籍の男性(Aさん)


  • 居住状況:日本で長期間にわたり生活の拠点を置いている


  • 遺産の内容:東京都内に所有する自宅マンション(不動産)、および日本の銀行口座にある多額の預金(動産)


✅ 【通則法第36条に基づく法的な結論】


このケースにおいて、通則法第36条の規定により、適用される準拠法はフランス法(Aさんの本国法)となります。フランスも日本と同じく「相続統一主義」を採用しているため、すべての財産にフランス法が適用されます。


たとえ生活の拠点が日本であり、すべての遺産が日本国内に存在していたとしても、日本の法律が適用されるわけではありません。誰が正当な相続人になり、誰がどれだけの割合で遺産を受け取る権利があるのかという決定は、すべて日本法ではなくフランス法によって厳格に決まることになります。


日本に居住するフランス国籍の被相続人の相続事例イメージ
日本に住み、日本の財産を残した場合でも、通則法第36条によりフランス法が適用されます。

📂 国際相続における実務上の全法的手続きと全必要書類


日本の通則法第36条により適用される法律が決定した後、実際に日本の法務局(不動産登記)や金融機関(預貯金払戻し)で遺産を受け取るためには、以下のすべての手続きと書類を一切の漏れなく完了させる必要があります。


✅ 実行すべき具体的な法的手続きの5段階全手順


  1. 法定相続人と本国法の特定調査

    被相続人の国籍国を特定し、その国の相続法の内容を正確に調査する


  2. 本国政府機関からの身分関係公文書の取得と翻訳

    本国の役所から出生・婚姻・死亡に関する公的な証明書を取り寄せ、日本語へ翻訳する


  3. 遺産分割協議の実施と遺産分割協議書の作

    本国法の法定相続分を基準として、相続人全員で遺産の分け方を確定し、署名する


  4. 法務局における不動産の相続登記

    日本の管轄法務局へ所有権移転登記を申請する


  5. 金融機関における預貯金の口座解約および払戻し手続き

    日本の各銀行窓口へ必要書類を提出し、預金を指定口座へ移管する


✅ 提出が義務付けられる全必要書類リスト


実務上、日本の機関へ提出しなければならない書類は以下の通りです。一つでも欠けると手続きは受理されない可能性があります。


  1. 被相続人の死亡を完全に証明する公的な死亡証明書

    本国政府または日本の市区町村が発行したもの


  2. 被相続人の出生から死亡までの親族関係を完全に証明する公文書

    本国政府発行の出生証明書、婚姻証明書、家族関係証明書


  3. 相続人を特定する宣誓供述書

    本国に戸籍制度が存在しない場合、本国領事館または公証人が認証した宣誓供述書が必須


  4. 法定相続人全員の現在の身分証明書

    有効期限内のパスポート、または本国政府発行のIDカード


  5. 法定相続人全員のサイン証明書(署名証明書)、または印鑑登録証明書

    日本に住民登録がある場合のみ印鑑証明書を使用


  6. 被相続人の本国法の内容を証明する資料

    本国法の相続規定の条文コピー、および現地の弁護士が作成した法律意見書


  7. 提出するすべての外国語公文書に対する、翻訳者の署名入り日本語翻訳文


  8. 法定相続人全員が合意し署名した遺産分割協議書


⚠️ 現場のリアルな声


「本国から取り寄せた公文書の日本語翻訳文に翻訳者の署名が抜けていただけで、銀行の相続センターから書類一式を返戻され、払戻しが数ヶ月遅延する事態もあり得ます。書類の要件は極めて厳格に進めていくことが重要となります。」


国際相続の手続きに必須となる身分関係公文書と日本語翻訳文
日本での法務局・銀行手続きには、本国政府発行の公文書と署名入り日本語翻訳文が必須です。


📝 事前準備と要件確認チェックリスト(全9項目)


国際相続の手続きを安全かつ確実に進めるための確認事項です。推測を交えず、事実のみを確認してください。


✅ 被相続人(亡くなられた方)の国籍がある国がどこであるかを公的な身分証から正確に明確にしているか


✅ 日本の通則法第36条による「相続統一主義」の適用対象となる事案であるかを確認しているか


✅ 誰が正当な法定相続人となるのかを「被相続人の本国法」の条文で確認する準備ができているか


✅ 各相続人の法定相続分がどうなるかを「被相続人の本国法」の条文で確認する準備ができているか


✅ 寄与分および遺留分の取り扱いについて「被相続人の本国法」に制度が存在するかを確認する準備ができているか


✅ 相続の承認および放棄のルールと期限について「被相続人の本国法」で確認する準備ができているか


✅ 遺産に含まれるすべての不動産(土地、建物)および動産(預金、現金、宝石、有価証券)の所在を把握しているか


✅ アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリアの「相続分割主義」が適用される可能性がないかを完全に検証しているか


✅ 本国に戸籍制度(家族関係を一覧で証明する制度)が存在するか否かを把握しているか


手続き漏れを防ぐための国際相続の事前準備チェックリスト
 法律の専門家にご相談いただく前に、まずはお手元の事実と状況をチェックリストで整理しましょう。


📝 行動と手順用ToDoリスト(全9項目)


実際の法的手続きを滞りなく進めるための行動手順です。順番を飛ばすことなく、確実に実行してください。


  • 被相続人(亡くなられた方)の国籍がある国を公的な情報から正確に特定する


  • 日本の「法の適用に関する通則法第36条」に基づき、適用される法律(準拠法)を決定する


  • 被相続人の本国政府機関から、出生から死亡までの親族関係を証明するすべての公文書(または宣誓供述書)を取得する


  • 取得したすべての外国語公文書に対する日本語翻訳文を作成し、翻訳者の署名をおこなう


  • 被相続人の本国法に基づき、法定相続人となるすべての者を漏れなく特定する


  • 被相続人の本国法に基づき、各相続人が受け取る遺産の割合(法定相続分)を計算し、遺産分割協議書を作成する


  • 相続人全員のサイン証明書(署名証明書)を領事館または公証人役場で取得する ■ 遺産に含まれるすべての不動産および動産の種類と所在場所を特定し、財産目録を作成する


  • 管轄の法務局への不動産相続登記、および各金融機関での預貯金払戻し手続きを実行する



❓ 厳選FAQ:通則法第36条(相続)に関するよくある質問


Q1: 日本に長年住んでいた外国籍の親が亡くなりました。日本の法律で相続手続きを進めることは可能ですか?


日本の通則法第36条により、適用される法律は被相続人の本国法に絶対決定されます。したがって、日本にどれだけ長く住んでいても、日本の法律を選択して手続きを進めることは不可能です。必ず国籍がある国の法律に従って遺産分割を行う必要があります。


Q2: 遺産が日本国内の不動産と預金のみの場合でも、外国の法律が適用されるのですか?


日本は「相続統一主義」を採用しているため、すべての財産に被相続人の本国法が適用されます。遺産が日本国内の不動産(土地、建物)や動産(預金、現金、有価証券)のみであっても、日本の法律ではなく、亡くなられた方の国籍がある国の法律が適用されます。


Q3: 相続分割主義を採用している国(アメリカ、イギリス)の国籍を持つ人が亡くなった場合、どうなりますか?


アメリカ合衆国やイギリスは「相続分割主義」を採用しています。この場合、不動産(土地、建物)にはその不動産が存在する場所の法律が適用され、動産(預金、現金、有価証券)には亡くなられた方の最後の住所地の法律が別々に適用されることになります。


Q4: 日本の戸籍謄本のように親族関係を証明する書類が本国にない場合、どうすればよいですか?


欧米諸国など戸籍制度が存在しない国の場合、本国の領事館の領事、または本国の公証人の面前で親族関係を陳述し、認証を受けた「宣誓供述書」を作成する必要があります。この宣誓供述書が、日本の金融機関や法務局において戸籍謄本の代わりとなる公文書として扱われます。


Q5: 外国語で書かれた身分証明書や公文書は、そのまま日本の法務局や銀行に提出できますか?


外国語で記載された公文書は、いかなる書類であってもそのまま提出することはできません。必ず提出するすべての外国語公文書に対して日本語翻訳文を作成し、翻訳者が翻訳年月日を記載したうえで署名をおこなったものをセットにして提出する必要があります。


Q6: 相続人の範囲や法定相続分は、日本の民法のルールで計算してもよいですか?


法定相続人の範囲および法定相続分の割合についても、日本の法律で計算することは絶対にできません。被相続人の本国法が適用されるため、亡くなられた方の国籍がある国の法律に規定されている範囲と割合に厳格に従って遺産を分割し、協議書を作成する必要があります。


Q7: 相続の放棄の手続きは、日本の家庭裁判所で行うのですか?


相続財産を引き継ぐか拒否するかを決定する相続の放棄の手続きについても、完全に被相続人の本国法が適用されます。日本の家庭裁判所での手続き(3ヶ月以内)が適用されるとは限らず、手続きの方式や期限は国によって全く異なるため、必ず亡くなられた方の国籍がある国の法律に従って進める必要があります。



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【公式ホームページの提示】


日本政府公式ウェブサイトのURLを提示します。


  1. e-Gov法令検索:法の適用に関する通則法(平成十八年法律第七十八号) ※第36条(相続の準拠法)の原典です。


  2. 法務省(MOJ)公式ウェブサイト トップページ

    ※法務局における相続登記(不動産登記法に基づく手続き)、および民事局が管轄する通則法の運用に関する一次情報元です。


  3. 外務省(MOFA)公式ウェブサイト トップページ ※戸籍制度のない国の「宣誓供述書」に関する領事認証や、海外発行の公文書の取り扱いに関する一次情報元です。


  4. 裁判所(Courts in Japan)公式ウェブサイト トップページ

    ※相続放棄や遺産分割調停における、国際裁判管轄および外国法の適用に関する実務上の一次情報元です。






 
 
 

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