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山本行政書士事務所

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日本人の方から「遺言」で外国籍の方に財産を残す場合の「在留資格」などに関する注意点。

  • 18 時間前
  • 読了時間: 15分

大切な外国籍のパートナーやご家族へ財産を遺すことは、国境を越えた、ご縁に対する深い愛情表現です。しかし、日本の厳格な入管法や税金のルールを誤解したままでは、将来的にビザ(在留資格)の更新や永住権の維持において致命的なトラブルに発展する危険性があります。


この記事では、遺言で財産を受け取る外国籍の方が絶対に知っておくべき「在留資格と生活インフラの防衛策」を具体的に解説します。大切なご家族が日本で末長く安心して暮らせるよう、ぜひ最後までお読みいただき、将来の不安を安心に変えていきましょう。


外国籍の家族に財産を遺す際のビザ維持や永住権取消しに対する防衛策
国境を越えたご縁に対する深い愛情表現を、確実な法的手続きで「安心」に変えましょう。

外国籍の方に「遺言」で財産を残す場合「在留資格」などに関する注意点【3つの結論】


✅ 結論1:生活基盤の維持と「税金・社会保険」の支払いは日本滞在の絶対条件。


遺言で収益不動産などの財産を受け取った場合、翌年の住民税や保険料が急増する可能性があります。税金が払えず在留資格の更新に悪影響が出ないよう、財産と共に「納税資金」を準備するなどの実践的な対策が不可欠です。


✅ 結論2:「財産をもらう=働ける・住める」ではない。


ビザ(在留資格)の厳格な管理を 遺産を受け取っても、自動的に永住権や就労ビザが得られるわけではありません。「資格外活動許可」の取得や「経営・管理」ビザへの変更など、ご自身の活動内容に合わせた適切な在留資格の管理が日本滞在の命綱となります。


✅ 結論3:2027年施行の新たな壁。


「税金滞納による永住許可取消し」のリスクに備える 2024年の法改正により、2027年4月からは故意に税金や社会保険料を支払わないと永住権が取り消される厳格な制度が始まります。死後の納税を正しく導く「遺言執行者」を指定し、ご家族を法令違反から守る体制づくりが重要です。


【あなたは該当する?】外国籍の方に「遺言」で財産を残す場合の10項目チェックリスト


日本での在留資格(ビザ)を守り抜き、遺贈された財産を活用しながら平穏に暮らすための10のチェックポイントです。ご自身(またはご家族)の状況と照らし合わせて確認してみましょう。


  1. 住民登録の義務:引越しなどで住所が変わった際、14日以内に市区町村の窓口で「住民登録(住所変更)」を正しく届け出ていますか。


  2. 公租公課の完全履行:国民年金、国民健康保険、住民税など、各種税金や社会保険料に未納・滞納は一切ありませんか。


  3. 納税資金の確保:遺贈(特に不動産)を受けたことで急増する翌年の税金や保険料に対して、支払うための「現金(納税資金)」の準備はできていますか。


  4. 資格外活動許可の取得:「留学」や「家族滞在」のビザでアルバイト等を行う場合、事前に出入国在留管理庁で「資格外活動許可」を取得していますか。


  5. 就労時間の上限厳守:資格外活動における就労時間は、原則として「週28時間以内」という入管法のルールを厳守していますか。


  6. 風俗営業の絶対禁止:キャバクラ、パチンコ店、麻雀店など、法律で禁止されている「風俗営業関連」の職場で働いていませんか(清掃や厨房業務も禁止されています)。


  7. 適正なビザへの変更(事業引継ぎ):アパート経営や会社の経営権を引き継いだ場合、速やかに「経営・管理」ビザ等、活動内容に適合した在留資格へ変更していますか。


  8. 配偶者死後の速やかな対応:日本人配偶者が亡くなった場合、死後「6ヶ月以内」に「定住者」等への在留資格変更手続きを行う準備・認識はありますか。


  9. 最新法令への適応と防衛策:税金滞納による「永住許可取消し(2024年法改正・2027年施行)」のリスクを理解し、遺言執行者の指定など死後のサポート体制を整えていますか。


  10. 将来の要件を満たす実績作り:将来の「永住」や「定住」の許可要件として重視される、家族との同居・扶養の実績や、日本のルール(法律・公的義務)を守る姿勢を証明できますか。


外国人受遺者を守る入管法と生活基盤の防衛策 の【目次】

















ここからは、財産を受け取る側(受遺者)が外国籍の方である場合に絶対に知っておかなければならない、入管法および生活基盤に関する法律知識について解説します。


第1章:生活基盤に関する法的権利と義務(生活インフラへの影響)


外国籍のパートナーや親族へ財産を「遺贈」する、あるいは日本に在留する外国人が遺言を遺す場合、遺言手続きと同時に、日本国内における「生活基盤の維持と公租公課の義務」について完璧に把握しておく必要があります。


1. 住民登録と適正な届出義務


日本国内に中長期在留する外国人は、住居地を定めてから14日以内に、市区町村の窓口において住民登録(住民票の作成)を行う義務があります。遺言書保管制度の変更届出において住所を変更する際も、この住民登録のデータと完全に一致していなければ、死後の通知が正常に届かない原因となります。


2. 公租公課(税金・社会保険)の支払い義務


遺言で不動産を受け取った場合の税金増加と預貯金仮払い制度(民法第909条の2)が使えないリスク
 収益不動産の相続による税金の急増や口座凍結に備え、あらかじめ遺言に納税資金を組み込むことが不可欠です。

日本で暮らす以上、国民健康保険や国民年金への加入、および住民税の納税は完全な義務です。


💡 【具体例:財産をもらったことで税金が跳ね上がる罠】


遺言によって「収益不動産(アパートなど)」を受け取った場合、相続税だけでなく、翌年以降の家賃収入によって所得が上がり、住民税の額や国民健康保険料の等級が跳ね上がります


実務上よくある悲劇が、名義人の死亡により銀行口座が凍結され、「不動産をもらったが、手元の現金が引き出せず保険料や税金が払えない」という事態です。これに陥らないよう、あらかじめ納税資金を遺言内に組み込んでおく(預貯金もセットで遺贈し、遺言執行者に速やかに解除してもらう)といった実務的な配慮が不可欠です。


※なぜ「150万円の仮払い制度」だけでは安心できないのか?


2019年7月に施行された、改正民法では「遺産分割前の預貯金の払戻し制度(上限150万円)」が創設されました。しかし、外国籍のパートナーや親族(受遺者)を守るという点では、以下の3つの致命的な落とし穴が存在します。


  1. 「法定相続人」以外は150万円を引き出せない


    事実婚の外国人パートナーなどは法定相続人ではなく「受遺者」となるため、この制度は法律上一切使えません。


  2. 150万円では「不動産がもたらす税金」に到底足りない


    収益不動産を引き継いだ場合、翌年の住民税等が数百万円単位で跳ね上がるケースもあり、上限額では税金の急増をカバーしきれません。


  3. 外国籍の方にとって「戸籍収集」のハードルが高すぎる


    日本の複雑な戸籍制度に不慣れな方が、金融機関へ提出するための戸籍謄本を完璧に集めきることは極めて困難です。


結論:だからこそ「遺言執行者」が必須になる


「仮払い制度があるから当面の現金は大丈夫」と安心するのではなく、「確実な納税資金の準備」と「専門家等を遺言執行者に指定して、死後速やかに全額の口座凍結を解除させること」をセットで手当てしておくことが、愛する人を確実に守る唯一の正解となります。


3. 子どもの公立学校への通学権利と教育環境


外国籍住民であっても、その扶養する子ども(学齢期)は、日本人と同様に地域の公立小・中学校へ就学させる権利が認められており、学費や教科書は無償です。遺言によって生活原資を確実に遺すことで、万が一のことがあっても子どもの教育環境と日本での生活インフラを継続して守ることができます。


第2章:関連する許認可や働き方のルール(在留資格と資格外活動)


遺言によって財産を譲り受けたとしても、それによって自動的に日本に永住できるわけではありません。受遺者が日本で暮らし、働くためには、適切な在留資格(ビザ)のコントロールが必要です。


1. 資格外活動許可の要件と手続き


留学や家族滞在のビザで就労するために必要な出入国在留管理庁での資格外活動許可の要件
「週28時間以内」の就労制限を守り、日本で適法に収入を得るためには資格外活動許可の取得が命綱となります。

受遺者が「留学」や「家族滞在」といった就労不可、または就労制限のある在留資格である場合、日本でアルバイト等の収入を得るためには「資格外活動許可」の取得が必要です。


  • 要件


    本来の在留資格の活動を妨げない範囲であること。風俗営業関連の職種でないこと。


  • 就労制限


    原則として週28時間以内。


  • フロー


    出入国在留管理庁へ「資格外活動許可申請書」を提出 ➡ 許可 ➡ 就労開始。


※資格外活動許可の申請書ダウンロードや最新の要件については、以下の出入国在留管理庁の公式サイトをご参照ください。



2. 相続・遺贈に伴う就労制限の注意点


⚠️ 【具体例:経営権の引き継ぎに関する注意】


経営者である遺言者から「会社の経営権(株式)」を遺贈された場合、留学生や家族滞在の受遺者がそのまま経営を主導することはできません。速やかに「経営・管理」ビザ等へ適正に変更しなければなりません。これを怠って経営報酬を得ると、不法就労のペナルティの対象となります。


第3章:絶対に破ってはならない鉄の掟とペナルティ(ありがちな罠)


日本の法律、および出入国管理法には、一切の言い訳が通用しない「鉄の掟」が存在します。


1. 絶対的禁止事項:不法就労と風俗営業の罠


  • 風俗営業の禁止


    資格外活動許可を得ている外国人であっても、キャバクラやパチンコ店などでの就労は一律に「絶対禁止」とされています。裏方である清掃・厨房業務であっても同罪です。


  • 不法就労の罠


    遺された不動産を管理し実質的な「事業」として家賃収入を得る行為が、本人の在留資格の許容範囲を超えている場合、不法就労とみなされる危険性があります。


2. 違反した場合の致命的な結果(退去強制と監獄罰)


入管法違反(不法就労や風俗営業関連での就労)による退去強制処分や監獄罰のペナルティ
 風俗営業の絶対禁止など入管法の鉄の掟を破ると、退去強制処分となり今後の日本での生活が奪われます。

これらの鉄の掟を破った場合、逮捕・起訴され刑事罰を科されるだけでなく、在留資格を取り消され、強制的に日本から退去させられる「退去強制処分(強制送還)」となります。


第4章:次のステップへ出口戦略と最新の壁(永住取消リスクと将来設計)


遺言が執行され、無事に財産が引き継がれた後の「次のステップ」こそが、長期的な人生設計において最も重要です。


1. 「配偶者に関する届出」と「身分系在留資格」への変更


日本人配偶者と死別した後の14日以内の入管への届出義務(入管法第19条の16第3号)と定住者へのビザ変更手続
 配偶者との死別後は速やかに14日以内に入管へ届出を行い、6ヶ月以内に新たな在留資格への変更を完了させましょう。

入管法により、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「家族滞在」の在留資格を持つ外国人は、配偶者と死別した場合、事由が発生した日から「14日以内」に出入国在留管理庁へ届出を行う法的義務があります。


「14日の期限」を過ぎてしまった場合の恐ろしいペナルティ 届出を怠った場合、20万円以下の罰金が科される可能性があるだけでなく、その後に「定住者」などへビザを変更する際、「入管法上の届出義務すら守れない人物」とみなされ、不許可の原因となる危険性があります。


💡【具体例:悲しみのあまり届出を忘れた悲劇】


日本人夫を亡くした外国籍妻が、お葬式や相続の手続きで手一杯になり入管への届出を知らないまま数ヶ月が経過しました。その後ビザの期限が近づき「定住者」への変更申請を出したところ、届出義務違反を指摘され、追加の理由書の提出を求められるなど、大きな負担を強いられることになりました。


【まとめ:正しい出口戦略のタイムライン】


  • 【STEP 1】死別の日から「14日以内」


    まずは速やかに、入管へ「配偶者に関する届出」を提出する。(電子届出システムが最も確実でスピーディです)


  • 【STEP 2】死別の日から「6ヶ月以内」


    遺言で引き継いだ財産を生活基盤の証明資料として準備し、「定住者」など別の在留資格への変更許可申請を行う。配偶者としての活動を6ヶ月以上行わない場合、在留資格の取消事由に該当するため、早急な対応が求められます。


※電子システムでの具体的な届出方法や指定様式については、出入国在留管理庁の公式ページにてお手続きが可能です。



2. 最新の法改正の壁:永住許可取消ルールの厳格化


2027年4月施行の税金滞納による永住許可取消リスクを防ぐための遺言執行者(行政書士等)のサポート
2027年施行の厳格な永住許可取消リスクを防ぐため、死後の行政・税務手続きを正確に導く遺言執行者の指定が最大の鍵となります。

2024年に成立した改正入管法により、2027年4月から「故意に公租公課(税金や社会保険料)の支払をしないこと」が永住許可の取消事由として適用されます。


⚠️ 【永住権を失う致命的なリスク】


多額の資産を遺された受遺者が、日本の税法に疎く相続税や固定資産税を滞納した場合、せっかく取得した「永住者」の権利が容赦なく取り消されるという致命的なリスクが存在します。


財産を遺す側は、死後の納税管理を行う「遺言執行者」(行政書士などの専門家)を指定し、受遺者が法令違反を犯さないための防衛策を講じておくことが最大の鍵となります。


※2027年4月1日より施行される永住許可の取消事由に関する法改正の全容については、以下の出入国在留管理庁の特設ページをご確認ください。



「外国籍の方に財産を残す注意点」 FAQの文章化


📌 Q1. 遺言で不動産をもらいましたが、税金はどうなりますか?


A. 翌年の住民税や国民健康保険料が数百万円単位で跳ね上がる可能性があります。


名義人の死亡による口座凍結で手元の現金が引き出せず、税金が払えずにビザ更新に致命的な影響が出ないよう、事前に遺言内で「納税資金(現金)」を確保しておくことが極めて重要です。


📌 Q2. 「150万円の預貯金仮払い制度」は外国人パートナーでも使えますか?


A. 事実婚など法律上の婚姻関係にない方は「法定相続人」ではないため、この民法の制度(第909条の2)は一切利用できません


当面の生活費や税金のために速やかに預金を引き出せるよう、必ず遺言執行者を指定しておくことが必須となります。


📌 Q3. 「留学」ビザのまま引き継いだアパートの家賃収入を得てもよいですか?


A. 本来の在留資格の許容範囲を超える規模での事業運営を行うと、不法就労とみなされる危険性があります。


実質的な経営・管理を行う場合は、速やかに出入国在留管理庁において「経営・管理」ビザ等へ適正に変更する必要があります。


📌 Q4. 資格外活動許可があれば、パチンコ店で清掃アルバイトをしてもよいですか?


A. 法律により、風俗営業関連の職場での就労は一律で絶対禁止されています。


店頭での接客業務だけでなく、清掃や厨房業務などの裏方であっても退去強制処分(強制送還)の対象となるため、絶対に避けてください。


📌 Q5. 日本人配偶者が亡くなった場合、役所の死亡届だけで足りますか?


A. 市区町村役場への死亡届とは全く別に、入管法により死後14日以内に出入国在留管理庁へ「配偶者に関する届出」を提出する厳格な法的義務があります。


これを怠ると罰則や不利益審査の対象となるため、電子届出システム等で速やかに手続きを行ってください。


📌 Q6. 日本人配偶者が亡くなった後、そのままのビザで日本に住み続けられますか?


A. 配偶者としての活動を6ヶ月以上行わない場合、在留資格の取消事由に該当してしまいます。


引き続き日本への定住を希望される場合は、遺産を生活基盤の証明資料とし、死後6ヶ月以内に「定住者」等への在留資格変更申請を行うのが実務上の定石です。


📌 Q7. 永住権を持っていれば、税金の支払いが遅れても問題ありませんか?


A. 2024年の入管法等改正により、2027年4月からは「故意に税金や社会保険料を支払わないこと」で永住許可が容赦なく取り消される厳格な新制度が始まります。公租公課の完全な履行は、今後日本で永住権を維持するための絶対条件となります。


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外国籍のご家族へ財産を遺す遺言書は、深い愛情のかたちです。しかし、日本の入管法や税金のルールを考慮しないと、将来ご遺族様がビザの更新や税金の支払いで大きな負担を強いられる危険性があります。


また、いざ相続が発生すると、口座凍結や入管への期限付きの届出など、煩雑な手続きが待ったなしで押し寄せます。大切な方を守るためには、生前の段階で納税資金を遺言に組み込み、死後の手続きに備えておく専門的な視点が不可欠です。


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